レース展望

 今年で2回目を迎える、ガールズグランプリ2013が、グランプリシリーズの初日(28日)に開催される。102期33名、そして今年デビューした104期18名、計51名の中から選抜された7選手が立川競輪場で華麗に、そして激しく火花を散らす。ガールズケイリンを牽引する石井寛子と加瀬加奈子の初対決にも注目が集まる。
女王の座を目指し、七色のガールズが火花を散らす
石井寛子選手
 石井寛子が堂々の優勝候補筆頭だろう。今年5月にデビューすると、まさに連勝街道をまっしぐら。ここまで37走して、1着は驚異の34回、勝率に換算すると91.8%に及ぶ。着外になったのは8月京王閣の初日1回(4着)のみで、決勝で敗れたのは世界王者・レベッカジェームズが優勝した9月の立川開催のみ(石井は2着)。つまり、立川以外の開催ではすべて優勝を果たしていることになる。スピードにレースの組み立ての巧さも群を抜いており、一発勝負もオールスター開催の中で行われたガールズコレクションで制しているように問題なし。レベッカに敗戦以降、現在は負け知らずの12連勝中。オールスターで叶わなかった加瀬加奈子との初対決だが、「女王」の栄冠へ最高のアピールの舞台は整ったか。
加瀬加奈子選手
 加瀬加奈子が仁王立ちで迎え撃つ。今年の前半戦は相変わらずのパワー先行で、11回の優勝を記録し、ガールズケイリンを牽引し続けてきた。9月、10月と自粛期間はあったが、一からの出直しで11月に復帰。初戦の前橋こそ、連勝で決勝進出するものの5着に敗れたが、次の防府では逃げ切り3連発で貫禄の完全優勝を果たした。昨年のガールズグランプリでは自分のレースを貫いて先行し、結果は3着に終わったが、その「男気」に称賛の声も大きかった。勝つための先行を磨き上げてきた以上、「最強」の看板を譲るわけにはいかない。
中村由香里選手
 ガールズグランプリのリベンジに燃えるのは中村由香里だ。昨年のガールズグランプリでは人気の一角に推されたものの、一発勝負の難しさもあっただろう、勝負所を逸してまさかの7着に終わった。今年にかける意気込みは昨年以上であろう。課題を見出して、ストイックに追い込むという中村の変わらないスタイルで、今年は10度の優勝を記録、連対率は昨年をやや上回る84.1%をマークしている。ガールズコレクション京王閣では石井に破れ4着、11月の松山決勝では捲りで抜け出すも再び石井に破れ2着と分が悪いが、パワフル&クレバーな走りで頂点を目指す。
山原さくら選手
 今回のメンバーで最年少の出場となる山原さくら。今年5月松戸のデビュー戦では、前評判通りのスピードを見せつけて初戦から初優勝という鮮烈デビューを飾った。その後も優勝回数を7度まで積み重ねて、初のガールズグランプリ出場の切符を手にした。ちなみに優勝7回は、104期では石井寛子に次ぐ成績だ。近況も積極的でフレッシュな走りを続けており、11月の防府も連勝で決勝進出。決勝では加瀬の先行に屈して5着に終わったが、9月のガールズコレクション京王閣では落車を喫して不完全燃焼に終わったこともあるし、今回の巻き返しは必見だ。
中山麗敏選手
 昨年に続きガールズグランプリ出場を決めた中山麗敏だが、心配なのはケガの回復具合だろう。9月のガールズコレクション京王閣では最終1コーナー付近で落車を喫して、そのまま棄権。肋骨、鎖骨、肩甲骨などを骨折する大ケガで、その後は長期欠場を余儀なくされた。それでも、復帰戦に向けて徐々に練習も再開し、予定では12月の静岡での復帰を目指しているとのこと。長期欠場明けにつき、どうしても不安要素は伴うが、まずは復調を期待したい。持ち味であるアグレッシブな走りが見られることをファンも待ち望んでいる。
中川諒子選手
 中川諒子の近況の安定感は見逃せない。直近4カ月のバック本数はメンバー中、21本と最多(加瀬は欠場期間を挟んでいるため13本止まり)で積極的な走りが光っている。それだけではなく、組み立て面でも冷静な立ち回りが増えたこともあり、直近4カ月でも全く確定板を外していない。それ故に3連対率は96.7%と圧巻の数字をマークしている。昨年は意外なことに優勝1回に終わったものの、今年はここまで5度の優勝。前橋では加瀬加奈子に対して主導権を譲らず、そのまま押し切る強い内容での優勝、11月の高知では前団の仕掛けを冷静に判断しての捲りで優勝を果たしている。今回もレースの鍵を握るのは、間違いなく中川だろう。
梶田舞選手
 104期から3人目の出場を決めたのは梶田舞だ。しっかりと先行逃げ切りで押し切れる脚力もさることながら、近況はレースの流れに応じた柔軟な攻めも披露している。10月いわき平では2日目と決勝で、中川諒子に対して捲りで連勝を決め、次場所の11月富山では初日に逃げ切り、2日目は捲り、決勝は中川の捲りを差し切って2場所連続完全優勝をやってのけた。今年ここまで4度の優勝だが、直近の5場所中3度の優勝を果たしているとおり、成績・調子的にも上昇気配。一発勝負のレースは今回が初なだけに、どういった組み立てでくるのか楽しみだ。