レース直前展望
今年活躍したガールズケイリンのトップ7選手の競演です。
このタイトルを獲得したい選手の気持ちの強さが多分レースに反映されると思います。男子競輪と違って、個の戦いは自分のやりたいレースを組み立て易いですからね。
選手たちの意思の集大成をレースの中で感じ取ってください!
強い!のだが…とつい書きたくなるのが児玉だ。たまにポカというかなんというか負ける。そして、なかなかタイトル戦で勝てない。勝てる力はあるのに。と書いてしまうのが児玉だろう。それらを打破する意味でも、ここは勝負をしてタイトル奪取をしてもらいたい。
ガールズケイリンコレクションを2016年に、ガールズドリームレースを2017年に制した高木は、いよいよガールズグランプリのタイトル奪取に意欲を燃やす。直前のいわきでの落車が気にかかるところだが、しっかりとリカバリーしてガールズグランプリに挑む。積極的なレースでファンを沸かしてくれるはずだ。注目したい。
今年で6回目となるガールズグランプリ2017が、12日28日に平塚競輪場で開幕を迎えるKEIRINグランプリシリーズの初日11Rに実施される。ガールズケイリンコレクションいわき平ステージのドリームレースを制した高木真備、京王閣ステージを制した長澤彩、昨年のグランプリ覇者の梶田舞と好メンバーが揃って激戦必至、徹底先行を貫く奥井迪と児玉碧衣のスピード対決も見どころで年末の最終決戦にふさわしい白熱のレースが繰り広げられるだろう。
高木真備は8月のガールズケイリンコレクションいわき平ステージのドリームレースを優勝、昨年8月の松戸ステージに続いての連覇だった。周回中は内に包まれる苦しい展開だったが、外併走の小林優香が先に捲っていくと、巧く捌いて小林の番手にスイッチ、ゴール前で差し切って優勝している。ガールズケイリンフェスティバル決勝も小林優香に先着を許したが、内、内から好捌きを見せて2着と好走している。普段は先行主体の競走で今年の優勝は12回を数えるが、ガールズグランプリでは奥の手の自在性を発揮して初優勝を狙ってくるだろう。
児玉碧衣は初出場だった昨年のガールズグランプリでは終始後方のままで、最後は捲りあげるも3着が精一杯と悔いの残る走りとなってしまった。その悔しさを晴らすかのように、今年のビッグレースでは主導権取りにこだわる走りに徹してきた。3月のガールズケイリンコレクション高松ステージでは高木真備、奥井迪との先行争いを制して2着、5月の京王閣ステージで結果は7着ながら奥井迪、石井貴子との先行争いを制して主導権取り、8月のいわき平ステージのドリームレースも先行して6着になっており、今年のガールズグランプリも主導権取りを狙ってきそうだ。
長澤彩は5月のガールズケイリンコレクション京王閣ステージでビッグレース初優勝を飾った。ガールズケイリンコレクションは約2年ぶりの久々の出場だったが、ビッグレースの常連であるトップレーサーたちを相手に臆することのない堂々の運行で、児玉碧衣と奥井迪の先行争いを捲った梶田舞を巧みに追走、ゴール前で鮮やかに差し切っている。14年にデビューした長澤は一昨年までの優勝がわずかに8回だったが、昨年は5回、今年は10月までに8回とこの1年余りで急成長を遂げており、初出場のグランプリでも持ち味の自在戦で一発を狙ってくる。
奥井迪は昨年のガールズグランプリでは打鐘過ぎの4角から先行して最後の直線を先頭で入ってきたが、ゴール前で梶田舞に差し切られて2着と敗れた。3月のガールズケイリンコレクション高松ステージでは児玉碧衣に主導権を奪われて7着、5月の京王閣ステージでは児玉と壮絶な先行バトルを演じて6着、8月のいわき平ステージのドリームレースも児玉に先手を取られて5着と今年のビッグレースでは主導権を取り切れていないが、それでも奥井は先行でのビッグレース優勝にこだわり続けるはずで、今年のガールズグランプリも昨年同様に主導権取りに集中してくるだろう。
尾崎睦は昨年のガールズグランプリでは主導権取りにいった奥井迪の後ろにうまくスイッチして番手絶好の展開となったが、最後の直線で脚が一杯となり無念の5着に敗れた。今年はガールズケイリンコレクションの出場がなかったが、7月のガールズケイリンフェスティバルでは3着、2着で勝ち上がり決勝4着と健闘、通常開催の優勝が8回と着実に賞金を積み重ねて2年連続のグランプリ出場権を獲得した。ビーチバレーの選手だった尾崎は平塚市が出身、ホームバンクで開催されるガールズグランプリでは地元ファンの熱い声援を受けて昨年の無念を晴らしてくれるだろう。
石井寛子は昨年のガールズグランプリでは勝負どころで内に詰まる厳しい展開となり、最後は必死に追い込むも4着と力を出しきれずに終わった。3月のガールズケイリンコレクション高松ステージも後手を踏まされる苦しい展開ながら巧みに内へ切り込んでいって3着、7月のガールズケイリンフェスティバルは決勝5着、8月のガールズケイリンコレクションいわき平のアルテミス賞は妹・石井貴子の先行を追走して番手捲りで1着を取っている。今年の優勝は11月20日現在で12回と年間を通して好調をキープしており、今年のガールズグランプリこそは石井らしい巧者ぶりを発揮してくれるだろう。
梶田舞は昨年のガールズグランプリ覇者だ。奥井迪の先行で梶田は3番手に抜け出すと、最後の直線で鋭く抜け出して2年ぶり2度目の制覇を成し遂げた。その後も2月の広島の2日目に24連勝を達成、ガールズケイリンの連勝記録を塗り替えてガールズグランプリ覇者の貫禄を示した。しかし、連勝がストップすると同時にやや調子落ちになり、ビッグレースではあと一歩及ばずの3着や4着の成績が続いてしまった。それでも10月の豊橋で今年8回目の優勝と体調的には問題はなく、今年のガールズグランプリも好位置を奪取しての仕掛けで連覇を目指してくる。