月刊競輪WEB|KEIRIN.JP
競輪選手養成所物語
日本競輪選手養成所で121回生はワットバイク大会、122回生は耐久訓練が行われました。
9月30日、日本競輪選手養成所で午前中に122回生の耐久訓練、午後から121回生のワットバイク大会が行われました。
9月30日は台風が近づく中、121回生122回生ともに耐久訓練が行われる予定でしたが、122回生の耐久訓練は午前中に行われる予定であったため、天気が崩れず予定通りに耐久訓練が行われました。
耐久訓練の目的は、公道を自転車で走るための交通マナーを学ぶためのものです。また長距離を走る訓練で、自分の筋肉の動作を確認するためのものでもあります。
コースは養成所を出て、修善寺を通り、達磨山レストハウスまでの往復を走るものです。
122回生は3班に分かれ、教官のバイクに先導され、達磨山レストハウスに向かいます。
修善寺から達磨山までの登りはきつく、ヒルクラムが得意なライダーなら厳しくは無いようですが、そうではない短距離ライダーにはかなりきついものがあります。
各班は登りに強いものが先に上がり、強くないものはゆっくりと登り、全員脱落することなく達磨山レストハウスに到着しました。
レストハウスで休憩したのち、来た道を戻り養成所に向かいました。午前9時に養成所を出発した122回生は12時には養成所に全員無事に到着しました。
各班出発

達磨山に向かう




達磨山レストハウスにて
集合写真
達磨山レストハウスからの景色。駿河湾と富士山。
帰りも各班ごとに出発

養成所を目指す。



養成所到着

無事終了し訓辞
午後からは121回生が耐久訓練に向かう予定でしたが、台風の接近に伴い悪天候が予想され、急遽ワットバイク大会に変更されました。
ワットバイク大会とは、7班(生活班)に分かれた候補生たちが各班80㎞を、交代で一人5㎞走り、早く走り切った班が優勝となる競技です。
個々の実力もありますが、各班で工夫した戦略で如何に速く走り切るのかが勝つポイントです。交代のタイミング、ワットバイクの負荷の掛け方が勝つポイントになったようです。
格納庫でワットバイク大会スタート
後は80㎞完走を目指しひたすらもがくだけ。














5班勝利まで秒読み開始。
80㎞完走1番乗りを決めた5班の勝利の雄叫び!
残念ながら最下位となった6班
表彰

合図と共にスタートした候補生たちは、ワットバイクの上でひたすらもがきます。個々の5㎞は短いようで意外と長く、終盤に差し掛かると疲労も蓄積され、また競輪選手の本能か、勝利に向かって全力を出すため、必死にもがく姿を班全員で応援するのはかなり感動的なシーンでした。
そして走り切り優勝したのは5班でした!
121回候補生たちは耐久訓練が行われないことになりがっかりしていましたが、ワットバイク大会で大いに盛り上がり楽しんでいました。
122回生コメント

三谷尚子候補生
─耐久訓練はどうでしたか?
「めっちゃ楽しかったです。外で、こんにちはって挨拶したら手を振ってくれる人がいて、楽しく行ってきました(笑)」
─外は久しぶりですか?
「そうですね。ワクチンを受けにいった以来、3回目です。」
─達磨山までの道はどうでしたか?
「私はもともとヒルクライムをやっていたので、久しぶりにずっと上っているなあ、なんのために上るかよくわからないけどなんか上っているなあと思っていたら、楽しくなってきて。養成所の練習は長い時間ずっとはあはあいうってことはないので、今日あんな長い時間はあはあ、ぜいぜい言っているのはちょっと楽しくなりました」
─そういうのは相当久々?
「そうですね。ここだと数十秒のもがきしかしないので。(修善寺から達磨山レストハウスまで)34分くらい掛かったんですけど、34分間ぜいぜい、はあはあ言いながら上りました(笑)。楽しかったです」
─もともと自転車をやっていました?
「やっていたというよりは、ただのサイクリストだったんですよ。なので、距離は200km近くまでは乗っていたので、距離を乗るっていうことに対しては、今回は40kmくらいなんですけど、そこは全然不安とかはなくて、久しぶりのロードだなってちょっとワクワクしていました。走れてよかったです」
─三谷候補生が競輪選手を目指した理由はどのような事ですか?
「ガールズサマーキャンプです。でもそれも娘と夏休みの思い出作りに行こうかみたいな感じだったので、まさか自分が養成所を受けられる状態になるとはその時は思っていなかったので、そう考えるとここにいるのがすごく不思議です(笑)。測定をしてみたらそんなに悪くなかったので自信もあったのと、アマチュアの限界よりプロに上がった方が展開はもっと開けてくると思うので、挑戦してみたいなという気持になりました」
─養成所での目標は?
「来たときは本当になくて、とりあえず卒業してデビューしてからだと思っていたので、本当に通過点だと考えていたんですけど、やっぱりここでやって行くうちに毎日のように順位がつくので、ちょっとずつやっぱり負けたくないなとか、ここは私が獲りたいとか、そういう欲は出てくるようになりました。少しずつプロになる自覚というか、プロになるというのはどういうことかっていうのを勉強しているところです」
─卒業まで半年ですが、こんなことをやってみたいというのはありますか?
「競走訓練で、先行のまま1着。絶対一番気持ちがいいと思うんです。この間先行まではできたんですけど、残念ながら最下位だったので。でもすごく気持ちよかったんですよ。そこでそのまま1着取れたらもっと気持ちいいと思うので、もっと最高な気持ちになりたいと思います」

