レース展望

レース直前展望
いよいよKEIRINグランプリ2017が迫ってきましたね。
今年のグランプリ争いは近年稀にみる緊迫したものがありました。
その激戦を勝ち上がってきた9選手にぜひ注目してください!
KGP王者をリアルに観てくださいね!
平原康多 埼玉 87期
平原康多選手
少し戦法が読まれている感がある平原だが、ここはこのタイトルを狙ってくるだろう。今の平原に真っ向勝負できるのは、新田祐大ぐらいしか見当たらない。今年も落車など不運な面もあったが、この大一番では抜群の動きを見せて悲願の優勝を手中にするだろう。
新田祐大 福島 90期
新田祐大選手
今、競輪界で誰が強い?と聞かれたら90%以上のファンが新田を上げるだろう。それだけ爆発した時のパワーは凄まじいものがある。当然、新田をマークする選手以外は、新田の前でレースを展開しなければ勝ち目がないので、新田を後ろに置いてのレースの組み立てになるはず。これを如何に打破し優勝するのか。身震いするほどのパワーをぜひ観ていただきたい。
深谷知広 愛知 96期
深谷知広選手
KEIRINグランプリ2017のレース展開を握るのは深谷だろう。深谷の動き次第で、色々な動きが変わってくるはず。特に積極的に動いた場合、レース展開が大きく変わるだろう。番手の浅井康太の捌きは厳しいものがあるので逃げ切りも十分にあるはず。前々から捲り発進でも後方に新田、平原を置ければゴールではいい勝負があるだろう。
輪界最強の称号を求めて今年のベストナインが激突するKEIRINグランプリ2017が12月30日に平塚競輪場に於いて決戦の時を迎える。競輪祭を上がりタイム10秒6の破格のスピードで制した新田祐大が中心となるが、競輪祭のリベンジを誓う深谷知広やダービー王・三谷竜生の機動力も強力だ。他の追従を許さない自在戦法を駆使して勝機を狙う平原康多や、初出場なった諸橋愛と桑原大志の追い込み勢の直線強襲も侮れない。
平原康多 埼玉 87期 第32回全日本選抜競輪優勝
得意の自在戦法を駆使して勝機を掴む
平原康多選手
平原康多 埼玉 87期
 得意の自在戦法を駆使して勝機を掴む平原康多は2月の全日本選抜を優勝、昨年の競輪祭に続いての武田豊樹とのワンツーフィニッシュでGI連覇を達成した。決勝戦は三谷竜生ー稲垣裕之の近畿勢をイン粘りで分断して番手を奪取、三谷が新田に捲られると、今度は新田を追いかけゴール前での差し切りと、輪界最強の自在選手の称号にふさわしい素晴らしいレース内容だった。その後は落車が続いて後半戦に入ってからは調子落ちになったが、長期欠場明けの11月の競輪祭では決勝3着と復調気配で、年末の大一番でも唯一無二の自在戦法を駆使して勝機を掴んでくるだろう。
三谷竜生 奈良 101期 第71回日本選手権競輪優勝
近況不調もダービー王の底力を見せつける
三谷竜生選手
三谷竜生 奈良 101期
 三谷竜生は5月の日本選手権で100期台初のタイトルホルダーの誕生となった。決勝戦では桑原大志と急造ラインを形成、深谷知広-浅井康太の中部コンビが先行し、三谷は内から切り込んで3番手を奪取すると最終4角から猛然と追い込んで先頭でゴール、桑原を2着に連れ込んでのワンツーフィニッシュだった。しかし、その後は度重なる落車の影響で急速に下降線をたどり、競輪祭ではまさかの一次予選敗退に終わっている。それでも潜在能力は高いだけに、グランプリでも好相性の桑原とのタッグでダービー王の底力を見せつけてくれるだろう。
新田祐大 福島 90期 第68回高松宮記念杯競輪優勝 第59回競輪祭優勝
輪界最速のスピードで平塚バンクを駆け抜ける
新田祐大選手
新田祐大 90期 福島
 新田祐大は圧倒的なスピードで今年後半の競輪界を席巻してきた。6月の高松宮記念杯を優勝すると、8月のオールスターと10月の寬仁親王牌はともに準優勝で新田マークの渡邉一成がGI連覇、そして11月の競輪祭では初日こそ番手追走の中川誠一郎に差されたが、2日目ダイヤモンドレースが11秒1、準決が11秒0、決勝戦が10秒6の破格の上がりタイムで圧勝と、終わってみれば福島コンビでGI4連覇だ。7月のサマーナイトフェスティバル決勝でも2人のワンツーが決まっており、もちろんグランプリも福島コンビが大本命となるだろう。
