レース展望

ビッグレース直前選手動向!
今年の夏は本当に暑かったですね。
少し気温も下がりしのぎやすくなってきましたが、真夏の競輪・サマーナイトフェスティバルでまだまだ熱い夏を楽しみましょう!
函館の真イカも真っ盛りです。
夏の函館も楽しみに、是非本場まで、お越しください。
ここでは直前ということで、近況、調子の良い選手をピックアップしてみました。
浅井康太選手
直前の富山記念を欠場していますが、体調が万全なら、自分で動いても番手を回ってもゴールに突っ込んでくるでしょう。また、親王牌での落車が気になるところですが、地元の四日市記念は期待に応えて優勝。武雄記念から親王牌までも好調を維持していました。これらの成績を考えるとサマーナイトフェスティバルでも活躍するでしょう。
渡邉一成選手
富山記念の準決勝は惜しかったですね。後ろの神山雄一郎と連係が乱れたのが敗退の原因だったと思います。ここがポイント。ラインの先頭で走る場合は、番手の選手が渡邉の踏み出しについていけるかどうかが気にかかるところです。また、最近は、後ろを回ることも多くなっていますが、前が不発になると共倒れのパターンが多く見られます。ライン構成が気にかかるところです。
脇本雄太選手
富山記念では、落車がなければ、ゴールまで一気に突き抜けていたスピードがありましたね。先行でももちろん強いですが、最近は捲りを多用しているようで、捲った時のスピードも抜群です。また位置取りも上手く中団キープからの捲りも決まっています。最近の脇本は先行だけと考えてはいけませんね。
近藤隆司選手
富山記念でも魅せてくれましたね。特に決勝戦の先行は良かったと思いました。結果3着でしたけど。捲りがとにかく強力です。先行力も磨きがかかってきましたし、ここのサマーナイトフェスティバルでも大活躍してくれると思います。グレードレースでも注目をしていきたい選手となってきましたね。
北津留翼選手
強い時は強いけど、弱い時はなんでそこまで弱いのと思われていた北津留が変わってきた予感がします。成績も安定してきた感じがありますよね。前走7月の小倉ナイターでは3連勝で優勝しています。特に決勝の走りは今までにないパターンでした。内に被った状態で、空いた隙を踏んで突き抜ける勝ちにこだわる競走には驚きましたが。ニューパターンもあることを覚えておきたいですね。
5選手を挙げてみましたが、サマーナイトフェスティバルで大活躍する選手が出てくると思います。初日のレースを見ながらぜひ探してみてください。
いい動きの選手は、先行選手、追い込み選手問わずそのシリーズは活躍するのが競輪ですからね。
第11回サマーナイトフェスティバルが函館競輪場で開催される。今大会より従来の2日制からから3日制へと変更になり、勝ち上がり方式も変わっている。また同時開催ガールズケイリンフェスティバル2015も昨年の2日制から3日制へと変更になっている。サマーナイトの見どころは先の寬仁親王牌では不完全燃焼に終わった新田祐大と脇本雄太の機動力対決だが、武田豊樹や金子貴志、浅井康太らの中部勢の巻き返しにも注目が集まる。
新田祐大が地元地区で名誉挽回の走りを見せる
 脇本雄太がビッグレース初制覇に向かって突っ走る
新田祐大選手
地元地区の北日本勢、とりわけ新田祐大にとっては負けられない大会になるだろう。
先の寬仁親王牌では北日本勢から4人が決勝進出、新田がラインの先導役を努めると同時に菊地圭尚が4番手を固めて結束力をアピールした。しかし、脇本雄太の先行に対して新田は仕掛けきれずに惨敗してしまった。2日目ローズカップでは最終4角8番手からの仕掛けで頭に突き抜け、上がり10秒9と相変わらずのスピードスターぶりを見せつけていただけに、決勝は残念すぎる敗戦だった。
 グレードはGIIだが、北日本地区での開催となる今大会は名誉挽回の最高の舞台と言っていい。北日本ラインを支持してくれたファンのためにも、新田は必勝を期して臨んでくるだろう。
渡邉一成が上昇気配だ。新田祐大とともにロンドン・オリンピックに出場した渡邉は素材的に新田と同等のものを持っているが、競輪においてはタイトルホルダーとなった新田にやや遅れを取ってしまっている。新田もそうだったが、スピードは素晴らしいものを持っているのに、レースの組み立てや仕掛けどころが甘く力を出し切れずにいた。