藤原春陽候補生
─耐久訓練はどうでしたか?
「きつかったんですけど、楽しかったです。久しぶりに外に出られて、開放感があって空気も気持ちよかったので、楽しかったです」
─達磨山までの道のりは大変でしたか?
「達磨山に上がる前の道が一番きつかったです」
─養成所で競走訓練が始まりましたがどうですか?
「競走訓練はまだ人についていくことしかできていなくて、自分から動けていないので、自分から動けるように頑張りたいです」
─競輪選手を目指したきっかけは?
「父が競輪選手で。家族からも勧められて。もともとバレーボールをしていたんですけど、脚が太かったこともあって自転車を勧められました。それで高校から自転車競技を始めました」
─競技で得意な種目は?
「500mに出ていたんですけど、こっちの記録会では全然タイムが出ていないので。38秒2とかです。記録会では出ないです」
─今後の目標としてはそういうところをアップしていきたい?
「はい、ダッシュ力を磨きたいのでこれから練習頑張ります」
122回生コメント

齋藤雄行候補生
─優勝してどうですか?
「みんな一致団結してチームワークもここでより磨けたと思うので、すごく楽しかったです」
─耐久訓練は行きたかったですか?
「はい、すごく行きたかったです。全然外に出られていないので、リフレッシュも兼ねてサイクリングを楽しみだなと思っていたので、ちょっと残念でした」
─ワットバイク大会はどうでしたか?
「最初はちょっとがっかりしていたんですけど、始まったら始まったでみんなでいい雰囲気でできたので、すごく楽しかったです」
─今後の目標を教えてください。
「前回の記録会で白帽を獲れたので、次の第3回は金(ゴールデンキャップ)を狙って頑張りたいと思います」
─将来の目標は?
「GIで優勝してSSクラスに入れるような選手になりたいです」
─競輪選手を目指した理由は?
「小さいころからプロのアスリートになるのが夢で、プロ野球選手を目指して野球をずっと13年間やっていたんですけど、なることができずに、一度就職して働いたんですけど、日々過ごしていく中でなにか違うな、これで終わっていいのかなと感じていたところに、ちょうど坂上忍さんがやっているテレビで競輪を見つけて。そこから適性試験というのがあるっていうのを教えていただいて、試験を受けることになりました。一発合格です」
─実際に養成所に入ってどうですか?
「イメージはもっとガッチガチかなと思っていたら、そういうこともなく、近くに練習できる場所もいっぱいあって、自分次第では本当にいい場所だなと思います」
─稼ぐために競輪選手になる?
「それもありますけど、自分のように他のスポーツでプロを目指したりしていた人って、スポーツばかりをやってきていたと思うので、それを諦めたら次やりたいことが分からなくなってしまうと思うんでけど、そういう人に新たな選択肢というか、第二の人生というところで、自分が活躍することができればそういう人にもこういう道があるんだということを知らせることができるかなと思って、まあお金もあるんですけど、人に刺激を与えるという部分ですごくいいなと思いました」
─競輪選手でこういう選手になりたいという人はいますか?
「郡司浩平選手のような選手になりたいです。同じ川崎で自転車もいただいてきているので、本当に目標としています」