第31回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)
2016年始めのGI開催となる全日本選抜競輪は久留米競輪場で開催されます。
九州豚骨ラーメンの発祥の地と言われている久留米ですが、ほかにも色々な美味しいものがあります!
お時間のある方はぜひ久留米で第31回全日本選抜競輪をご観戦ください!
強い深谷が戻ってきました。2016シーズンはS級1班格付けとなりましたが、2017シーズンは、またSSに戻る勢いがあります。今年に入って、大宮記念、高松記念と連続で記念制覇は素晴らしい成績です。大きな体調の変化がない限り、本大会も大活躍を見せてくれると思います。中部の先導役になることは間違いなしですね。
2015KEIRINGPを獲ってから更に番手でのレースに磨きがかかってきました。特に直前の高松記念の準決勝、決勝での番手の競走は、ラインの信頼を厚くする競走でした。本大会も強力な中部の先行選手と同じ番組になれば、素晴らしい番手の競走を見せてくれると思います。ラインの先頭で走っても強いことをお忘れなく! 先行選手が先行したくなる選手だと思います。
昨年後半の成績から大きく変わって、今年に入り和歌山記念を制し、更に小松島FIを完全優勝しているのが郡司選手。強力な捲りを武器に、今大会でも注目選手となると思います。前回となる小松島FIから全日選まで少し日にちが空いているので、しっかり体調が整っていれば、決勝進出も見えてくるのではないかと思います。好成績を期待したい選手ですね。
成績を見ていると、お!っと思う選手が出てきます。そんな選手が佐川選手。1月はレースに出場していませんが、12月までの成績を見ていると初日、二日目は期待に応えてくれるのではないかと思われます。少しレースから離れているのが気になりますが、この期間で練習、体調が万全なら、連絡み以上の成績が期待できるでしょう。気にかけてみると面白いと思います。
今年最初のビッグレース、第31回全日本選抜競輪が久留米競輪場で開催される。年末のグランプリで初優勝を飾った浅井康太、復活著しい深谷知広、強力先行・竹内雄作などの役者がそろった中部勢を中心に推すが、スピードスター・新田祐大と昨年の覇者・山崎芳仁の北日本勢や、武田豊樹と平原康多の関東最強コンビがグランプリの無念を晴らすべく必勝態勢で臨んでくる。もちろん地元・九州勢の奮闘にも注目が集まる。久留米では25年ぶりのGI開催となるだけに、S級S班の園田匠を軸に一致団結してタイトル奪取に燃えてくるだろう。
グランプリ覇者の浅井康太が輪界最強の走りを披露する
輪界最速の新田祐大が軌道修正してタイトル奪取を狙う
グランプリ2015は浅井康太が得意の自在戦で平原康多の番手を奪取、捲った平原を直線で差し切ってついに輪界の頂点に立った。浅井は11年に寬仁親王牌とオールスターを立て続けに優勝、その後はGI決勝の常連となりタイトルホルダーとしての存在感を示していたが、3個目のタイトルにはなかなか手が届かなかった。ビッグレースでの「安定性」は抜群だが、「強さ」に関しては頭打ち状態だっただけに、単騎戦で輪界最頂点のレースを制覇した意義は大きい。今年は白のチャンピオンユニフォームを身にまとって戦うことになるが、抜群の安定性と勝負強さという最高の武器を手に入れた浅井が、グランプリ覇者の重責に屈することなく輪界最強の走りを存分に披露してくれるだろう。
中部は完全復活間近の深谷知広に徹底先行で急成長を遂げている竹内雄作と、先行・捲りの自力型も強力だ。深谷は10月の大垣記念で1年2カ月ぶりの記念優勝を達成、12月の伊東温泉記念でも8番手からの豪快な捲りを決めて優勝している。グランプリを勝った浅井もそうだが、選手にとっては実戦で勝ちグセをつけるのが不調脱出のなによりの特効薬だし、次なる飛躍への起爆剤となる。昨年はビッグレースでの決勝進出がなく、捲りに回されて不発のパターンが目立っていた深谷だが、今年はタイトル争いにしっかりと食い込んでくるはずで、オールスターと競輪祭で連続優出を果たしている竹内雄作とともに、中部旋風を巻き起こしてくれるだろう。
新田祐大はグランプリでは早いレースの流れについていけず、最悪の8番手から猛然と巻き返すも2着に終わってしまった。今年初出走となった1月の立川記念も初日特選と準決は捲りで圧勝しているが、決勝は5番手が取れたにもかかわらず仕掛けきれずに不発に終わっている。昨年は日本選手権とオールスターで2冠を達成して輪界最速のスピードをまざまざと見せつけたが、現在は有り余るパワーと仕掛けのタイミングがうまく噛み合っていない印象だ。もちろん体調面ではまったく問題なく、今年はオリンピックイヤーだけにますます新田のパワーアップが加速していくだろうし、今大会までにはしっかり軌道修正してタイトル奪取を狙ってくるだろう。
