競輪学校物語

 109回生、110回生の入学式、試走記録会が行われました。109回生が50名、110回生20名が立派な競輪選手になるべく、厳しい訓練の日々が始まる。
 
入学式
 爽やかな青空が広がる平成27年5月8日(金)に109回生、110回生の入学式が行われた。滝澤正光学校長の式辞、石黒克巳JKA会長の訓辞、来賓による祝辞などのあと、生徒を代表し、清水一幸(徳島・28歳)と野口のぞみ(福島・31歳)が誓いの言葉を述べた。
 入学式のあとは、集合写真、昼の後、自転車の検車を行った。検車の際に自転車に生徒番号のプレートを取り付けられた。このプレートは卒業記念レース終了まで取り付けられることになる。

滝澤正光日本競輪学校長の式辞

石黒克巳JKA会長の訓示

新入生による誓いの言葉

109回生、110回生の集合写真
検車の模様
 
109回生、110回生試走記録会
 5月9日(土)に試走記録会の初日が行われ、午前中に200mFD、400mFD、午後に1000mTTを計測した。
 10日(日)には男子3000mTT、女子2000mTTの計測が行われた。
 2日間見ていた印象は、女子では藤巻絵里佳(福島・19歳)、土屋珠里(栃木・18歳)ら適性組が、男子では適性ではないが田頭寛之(京都・26歳)竹内翼(広島・23歳)と、自転車経験の浅い生徒が好成績を収めていて、今後に期待が高まりそうだ。
 また、まだ学校生活に慣れておらず実力を出し切れなかった生徒も多かったようで、これから生活にも慣れていけば、更にタイムが伸びていく生徒も多くいそうで、どのような生徒たちに化けていくか楽しみだ。
☆各種目上位生徒コメント☆

【109回生】
■200mFD 1位(タイム11秒38) ■400mFD 1位(タイム23秒11)
■1000mTT 2位(タイム1分9秒62)  
 
酒井拳蔵(大阪・19歳)
「200mFDと400mFDは、タイムは納得いってないですけど、全体の中で1位を取れたのでよかったと思います。自信はなかったけど、何かで1番になるという強い気持ちは持って臨みました。今回だけと言われないように、次の記録会でも1番を目指したいと思います。デビューしてからが勝負なので、そのためにこの1年を頑張ります!」
 
■1000mTT 1位(タイム1分9秒04)  
 
田頭寛之(京都・26歳)
「1000mTTは得意なので1位を目指して走りましたが1分8秒50を出せなかったのは自分に力がなかったので、目標として頑張らないといけないと思います。今の段階では足りませんが、課題を克服して、ゴールデンキャップを取れるように頑張りたいです。生まれも育ちも福岡で、25歳まで社会人で野球をやっていましたが、年齢的に諦めないといけなくて、2013年に野球を辞めました。それで2014年に、競輪選手になろうと思って京都の松本整さんのやっているクラブコングで適性試験のトレーニングを聞こうと思って行きましたら、そこで師匠の四宮哲郎さんにお会いして、バンクで乗ってみたらと言われて、それで技能試験で受けるチャンスを四宮さんにいただきました。選手になって、この恩を返したいです。こんな異色な僕ですけど、自転車という自分が得意なことに巡り合えたので、自分の能力を活かして、色々な人を幸せに出来たらと思います」
 
■3000mTT 1位(タイム3分53秒87)  
 
佐々木龍(神奈川・24歳)
「200mFD、400mFD、1000mTTがダメだったので、得意の3000mTTで、なんとか上位に入りたいと思っていました。タイムは全然よくなかったので、もっと練習したいと思います。タイムが出てないので何を言ってもなんですが、しっかり練習は父としてきたのですが、先週落車してしまって、自転車もそれで新車にしたばかりでわからなくなった部分があって、他人の自転車に乗っているような感覚でした。これから200mFDで11秒5は切って、400mFDで最低でも23秒5以内で、1000mTTで9秒を絶対に出すようにしたいです。まだまだ力不足なので学校中に、脚力はもちろんですが、選手になるための心構えをしっかり学んで、強くなりたいと思います」
 
■200mFD 2位(タイム11秒41) ■400mFD 3位(タイム23秒46)
竹内翼(広島・23歳)
「200mFDと400mFDは練習してきた成果が出ていると自分でも思いますが、1000mTTと3000mTTがちょっと…。333バンクは今回が2回目で、経験がない分ペース配分が掴めてなくて、こういう結果になったのかなと思います。自分はサッカーから競輪に転向したので、他競技から移ってきた大石崇晴(京都・22歳)君とか等に負けたくはないなと思っています。頑張らなくてはいけないし、広島は今、GIに出ている選手が1人か2人しかいないので、広島を盛り上げないといけないし、競輪界を頑張っていかないといけないので、自分が盛り上げていける選手の1人になりたいです」
 
■200mFD 3位(タイム11秒43)  
 
佐々木豪(愛媛・19歳)
「もっと自分のベストに近いタイムを出したかったですね。200mFDはもう少し早くて11秒3とか、400mFDはあまり計ったことないけど、1000mTTは1分10秒くらいは出ているので、もう少し上を出したかったですね。目標は、全ての競技等で9番以内に入っていきたいです!」
 
