ガールズケイリンで今年2回目の特別レースとなるガールズケイリンコレクション2015岸和田ステージが岸和田競輪場で開催される第66回高松宮記念杯の最終日・第9Rに実施される。3月の京王閣ステージで2度目のガールズケイリンコレクション優勝を飾った小林優香がやはり中心となるが、ガールズグランプリ2014を制した梶田舞、今やガールズ屈指の先行力を誇る奥井迪、自在な立ち回りが持ち味の石井寛子、ガールズグランプリ初代女王の小林莉子などの好メンバーが揃って激戦必死、あっと驚くような波乱の決着も十分にありそうだ。
ガールズケイリンコレクション2015岸和田ステージ展望
6月21日(日)岸和田競輪場(高松宮記念杯最終日第9レース)
小林優香は昨年末のガールズグランプリでは自身初となる3着に敗れて悔し涙を流したが、3月のガールズケイリンコレクション京王閣ステージではグランプリでの反省から早め早めの仕掛けで好位置を奪取、最終2角から一気に捲りを打ってそのまま押し切り昨年9月の前橋ステージに続いて2度目のコレクション優勝を飾った。敗れて反省するのは誰でもできるが、反省材料をすぐさま実戦に取り入れてきっちり結果を残せるのは一流選手ならではの技であり、また一回り大きく成長した小林が今回も断然の優勝候補の筆頭だ。
梶田舞は昨年末のガールズグランプリ2014を制して新女王の座に就いた。今年初戦の1月の四日市ではまさかの落車に見舞われたが、その後はしっかり立て直して勝ち星を重ね、5月初めの富山までに優勝回数が6回と女王の面目躍如の活躍を見せている。3月のガールズケイリンコレクション京王閣ステージでは小林優香の早めの仕掛けを読みきれずに追走いっぱいの3着と完敗したが、小林キラーの異名を持つ梶田だけに、今回は気持ちを新たに持ち味の組み立ての巧さを発揮してリベンジを目指してくる。
荒牧聖末はガールズグランプ2012の出場経験はあるが、ガールズケイリンコレクションは初出場だ。今年は4月の静岡まで12場所走って優勝は1回のみだが、連続優出を果たしており調子はいい。3月の前橋は完全優勝で決勝は逃げる加瀬加奈子の3番手を奪取して捲って優勝している。2月の京王閣決勝では小林優香と対戦、結果は3着だったが、小林相手に先捲りを打ってあわやというシーンを演出している。シビアな位置取りからの捲り一発が得意戦法で、今回も強気の攻めで見せ場をつくってくれるだろう。
男道先行を貫く加瀬加奈子は、今年は1月の四日市、3月の熊本で優勝している。104期や106期の粋のいい後輩たちが次々と現れて先行勝負を挑んできても加瀬は決して信念を変えることなく、真っ向からのもがき合いも辞さないその熱い走りはファンを魅了せずにはおかない。とりわけ奥井迪とは何度も対戦して先行バトルを演じでおり、4月の弥彦決勝でも加瀬は5着に終わったが、前受けから突っ張りに突っ張って主導権を奪っている。今回もまた加瀬と奥井の2人走りがレースの流れを大きく左右するだろう。
超がつくほどの徹底先行でメキメキと力をつけてきたのが奥井迪だ。今年の奥井は5月初めの高松まで13場所走って優勝が9回、4月の松戸決勝は勝負どころで牽制を受けて捲りに回されての優勝だったが、残り8回は全て逃げ切り優勝なのだから恐れ入る。初めての特別レース出場となった3月のガールズケイリンコレクション京王閣ステージでも、打鐘からケレン味なく先行して徹底先行ぶりを強烈にアピールした。もちろん今回も主導権取りにいきそうで、後位のもつれを誘っての逃げ切り優勝を狙ってくる。
小林莉子はガールズグランプリ2012の初代女王だ。昨年は僅差の獲得賞金ランキング8位でガールズグランプリ出場を逃しているが、今年は1月の小倉、3月の川崎、4月の弥彦と順調に優勝を重ねている。近況は自在に動いての好位置奪取を持ち味にしており、4月の弥彦決勝では奥井迪と加瀬加奈子の先行バトルで展開がもつれたが、小林は加瀬に踏み勝った奥井を巧みに追走、ゴール前できっちり差し切って優勝している。今回も強力自力型揃いで相手は手強いが、展開のもつれを突いての小林の一発も十分だ。
石井寛子は2013年の京王閣ステージ、2014年の名古屋ステージとガールズケイリンコレクションでは2度の優勝実績がある。しかし、3度目の優勝を狙った今年の京王閣ステージでは小林優香に優勝をさらわれ、石井は見せ場なく終わってしまった。京王閣は地元バンクだっただけにその悔しさはかなりのものがあったはずで、今回は巻き返しに燃えてくるだろう。昨年は106期生の台頭でやや成績を落としていた石井だが、今年は4月の静岡までに9場所走って優勝が6回と本来の強さを取り戻しており、体調面も万全だ。