九州勢が小倉に続く地元戦で今度こその意地を見せる
記念初優勝で勢いに乗る原田研太朗が頂点を目指す
園田匠はグランプリは4着に終わった。浅井康太と同様に単騎戦で臨み、やはり浅井と同様に最終バックから内を狙っていったが、下がってきた村上義弘を捌くもバックを踏んでしまい、脚を余らせたままの悔しい終戦となった。それでも、グランプリ常連のトップレーサーたちを相手に力負けすることなく対等に渡り合えたのは大きな自信につながったはずで、今年も初のS級S班のプレッシャーに押し潰されることなく、園田らしいゲリラ戦法で活躍してくれるだろう。昨年の寬仁親王牌で初タイトルを獲得したあとはGIでの決勝進出がなく、11月の競輪祭ではまさかの一次予選敗退となってしまったが、再び地元開催のGIを迎える今大会は汚名挽回の絶好のチャンスとなるだろう。
地元・九州勢では井上昌己が上昇気配だ。井上は7月の寬仁親王牌で落車してから調子を落とし、競輪祭も二次予選敗退となってしまったが、次場所の佐世保記念では吉本卓仁、松川高大、山田英明らの援護を受け、地元記念連覇を達成して復活、FI戦ながら1月の小倉では逃げと捲りの3連勝で完全優勝を飾っている。昨年の競輪祭では九州勢から決勝進出はなかったが、菅原晃、小川勇介、松岡貴久、合志正臣の4人が準決まで駒を進めているし、オリンピックでメダル獲得を目指す中川誠一郎の自力も相変わらず好調で、園田匠、井上昌己のタイトルホルダーを軸に結束できれば、今度こそは地元戦でファンの期待に応える走りを見せてくれるだろう。
中四国勢で急成長中なのが原田研太朗だ。原田は昨年3月の日本選手権でGI初優出を果たすと、4月の共同通信社杯、7月のサマーナイトフェスティバルでも決勝進出と、四国を代表するスター選手へとのし上がった。その後も優出はならなかったが、オールスターと競輪祭では準決まで勝ち上がる活躍を見せている。そして年明けの立川記念では初日特選こそは新田祐大に捲られて7着だったが、二次予選は逃げて2着、準決は逃げ切りと目の覚めるような積極的な走りを見せ、決勝は8番手からの大捲りで平原康多、新田祐大、脇本雄太らの強豪をひと飲して記念初優勝を飾っており、今大会でも決勝進出はもちろん一気のタイトル取りも十分に期待できる。
平原康多と武田豊樹の関東最強タッグが巻き返す
今年もグランプリ出場を目指して稲垣裕之が突っ走る
グランプリの平原康多は武田豊樹を目標に初優勝を狙ったが、直線で浅井康太、新田祐大に交わされて3着に終わった。これまでに平原は武田の番手からの競走でGIを4回優勝しているが、さすがにグランプリともなると平原、武田の最強タッグといえども簡単には勝ちきれなかった。村上義弘と武田がもがき合いになったとき、平原が自分の仕掛けのタイミングを計りきれなかったのが敗因だろう。1月の立川記念決勝も平原は河村雅章の先行を目標に番手捲りを打ったが、結果は3着に終わっている。今大会でも平原と武田の関東最強コンビのタッグが最低一度は見られるだろうが、番手を回ったほうがどこまで勝ちに徹することができるかが最大のポイントになってくるだろう。
武田豊樹はグランプリでは平原康多の前回りを選択した。昨年は平原の番手から高松宮記念杯と競輪祭を優勝したが、その恩返しという気持ちでは決してなく、前年の覇者として年末の大一番では最強のライバルたちを相手に真っ向からの自力勝負を挑んでみたいという気持ちが強かったのだろう。結果は8着だったが、勝負どころで3番手を奪取した捌きの巧さはさすがとしか言いようがない。今年1月に42歳の誕生日を迎えた武田だが、グランプリの大舞台でも結果を恐れずに攻めていこうという強い気持ちがあるかぎり、輪界の王者の座は決して揺らぐことはないだろう。
近畿ではやはり稲垣裕之が一番の注目選手だ。悲願のGIタイトルにはなかなか手が届かないが、昨年はついにグランプリ初出場を果たした。しかも村上義弘と2車のラインであっても、武田豊樹を相手に真っ向からの力勝負を挑んでしっかりと主導権を取りきれたのは大きな収穫だったはずだ。グランプリという大舞台を経験して大きく成長した稲垣は、今年こそはタイトルを獲得して再びグランプリの舞台へと戻っていくだろう。今年初出走の和歌山記念でも優勝こそはならなかったが、勝ち上がり戦では別線を圧倒的なスピードでねじ伏せるほぼ完璧な走りを見せており、今大会も優勝へ向かって突っ走っていく。
脇本雄太も昨年は大きく成長した選手のひとりだ。脇本は今、競輪と自転車競技の両立で多忙な日々を送っているが、リオデジャネイロ五輪の夢に向かって努力に努力を重ねることによって、アスリートとしてのたくましさを身につけた。以前は精神的にひ弱なところのあった脇本だが、現在では競輪競走においても自信に溢れる走りで好成績を積み重ねており、今年初出走の立川記念でも準優勝と健闘している。新田祐大がロンドン五輪後に輪界の頂点へと駆けあがっていったように、脇本も今年はきっとさらなる飛躍が期待できるだろう。
