レース展望

レース直前展望
2017年も後半に入ってきました。あと4ヶ月ですよKEIRINグランプリまで!
時間の経過が早く感じる今日この頃です。
そして、第33回共同通信社杯競輪(GII)が行われますね!
場所は佐賀県の武雄温泉競輪場です。温泉地としても有名ですが、色々、革新的なことを行って有名になった市でもあります。武雄にお越しの際はそれらを観て回るのもいいですね。もちろん温泉も楽しみましょう。
新田祐大選手
圧倒的なパワーは、どんどん進化していますね。特にオールスター競輪決勝で見せた競走は凄かったですね。ゴールは渡邉一成選手に差されてしまいましたが、他を寄せ付けず圧巻でした。ここでも、当然注目される筆頭です。特に初日はオール予選。番組も選考順位順で決まるので、どうなるかがわからないところが新田選手狙いの方には、良いかもしれませんね。
平原康多選手
オールスター競輪での落車失格が気になるところですが、やはりはずせないのが平原選手でしょう。競輪選手としてパーフェクトな競走をするスタイルは、信頼せずにはいられません。体調面もありますが、初日から平原選手らしい競走を見たいですね。
渡邉一成選手
一段とパワーが増している渡邉選手。オールスター競輪の優勝は非常に大きかったと思います。地元でワンツーですからね。嬉しさも一段と増しているはず。その勢いをかって共同通信社杯も一気に決勝まで行くのではないかと思います。ナショナルチームのメンバーは本当に強いですよ!
山田英明選手
地元を代表してあげたいのが山田選手です。オールスター競輪での落車の影響がありそうですが、ここはしっかり頑張って地元を引っ張るのではないかと思いますし、周りも盛り立ててくるはずです。「九州は一つ」と名言を言われた先輩選手の意思を継いで頑張って欲しいと思います。
第33回共同通信社杯競輪が6年ぶりに武雄競輪場で開催される。ラインの総合力で上回る平原康多率いる関東勢が今大会でも主役を努めそうだが、直線が長くて捲り追い込みが決まりやすい武雄バンクが舞台だけにスピード一番の新田祐大の逆転も十分だ。今年のビッグレースでの健闘が光る地元・九州勢の頑張りや、中部勢や近畿勢の巻き返しにも期待がかかる。共同通信社杯は伸び盛りの若手選手が多数出場し、次代を担うスター候補生の登竜門的な位置付けの大会となっており、トップスターに真っ向勝負を挑む若手選手の走りにも注目が集まる。
選考順位による自動番組編成が見どころ
 輪界最強の平原康多が優勝候補の筆頭だ
共同通信社杯の特徴のひとつに番組の自動編成がある。初日は特別選抜予選などのシードレースがなく、全レースが一次予選で選手は選考順位によって自動的に各番組に振り分けられる。2日目も二次予選Aと二次予選Bがあるが、一次予選の着順と選考順位によって自動的に振り分けられる。そのため地区的や戦法的に偏った番組になることもあり、実力断然の選手がラインの援護を受けられずに敗退したり、優勝候補のトップクラスの選手たちが一次予選や二次予選で相対して早々と敗退したりと波乱の展開となるレースが多くなり、優勝の行方は決して予断を許さない。
平原康多選手
それでもやはり、優勝候補の筆頭は今や輪界ナンバーワンの実力者との評価が高い平原康多だろう。2月の全日本選抜の優勝を含め今年前半のビッグレースではすべて優出と抜群の強さと安定感を維持している。ただ、7月のサマーナイトフェスティバルの準決では深谷知広の逃げを捲れずに敗れており、今大会も若手先行選手が真っ向勝負を挑んでくるとあわやという展開があるかもしれない。
新田祐大選手
スピードナンバーワンは新田祐大だ。6月の高松宮記念杯決勝では8番手からの捲りで大会連覇を達成、続くサマーナイト決勝も6番手からの捲りで優勝と、そのスピードはまさに桁違いだ。ナショナルチームのハードな練習に鍛えられ、世界を舞台に戦っている新田の進化はとどまるところを知らず、今大会でも展開無用のスピードをまざまざと見せつけてくれるだろう。
浅井康太選手
浅井康太は今年前半は優勝が1回もなく近況はやや低調だ。ただ、深谷知広がかなり復調してきているのが好材料で、サマーナイトの準決では深谷とのワンツーを決めて平原康多を下しており、今大会も深谷との好タッグが決まれば優勝にもきっと手が届くはずだ。
稲垣裕之選手
近畿は総大将・村上義弘とダービー王・三谷竜生の2人がともに落車の影響で8月のオールスターを欠場する非常事態となっており、2人が今大会までにどこまで立て直してくるかに注目が集まる。仮に2人が本調子でなくとも、稲垣裕之、脇本雄太、村上博幸、稲川翔らが好調を維持しているだけに、近畿自慢の結束力をフルに発揮してライバルたちに立ち向かっていくだろう。
