レース直前展望
2018年も早一ヶ月が経ちました。皆様は2018年も楽しく競輪をされていると思います。2018年も競輪で盛り上がって行きましょう!
そして2月は全日本選抜競輪です。年頭のGI開催でしっかり的中して、ハッピーに競輪を楽しみましょう!
最近は東京オリンピックでメダル獲得を狙うため、競輪を走る機会が少なくなっていますが、その分も含めて、ここはしっかり勝ちに来るのではないかと思います。1月はナショナルチームの合宿でマイアミに行って相当追いこんでいて、その疲れが抜けたぐらいにこの開催がありますから仕上がりはいいはず。この開催後すぐに世界選手権もあるのでそれとの兼ね合いもありますが、初日から狙ってみたいですね。
こちらもナショナルチームの合宿でマイアミでしっかり追い込んできています。その成果がここで出て来るのではないかと思います。また数字的に見れば直近の3連対率100%! これまた凄いと思います。どうしても新田選手から考えざるを得ないですよね。パワー溢れる競走でファンを沸かしてくれると思います。豪快な捲りをバッチリ披露して欲しいと思います。
松阪記念では三日目に内側追い抜きで失格してしまったけれど、調子自体は悪くはないでしょう。そして四日市は浅井選手にとって地元バンク。初めてのGI開催で絶対に活躍したいはず。中部勢の援護もありそうで浅井選手の期待はマシマシだと思います。今回の全日本選抜競輪ではなかなか難しいけど地元選手の優勝をみたいですね。四日市が大きく盛り上がるでしょうね!
ここでピックアップした理由は、3連対率のよさです。直近の3連対率を見ると何と76.9%! 今開催の中でも新田祐大選手に続いて2番目の高さです。GIでも、なかなか準決勝は突破できていませんが、1着も確実に取っています。GIIIでは決勝戦へ確実に進出している実績を買ってみました。見せ場は作ってくれると思うので、今開催も楽しみだと思います。
第33回全日本選抜競輪が四日市競輪場で開催される。大本命は年末のグランプリを制した浅井康太だ。ホームバンクでの初のGI開催だけに、2度目のグランプリ制覇にも気を緩めることなく地元・中部勢を率いて必勝態勢で臨んでくる。地元勢の最大の難敵はやはり新田祐大だろう。グランプリは3着だったが、GI優勝2回、準優勝2回と昨年の競輪界を席巻したスピードは健在だ。グランプリでは無念の落車に終わった平原康多も侮れない。全日本選抜は13年と昨年に2度優勝しており、体調面は気になるが相性抜群の大会で復活優勝を目指してくる。
浅井康太がホームバンクで必勝を期す
新田祐大が超高速捲りを炸裂させる
浅井康太は昨年、グランプリまで一度も優勝がなく、獲得賞金額5位でグランプリ出場と安定感は高かったが、勝負強さではライバルたちに水をあけられている印象だった。そんな悪いイメージ払拭すべく浅井は年末の大一番に向けて勝てる走りを模索し続け、ついに輪界の頂点に立つことができた。もちろんホームバンクでの初のGI開催となる今大会でも、大きなプレッシャーがあるかもしれないが、地元ファンの前で勝ちに徹した走りを披露してくれるはずだ。
中部で急上昇中なのが吉田敏洋だ。落車の影響で昨年前半はよくなかったが、9月の函館FIを優勝すると10月の寬仁親王牌で決勝進出を果たした。7回目の挑戦でまたもやGIタイトルには手が届かなかったが、一次予選は捲って1着、準決も竹内雄作の先行に乗って1着と勝ち上がりは万全だった。その後も競輪祭は二次予選敗退だったが、11月の名古屋FIを優勝、佐世保記念は決勝3着と順調で、直近4ヶ月の勝率は5割を超えている。
