レース直前展望
2016年はどのような年でしたか?
なんてお聞きする時が来ましたね。
そう、ビッグイベントが迫っています。
いよいよ「KEIRINグランプリ2016」が開幕します。
2016年の大活躍した選手たちの競演です。12月28日から30日のゴールまで存分に楽しんで下さい!
今年は立川競輪場で開催されます。
本場に行かれる方はリニューアルした立川競輪場も楽しんでください!
平原康多 埼玉 87期
2016年後半に入ってやっと本調子になってきたのが平原康多です。今年前半の落車の影響で、今年の優勝は2回。ですが、競輪祭の大活躍は素晴らしいものがありました。良い位置からの捲り、捌いてからの捲りは平原完全復活といってもいいでしょう。今回のKEIRINグランプリは優勝を狙ってくるはず。強い平原をKEIRINグランプリでみたいですね。
新田祐大 福島 90期
コンスタントに強い!と競輪ファンから支持されているのが新田祐大でしょう。強い時のレースは、本当に目を見張ってしまうほどの内容です。後ろにつく選手がつくのが大変だと言わしめるほどの強さです。年間を通しての競走得点も118.72(12/19現在)とトップ。この強さをぜひKEIRINグランプリ2016で発揮して欲しいですね。パーフェクトな強さを出せればチャンピオン間違いなしでしょう。
村上義弘 京都 73期
魅せる競走の代名詞となっているのが村上義弘でしょう。地区の絆、ラインの絆など、まさしくジャパニーズ競輪の真骨頂を体現してくれているのが凄いですよね。現代のミスター競輪といっても過言ではないと思います。今年はラインの稲垣裕之とタッグを組んでグランプリ王座を射止めにくるはずです。その競走にぜひ酔いしれてください!
今年のベストナインが雌雄を決する年末恒例の大一番、KEIRINグランプリ2016が12月30日に立川競輪場で号砲を迎える。近況の勢いからは平原康多と武田豊樹の関東コンビが一歩リードの印象だが、世界レベルのスピードスターがタッグを組む新田祐大と渡邉一成の福島コンビや鉄壁の絆を誇る村上義弘と稲垣裕之の京都コンビも強力だ。もちろん昨年覇者の浅井康太や鋭脚発揮の岩津裕介に大捲りの一発にかける中川誠一郎の逆転も侮れない。
渡邉一成 福島 88期 第31回読売新聞社杯全日本選抜競輪 優勝
新田祐大との連係からチャンスを掴む
渡邉一成は北京、ロンドン、そして今年のリオと3度のオリンピック出場を誇るトラック競技の第一人者だが、国内の競輪ではなかなか結果を出せずにいた。しかし、自身7度目のGI決勝進出となった2月の全日本選抜では前に新田祐大、後ろに佐藤慎太郎と菊地圭尚の北日本ラインの援護を受け、新田のバック捲りを追い込んでGI初制覇を達成している。その後はGIでの決勝進出がなく、競輪祭ではまさかの一次予選敗退と相変わらず競輪では真の実力を発揮できずに終わっているが、今回は新田との連係があるだけに優勝のチャンスは十分だ。
村上義弘 京都 73期 第69回日本選手権競輪 優勝
今年も魂の走りでファンを魅了する
村上義弘は3月・名古屋の日本選手権で4度目のダービー制覇を果たした。決勝は三谷竜生―川村晃司の近畿ラインの3番手からの競走だったが、最終ホームで赤板先行の三谷の番手から川村が発進すると、村上は巻き返してきた竹内雄作と新田祐大の2人をブロックで止め、さらには内を突いてきた岩津裕介を押さえ込んでから直線抜け出して栄冠を奪取と八面六臂の大活躍を見せた。10月の寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントでも近畿ラインを徹底的に援護して稲垣裕之の初タイトルに貢献、今回も強い絆で結ばれた稲垣との連係から魂の走りを見せてくれるだろう。
中川誠一郎 熊本 85期 第70回日本選手権競輪 優勝
中川誠一郎がワンチャンスにかける
