レース直前展望
初めての大会となりますウィナーズカップ。
一番初めは高松競輪場での開催となりました。
皆様、高松には行かれたことがありますか?今や全国的に有名になった讃岐のうどん県ですよね。高松の地で初めてうどんを食べた時の衝撃は大きかったです。「美味い!こんなうどんがあったか!」と思うぐらいでした。
そのうどん県で第1回ウィナーズカップが開催されます。
誰が第1回ウィナーズカップの栄冠を手にするのでしょうか?
ワクワクの一戦となりそうです。
今、最強と言えるのが平原でしょう。直前の玉野記念は欠場となっていますが、2月の全日本選抜競輪決勝を見れば、本当に強い!としか言いようがない見事なレースでしたね。あの決勝レースの稲垣裕之を飛ばして、絶好のタイミングで飛んできた新田祐大の捲りを行かして、更に追い込んでの優勝は、目が点になる見事なものでした。ウィナーズカップの優勝最有力候補といって間違いないでしょう。
直前の四日市記念の決勝は、勝ちを意識しすぎたのか、前を見すぎて届かなかった感じがありました。地元の記念ですから、どうしても勝ちたいという意識が働いてしまったと思います。これらのプレッシャーから抜けて、リラックスして今大会に臨めば浅井も優勝の有力候補といって間違いないですね。今大会も良いレースを期待しましょう。
全日本選抜競輪終了後、ワールドカップ・ロス大会に出場、男子ケイリン一回戦でアクシデントがありましたが、ここは元気なパフォーマンスを見せてくれると思います。そして、新田は外せないですね。やはり全日本選抜競輪決勝の捲りは唸るものがありました。平原に屈したとはいえ、ここも優勝を狙ってくるでしょう。豪快な捲りを高松でも見せてくれるはずです。期待したいですね。
いろいろ考えるとやはりウィナーズカップですから、若手を取り上げて取鳥をピックアップしてみました。大きい着を取る事もありますが、直近の四日市記念の決勝進出が気になるところです。ウィナーズカップでも気っ風良く先行すれば上位進出が見えてくるのではないかと期待したいですね。中四国の連携が高松の地を大きく盛り上げてくれるでしょう。注目してください!
今年から新設されたウィナーズカップの第1回大会が高松競輪場で開催される。格付けGIIながら、ファンの車券に最も貢献している1着回数上位者を中心に108名が選抜されるレースで、まさに勝者の中の勝者を決するビッグな大会だ。記念すべき第1回大会の優勝候補の筆頭は2月の全日本選抜でGI連覇を達成した平原康多になるが、スピードで勝る新田祐大や村上義弘率いる近畿勢の反撃は必至だ。選抜方式により勢いのある若手選手も多数出場予定で波乱の目も十分なだけに、ファンにとっては見逃せないシリーズとなるだろう。
輪界のトップスターたちと若手選手たちの白熱バトル
平原康多が充実のオールマイティーぶりを発揮する
ウィナーズカップの選考期間は昨年の9月から12月までだが、FI戦の1着回数も選考対象になっている上に昨年のヤンググランプリの出走者全員に出場権が与えられているので、粋のいい若手選手が多数出場予定なのが特徴となっている。
初日の特別選抜予選3個レースの出場予定選手を見ても若手選手の名前が多く、他のビッグレースとは一味も二味も違った熱い戦いが期待できる。もちろん輪界トップのS級S班の選手たちと若手選手たちの力の差は歴然だが、彼らの頑張り次第ではあっと驚くような波乱の目も十分だし、2日目以降の勝ち上がり戦でも他のビッグレースでは見られないような激戦が繰り広げられることになるだろう。
優勝候補の筆頭は2月の全日本選抜でGI連覇を達成した平原康多だ。現在の平原の充実ぶりは競輪選手としての理想型といっても過言ではないほどで、心・技・体とも満点に近い。
全日本選抜の初日特選は捲って1着、2日目スタールビー賞は捲って2着で武田豊樹とワンツー、準決は逃げて2着で再び武田とワンツー、決勝は三谷竜生の番手を捌いて三度武田とのワンツーを決めて優勝と、まさに逃げてよし、捲ってよし、捌いてよしのオールマイティーぶりを遺憾なく発揮した。今の平原には死角らしい死角は皆無で、どんな対戦相手でも、どんな展開になっても、自身の最も得意な勝ちパターンに持ち込んであっさりと勝利をもぎ取ってしまうだろう。
武田豊樹は惜しくも地元優勝はならなかったが、全日本選抜の走りを見れば完全復活にまた一歩近づいたと言っていいだろう。2日目スタールビー賞では3番手から捲った平原康多の上がりタイムが11秒1で、それをズブリと差し切った武田が11秒0とタイム的にも素晴らしい。