しかし、6月の取手記念を8番手からの捲りで優勝すると、次場所の高松宮記念杯は準決で惜しくも4着と敗れたが、予選は2連勝の勝ち上がり、そして寬仁親王牌では3年ぶりのGI優出と、近況の渡邉は以前とは打って変わってどんぴしゃりのタイミングで捲り連発しており、今回も勝ち上がりが期待できる。
脇本雄太選手
まさに「強い!」の一言だった。全国のファンや選手たちを絶句させるほど強さを見せつけたのが寬仁親王牌の脇本雄太の走りだ。2日目ローズカップでは最後は新田祐大の大外強襲に屈したが、まるまる1周逃げて深谷知広を捲り不発に終わらせ、3番手にいた武田豊樹も仕掛けきれないほどの掛かりのよさで粘りに粘って2着になっている。先行だけでなく、初日特選予選と準決はともに捲って1着と強いところを見せており、今の脇本には死角なしと言ってもいいほどだ。
決勝では武田豊樹に番手に入られてさすがの脇本も5着に沈んだが、今や誰もが認める先行日本一の脇本が今大会もビッグ初制覇に向かって突っ走ってくれるだろう。
北海道出身の武田豊樹が強い気持ちで戦いに挑む
 神山雄一郎が2年連続のグランプリ出場へ突き進む
武田豊樹選手
武田豊樹は寬仁親王牌決勝では脇本雄太の番手を奪って準優勝だったが、4日間未勝利に終わっており体調的にはあまりよくなかった。準決も内に詰まった状態からなかなか抜け出せず、冷や汗ものの3着突破と武田らしさがなかった。それから1か月余りの今大会も、万全の状態にまで戻してくるのは難しいかもしれない。
それでも、武田は、登録地は茨城だが出身は北海道なので、今大会も地元戦と同様の強い気持ちで戦いに臨んでくるだろう。12年に函館で開催された高松宮記念杯では勝ち上がり戦は3、2、3着とやはり未勝利だったが、決勝では脇本雄太-村上義弘の先手ラインの3番手を取りにいき、ゴール前で鋭く追い込んで優勝を決めている。
神山雄一郎選手
神山雄一郎は寬仁親王牌決勝では武田豊樹追走から直線に入ると武田と脇本雄太の中を割りにいったが、コースが空かずに3着だった。47歳での決勝進出だけでもすごいのに、表彰台に上がってしまうのだから立派としか言いようがない。
ビッグレースでは武田豊樹や平原康多の番手を回れるのだからライン的に恵まれている面もあるが、寬仁親王牌の準決では雨谷一樹-木暮安由の3番手で、ラインが完璧に脇本雄太に捲られながらも2着に突っ込んでおり、追い込み選手としての実力ももちろん超一流だ。寬仁親王牌終了時点で獲得賞金ランキングでは6位につけており、2年連続のグランプリ出場を目指して後半戦も突き進む。
村上義弘は、今年前半はあまりいい状態ではなかったが、それでも高いレベルの戦歴を残しているのはさすがだ。寬仁親王牌の準決は捲りに回された脇本雄太の番手で新田祐大に絡まれて7着に敗れたが、二次予選Aでは稲垣裕之の捲りをきっちり差して1着になっている。
今年のビッグレースでの決勝進出は高松宮記念杯のみだが、稲垣裕之、脇本雄太といった超強力な自力選手を目標にできるだけにライン的にはかなり有利だ。もちろん自力勝負も健在で、5月の平塚記念決勝では新田祐大の逃げを捲って今年2度目の記念優勝を飾っている。だれもが認める唯一無比のカリスマ性で近畿勢を束ねて、今大会も勝ち上りを目指してくる。
今大会もゲリラ戦法を得意とする選手の一発が侮れない
園田匠選手
寬仁親王牌では33歳の園田匠が悲願の初タイトルを獲得した。GI決勝2回目での快挙だ。その一方で8回、9回と挑戦しても取れないままの選手もいるのだから、競輪の神様は本当に気まぐれだ。もちろん、園田のタイトル獲得は神様の気まぐれだけではなく、機動力にあまり恵まれない九州地区にあって、最後の直線での突っ込みにかけるゲリラ戦法を努力に努力を重ねて磨きあげてきた結果である。
園田は、今年は全日本選抜と高松宮記念杯で準決勝まで勝ち上がりと状態もよかっただけに今大会でも勢いに乗っての活躍がありそうだし、園田のタイトル奪取に刺激された同じくゲリラ戦法を得意とする選手たちの一発も十分に侮れないものがあるだろう。
金子貴志選手
中部勢は深谷知広が4日目優秀で落車、浅井康太も4日目特別優秀で落車と流れが悪かったが、そんな中部勢の中でただひとり決勝進出して存在感を示したのが金子貴志だ。