■400mFD 2位(タイム23秒38)  
 
木村幸希(広島・23歳)
「200mFDと400mFDはけっこうよかったけど、1000mTTと3000mTTが全然ダメだったので。(自分は)ダッシュタイプですね、ただ単に体力がないだけかもしれないですけど(苦笑)。200mFDと400mFDは得意なので1位を目指したいです。1000mTTと3000mTTは出来るだけ上位を目指したいと思います。目標は浅井康太選手みたいになりたいですね」
 
■3000mTT 2位(タイム3分54秒50)  
 
大石剣士(静岡・19歳)
「3000mTTの2位は、本当はトップを狙っていたので悔しいけど、最初の記録会で上位に入れたのは嬉しい気持ちもあります。200mFDと400mFDが悪かったので、次はそこも上位に入れるように頑張りたいです。脚質は地脚ですね。高校は伊豆総合です。中学の終わりくらいに競輪選手になりたいなと思ったけど、高校は別のところへ行こうと思いました。けど、サイクルスポーツセンターに遊びに来た時に伊豆総合高校に来ている外部のコーチの方にお会いして、そこで話を聞いて、本当は高校を卒業してから自転車を始めようと思っていましたが、それでは遅いということで、急遽、願書を出す2週間前に変えました。目標はトップで卒業したいです!」
 
■1000mTT 3位(タイム1分10秒38) ■3000mTT 3位(タイム3分55秒34)
高橋築(東京・23歳)
「思ったよりも全体的にタイムが出たのでよかったです。目標は、練習を常にやって、休まないようにして、競走訓練では常に前で勝負したいです。師匠は鈴木雄朗さんです。師匠からは『練習は休まないように』と言われました。デビューしてからも前で勝負出来る選手になりたいので、応援よろしくお願いします」
 
【110回生】
■200mFD 1位(タイム12秒74) ■400mFD 2位(タイム26秒26)
藤巻絵里佳(福島・19歳)
「200mFDと400mFDは自分の力を出せたと思いますが、1000mTTと2000mTTは走れてないので、長い距離も走れるようにトータルで全部出来るようになりたいと思いました。自転車は、本格的に始めたのは今年からです。高校の時に陸上をしていて、短距離が専門だったので、それもあって短距離が得意なのかもしれないですね」
 
■400mFD 1位(タイム25秒77) ■1000mTT 3位(タイム1分19秒07)
土屋珠里(栃木・18歳)
「200mFDが12秒台だったら白帽が取れていたので、それが悔しいです。全体的に見て、自分は自転車経験が少ないので、頑張れたかなと思います。本格的に乗り始めたのは2次試験が終わった後なので、昨年の11月くらいからですね。先行が出来る選手になりたいので、一つ一つ出し切るように頑張りたいです。これから競輪学校生活を、苦しい時もあると思いますが、強い選手になれるように頑張りますので、よろしくお願いします」
 
■1000mTT 1位(タイム1分18秒30) ■200mFD 3位(タイム12秒88)
■2000mTT 3位(タイム2分45秒93)  
 
鈴木奈央(静岡・18歳)
「自分はダッシュ力がないと自覚があるので、そこがこれからの課題です。200mFDも400mFDも初めて計測しましたが、200mFDが12秒8なのに400mFDが27秒はダメですね。競輪をやるにはダッシュ力は必要だと思うので、そこがこれからの課題です。全体的いいタイムは出てないけど、これを最低ラインに、これから練習して、ゴールデンキャップを目指したいと思います」
 
■2000mTT 1位(タイム2分45秒19) ■400mFD 3位(タイム26秒34)
■1000mTT 2位(タイム1分18秒64)  
 
林真奈美(福岡・29歳)
「その時、その時で全力で1番を目指したのですが、満足はいかないかなと思います。(2000mTTまで)1番が取れてなかったので、1つでも1位を取れたらいいなと思っていたので、それはよかったです。姉弟子の(小林)優香からゴールデンキャップを狙ってこいって言われましたが、ずっと彼女の強さを見ていたから、そこまで強くなれないかなという不安があったんですが、学校に来たからにはそこを目指して頑張りたいと思います」
 
■200mFD 2位(タイム12秒85)  
 
山本知佳(和歌山・23歳)
「もうちょっと出したかったですね。(200mFDで2位)順位はいいけど、タイムはそんなによくないし、1位とも差があるので、200mFDが種目の中では得意な方なので、この種目では1位になりたかったです。タイムは12秒5を出したかったです。目標は何でも1番を目指して、常に上位にいることを目標に頑張りたいと思います。応援してもらえるような選手になりますので、よろしくお願いします」
 
■2000mTT 2位(タイム2分45秒36)  
 
蓑田真璃(千葉・23歳)
「今の実力通りの力が出たと思います。悪くはなく、少しずつレベルアップしているなと感じます。トライアスロンをしていたので、持久力系ですね。目標は小林優香さんのような選手になりたいです。在校1位で卒業するのが目標ですけど、まだまだ実力が程遠いので、努力していきたいです。師匠は鈴木栄司さんです。『全力でやってこい』と言われていて、いつも応援してくれます。粘り強い走りをしたいと思いますので、応援よろしくお願いします」