1月の和歌山記念では準決敗退と自力に回ったときにはまだ厳しい面もあるが、関東勢は吉澤純平、吉田拓矢、鈴木竜士らの強力先行が目白押しで目標には事欠かないだけに、今大会も彼らを目標にきっちりと勝ち上がってくるだろうし、もちろん盟友・平原との連係があればまたもやのワンツーフィニッシュで王者の貫禄を見せつけてくれるだろう。
ビッグレースの初日はめっぽう強い原田研太朗
スピード一番の新田祐大がますますパワーアップ
地元・四国地区の期待の星は原田研太朗だ。原田はGIでは15年の日本選手権、GIIでは同じく15年の共同通信社杯とサマーナイトフェスティバルで優出しているが、その後のビッグレースでは準決が壁になって決勝進出がない。それでも大物食いで定評のある捲りのスピードは秀品だ。
昨年9月の共同通信社杯の初日一次予選は逃げ切り、10月の寛仁親王牌の初日一次予選は捲って1着、11月の競輪祭の初日特選予選も捲って1着、そして先の全日本選抜の初日特選予選も脇本雄太と吉田拓矢のもがき合いを豪快に捲り、2着に6車身の差をつけて圧勝とビッグレースの初日は現在4連勝中だ。今大会も初日特選予選で勢いをつけていけば、久しぶりの決勝進出が期待できるだろう。
S級S班の岩津裕介も準地元地区の今大会でしっかり見せ場をつくってくれるだろう。全日本選抜では初日特選予選は原田研太朗の捲りを追走するも武田豊樹に捌かれて5着、二次予選も5着に敗れているだけに巻き返しに燃えてくるはずだ。
今大会の初日特選では中四国勢から原田研太朗、河端朋之に岡山の新鋭・取鳥雄吾も出場予定なので展開的にも不利はない。1月の立川記念では決勝2着、続く松山記念では決勝5着と岩津自身の調子もまずまずだ。松山記念の二次予選では取鳥雄吾の仕掛けに乗って1着、全日本選抜の4日目特選では原田研太朗の捲りを追走して2着に入っており、今大会でも中四国ワンツーを決めてくるだろう。
新田祐大は全日本選抜では1月の立川記念以来の久々の実戦となったのでレース勘が不安視されていたが、初日特選は捲って1着で上がりタイムが11秒0、準決も捲って1着で11秒2、決勝も大捲りを打って3着と冬場の重たいバンクをモノともせずにさすがのスピードを見せつけていた。
注目すべきは決勝のレース内容だ。これまでの新田だったら前を見すぎて捲り届かずのパターンとなる展開だった。2日目のスタールビー賞がまさにそのパターンで、最終4角からようやく仕掛けた新田は4着が一杯だった。しかし、決勝の新田は違っていた。結果は3着だったとはいえ、好機を逃さずに仕掛けていった走りは今後につながる大きな収穫だったと言える。
好調・三谷竜生が得意のパワー先行で押し切りを狙う
浅井康太は得意の自在戦を駆使して勝機を掴む
三谷竜生が全日本選抜で2度目のGI優出を決めていよいよ本格化してきた。昨年後半は事故点で2班に降格していたが、11月の競輪祭では2連勝の勝ち上がりで準決進出、12 月の岸和田記念では決勝3着、今年2月の奈良記念では決勝3着とずっと好調を維持、そして全日本選抜の準決では横山尚則-吉澤純平の関東ラインを最終ホーム手前から早めに叩いて2段駆けを許さず、3着に粘り込んで力の違いを見せつけた。その準決のときもそうだたが、近況は連係実績の多い村上義弘が三谷に先着できないケースが増えてきていることからも三谷のパワーが格段に向上してきているのがよくわかるし、今大会も力強い走りで順調に勝ち上がっていくだろう。
稲垣裕之は全日本選抜の決勝では絶好の三谷竜生の番手回りだったが、イン粘りの平原康多に競り負けて9着と悔しい結果に終わってしまった。
昨年の寛仁親王牌で涙のGI初制覇を達成してタイトルホルダーの仲間入りを果たした稲垣だが、近畿は若手選手がどんどん力をつけてきて稲垣は番手を回るケースが増えてきているだけに、今後は番手でいかにうまく立ち回るかが大きな課題となってくるだろう。全日本選抜の勝ち上がり戦の3日間もすべて番手戦だっただけに、決勝での苦い敗戦も決して無駄とは言えず今後につながる大きな糧となったはずで、今大会ではより一歩成長した稲垣の姿がきっと見られるはずだ。