中川誠一郎は5月・静岡の日本選手権でGI初優勝を達成した。4月の地震で被災した故郷・熊本に勇気と希望を送る大きな勝利だった。決勝は単騎戦で終始最後尾の展開だったが、勝利の女神が与えてくれたワンチャンスを逃さず、最終ホームから大捲りを打って後続をぶっちぎる完勝劇だった。さらには10月に久留米競輪場で代替開催された地元熊本記念でも優勝と、九州男児の気迫とパワーを見せつけている。今回も九州からの出場は中川ひとりだが、世界を舞台に戦ってきたトップレーサーならではの集中力と嗅覚でワンチャンスにかけてくる。
新田祐大 福島 90期 第67回高松宮記念杯競輪 優勝
自慢の快速捲りで昨年のリベンジを狙う
新田祐大は5月の高松宮記念杯で4日制以上のGIで3度目の優勝を飾った。決勝は平原康多の先行で3番手以降が併走状態となって短くなり、新田にとってはもってこいの展開、最終2角からスパートすると自慢の快速捲りで後続を突き放して完勝している。今年の新田は寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントの準決では近畿ラインの先行を捲れず9着と敗れているが、その他のGIはすべて決勝進出と年間を通して高いレベルで好調を維持してきた。昨年のグランプリは8番手からの仕掛けで2着に終わっているが、今年こそは好機を逃さぬ仕掛けで優勝を狙ってくるだろう。
岩津裕介 岡山 87期 第59回オールスター競輪 優勝
直線の長い立川バンクで鋭脚を発揮
岩津裕介は8月のオールスターでうれしいGI初タイトルを獲得した。決勝は村上義弘―稲垣裕之の京都コンビの3番手を選択、赤板先行の村上の番手から捲って出た稲垣をゴール前で差し切って優勝している。岩津のグランプリ出場は2回目となるが、初出場だった2年前のグランプリでは落車と悔しい思いをしているだけに、今年のグランプリに期するものは大きいはすだ。地区的には中川誠一郎との連係の可能性が高そうだが、いずれにしろ勝負どころでは好位に抜け出し、立川バンクの長い直線を利して鋭脚を発揮してくるだろう。
稲垣裕之 京都 86期 第25回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント 優勝
さらなる高みを目指して突き進む
稲垣裕之は10月の寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントでついにGI初制覇を果たした。デビューから16年目、39歳での待ちに待った悲願達成だった。8月のオールスターでは村上義弘の赤板先行で番手絶好の展開となりながら岩津裕介に優勝をさらわれて悔し涙を飲んだが、それでも心折れることなく、目標に向かってひたむきに前進を続けた精神力の強さは賞賛ものだ。11月の競輪祭でもしっかりと決勝進出を果たして単騎戦ながら3着で表彰台に上がっており、今回も村上義弘との連係からさらなる高みを目指して突き進んでいくだろう。
平原康多 埼玉 87期 第58回朝日新聞社杯競輪祭 優勝
武田豊樹との黄金タッグで優勝を狙う
今年は「調子が上がってくるとまた落車」の繰り返しで波に乗れず、競輪祭開催時にはグランプリ出場の当落線上にいたが、賞金争いのプレッシャーを跳ね飛ばす力強い走りで決勝進出を果たすと、圧倒的なパフォーマンスを披露して3度目の競輪祭優勝を決めると同時に武田豊樹をもグランプリへと連れ込んだ。昨年のグランプリでは武田―平原の並びで、武田が行けずと見ると平原は自力に転じて最終4角を先頭で抜け出したが、ゴール前では末を欠いて3着に沈んでいるだけに、今年こそはの意気込みで優勝を狙ってくるだろう。
浅井康太 三重 90期 賞金獲得額第7位
今年も自力自在に動いて連覇に挑む
浅井康太は昨年のグランプリ覇者だ。昨年は単騎戦から勝負どころで関東ラインの3番手を奪い、平原康多の捲りをゴール前で差し切って初優勝を飾っている。今年はGIの優勝こそなかったが、7月のサマーナイトフェスティバルを優勝、記念優勝が6回と白のチャンピオンユニフォームにふさわしい活躍を見せた。8月の弥彦記念は堂々と逃げ切っての優勝と、浅井は展開や組み合わせに応じて色々な勝ちパターンを持っているのが最大の強みで、今年も単騎になりそうな組み合わせだが、昨年同様に自力自在に動いて連覇を狙ってくるだろう。
