レース展望

レース直前展望
暑い日々が続いていますね。
夏バテになっていませんか?
しっかり休養を取ってリフレッシュしましょう!
そのリフレッシュには、第60回オールスター競輪(GI)が最適です!
ファン投票で選ばれた選手たちの熱いレースで盛り上がっていきましょう!
新田祐大選手
サマーナイトフェスティバルの決勝戦をご覧になりました? 本当に強かったですね! 前団をあっという間に飲み込んだスピードは驚愕でした。レースの組み立てさえ失敗しなければ、今回も素晴らしいレースを見せてくれるはず。また地元のビッグレースであるので、懸ける意気込みがすごいと思います! 驚愕のスピード競輪に期待しましょう。
平原康多選手
前回のサマーナイトフェスティバルでは準決勝で残念な結果になりましたが、最強の競輪選手は平原であることは間違いないでしょう。タテのスピード、ヨコの捌きは天下一品。今回も素晴らしい競輪レースを見せてくれるに違いないと思います。競輪の醍醐味はと聞かれたら、「平原のレースを見たら」と答えたいですね。
志智俊夫選手
一時期の不調から抜け出した志智。そして通算500勝を達成し、切れ味を戻し、今大会は久しぶりのGI戦線復帰となります。レース展開の良し悪しもあると思いますが、好調の波に乗ってここは、注目すると面白いと思います。ベテラン選手の復活に期待したいですね。
早坂秀悟選手
現在、パワーアップ中の早坂。ナショナルチームと練習し、格段に力が増しています。福井記念の準決勝では勝ち上がることはできませんでしたが、好調であることは間違いないでしょう。レースでは準地元のいわき平競輪場での活躍に期待したいですね。全日本スプリントチャンピオンの脚を存分に生かした走りに注目です。
第60回オールスター競輪が7年ぶりにいわき平競輪場で開催される。中心となるのはファン投票で初めて第1位に選ばれた平原康多だ。輪界最強の称号をほしいままにしている平原は今年前半のビッグレースではすべて決勝進出と安定感も抜群で、今大会もファンの期待に応える走りで今年2度目のGI優勝を目指す。6月の高松宮記念杯を制した新田祐大にも勢いがあり、ホームバンクでスピードスターぶりを遺憾なく発揮するだろうし、ようやく本来の強さが戻ってきた村上義弘率いる近畿や浅井康太、深谷知広の中部の反撃も侮れない。
輪界最強の平原康多が圧巻のパフォーマンスを披露する
 GI制覇で勢いに乗る新田祐大が地元優勝を狙う
ファン投票で1位から9位までに選ばれたベストナインが出場する初日のドリームレースでは5着までに入った5名が3日目のシャイニングスター賞に勝ち上がり、シャイニングスター賞の全員が無条件で準決へ進出できるが、主役を務めるのは平原康多と武田豊樹の関東コンビだろう。
平原康多選手
平原康多は6月の高松宮記念杯では優勝こそならなかったが、初日青龍賞は3番手からの捲り2着で武田豊樹とワンツー、二次予選は5番手からの捲りで1着、準決は吉田拓矢の番手から抜け出して再び武田とワンツーと勝ち上がり戦はほぼ完璧な走りだった。今大会も輪界最強の自在型として最高のパフォーマンスを披露してくれるはずだ。
新田祐大選手
ファン投票で第2位に選ばれたのが新田祐大だ。今年前半の新田は2月の全日本選抜は決勝3着だったものの、3月のウィナーズカップ、5月の日本選手権と連続して決勝進出を逃してやや本調子を欠いていたが、5月の函館記念で今年初優勝を飾ると、高松宮記念杯を8番手からの圧巻の捲りで制して完全に勢いを取り戻している。
浅井康太選手
ファン投票で第3位に選ばれたのが浅井康太だ。浅井は高松宮記念杯の初日白虎賞では目標の深谷知広が不発の展開から力でなんとか2着に突っ込んだが、二次予選では深谷と共倒れで早々と敗退してしまった。それでも、3日目特選では竹内雄作を目標に1着、4日目特秀は深谷とワンツーと調子自体は悪くなく、今大会での巻き返しを狙う。
村上義弘選手
村上義弘は今年前半は落車の影響で長期欠場が続いたが、高松宮記念杯では決勝7着とようやくタイトル争いの最前線へと戻ってきた。続く富山記念は決勝4着、そして7月の小松島記念では初日特選こそ7着だったが、二次予選、準決、決勝と捲りの3連発で今年初優勝を決めており、完全復活に向けて急速に調子が上がってきている。
