外国人勢と日本人勢が激突する単発レース、ワールドステージが昨年に続いて今年も開催される。2回目となる今年は京都向日町記念の最終日(8月3日)の11Rに実施される。参戦する外国人勢はシェーン・パーキンスとシュテファン・ボティシャーの2選手だ。昨年の第1回目は新田祐大が優勝。今年も日本人勢が意地を見せるのか? それとも外国人勢が圧倒的なパワーで日本人勢を粉砕するのか? 今年も真夏の暑さを吹き飛ばすハイスピードバトルが展開されるだろう。
シェーン・パーキンス
パーキンスは短期登録選手として5度目の来日を果たしているが、昨年は9月の名古屋FIで10秒4の驚異的な上がりタイムをマークしている。今年も6月までに4場所走って優勝が2回、12走のうち1着が10回、2着が2回と圧倒的な強さを見せつけている。日本の競輪にすっかり慣れ親しんでいるパーキンスは、タテのスピードだけでなく、ヨコの動きや位置取りにもたけているのが大きな強みだ。
シュテファン・ボティシャー
ボティシャーは昨年のトラックレース世界選手権のスプリントで優勝、今年の世界選手権のスプリントでも準優勝と、強烈なダッシュ力とスピードが持ち味の選手だ。短期登録選手としての来日は今年が初となるが、6月までに4場所走って優勝が3回と絶好調だ。パーキンスとの前後の並びは流動的だが、6月の前橋FIの決勝では4番手から捲ったパーキンスを番手から差し切って優勝している。
諸橋愛
近況のグレードレースでは目立った活躍が見られない諸橋だが、5月の弥彦FIの決勝では藤田竜矢の先行を目標に地元優勝を決めており、7
月に弥彦で開催される寬仁親王牌に向けて徐々に調子を上げてきている。今レースは寬仁親王牌直後の出走になるので、地元のGIに向けて猛練習を積んできた成果が今回もきっと発揮されるだろう。
新田康仁
新田の近況はやや安定性に欠けており、ビッグレースでは大きな着が目立っているが、4月の防府FIでは捲って優勝、5月の川崎記念では初日特選で逃げ切り、4日目特選で矢口大樹の先行を目標に1着と調子自体は決して悪くない。先行、捲りのスピードだけでなく、イン粘りなどの自在戦法も得意なだけに、今回も強気な攻めで外国人勢にひと泡吹かせてくれそうだ。
林雄一
林は5月の名古屋FIで海老根恵太の捲りを差し切って今年4回目の優勝を達成、共同通信社杯と高松宮記念杯ではともに準決までの勝ち上がりと好調だ。5月の平塚記念2日目優秀では南関東ラインの3番手から鋭く伸び、深谷知広を下しての1着と大金星を挙げており、今回も仮に新田康仁が不発の展開になったとしても、最後の直線でアッと驚くような伸びを見せてくれるだろう。
志智俊夫
志智は7月の小松島記念決勝で中村一将の捲りを差し切って通算4回目の記念優勝を飾っている。勝ち上がり戦も初日特選こそ5着に敗れたが、二次予選は角令央奈を目標に、準決は中村一将を目標に連勝と強さを発揮している。今回は中近ラインで徹底先行の稲毛健太を目標にできそうで、いざとなれば番手捲りを打って勝利への執念を見せてくれるだろう。
稲毛健太
近況はなかなか思うように先行させてもらえず、バック回数がやや減ってきている稲毛だが、高松宮記念杯の一次予選では逃げて伊藤保文と近畿ワンツー、4日目一般では捲って1着と好調をキープしている。今回の日本人勢の中では最も積極性の高い稲毛だけに、与えられた使命をしっかり全うし、外国人勢を相手の先行勝負で見せ場をつくってくれるはずだ。
友定祐己
友定は共同通信社杯では一次予選で7着と敗れたが、残り3走はオール2着と好成績、5月の松阪記念の準決ではバック7番手の展開からインを突いての直線強襲で1着に突き抜けて高配当を演出しており、友定らしい巧みコース取りと直線の伸び脚は健在だ。今回もパワーで勝る外国人勢を相手に、中四国の選手の十八番であるゲリラ戦法でチャンスを掴んでくる。
中川誠一郎
中川は昨年松戸で開催された第1回目に続いての連続出場となる。昨年のレースでは勝負どころで8番手となって見せ場なく終わっているだけに、今年はリベンジに燃えてくるだろう。中川は5月の全プロ選手権のスプリントで2連覇を達成しており、ダッシュ力とスピードでは外国人勢に決して引けを取らない。競輪競走では位置取りの悪さが欠点となっているが、展開さえはまれば外国人勢をまとめて打ち負かす力を持っている。