レース展望

 ガールズケイリンコレクション2013の第2戦目が、6月30日(日)に前橋競輪場で開催される。今回もガールズケイリンを牽引するトップ選手7名が集結し、前橋記念「三山王冠争奪戦」の3日目・第9レースにおいて、華麗に、そして激しく火花を散らす。周長335mの前橋バンクでのスピード決戦を制するのは誰だ!?
ガールズケイリンコレクション2013前橋ステージ展望
 6月30日(日)前橋競輪場(前橋記念3日目第9レース)
加瀬加奈子選手
 堂々の主役を演じるのは、今回も加瀬加奈子だろう。今年は6月12日現在で28戦して1着23回、2着5回とオール連対を続けている。中でも圧巻だったのが3月の平塚決勝からの連勝で、4場所連続完全Vを含む15連勝を達成。もちろん、先行こそ己の勝ち方という信念を曲げず、パワーで圧倒するスタイルは変わらず直近4カ月のバック本数も23本を数える。また、4月に行われた前橋開催でも、決まり手は捲り2回、逃げ1回だったものの、きっちりと完全優勝を果たしている。近況は和歌山、いわき平で決勝2着に終わっているものの、調子的には問題なし。前回のガールズケイリンコレクション高松ステージでは準優勝に終わっているだけに、今度こその優勝に向けて一直線に突き進む。
中村由香里選手
 その加瀬を高松ステージで破って優勝を果たしたのが中村由香里だ。主導権を奪い返して逃げ粘る加瀬、そしてゴール前に懸命に詰め寄る中村、この両者の攻防戦は、まさに頂上決戦にふさわしい見応え十分のレースだった。高松ステージのあと、加瀬とは3月の平塚決勝で激突。マカラク、パターソンなど短期登録の外国勢も決勝進出した強豪出揃う一戦だったが、ここでは加瀬が先行力をいかんなく発揮して逃げ切りV、中村は6着に終わっている。だが、常に進化を求める中村にとって、過去の振り返りはあまり意味を持たないかもしれない。名古屋開催では石井寛子の前に辛酸をなめたが、続く奈良開催では貫禄とも言える完全Vで制しており、現時点では中村しか出来ない「コレクション連覇」へ邁進するのみだ。
中山麗敏選手
 この両頭を崩す一番手は中山麗敏だろう。今年に入ってから3度の優勝を果たしているものの、連対率が83%の割に勝率は39%とやや1着が少なかった現状もあり、6月の平塚開催では予選2で勝利したあとに涙を流すシーンも。それだけプレッシャーと戦い、勝利にこだわり続けてきた証だろう。直近2場所では5月松山、6月平塚、それぞれ104期の山原さくら、石井寛子の前に決勝2着に終わったが、持ち前のパワフルな走りは、相変わらずの破壊力だ。前橋バンクは4月に経験済みで、そのときは決勝で先行策に出て加瀬の捲りに屈したものの2着に粘り込んだ。大舞台での歓喜のVはあるのか、大胆不敵のその走りから興味は尽きない。
渡辺ゆかり選手
 虎視眈々とV奪取を目論むのは、渡辺ゆかりだ。今年はまだ優勝こそないものの、2月の岸和田以来7場所連続での決勝進出、3連対率は67%と安定感ある走りを披露している。一発勝負のレースは、年末のガールズGP、ガールズケイリンコレクション高松ステージと出場していないだけに未知数な部分はあるが、特に今回は前橋バンクが舞台ということもあって、より前々への位置取りが勝利を引き込める術になることは間違いなく、そこに対してどう対策を練ってくるのかが注目される。昨年の初優勝時は西武園で中村由香里を差し切っているように決め脚は確か、一発の可能性は十分に秘める。
中川諒子選手
 中川諒子の復調ぶりも見逃せない。昨年は高水準で安定して、ガールズGPにも出場を果たしたが、今年に入ってからは22走して1着は3回のみ、3月松戸では勝ち上がりを逸して、デビュー以来初めて決勝を逃すなど不振が続いていた。だが、6月の奈良開催では、予選1を先行して3着、予選2は逃げ切りで1月松戸以来、実に5カ月ぶりの1着、決勝も中村由香里の捲りには交わされたが先行2着と本来の機動力がよみがえってきた。加瀬、中村とともにガールズGP、ガールズケイリンコレクション高松ステージ(3着)と経験しているアドバンテージもあるし、積極果敢な攻めで完全復活をアピールしたい。
浦部郁里選手
 レース巧者の浦部郁里も近況の安定度から要注意だろう。転機となったのは今年2月の地元、松戸開催。決勝では先行する白井美早子を交わして嬉しい初優勝を達成した。デビュー当時からスタートも早く位置取りには定評があったが、そこに自信とレース勘、さらに差し脚もアップしてきたことで、常に優勝争いを演じるまでに成長を遂げた。理想を言えば、今年まだ2勝なので、今以上に勝率アップがなされればさらに面白い存在になること間違いなし。335バンクでも戦況をうまく判断した立ち回りで、ここも優勝争いに加わっていく。
篠崎新純選手
 千葉からは篠崎新純も参戦する。篠崎は2月の松戸で逃げる渡辺ゆかりを捕らえて千葉勢初優勝を地元戦で遂げた。今年8場所走って、全て決勝に進出と勝ち上がりでの安定感はあるものの、決勝ではその松戸V以外は連絡みなしと、やや苦戦している印象だ。今回は一発勝負の単発レースだけに、後手を踏むと厳しく、勝負所を逸せない、よりシビアな戦いが予想される。もちろん展開次第では波乱演出の立役者になることも十分なので、初登場のガールズケイリンコレクションで、篠崎がどんなレースを見せてくれるのか、期待したいところだ。
※本文中のデータは13年6月12日現在のものです。