レース展望

定番となってきたガールズケイリンコレクションが、6月29日(日)、取手記念「水戸黄門賞」最終日第9レースで開催される。
今回のガールズケイリンコレクションは102期、104期のガールズケイリンを引っ張っているエース級選手7名が出場する。通常のガールズケイリンではなかなか見る事が出来ないメンバーのレースに、ワクワク出来る事は間違いない。ガールズケイリンの覇を競う熱戦となるだろう。
ガールズ選手達の熱い戦いを是非、取手競輪場で観戦していただきたい。
ガールズケイリンコレクション2014取手ステージ展望
6月29日(日)取手競輪場(取手記念最終日第9レース)
加瀬加奈子選手
 ナショナルチームに入って国際大会のレースをこなす加瀬。徹底先行から先行捲りへの変化が見える加瀬だが、ほぼ3連対率を外していないのが正直凄いと思う。成績表を見ても1の数字が圧倒的に多く、素晴らしいの一言に尽きる。これは、先行すれば他を捲らせない強靭な先行力の賜物であろう。勝率63.1%、連対率94.7%、3連対率100%(5月31日現在)を見ると必ず加瀬を絡ませないと車券の的中とはほど遠くなってしまう事を示すものだ。好メンバーが揃うとなかなか先行で勝つのは難しいが、それでも先行を貫いて勝って欲しい。
中村由香里選手
 中村の競走スタイルは圧倒的な追い込み脚にある。特に最終バックからの番手捲りは容赦ない。しかし、5月初めの京都向日町決勝で見せた先行力は目を見張るものがあった。外国勢相手に残り1周からの先行逃げ切りは良かった。しかし、5月末の佐世保決勝では先行して3着になっている。これは、普段から先行していない経験不足からきたものだったのだと思う。先行の技術を身につけたら間違いなく最強ガールズ選手となりそうだ。近況の成績は勝率52.6%、連対率73.6%、3連対率89.4%(5月31日現在)。
中川諒子選手
 中川のスプリント力はガールズ屈指の切れがある。この切れをもう少し持続出来ると優勝に直結してくるはずだ。3月の静岡決勝以来、惜しいところで優勝を逃しているのが多い。勝率50.0%、連対率72.7%、3連対率86.3%と中々の数字だが優勝が少ない。今回のガールズケイリンコレクションでは、積極的に出てくるのではないかと思う。それはこのメンバーで後方からのレースの組み立てだと捲り不発に終わる可能性が高くなる。であるのなら一旦、早めに動いてそこから、先行もしくは好位置狙いと考えてもおかしくはない。結果が楽しみな選手である。
石井寛子選手
 前回のガールズケイリンコレクション(名古屋ステージ)の覇者である石井は、ここでも優勝の筆頭候補だろう。勝率62.5%、連対率62.5%、3連対率68.7%と極端に2着がないのも珍しい選手だ。1着か着外であるなら、考えやすい。石井の戦法は最近少々変わってきて積極策から番手捲り、追い込みと幅が広くなってきた。こうなると対戦する相手も読みづらくなるので、競走の展開が石井に向くだろう。今回のメンバーで見れば積極策をとってきそうなのが加瀬、中川、山原。これには対抗しないで良い位置確保からの競走となるのではないかと思う。被る前に捲って出れば優勝となるだろう。
梶田舞選手
 梶田は良い位置からの仕掛けを狙う事が多く、上手く前々にいけばしっかりレースをものにするといったパターンが多い。よってこのメンバーなら積極的に動く選手の後ろからという形になるだろう。動く選手は加瀬、中川、山原。叩き合いになれば中団から捲っていくのは梶田になるはず。前団を一気に捉える事が出来るのかがポイントだ。 現在の勝率は24%、連対率60%、3連対率80%(5月31日現在)である。これをどのように見るのかでまた変わってきそうだ。
山原さくら選手
 好調だと圧倒的な強さをみせる山原。5月後半の伊東開催、佐世保開催では2開催とも完全優勝を飾っている。戦法は積極的に先行するタイプだが、捲り追い込んでも強いのは確か。末脚も切れる。ゴール前に差し切る脚は見るべきところだろう。勝率64.0%、連対率72.0%、3連対率72.0%と山原も1着もしくは2着の選手。ある意味データからすれば非常に考え易い選手と言えるだろう。とはいえ、好メンバーの時は確定板には載っていないので、そろそろここで3着以内に入ってくる可能性もある注目選手だ。
小林莉子選手
 小林の近況を見ると最近は優勝が少なく3月に行われた和歌山の優勝が直近となる。少し優勝から遠ざかっているのが物足りないところだ。しかし小林の持ち味は、好位置確保からタイミングのいい差し脚だ。ガールズグランプリ2012優勝など、所々での勝負運は強いところである。勝率29.1%、連対率54.1%、3連対率83.3%(5月31日)と最近の状況からすると勝率に物足りないところはあるが3連対率の数字の良さが光る。これは、最終的に前に踏んでいく力の現れだと思う。この辺りを考慮しながら小林のレースを観戦するのも面白いだろう。
※本文中のデータは14年5月31日現在のものです。