今年の金子は日本選手権で決勝進出、6月の別府記念で優勝するなど必殺の捲りが面白いように決まって好成績を積み重ねている。寬仁親王牌の準決勝は単騎の戦いだったが、最終2角の9番手から仕掛けて前団を一気に飲み込んで快勝している。決勝は脇本雄太の番手を武田豊樹に奪われ、4番手に引いたもののそこから仕掛けきれずに7着に敗れており、今大会では寬仁親王牌の無念を晴らすためにも久々のビッグ制覇を目指して力走してくれるだろう。
サマーナイトフェスティバルの思い出
深谷知広がライバルたちを力でねじ伏せて堂々の逃げ切り優勝
 深谷知広は直前の寬仁親王牌で3年ぶり2度目のGI制覇を達成した。寬仁親王牌は選手会脱会騒動による自粛組が不在だったが、武田豊樹、平原康多らが復帰したサマーナイトフェスティバルでもライバルたちを力でねじ伏せて逃げ切り優勝を果たした。レースは深谷知広-浅井康太の中部コンビが前受け、単騎の川村晃司が3番手、天田裕輝-平原康多-武田豊樹-神山雄一郎の関東勢が中団、その後ろに単騎の石丸寛之、佐藤友和が続いて周回。青板から天田が上昇して深谷に並びかけると、深谷は6番手まで引くが、赤板ホームからすかさず巻き返して打鐘で主導権を奪ってしまう。叩かれた天田は浅井の内で粘り、平原が車間を切ってから捲りにいくが、浅井の牽制を受けて行ききれない。さらに石丸も捲ってくるが、4番手の外で一杯に。深谷がそのまま押し切っての逃げ切り、中部コンビの3番手に切り替えた武田が2着に突っ込み、浅井が3着。

昨年表彰式(深谷優勝)
昨年表彰式(深谷優勝)
バンクの特徴
浜風の影響を受けやすく、バンクも重い
直線は短めだが、中団脚を澑めた選手の突き抜けが多い
 函館はクセがなくて走りやすい標準的な400バンクだが、1センター側が海に近く、直線が南北方向に走っているので風の影響を受けやすい。
 直線の長さも400バンクの中では短いほうだが、走路が重いので、先行・捲りの自力選手よりも追い込み選手のほうが若干優勢だ。
 12年6月に開催された高松宮記念杯の決まり手を見てみると、全47レースのうち1着は逃げが4回、捲りが14回、差しが29回、2着は逃げが7回、捲りが8回、差しが14回、マークが18回となっている。
 風はだいたい昼頃から浜風が吹きはじめるがことが多いが、基本はバック向かい風で、バック向かい風の時はインが重くなるので先行が不利となり、捲りが決まりやすくなる。高松宮記念杯のときも4日間毎日、風速2~3mの風が吹いていた。
 そのため、直線は400バンクの中では短いほうなのだが、先行での逃げ切りはなかなか難しい。ペースよく最終4角回ってきても、直線に入ってから失速してしまうことが多い。
 同じように先手ラインの番手の選手も、直線に入ってタレてしまった先行選手と共倒れになって伸び切れないケースが少なくない。全47レースのうち先手ラインの選手が1着になったのは半数以下の20回しかなかった。
 直線ではとくに伸びるコースはないが、先手ラインが直線に入ってからタレやすいので、4、5番手で脚をためていた選手がイエローラインのやや内寄りのコースをググッと伸びてくるケースがよく見られる。
 捲りも数字的にはそこそこ決まっているが、函館はカントがやや緩いので、絶好位置の4、5番手が取れたとしても簡単には捲れない。ベストなのは最終2角からの仕掛けだが、ちょっとでもタイミングがずれるとカントが緩いのでスピードに乗りきれず、コーナーで外に膨れたり、先手ラインの選手からブロックを受けて不発になりやすい。ちなみに高松宮記念杯の準決3個レースはすべて先手ラインのワンツーで決まっており、捲りはことごとく不発だった。



 周長は400m、最大カントは30度36分51秒、見なし直線距離は51.3m。バンクが重く、カントが緩めなので、先行・捲りの自力選手にとっては仕掛けどころが難しい。頭狙いでいくなら最後の直線までずっと我慢して、捲り追い込み気味に外へ外へと踏んでいくと、イエローラインのやや外側に伸びるコースがある。競りはインが重いのでアウトでも互角に戦える。最高上がりタイムは95年6月に神山雄一郎がマークした10秒8。