中川誠一郎選手
逆転一発の魅力を秘めているのは中川誠一郎だ。中川は2月の奈良記念の落車の影響で今年前半は低調だったが、5月の日本選手権では2勝をマークするなど近況は本来の豪脚が戻ってきている。日本選手権の6日目順位決定では新田祐大の捲りを追走からゴール前でズブリと差して1着と、世界レベルのスピードはまだまだ健在だ。
原田研太朗が今大会も1走目のオリオン賞で一発を狙う
 バンクとの相性抜群の渡邉一成がS班の貫禄を見せる
2日目のオリオン賞レースにはファン投票の10位から18位の選手が出場するが、3着までに入れば3日目のシャイニングスター賞へ勝ち上がれる。若手自力型が勢揃いの細切れ戦だけに、ドリームレースにも負けない激戦が展開されるだろう。
原田研太朗選手
原田研太朗は高松宮記念杯では二次予選で敗れてしまったが、初日白虎賞では5番手から捲り、三谷竜生-稲垣裕之の2段駆けの上を乗り越えて1着になっている。2月の全日本選抜の初日特選予選が捲って1着、3月のウィナーズカップの初日特選予選は5番手からの追い込みで2着とビッグレースの初日はめっぽう強く、今大会も十分に一発が狙える。
渡邉一成選手
渡邉一成は今年はまだビッグレースでの決勝進出はないが、ホームバンクのいわき平との相性は抜群だ。1月のいわき平記念の初日特選は重くて直線の長いバンクを堂々の逃げ切り、準決も逃げて2着粘り、決勝は新山響平の先行を目標に番手捲りで優勝している。今回のオリオン賞でも新山との連係からS級S班の貫禄を見せつけるだろう。
郡司浩平選手
今や南関東のエースに成長した郡司浩平は平塚でのグランプリ出場に向けて一戦一戦が勝負駆けだ。7月13日現在の獲得賞金ランキングは7位で十分に狙える位置につけている。日本選手権で落車、復帰戦の5月の全プロ記念は初日に失格と不運が続いたが、6月の高松宮記念杯は準決進出、続く富山記念は決勝7着と調子は上向きだ。
吉田拓矢選手
吉田拓矢も日本選手権で落車、復帰戦となった全プロ記念は低調だったが、6月の取手記念の準決では武田豊樹を連れての果敢な先行で3着に粘り決勝進出、続く高松宮記念杯の東王座戦も平原康多、武田豊樹を連れての先行で5着に粘り初のG1優出を決めている。今回も難敵ぞろいだが、神山雄一郎を連れての積極的な走りが期待できる。
園田匠は高松宮記念杯では西王座戦で敗れたが、二次予選では山田英明の捲りをゴール前で差し切って1着とさすがの鋭さを見せていた。4日目特秀で大量落車に巻き込まれてしまったが、次場所の静岡F1は準優勝と体調面での不安はない。5月の日本選手権では決勝進出しており、今大会も自慢の鋭脚発揮で勝ち上がりを目指す。
石井秀治が好気配の捲りで1着権利の狭き門を突破する
 2大会連続のG1優出を決めた山田英明が急成長
2日目の特別選抜予選は1着になった選手1名だけがシャイニングスター賞へ進出できる。ここで1着を取れれば準決進出が確定するので、見応えたっぷりの熱い戦いが繰り広げられるだろう。
石井秀治選手
石井秀治が好気配だ。6月の高松宮記念杯の二次予選では菅田壱道-渡邉一成の2段駆けラインを最終ホームからあっさり叩いて主導権を奪取、石井追走の和田健太郎が1着、捲り追い込んできた武田豊樹が2着で、石井は3着に粘り込んでいる。5月の日本選手権では4勝をマークするなど、その脚力はトップクラスが相手でも決して引けを取らないものを持っている。
山田英明選手
山田英明が急上昇中だ。日本選手権の準決では竹内雄作-吉田敏洋の2段駆けラインや平原康多らを相手に8番手からのロング捲りで2着に突っ込みGI初優出、高松宮記念杯の西王座戦でも7番手からの仕掛けで稲垣裕之-村上義弘の京都コンビの上を捲り切って1着で決勝進出を決めている。今大会も2度の大舞台を経験して大きく成長した山田の大暴れは必至だ。
木暮安由選手
木暮安由も着実にレペルアップ中だ。「FIの帝王」と本人にはあまりありがたくない称号をもらっていた木暮だが、近況は得意の自在脚を駆使してグレードレースでも存在感を示している。6月の富山記念決勝では山田久徳-村上義弘の京都2段駆けの上を8番手からきれいに捲り切り、番手追走の牛山貴広が記念初優勝、木暮自身も2着に粘り込んでいる。