武田豊樹 茨城 88期 賞金獲得額第8位
再び平原康多との好連係を決める
武田豊樹は1月の和歌山記念で落車してからずっと悪い流れが続き、今年は苦難の1年となった。優勝は5月の全プロ記念のスーパープロピストレーサー賞と9月の岐阜記念の2回だけで、8月のオールスターでは今年初のGI優出を果たしたがグランプリ出場は絶望的な状況となっていた。しかし、土壇場の競輪祭決勝で盟友・平原康多の捲りに食らいついて2着に入りグランプリの最後の切符をもぎとった。現状は満身創痍といってもいい状態だが、これまで培ってきた経験と技を駆使して暮れの大一番で再び平原との好連係を見せてくれるだろう。
浅井が平原の捲りを差して初優勝
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新田祐大―山崎芳仁、武田豊樹―平原康多―神山雄一郎、園田匠、浅井康太、稲垣裕之―村上義弘の並びで周回。青板のバックから稲垣が上昇すると、武田も合わせて動くが、稲垣が赤板で先頭に立ち、武田が3番手に入り、浅井、園田、新田の順で続く。そのまま稲垣が先行態勢に入り、一列棒状のまま最終ホームを通過。武田は2角から捲るが、村上が番手捲りで応戦、武田が行けないと見ると平原が自力に転じて捲っていくが、同時に内を突いた浅井が神山をどかして平原を追う。平原は4角手前で先頭に立ち、直線では平原、浅井と猛然と捲ってきた新田との3車の争いとなり、ゴール直前で浅井が平原を追い込んで優勝、新田が2着、平原が3着。
KEIRINグランプリ2015 優勝 浅井康太
KEIRINグランプリ2015 ゴール
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直線が長くて先行選手には厳しい
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ゴール前では大外一気の逆転劇が多い
立川は周長が400mの標準的なバンクだが、直線距離は全国でも有数の長さを誇っているのが最大の特徴だ。12年には全面的な走路改修が行われ、以前よりも軽くて走りやすいスピードバンクに生まれ変わっている。改修前のバンクレコードは93年の日本選手権で遠澤健二がマークした10秒9だったが、改修後の13年の日本選手権では深谷知広が10秒6をマークして20年ぶりに記録を更新している。
同じく13年に開催のグランプリシリーズの決まり手を見てみると、全33レース(2着同着1回を含む)のうち1着は逃げが1回、捲りが13回、差しが19回、2着は逃げが4回、捲りが3回、差しが9回、マークが18回となっている。
さすがに直線が長いので先行選手には厳しく、逃げ切りは3日間で1回だけで、先手ラインの選手が1着になったのも全体の3分の1以下の10回しかない。それでも直線が500バンク並みに長いためにレース全体のペースがあまり上がらないので、先行選手はペース駆けに持ち込みやすく、2度、3度と踏直しの効く選手ならば2着や3着に粘り込める。
捲りは中団をキープして3コーナーから上バンクにコースを取り、カントを使って外を追い込んでいくとよく伸びる。直線ではイエローライン付近がよく伸びるので、後手を踏まされて7、8番手の展開になっても、コース取りさえまちがわなければ十分に逆転は可能だ。
追い込みも3、4番手で脚をためていた選手が直線で一気に頭に突き抜けるケースがよくあり、高配当が出現しやすい。
周長は400m、最大カントは31度13分06秒、見なし直線距離は58.0m。コーナー部分のカーブが一般的な競輪場よりも急なために前団に位置する選手が直線に入ってから外側に膨れやすく、空いたコースを後方待機の選手が突っ込んでくるケースがよく見られる。冬場から春頃まではバック向かい風の強い日が多い。
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