レース直前展望
今年のヤンググランプリは近年で一番激戦となりそうなメンバーとなりました。特に今年大活躍を見せた吉田拓矢と新山響平が出場してきました。さらに取鳥雄吾、鈴木竜士107期勢が、前年覇者の野口大誠、渡邉雄太、神田龍、小笹隼人、畑段嵐士の105期選手とどのように争うのかも見どころの一つでしょう。
どのようなレースになるのか今から、ワクワクが止まりませんね。
◆吉田拓矢 茨城 107期
ツボにはまった時の強さは半端じゃありません。逃げても捲っても強さを発揮できた2016年だと思います。ラインがどうなるかは今現在ではわかりませんが、いずれにしろ関東で結束してくると思われます。結束してきた時にどのように他の選手を撃破してくるのかに期待がかかるでしょう。どのようなレースを見せてくれるのか期待したいですね。
◆新山響平 青森 107期
競輪祭では決勝に進出し、記念競輪では決勝に進出する一人となってきている新山はこのタイトルは是が非でも欲しいところでしょう。ここでタイトルを取って、来年の活躍に弾みをつけたいはず。ただ、茨城勢が強力なのでそう簡単にはいかないのも事実あります。どのような選択をしてくるのかここが大きなポイントになりそうです。強さを見せて欲しいですね。
◆野口大誠 熊本 105期
昨年のヤンググランプリの覇者が野口大誠です。今年はどのようにレースを進めてくるのかに連覇がかかるでしょう。今までヤンググランプリの連続優勝者は出ておらず、連覇することになると初めての選手となります。プレッシャーもかかってくると思いますがはねのけて、連覇を成し遂げて欲しいですね。グランプリには同県の中川誠一郎も出場していますしね。勝って弾みをつけて欲しいと思います。
次代を担う若手選手の登竜門・ヤンググランプリ2016が、立川競輪場で開催されるKEIRINグランプリシリーズの2日目(12月29日)11Rに実施される。 スーパールーキーの107期トリオ、吉田拓矢、新山響平、鈴木竜士の激突が最大の見どころだが、同じく107期の取鳥雄吾や105期の渡邉雄太も力をつけてきており波乱の目も十分だ。昨年のヤンググランプリの覇者である野口大誠やレース巧みな畑段嵐士の逆転一発も侮れない。
◆吉田拓矢 茨城 107期
吉田拓矢は昨年7月にデビューしたばかりだが、今年早くも数々のビッグレースで大活躍、その先行・捲りの破壊力は超一流の選手たちが相手のレースでも決してヒケを取らない。GI初出場となった6月の高松宮記念杯ではいきなりの準決進出、8月のオールスターはデビュー後初の落車の影響で欠場を余儀なくされたが、10月の寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントでは再び準決進出と順調にトップスターへの階段を駆け上がっている。4月の107期のルーキーチャンピオンレースではライバルの新山響平に敗れているだけに、今回はリベンジに燃えてくるだろう。
◆新山響平 青森 107期
強豪ぞろいの107期生の中でいち早く記念優勝を飾ったのが新山響平だ。7月の函館記念決勝では竹内雄作、川村晃司らを相手に堂々と逃げ切り、デビューからわずか1年と21日の最速記録を打ち立てている。ビッグレースでも初参戦となった10月の共同通信社杯は一次予選で敗れているが敗者戦で2勝を挙げ、続く寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントでは準決進出と期待どおりの結果を残している。新山は107期の卒業記念レースとルーキーチャンピオンレースを両方優勝しており、今回もライバルたちを蹴散らして三度の優勝をつかみにくるだろう。
◆渡邉雄太 静岡 105期