山田英明がホームバンクでファンの期待に応える
 中四国の若手を目標に岩津裕介が勝ち上がる
山田英明選手
地元バンクでのビッグレース開催に意気上がるのは山田英明だ。山田は5月の日本選手権でGI初優出を達成すると6月の高松宮記念杯でも連続優出を決めた。GIの大舞台を経験したことでワンランク成長した山田は得意の捲りのスピードも確実に増しており、仕掛けどころを熟知したホームバンクで地元ファンの期待に応える走りをきっと見せてくれるだろう。
中川誠一郎選手
中川誠一郎も今年前半は落車の影響でやや低調でビッグレースでの優出はなかったが、日本選手権で2勝、7月の小松島記念でも2勝とようやく本来のスピードが戻ってきている。新田祐大と同様にレースの組み立てに難がありどうしても混戦待ちの一発になりがちだが、ツボにはまったときのスピードは新田にも負けないものを持っており、地元地区での2度目のビッグ制覇が十分に狙えそうだ。
原田研太朗選手
原田研太朗も安定感がいまいちで、豪快な捲りを決めた翌日にあっさり敗退というパターンが多いが、展開が向いたときの捲りのスピードには超一流のものがある。8月の川崎GIIIの準決では新山響平の逃げを5番手から捲り追い込んで頭に突き抜け、上がり10秒6のバンクレコードを叩き出しており、3月のウィナーズカップ、7月のサマーナイトフェスティバルに続いての優出が期待できる。
岩津裕介選手
中四国地区は原田研太朗のほかにも取鳥雄吾、太田竜馬、小川真太郎らの若手が着実に力をつけてきており、S級S班の岩津裕介の舵取り次第では今大会で一気の台頭がないとはいえない。6月の久留米記念の準決では取鳥雄吾の捲りに乗った岩津が大本命の深谷知広を下して2着に入り決勝進出、7月の福井記念の二次予選では太田竜馬の逃げを岩津が差して中四国ワンツーを決めている。
南関東も4月の西武園記念で4年ぶりの記念制覇を成し遂げた松谷秀幸や8月の川崎GIIIの準決で深谷知広の捲りを差し切った伊勢崎彰大らが好調で決して侮れない。とりわけ注目の選手は和田真久留だ。和田は昨年の共同通信社杯では準決で惜しくも4着と敗れたが、一次予選は浅井康太、中川誠一郎らを下して佐藤悦夫とワンツー、二次予選Aでは平原康多の2着に入り連日波乱を演出しており、今年も波乱の目になりそうな気配がある。
109期の新鋭・太田竜馬の大暴れは必至だ
 積極性の増した新山響平が華麗な逃走劇を披露する
共同通信社杯は若手選手の登竜門的な大会と位置づけられており、今大会では96期から109期までの選手が出場選考において優遇を受けている。これにより伸び盛りの若手が多数が出場するとともに、特別選抜予選などのシードレースがないために初日からトップクラスの選手と若手との激しいバトルが展開されることなり、それが本大会の一番の見どころとなっている。
太田竜馬選手
今大会に出場予定の若手の中で一番の注目選手は109期・徳島の太田竜馬だろう。太田は昨年11月に特別昇級でS級2班に上がると、今年1月の松山記念で早くも決勝進出、6月の青森FIでは予選と準決を逃げ切り、決勝は捲りでS級初優勝を完全優勝で達成、7月の小松島記念では3連勝で決勝進出とグレードレースでも大活躍中で、今大会でも大暴れは必至だ。
取鳥雄吾選手
同期のライバルである吉田拓矢や新山響平に追いつき、追い越せとばかりに奮闘中なのが107期・岡山の取鳥雄吾だ。今年5月の広島FIでは初日特選が逃げ切り、準決と決勝が捲りで待望のS級初優勝を完全優勝で飾っている。6月の久留米記念は準決で9着と敗れたが、残り3走はオール1着、7月の弥彦記念でも2勝を挙げており、太田竜馬とともに中四国を盛り上げていく。
新山響平選手
新山響平は昨年11月の競輪祭で107期で初のGI優出を決めたが、年末のヤンググランプリで落車、その影響もあって今年前半はやや低調だった。それでも5月の日本選手権では勝ち上がりには失敗したが4走すべてでバックを取る積極的なレースを見せ、6月の取手記念で決勝進出、8月の川崎GIIIでも決勝進出と調子は上向きで、今大会も北日本勢を連れての逃走劇を披露してくれるだろう。
吉田拓矢選手
吉田拓矢も5月の日本選手権の一次予選で落車するなどのアクシデントがありやや伸び悩んでいた印象があったが、6月の地元・取手記念で決勝進出を果たすと、続く高松宮記念杯でついにGI初優出を決めた。決勝は新田祐大の怒涛の捲りに屈したが、GI決勝の大舞台でも平原康多-武田豊樹の関東勢を連れてしっかり主導権を取りきっており、今後のさらなる飛躍が大いに期待できる。