渡邉一成 福島 88期
第60回オールスター競輪優勝 第26回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント優勝
相性抜群の新田祐大と福島ワンツーを決める
渡邉一成選手
渡邉一成 88期 福島
 渡邉一成は8月の地元開催のオールスターで新田祐大の4番手からの捲りに乗り、直線ではインコースを突いて2度目のGI制覇を達成。続く9月の寬仁親王牌でも新田の3番手からの捲りに乗り、今度はゴール前で車を外に持ち出しての差し切りでGI連覇の偉業を達成した。GI初制覇を飾った昨年2月の全日本選抜を新田の捲りに乗っての勝利で、新田との相性は抜群だ。ワールドカップでの落車の影響で競輪祭を欠場と状態面にやや不安が残るが、グランプリでも輪界最速の新田にしっかり付けきって福島ワンツーを決めてくるだろう。
浅井康太 三重 90期 賞金ランキング5位
深谷知広を目標に勝ちにいく
浅井康太選手
浅井康太 三重 90期
 浅井康太は2月の全日本選抜で決勝4着、5月の日本選手権で決勝3着、8月のオールスターで決勝3着、10月の寬仁親王牌で決勝9着と今年も高いレベルで安定した戦歴を築き、獲得賞金額5位で7年連続のグランプリ出場を決めた。ただ、15年にグランプリ初優勝を飾っているが、今年もGIタイトルには手が届かず、他のタイトルホルダーたちと比べると突き抜けたものがやや足りない印象は否めない。本人もそれを自覚しているはずで、今年のグランプリでは深谷知広を目標に勝ちを強く意識した走りに徹してくるだろう。
諸橋 愛 新潟 79期 賞金ランキング6位
鋭い切れ味を発揮して栄光のゴールを目指す
諸橋愛選手
諸橋愛 新潟 79期
 諸橋愛は9月の共同通信社杯決勝で平原康多の捲りをゴール前で差し切り、デビューから20年目にして初のビッグーレース制覇を達成した。7月の弥彦記念で地元記念初優勝を飾っていた諸橋は、共同通信社杯直後の松戸記念も完全優勝と絶好調だった。その後は10月の寬仁親王牌の準決、11月の防府記念の準決と落車が続き、さらには競輪祭の初日特選予選でも落車に見舞われたが、二次予選が1着、準決が3着と気迫の走りでみごとに決勝進出を果たしており、初出場のグランプリでも鋭い切れ味を発揮して優勝争いに絡んでくるだろう。
深谷知広 愛知 96期 賞金ランキング7位
新田祐大にパワー対決を挑む
深谷知広選手
深谷知広 愛知 96期
 深谷知広は3年ぶりのグランプリ出場を決めてついに復活を果たした。今年は5月の日本選手権、8月のオールスター、10月の寬仁親王牌、11月の競輪祭で決勝進出、GIIIを3回優勝と全盛期のパワーが完全に戻ってきている。ただ、競輪祭では勝ち上がりの3日間は捲りでオール2着と素晴らしい走りを披露していたが、決勝戦は終始8番手で力を出しきれずに終わっており大きな悔いの残るレースとなってしまった。その無念を晴らすためにも、グランプリでは深谷が新田祐大に対してどんな作戦に出てくるかが一番の見どころになるだろう。
武田豊樹 茨城 88期 賞金ランキング8位
全身全霊を込めた走りで優勝を狙う
武田豊樹選手
武田豊樹 茨城 88期
 武田豊樹は2月の全日本選抜で平原康多追走から準優勝、5月の日本選手権、6月の高松宮記念杯で決勝進出と今年前半は順調だったが、8月のオールスターの準決で落車して骨盤骨折の大怪我を負い、復帰戦となった10月の寬仁親王牌では二次予選Aでまさかの敗退、競輪祭では準決敗退と思いどおりの走りができず苦しい戦いが続いている。それでも一発勝負のグランプリでは満身創痍の状態から優勝を飾った選手が過去に何人もいるだけに平原という好目標のいる武田も決して侮れず、全身全霊を込めた走りで優勝を狙ってくる。
桑原大志 山口 80期 賞金ランキング9位
執念の走りでグランプリ出場権を獲得
桑原大志選手
桑原大志 山口 80期
