ガールズケイリンの特別レース、ガールズケイリンコレクション2013が幕を開ける。第1回は高松ステージと題して、高松競輪場を舞台に2月24日(高松記念2日目の第11レース)、選出された7名のガールズ達が火花を散らす。年末のガールズグランプリに出場した選手が5名と再戦の色合いも濃く、一発勝負特有のスリリングなレースが期待される。
高松ステージ 「サンポートクイーンカップ(FII)」展望
2月24日(日) 高松競輪場(高松記念2日目第11レース)
一番の注目は3度目の対決となる加瀬加奈子と中村由香里の激突だろう。初対戦となったガールズグランプリでは、加瀬が先行して3着、中村は終始後方で7着だった。2回目の対戦は2月岸和田の決勝で、加瀬が再度主導権を握り今度は押し切り優勝、中村は2着だった。過去2度の対戦では加瀬が優勢に立っており、今回のレースでも人気を集めそうだ。加瀬の魅力は何と言っても先行勝負で出し惜しみしない、そのレーススタイル。先行の決まり手89%が示すとおりに圧倒的なパワー先行を武器に、10月弥彦の完全Vを皮切りにして、ガールズグランプリの敗戦以外は16戦して15勝とパーフェクトの成績を残す。今回も「誰の背中も見ない」レースでゴール線を真っ先に駆け抜けるか。
中村由香里は加瀬との3度目の対戦で逆転を狙う。ガールズグランプリではデビュー以来初めての7着大敗に終わったが、そこで味わった悔しさは、必ずや大きな糧になったはず。今年は3場所走って、1月の松戸を完全V、豊橋、岸和田は決勝2着とさすがの安定感をキープ。2月岸和田の決勝では内に包まれる苦しい展開になり、加瀬に敗れて2着に終わったが、同じ轍は2度と踏まないのも中村の強み。もちろん常々言っているとおり、加瀬との対戦というよりも「敵は自分自身」が身上、今回はどういったレースを組み立ててくるか注目だ。
初代ガールズグランプリ女王の小林莉子は試練の時を迎えている。昨年7月のガールズケイリン開幕戦を制し、年末のガールズグランプリでも加瀬の番手から抜け出して優勝を遂げたシンデレラガール。「今年の目標はこのメンバーでも自力で勝てるように脚力を付けること」と課題を挙げていたが、1月の松戸決勝で落車のアクシデント。肩甲骨上部にヒビが入り、2場所欠場を余儀なくされている。まずは影響面が気になるところだが、出場ならば、ガールズグランプリ初代女王の金看板を背負っての特別レースだけに、負けるわけにはいかない。
レースでのキーマンになりそうなのが中川諒子だ。直近4カ月のバック本数は13本で、これは今回メンバー中1番の数字を誇っている。スタートも早いので、当初は前受けからの組み立てが多かったが、近況は仕掛けのバリエーションも意図的に増やしてきている。1月松戸は連勝で決勝進出して決勝2着、松山では未勝利に終わるも連続の決勝2着と好走を続けており、調子的には問題なさそう。年末のガールズグランプリでは仕掛けを逸して4着に敗れているので、持ち前の攻めのレースで上位争いを演じたいところ。
増茂るるこは座右の銘の通り「下克上」を狙う。在校時の成績は9勝で10位ながら、デビューしてからはメキメキと頭角を現した。昨年9月の平塚決勝では、加瀬を捲りで捕らえて優勝。さらに11月の平塚決勝では中村由香里の差しを凌いで捲り優勝と両壁を打ち破った実績は高く評価したい。決まり手を見ても、先行あり、捲りあり、差しありと幅広く、レースの流れを見極めた巧みなレース運びが持ち味。今年は2場所走って勝ち星こそないが、ともに決勝進出、もちろん3度の優勝が示すとおり決め脚は確かなので今回も侮れない存在だ。
優勝実績はないが三輪梓乃の走りも見逃せない。7月のデビュー以来、決勝に8度進出、3連対率は62%と車券貢献度はかなり高い。数字が示すとおり、走りに安定感はあるものの、現時点では勝ち上がり(予選)での勝ち星はなく、勝率は7%に留まっているので、脚力アップを努めて「自力で勝てるようにする」ことが今年のテーマだ。一発勝負のレースは、仕掛けのポイントを逸しないことが何よりも大事なので、冷静な状況判断から優勝争いに加わっていきたい。
地元・四国地区からエントリーしたのが山口菜津子だ。デビュー以来、現段階では未勝利に終わっているものの、デビュー以来、7度の決勝進出を果たしている。決勝では昨年8月と今年1月の平塚で3着入線して、どちらも好配当を演出した。近況の決まり手はマークのみだが、捲りや積極策も兼備しているので混戦時は注意が必要だ。昨年12月の高松開催では、ガールズグランプリ出場メンバーが不在の中、決勝進出を逃して悔しい思いをしているだけに、この強力メンバーの中でもリベンジを兼ねて一発を狙いたい。