レース直前展望
ピックアップした選手が福岡と東京になってしまったのも何かあるのかもしれませんが、今回のガールズケイリンコレクションは結構な激戦となりそうです。
動く選手が多くて、打鐘過ぎから、積極的に動く展開となってきそうですね。
Tokyo2020を正式に目指すことを宣言して、自転車競技に復活した小林選手は前回のガールズケイリンコレクションでは落車失格となってしまいましたが、負傷明けの4月は2開催とも完全優勝をしており、優勝候補であることは間違いありません。ここは、中団からの早めの捲りで優勝を狙ってくるでしょう。ですがこのメンバーで先行して勝利を勝ち取ってほしいと思います。
徹底先行で優勝を狙うスタイルには全くブレがありません。しかし、そのスタイルゆえのウイークポイントが、差されること。どうしても決勝戦では差されることが多くなり、優勝につながらない場合もあります。しかし、この徹底先行が昇華すればガールズケイリンコレクションでも優勝することができるはずです。今回のガールズケイリンコレクションは期待してみたいと思います。
児玉選手は戦法に幅があるのがいいですね。捲り主体で、先行もあるのは、対戦する相手選手は児玉選手の出方が読みづらいですから、無理に仕掛ける場合もあります。となれば児玉選手の出番。捲っても追い込んでも児玉選手にとって都合の良い展開になるはず。前々にいれば、最終的に良い位置からゴールに突っ込んでくると思われます。
今回のメンバーで唯一、追い込みタイプと言えるのが小林莉子選手です。好位置から捲り追い込んでくる脚は目を見張るものがあります。このレースも当然、好位置キープから、捲り追い込んでくるのは必定。あとはゴールに近いとこにいるかいないかでしょう。近況的には直前の函館の成績が今ひとつ振るわなかったことが気になりますが、しっかり調整してくるはずです。
今年2回目となるビッグレース、ガールズケイリンコレクション2016静岡ステージが静岡競輪場で開催される第70回日本選手権競輪の3日目9Rに実施される。3月の名古屋ステージでは伏兵・山原さくらのビッグレース初優勝となったが、ガールズケイリンも年々選手層に厚みを増してきて上位陣の力が拮抗してきているだけに、今回も大激戦が予想される。選考順位で堂々の1位に選ばれた新鋭・児玉碧衣の走りに注目したいが、ビッグ初制覇でパワーアップした山原さくらの連覇や徹底先行を貫きとおす奥井迪の逃げ切り優勝も十分だ。
児玉碧衣は昨年7月にデビューしたばかりの108期の新鋭だが、昨年11月の前橋から連勝街道を驀進、今年2月の京都向日町まで20連勝を達成し、昨年8月から今年1月までの選考期間における3連対率がトップで2回連続のコレクション出場を果たした。昨年12月の熊本決勝では小林優香が3番手、児玉が5番手の展開から先捲りを打って圧勝と強さを発揮している。ビッグレース初出場となった名古屋ステージでは勝負どころで迷いが生じて仕掛けきれずに終わったが、今回は名古屋での失敗を糧にパワー前回のパフォーマンスを見せてくれるだろう。
小林優香は昨年のガールズグランプリを制して初の女王の座に就いたが、コレクション名古屋ステージでは勝負どころの仕掛けでやや伸びを欠き、最終3角で児玉碧衣の後輪に接触して落車と残念な結果に終わった。現在は欠場中なので体調面に不安はあるが、出場してくれば女王の名に恥じない走りをきっと見せてくれるはずだ。ガールズグランプリでは位置取りにこだわり、3番手を奪取してからの捲りと勝ちに徹した走りを見せていたが、落車欠場後となる今回は早め早めの仕掛けから思い切っての先行策も十分に考えられるだろう。
ガールズケイリンの先行女王は奥井迪だ。結果よりもレース内容にこだわる奥井の競走スタイルはビッグレースでも変わることなく、昨年のガールズグランプリでは先行して4着、前回の名古屋ステージも先行して2着に粘り込んでいる。2月の京都向日町決勝ではダッシュ鋭い児玉碧衣に主導権を奪われたが、最終バックから捲り返して優勝、児玉の連勝記録を20でストップさせ、捲りでも強いところを見せつけていた。今回の出場選手の中では最年長だが、それでもやはりライバルたちとのもがき合いを辞さぬ覚悟で主導権取りに燃えてくるだろう。
尾崎睦はビーチバレーからの転向組だ。昨年3月の実施された108期の卒業記念レースでは児玉碧衣の先行を最終2角から仕掛けて捲り切り、4連勝の完全優勝を飾っている。昨年7月にデビューから今年2月までの通算優勝は8回とプロ転向後の成績もまずまずだ。得意の勝ちパターンはやはり捲りだが、将来を見据えての先行へのこだわりも強く、予選では先行しての連絡みが多い。今回はビッグレース初出場となるが、ビーチバレー時代に大舞台で活躍してきた経験値があるだけに決して侮れない存在となりそうだ。
石井貴子は前回の名古屋ステージでは前受けから捌いて先行する奥井迪?山原さくらの3番手の好位置をうまく確保したが、最終4角で落車と残念な結果に終わった。小林優香と同様に現在は負傷欠場中なので状態が心配だ。1月の大垣は3番手からの捲りで優勝、2月の小倉は5番手からの捲りで優勝、次場所の広島はやはり前受けから捌いて先行する奥井迪の番手を確保、ゴール前できっちり差し切って優勝と直前までは好調だった。今回も体調面で不安はあるが、巧みなレース捌きでチャンスを掴んでくるだろう。
ガールズ1期生から唯一の出場は102期の小林莉子だ。小林は12年のガールズグランプリの初代女王としてその名を歴史に刻んでいる。続々と登場してくる後輩選手たちの突き上げは厳しいが、昨年は6月のコレクション岸和田ステージで3着、8月のガールズケイリンフェスティバルで決勝2着、ガールズグランプリでは3着と、優勝こそないものの1期生の意地を見せつけて健闘している。今年は2月の立川、3月の松戸で捲って優勝、3月の小倉決勝では先行する奥井迪の番手を取り切り、ゴール前で差し切って優勝と近況の調子もいい。
山原さくらは前回の名古屋ステージでビッグレース初優勝を飾った。ビッグレースには何度も出場している山原だが、これまでは大敗続きで、昨年8月のガールズケイリンフェスティバル決勝の3着が最高だった。しかし、名古屋ステージでは初手から意気込みが違っていた。スタートは4番手の位置だったが、そこから前へ前と積極的に動いていって先行態勢に入った奥井迪の番手を確保、逃げ粘る奥井をゴール前で捉えて優勝している。今回も相手は強敵揃いだが、ビッグ初優勝でスケールアップした山原が前へ前への強気の攻めで連覇を狙ってくる。