浅井康太とともにホームバンクでのGIで特別選抜予選のメンバーに選出されたのが坂口晃輔だ。四日市での開催が決まってから今大会に向けて頑張ってきた坂口は、8月のオールスターでGI初優出と着実にランクアップしてきた。4月の函館FIでは深谷知広の逃げをゴール前でチョイ差しして優勝、同じく4月の四日市FIでは吉田敏洋の逃げに乗って優勝と、もちろんホームバンクとの相性はいい。
新田祐大はグランプリでは勝負どころで8番手となり、必死に捲り上げるも3着が精一杯と一番悪いところが出てしまった。海外遠征の疲れがたまっていたのか、捲り上げたときのスピードも重い印象だった。現在はビッグレースの出走しかないので、グランプリのような一発勝負では競技と競輪の切り替えがうまくいかないのだろう。しかし、4日制の今大会ならば、走りながら徐々に調子を上げていき、自慢のハイスピードでしっかりと優勝争いに絡んできてくれるはずだ。
今大会では渡邉一成が不出場だが、北日本では成田和也が特別選抜予選に選出されており、新田祐大との連係で活躍が期待できる。昨年の高松宮記念杯決勝では新田とワンツーを決めており、新田のハイスピードに食らいついていける数少ない選手のひとりだ。年末のグランプリシリーズのS級戦の決勝は落車に巻き込まれてしまったが、準決では最終4角6番手から中割強襲で2着とさすがの決め脚を披露している。
平原康多が武田豊樹とのタッグで連覇を目指す
村上義弘が結束力を武器に近畿復活を狙う
平原康多は全日本選抜の昨年の覇者だが、落車の影響などで後半戦に入ると低迷してしまった。その後はナショナルチームの練習法を取り入れるなど試行錯誤を繰り返したが調子が上がらず、5ヶ月ぶりのGI優出となった競輪祭では新田祐大の超高速捲りに完敗、自転車のセッティングを好調時の前半戦と同じに戻して臨んだグランプリも6着に終わった。それでも勝負どころで3番手を奪取したレース内容は素晴らしく、今大会も平原らしい自在な走りで復活を目指してくる。
武田豊樹も8月のオールスターでの落車で骨盤骨折の大怪我を負い後半戦は低迷してしまったが、それでもグランプリでは平原康多目標から2着とさすがの底力を見せつけた。今大会の特別選抜予選では平原を始めとして木暮安由、吉澤純平、吉田拓矢と自力型がそろっているのでライン的に有利に戦えるのは強みだ。昨年の大会では決勝で平原とワンツーを決めており、今年も体調は万全でなくともビッグレースで積み重ねた経験値を武器にしっかりと勝ち上がっていくだろう。
吉田拓矢は年末のヤンググランプリは8着に終わったが、109期の新鋭・太田竜馬を相手に突っ張り先行を敢行、同期同県の鈴木竜士の優勝に貢献とレース内容はよかった。太田は昨年、高松宮記念杯でGI初優出を決めているが、近況はやや壁に当たっている印象が強かった。しかし、太田竜馬の出現によって闘争本能に火がついたようで、今年は初心に帰っての先行主体の競走で再度の急上昇が期待できそうだ。
初日の特別選抜予選3個レースで最も選手数の多い地区が近畿の9人だ。三谷竜生、脇本雄太、稲垣裕之に村上義弘と動ける選手もそろっておりライン的な厚みも強力だ。グランプリではダービー王・三谷竜生の後ろを山口の桑原太志がマークしていたが、それを近畿の選手たちがどんな気持ちで見ていたかは想像に難くない。近畿はラインの結束力が最大の武器であり、総大将の村上義弘がラインをいかにまとめていくかが近畿復活の大きなカギとなるだろう。
近畿で近況好調なのが弟の村上博幸だ。11月の大垣記念決勝では三谷竜生-稲垣裕之-村上博幸で結束、三谷は捲り不発だったが、番手から自力発進の稲垣をゴール前で村上がズブリと差して優勝、12月の広島記念決勝は稲垣裕之-村上博幸-北野武の並びで稲垣は捲り不発に終わったが、村上はうまく先手ラインの3番手にスイッチすると直線外を鋭く伸びて記念連覇を達成と、14年に全日本選抜を制覇したころの鋭さが戻ってきている。