渡邉雄太は昨年のヤンググランプリは8着だったが、打鐘から元砂勇雪と壮絶な先行バトルを演じ、最終的には主導権を奪いとって徹底先行・渡邉の名を全国に轟かせた。今年も逃げて逃げて逃げまくっており、7月の福井では完全優勝でS級初優勝を決めている。GI初出場となった5月・静岡の日本選手権では連絡みを果たせなかったが、10月の寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントでは敗者戦ながら逃げ切りで2勝と先行力は確実にレベルアップしている。今年は単騎戦となるかもしれないが、昨年同様に自分のスタイルを貫いた積極的な走りで活路を見出してくるだろう。
◆鈴木竜士 茨城 107期
15年7月にデビューした鈴木竜士は9月・京王閣のチャレンジレースから怒涛の18連勝で11月にはS級に特別昇級、今年2月の京王閣でS級初優勝を達成した。その後はやや安定性を欠いた成績が続いてしまったが、8月の立川で2度目のS級優勝を完全優勝で飾り、2度目のビッグレース出場となった9月の共同通信社杯では1着1回、2着1回の成績を残している。107期のルーキーチャンピオンレースでは吉田拓矢を連れての先行で9着だったが、今回も吉田との好連係を決めて積極的な攻めを見せてくれるだろう。
◆畑段嵐士 京都 105期
畑段嵐士は105期の在校2位で、ルーキーチャンピオンレースの覇者だ。渡邉雄太の先行で畑段は最終バック5番手の展開から縫うようにコースを探って直線で頭に突き抜けている。昨年12月のレインボーカップA級ファイナルでも最終4角4番手から直線突き抜けて優勝、S級に特別昇級を果たしている。S級での優勝はまだないが、戦法はA級時代から一貫しての自在戦で、常に勝ちにこだわった度胸満点の走りはなにかと注目の的になっている。今回も同県・小笹隼人との連係から、最後は技アリのコース取りで突き抜けてくるだろう。
◆野口大誠 熊本 105期
野口大誠は昨年のヤンググランプリの覇者だ。野口は初手から単騎だった野原雅也を追走、最終2角7番手から捲った野原にスピードをもらい直線鋭く伸びて先頭でゴールを駆け抜けている。さらには今年1月の久留米FI決勝で最終2角5番手から捲ってS級連続優勝をして完全に勢いに乗ったかと思われたが、その後はやや伸び悩んでしまい「優勝」の2文字からは遠ざかっている。それでも、9月の共同通信社杯では敗者戦ながらビッグレース初の勝ち星を挙げて調子は上向いてきており、ヤンググランプリ連覇も十分に期待できそうだ。
◆神田龍 三重 105期
神田龍は国立大学でエンジニアを目指していたが、趣味で始めた自転車の魅力に取り憑かれ、大学を中退して競輪選手への道を選択した異色のレーサーだ。デビューしてからは一貫して行きっぷりのよさを武器に奮闘、走るたびに着実にレベルアップしてヤンググランプリの出場権を獲得できるまでに成長してきた。昨年4月の105期のルーキーチャンピオンレースでは終始内に詰まったままで力を出しきれずに終わっているだけに、今回は完全燃焼を目標に、持ち味の積極性をフルに発揮した力走を見せてくれるだろう。
◆取鳥雄吾 岡山 107期
吉田拓矢、新山響平、鈴木竜士の107期トリオにライバル心を燃やすのが取鳥雄吾だ。吉田は昨年10月に、新山は12月に、鈴木は11月に3場所連続完全優勝でS級に特別昇級したが、取鳥も約半年遅れの今年5月に特昇、ライバルたちに追いつき、追い抜くことを目標に奮闘中だ。4月の107期のルーキーチャンピオンレースでは好回転の捲りを見せるも鈴木-吉田の2段駆けに合わされて不発に終わってしまったが、あれから取鳥も着実にパワーアッブしており、今回もライバルたちに真っ向勝負を挑んで波乱を呼び起こしてくれそうだ。
◆小笹隼人 京都 105期
小笹隼人は高校、大学時代は陸上競技で活躍、100メートルの自己ベストが10秒43のスプリンターだ。105期の在校順位は27位と平凡だったが、A級時代は徹底先行でS級に上がることを目標に鍛錬を重ね、デビューから1年半後の今年1月からS級に昇進、記念初参加となった1月のいわき平では敗者戦ながら逃げ切りで2勝を挙げている。その後はやや壁にぶつかった印象もあるが、常に先行しようという強い気持ちでレースに臨んでおり、今回も陸上で鍛えた自慢のダッシュ力を武器に同県の畑段嵐士を連れての主導権取りを狙ってくるだろう。