南関東で急成長中なのが近藤隆司だ。今期から初めて1班に昇格したが、昨年はS級最多の46勝を挙げている。上位戦になるとまだまだ力不足の印象は否めないが、それでも46という数字はりっぱだ。去年4月の共同通信社杯の一次予選では番手捲りの平原康多を大捲りで仕留める大金星を挙げてその名を全国の競輪ファンに轟かせており、今大会でも強い気持ちで攻め抜いていけば勝ち上がり戦での一発が十分にありそうだ。1月の和歌山記念で記念初優勝を飾った郡司浩平や捲り鋭い和田真久留も好調を維持しており、今大会でも南関東勢の奮闘が決して侮れない。
全日本選抜競輪の思い出 ―2011年 第27回大会―
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4車そろった福島勢の固い絆で伏見俊昭が3年ぶりのGI制覇
東日本大震災から約5か月、岸和田の地に集結した福島勢は大量4名が決勝進出、未曾有の苦難を乗り越えてさらに強まった絆によって伏見俊昭が3年ぶりのGI制覇を成し遂げた。レースは浅井康太―加藤慎平、平原康多―神山雄一郎、村上義弘、山崎芳仁―伏見俊昭―佐藤慎太郎―岡部芳幸の並びで周回。赤板過ぎから山崎が前との車間を空け、打鐘前の2角から一気にカマシて主導権を奪う。浅井が5番手に引き、追い上げてきた平原と一旦は併走となるが、平原が間髪入れずに捲り上げていき、村上が関東コンビを追っていく。平原の捲りは3番手の佐藤の横までで一杯となるが、その後ろから村上が猛然と伸びてきて前団に迫る。すると、3角から伏見が番手捲りを打って先頭に立ち、4角では佐藤が迫る村上をブロック、最後の直線に入ると伏見と佐藤のマッチレースとなるが、伏見がそのまま押し切って先頭でゴール、佐藤が2着、村上が3着。
表彰 |
ゴール |
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バンクの特徴
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軽くて走りやすく、先手ライン有利が基本
直線は短めだが、脚質や戦法による有利不利はない
久留米はクセのない標準的な400バンクで、走路も軽めでタイムが出やすくスピードのある選手に向いている。
さすがにS級上位戦になると先行・逃げ切りの出現率は低くなるが、うまくペースを掴んで駆ければ2着、3着に粘れるので先手ライン有利が基本となる。見なし直線距離も全国31場の400バンクの平均は52.3mだが、久留米の見なし直線距離は50.7mと短めになっている。
14年6月に開催された記念競輪の決まり手を見てみると、全48レースのうち1着は逃げが5回、捲りが18回、差しが25回、2着は逃げが7回、捲りが10回、差しが11回、マークが20回となっている。
先手を取った選手がよく逃げ粘っているのがわかる。これを3着までに範囲を広げると、全レースの半数以上の26レースで主導権を取った選手が確定板に載っている。先手ラインの選手が1着になったレースも半数以上の27回だ。
ちなみに決勝戦は中川誠一郎が先行、5番手から捲った浅井康太は不発、中川の番手から抜け出した坂本亮馬が1着、続いた大塚健一郎が2着、中川が3着に粘り九州勢で上位独占となった。
捲りもカントがきついのでスピードに乗れるが、逃げた選手が粘り込むので、最終2角から早めに仕掛けて3角過ぎまでに捲り切ってしまわないと、逃げ選手とのもがき合いになって不発の危険性が高くなる。
ただ、中バンクのイエローライン付近に伸びるコースがあるので、最終4角までに捲り切れなくなくても、我慢して外にへばりついていけば直線に入ってからチャンスが出てくる。結果、逃げた選手と捲った選手の自力型同士によるワンツー決着の出現率が高くなっている。
追い込み型はもちろん先手ラインの番手が有利だが、中バンクが伸びるので3番の選手が突き抜けての交わしの交わしもある。
また、逃げた選手と捲った選手のもがき合いで展開がもつれるケースが多いので、後方で足をためていた選手がうまいコース取りで直線強襲してくることも少なくない。
※写真は第21回共同通信社杯の時のものです。
周長は400m、最大カントは31度28分37秒、見なし直線距離は50.7m。かつてはお皿バンクで捲りが決まりにくいことで有名だったが、98年の共同通信社杯開催を前に全面改修され、カントが立って捲りが決まりやすくなった。基本は先手ライン有利だが、脚質や戦法による有利不利はない。バンクの周囲がぐるりとスタンドに囲まれており、風の影響も少ない。最高上がりタイムは11年7月に友定祐己がマークした10秒7。
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