浅井康太は全日本選抜の決勝では4着に終わった。勝負どころでの位置取りに失敗し8番手まで下げられてしまったのが一番の敗因だが、それでも最後は捲りあげてゴール勝負に割り込んでいっているのだから調子自体は決して悪くなさそうだ。準決では目標の深谷知広が行けないと見るとすかさずインコースに切り込んでいき、逃げ粘る三谷竜生をズブリと差し切って1着と、さすがの自在性を遺憾なく発揮していた。
現在の輪界はライン的に関東と近畿の2大勢力が強力だが、中部も深谷知広や竹内雄作が復調してきているだけに、今大会でも混戦を突いての浅井の一発が十分に期待できるだろう。
深谷知広は全日本選抜では準決で敗れたが、初日特選予選では8番手から大捲りを打ち、いったんは平原康多のブロックを受けて失速したかに思われたが、もう一度踏み直して2着に突っ込んでおり、脚力的にはほぼ全盛期の強さが戻ってきていると見ていいだろう。あとはレースの組み立てだが、4日目特選では打鐘から先行し、後方から捲ってき早坂秀悟とのもがき合いを制して逃げ切りと、これぞ深谷というレースを見せており、今大会でも正攻法から堂々と押し切るような力強い走りが期待できそうだ。
今年は平塚でグランプリが開催されるが、地元でのグランプリ出場を目標に奮闘しているのが郡司浩平だ。全日本選抜の準決ではうまく4番手を取ってまくっていったが、武田豊樹と神山拓弥の2人に続けざまにブロックを受けて惜しくも4着に沈んだ。それでも勝負どころでの捌きは見事だったし、捲りのスピードも悪くはなかった。二次予選では逃げて中村浩士とワンツー、4日目特別優秀では捲って石井秀治とワンツーを決めており、確実に南関東のエースとして成長を遂げている。まだまだ発展途上中の郡司だが、今大会でもしっかり見せ場をつくってくれるだろう。
カントはきついが冬場はタイムが出にくい
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直線が長くコース取りのうまい追い込み選手が有利
高松バンクはクセがなくて走りやすく、カントもきつくてスピードタイムの選手に向いているが、400バンクの中では直線が長いほうなので先行は苦しく、捲りのライン有利が基本となっている。
14年2月に開催された全日本選抜の決まり手を見てみると、全47レース(1回の2着同着を含む)のうち1着は逃げが6回、捲りが17回、差しが24回、マークが24回、2着は逃げが7回、捲りが5回、差しが19回、マークが17回となっている。やはり捲りがよく決まっており、逃げもそこそこ粘れている。
実はこのときの開催は初日が雪で順延となり、2日目は晴れたものの3日目は雨、4日目、5日目は曇りとコンデションがあまりよくなかった。数字だけを見ると高速バンクらしく自力選手が健闘しているように思えるが、実はタイムがよくない。冬場でバンクが重かったせいか、逃げは上がりタイム12秒台、捲りは11秒後半で11秒8とか11秒9がほとんどだった。
きついカントは登る感じが強く、バンクが重い冬場は後方からの捲りはまず決まらない。捲りの1着はほとんどが3、4番手からの仕掛けだった。また後方からうまく捲りきれたとしても、カントを登りきるのに脚を使わされてしまい、おまけに直線も長いので捲った選手が末脚を欠いてしまい、捲りに乗った追い込み選手が1着、2着して高配当というケースも少なくなかった。今大会も冬場の開催なので、脚力があっても位置取りが苦手な捲り選手は不発の可能性が高くなりそうだ。
直線はとくに伸びるコースはないが、逃げにしても捲りにしても最後の直線に入ってからタレてしまうので、最終4角手前で後方にいた選手がイエローライン付近の大外を伸びてきて連絡みを果たすケースが多く、配当的にも高配当が出現しやすくなっている。大外だけではなく、インに突っ込んでいった選手がゴール前でタレてきた自力選手をどかして1着に突き抜けたケースもあった。位置取りに関係なく、直線でのコース取りのうまい追い込み選手には警戒が必要だ。
周長は400m、最大カントは33度15分50秒、見なし直線距離は54.8m。昭和25年の開設当初は周長が333mの小回りバンクだったが、昭和46年に400バンクに改修された際、幅が広げられず縦に伸ばしたので直線がかなり長く、333の名残でカントもきつい。四方をスタンドに囲まれているので風の影響は受けにくいが、冬場はバック向かい風の強い日もある。バンクレコードは平成12年の記念開催の準決で高城信雄がマークした10秒6。
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