渡邉雄太が徹底先行を貫いて好調を維持している。高松宮記念杯では二次予選で敗れたが、3走でバックを取り切っており、サマーナイトフェスティバルで捲りで1勝を挙げている。7月の弥彦記念では決勝進出、決勝では浅井康太、稲垣裕之らを相手に地元の諸橋愛を連れて果敢に先行、自身は4着に沈んだが諸橋の地元優勝に貢献しており、今大会も先行で見せ場をつくってくれるだろう。
竹内雄作は昨年の共同通信社杯の覇者だ。決勝では落車のアクシデントがあったが、番手追走の浅井康太を振り切って堂々と逃げ切っている。その後はビッグレースでの決勝進出はないが、6月の高松宮記念杯では逃げ切りが1回、逃げ粘りの2着が2回と先行力は健在だ。7月の弥彦記念は準決で4着と敗れたが3走で主導権を取りきっており、今大会でも先行での勝ち上がりを目指す。
思い出のレース
2011年 第26回共同通信社杯春一番 武田豊樹
関東4車が結束力を発揮して武田豊樹が優勝
 松岡貴久-合志正臣-井上昌己の九州トリオが前受け、平原康多-武田豊樹-長塚智広-芦澤大輔の関東4車が中団、単騎の浅井康太、岩本俊介が続いて周回。残り4周で芦澤と長塚が位置を入れ替え、残り2周半から芦澤が上昇してインを切る。関東3車が続いて平原が誘導員の後ろに入ると、松岡は車を下げる。関東勢を追った浅井が5番手、岩本が6番手に入り、松岡はいったん岩本の内で粘るが、岩本は引かず、結局松岡が7番手まで下げたところで打鐘を迎える。隊列は一本棒のまま最終ホームへくると、平原は誘導員を交わして先行態勢に入る。最終3角手前から浅井が捲っていくが、3番手まで上がったところで長塚の牽制を受けて不発に。絶好の番手回りとなった武田が最終4角の立ち直りから一気に抜け出し、長塚も外を懸命に踏み込んで猛追するが、武田が長塚を振り切って先頭でゴールして優勝、2着に長塚、3着には中のコースを突っ込んできた松岡が入る。
表彰
表彰
決勝ゴール
決勝ゴール
バンクの特徴
 武雄競輪場は15年10月から1年かけて全面改修され、16年10月にリニューアルオープンした。走路も基礎から改修され、クセのない走りやすいバンクとなっている。
 ただ、見なし直線距離が64.4mと400バンクの中では最も長く、追い込み選手が断然有利で先行選手にとっては厳しいバンクとなっている。
 昨年11月に開催された記念開催の決まり手を見てみよう。全47レース(4日目9Rのエボリューションを除く)のうち1着は逃げが5回、捲りが17回、差しが25回、2着は逃げが7回、捲りが13回、差しが11回、マークが16回となっている。
 やはり直線が長いので捲りや差しがよく決まっている。数字だけを見ると逃げもそこそこ健闘しているように思えるが、逃げの連絡みはほとんどが下位戦や敗者戦で、先手ラインの選手が1着になったのも全47レースの13回しかない。
 ちなみに決勝戦は逃げた深谷知広の番手から抜け出した浅井康太の優勝だったが、深谷は5着に沈み、6番車の澤田義和が5番手から中のコースを伸びて2着に入り、本命の浅井の頭にもかかわらず2車単で2万6千円の大穴になっている。直線の長い武雄は最後の最後で大番狂わせが発生するバンクと言っていいだろう。
 直線はイエローライン付近がよく伸びるので、遅めの捲り追い込みで2センター過ぎから踏み出した選手たちが一気に伸びて大逆転を演出することが多い。
 他の400バンク同様に中団2コーナーからの捲りもよく決まっているが、うまくスビードに乗り切れなかったり、3コーナー手前から踏み出した捲りの場合は、3コーナーでブロックを一発受けるとあっけなく失速してしまうケースもしばしば見られる。
 また、3コーナーでは追い込み選手の外への牽制や、捲り追い込みを狙って外へ踏み出していく選手が多くて内がぽっかり空いてしまい、そこを狙って中のコースを伸びてきた選手が高配当を生み出すことも多い。


 周長は400m、最大カントは32度0分19秒、見なし直線距離は64.4m。風はバック追い風の日が多く、先行選手はうまく風に乗れれば長い直線でも粘り込むことができる。直線が長いので、先手ラインの2番手や3番手から追い込んだ選手のさらに上を伸びてきた選手がゴール前で交わす「交わしの交わし」の出現率が高い。バンクレコードは今年7月15日のFIの初日予選でオランダのテオ・ボスがマークした10秒7。
武雄ニューバンク
武雄ニューバンク