金子貴志は高松宮記念杯を西王座戦で敗退、4日目特秀では大量落車に巻き込まれてしまったが、7月の小松島記念では元気な走りを見せており体調面は大丈夫だ。小松島では勝ち星こそなかったが、二次予選では5番手からの追い込みで2着、準決では最終ホームから思い切りよく先行して3着に粘り、さすがの底力を見せつけている。
シード組以外での注目選手は成田和也だ。成田は度重なる落車の影響でタイトル戦線から長らく遠ざかっていたが、2月の全日本選抜からGI戦に完全復帰、高松宮記念杯では早くも決勝進出を果たすと、新田祐大の捲りをきっちりマークして準優勝と復活を遂げた。今大会も北日本の先行選手との連係から名マーカーぶりを発揮してくれるだろう。
思い出のレース
山崎芳仁がいわき平のオールスター以来の2年ぶりのG1優勝
表彰
表彰
ゴール
ゴール
第55回大会は残念ながら3名が落車する波乱の展開となったが、福島の88期トリオが鉄の結束を見せ、山崎芳仁が2年ぶりのGI優勝を飾った。レースは脇本雄太-村上義弘の近畿コンビに小野俊之が付けて前団、単騎の岩津裕介が続き、渡邉一成-山崎芳仁-成田和也の福島トリオ、武田豊樹-木暮安由の関東コンビの並びで周回を重ねる。青板から早々と武田が上昇して誘導員の後位に入ると脇本は7番手まで下げ、渡邉が3番手に入る。渡邉は赤板ホームから仕掛けて先頭に立ち、山崎は一瞬踏み遅れるが、再度踏み上げて渡邉とドッキングする。続いて脇本が仕掛けるが渡邉に合わされて不発、さらに武田が最終2角で捲り上げるが、中コースを突こうとした木暮が脇本と接触、脇本、村上、木暮の3人が落車し、そのあおりを受けた武田も後退する。番手絶好の展開となった山崎は4角手前から踏み込んで先頭でゴールイン、2着に成田、3着に岩津が入る。
クセのない標準的なバンクだが、直線が長い
中団で脚をためていた選手の直線強襲が決まりやすい
2006年10月にリニューアルオープンしたいわき平はクセのない標準的な400バンクだが、リニューアルに伴い見なし直線距離が旧バンクより10m長くなり、全国の400バンクの中では3番目に長い直線となったため追い込み選手有利が基本だ。
 さらに昨年10月に再びバンクの全面改修がおこなわれ、走路が以前より重くなったという声が多く、先行選手にとってはますます厳しいバンクとなっている。
 冬場の開催だったが、今年1月の記念競輪の決まり手を見てみよう。
 全48レースのうち1着は逃げが5回、捲りが15回、差しが28回、2着は逃げが6回、捲りが8回、差しが19回、マークが15回で、先行もそこそこ健闘しているが、やはり追い込みが断然有利だ。先手ラインの選手が1着を取ったレースは全体の3分の1以下の14回しかなく、最後の長い直線で後方で脚をためていた選手にズブリと差し込まれるケースが多い。
 直線ではイエローラインの内寄りと外寄りによく伸びるコースがある。3日目11Rの準決では最終ホームから仕掛けた新山響平が最終バック過ぎに捲り切って北日本3車がきれいに出切ったが、それを追ってきた山田英明が最後の直線でイエローラインの外寄りを伸び、山田にスピードをもらった園田匠が内寄りに突っ込み、園田が1着、山田が2着、新山が3着の結果となっている。
 捲りもよく決まっているが、そのほとんどは4、5番手の中団を取ってのバック過ぎからの仕掛けで、バックを取っての捲りは少ない。通常の400バンクでは最終2角が捲りの仕掛けのポイントになっているが、いわき平では2角からの仕掛けではスピードに乗り切れずに不発になりやすいし、うまく捲り切れたとしても番手追走の選手に差し切られてしまう可能性が高くなる。展開不利で7、8番手に置かれてしまった場合はバック過ぎまでじっと我慢で脚をため、3角過ぎから捲り追い込み気味に仕掛けるのがベストで、長い直線を利しての逆転が十分に狙える。


 周長は400m、見なし直線距離は62.7m、最大カントは32度54分45秒。屋外の競輪場では日本で唯一となる構造物上に設置された空中バンクで、バンク内からでもレースを観戦できるのが最大の特徴となっている。バンクは外も内も透明板のポリカーボネートに覆われているので走路に吹き込んだ風の逃げ場がなく、風のある日は全周にわたって風が流れるので重くなるが、逆に風のない日は走路が軽くて好タイムが出やすい。