 桑原大志は5月の日本選手権で初めてGIの二次予選を突破して準決進出、準決も3着で突破すると決勝戦は三谷竜生を追走から準優勝と大仕事をやってのけた。グランプリ出場権のかかった11月の競輪祭では準決で6着と敗れてしまったが、一次予選では一度はブロックを受けて8番手に後退しながらも諦めずに最終4角から大外を突っ込んで4着、二次予選も5番手からの追い込みで3着と執念の走りを見せた。グランプリでもトップレーサーたちに決して引けを取らない気合いあふれる走りを見せてくれるだろう。


プレイバック KEIRINグランプリ2016
村上義弘が稲垣裕之の先行を目標に番手捲りで優勝
 稲垣裕之-村上義弘-岩津裕介、浅井康太、平原康多-武田豊樹、中川誠一郎、新田祐大-渡邉一成の並びで周回を重ねる。青板2角から新田が上昇開始、そのままバックまで上がると誘導を交わして先頭に立つ。すかさず平原が動いて新田を押さえにいき、後方の動きを待ちながら先頭に立ってペースを緩める。そこへ稲垣が上がってきて平原を押さえ、ラインの3人が出切ると浅井が追い上げてきて4番手に入り、平原が5番手、新田が7番手、中川が最後方となる。残り2周の赤板から稲垣が徐々にペースを上げながら先行態勢に入り、打鐘の2角から一気にスパート、一列棒状のまま最終ホームを通過する。2角から平原が仕掛け、3角手前で村上に並びかけると、村上はブロックしながら番手捲りを打つが、平原も負けじと踏み直して両者の壮絶なもがき合いが続く。直線に入ってようやく平原が力尽きるが、続いて武田が猛追してくる。それでも村上は武田を4分の1車輪差離して先頭でゴール、武田が2着、浅井が3着。
ゴール
表彰式
バンクの特徴
 カントも直線の長さも標準的な400バンクで、走路も癖がなく、変に伸びるコースもないので力どおりの勝負ができるバンクだ。
 基本的には先手有利で、コーナーのカントが浅いので捲りはむずかしいとされている。先行は最終ホーム手前から主導権を取って、2角からバックにかけて踏み切ってしまえば3角で捲りを止めることができる。反対に捲りも早めに仕掛けて3角までに捲り切らないと、コーナーで外に浮いてしまう。
 ただし、S級の上位戦ではやはり捲り優勢の傾向が強くなる。
 10月の記念開催の決まり手を見てみると、全48レース(ブロックセブン1個レースを含む)のうち1着は逃げが3回、捲りが18回、差しが27回、2着は逃げが5回、捲りが9回、差しが14回、マークが20回となっている。
 初日、2日目が雨、3日目は晴れたが最終日は曇りで、気温も平年より低めだったせいか先行選手はかなり苦戦していて、先手ラインの選手が1着を取ったレースは全体の4分の1の12回しかなかった。
 反対に活躍が目立っていたのが追い込み勢だ。先手ラインが最後の直線に入ってからタレ気味になるので、後方で脚をためていた追い込み選手が内、外へと突っ込み、直線強襲して好配当というケースがよく見られた。
 平塚バンクはバック側が相模川で海も近く、バンク内にも池があるため、グランプリが開催される年末の夕方は気温が下がってバンクも重くなり、自力選手にとっては厳しい戦いになる可能性が高い。
 01年に平塚で開催されたグランプリでは伏見俊昭が後続のもつれを尻目にまんまと逃げ切っているが、05年は武田豊樹の先行で、5番手から内を突いた加藤慎平が直線伸びて優勝、武田は3着だった。08年は永井清史の先行を目標に番手捲りを打った小嶋敬二をぴったりマークの井上昌己が差して優勝。11年は深谷知広が先行、浅井康太が番手捲りを打つが、43歳5ヶ月の山口幸二がゴール前で突き抜けて優勝と、平塚のグランプリでは追い込み勢の優勝が続いている。
バンク
 周長は400m、見なし直線距離は54.2m、最大カントは31度28分37秒。年末のKEIRINグランプリ、来年5月の日本選手権競輪の開催を控え、メインスタンドが50年ぶりに建て直されて今年6月にリニューアルオープン、場内やバンクも見違えるほどきれいに生まれ変わっている。ただ、バンクは全面改修されたばかりのせいか、以前よりも重たい感じになり、タイムも出にくくなったという声もある。冬場は相模湾から吹きつける冷たい海風にも注意が必要だ。