勢いに乗る太田竜馬が中四国勢を引っ張る
北津留翼の大捲りの一発が侮れない
中四国では新鋭・太田竜馬の活躍が見どころだ。吉田拓矢や新山響平を押さえて1番人気に推された年末のヤンググランプリは2着に終わったが、3番手外併走の苦しい状態から捲り追い込んでの2着と評判どおりの強さを見せつけた。11月の競輪祭では敗者戦ながら1着2回、2着1回、12月の伊東温泉記念では3連勝の勝ち上がりで準優勝と勢いに乗っており、今大会でも新人らしからぬ度胸満点の走りで中四国勢をグイグイ引っ張っていくだろう。
九州では北津留翼の一発が魅力的だ。昨年の地元・競輪祭では平原康多、浅井康太らを相手に準決を8番手からの捲り、1着で突破すると、決勝も6番手からの捲りで準優勝と地元ファンの大喝采を浴びた。その後も12月の佐世保記念は決勝5着、年明けの立川記念では優出を逃したが準決では思い切った先行策と気合いたっぷりの走りを見せている。レースの組み立ての甘さは相変わらずだが、それを補って余りあるスピードで今大会も活躍が期待できる。
山田英明は5月の日本選手権の準決を8番手からのロング捲り、2着で突破してGI初優出、6月の高松宮記念杯の準決も7番手からの捲り、1着で突破してGI連続優出を決めた。しかし、8月のオールスターの準決で落車・失格となり、その後は調子落ちになってしまったが、12月の宇都宮FIで決勝2着、続く平塚FIが決勝3着、そして新春の小松島FIを優勝と近況は上昇気配だ。
南関東は九州と同様に関東や近畿と比べるとライン的にはパワー不足の印象が否めないが、間隙を突いての一撃が期待できる選手が多くて侮れない。南関東、とくに神奈川の選手たちは5月に平塚で開催される日本選手権出場を目指して昨年1年間頑張ってきており、その成果がそろそろ成績に現れてきそうだ。今や南関東のエースとなった郡司浩平を中心に昨年7月の防府で記念初優勝を飾った和田真久留、4月の西武園で2度目の記念優勝を達成した松谷秀幸らが今大会も好走してくれるだろう。
昨年の記念開催では千葉勢の活躍も目立っていたが、今大会の出場予定選手の中では山中秀将が2月の四日市で浅井康太の地元記念4連覇を阻止して記念初優勝を飾り、9月の岐阜では成清貴之が2度目の記念優勝を達成している。また、昨年の全日本選抜では和田健太郎が準決を2着で突破してGI初優出、中村浩士が3月のウィナーズカップで準優勝と健闘し、和田と中村の2人は今大会では特別選抜予選に選出されている。
思い出のレース
2014年 第29回大会 村上博幸
|
村上博幸がイン強襲で4年ぶりのGI制覇
新田祐大-齋藤登志信、平原康多-神山雄一郎、浅井康太-山賀雅仁、脇本雄太-松岡健介-村上博幸の並びで周回。残り2周の赤板から平原が後方の動きを確認しながら中バンクへ上がっていくが、脇本が一気にスパートしてバック手前で先頭に立ったところで打鐘を迎える。新田は下がらずに脇本の番手でイン粘りに出る。競りは新田が勝ち、浮いた松岡は3番手に入り、村上が4番手で最終ホームを通過する。すかさず平原が巻き返し、5番手の齋藤の牽制を乗り越えてグングン加速すると、合わせて捲り上げた松岡を抜き去り、脇本の番手から発進した新田とのもがき合いになる。ところが最終4角で新田が平原を押し上げ、平原、神山、浅井の3車が落車、新田後位に切り替えていた村上も神山と接触するが、そこから態勢を立て直すと空いた内を一気に突き抜けて先頭でゴールイン、2着入線の新田は失格となり、松岡が2着、齋藤が3着に繰り上がる。
表彰
ゴール
|
バンクの特徴
見なし直線が長く、捲りや追い込みが有利
|
直線が真っ平らなので先行も粘り込める
四日市はクセがなくて走りやすい標準的なバンクだが、400バンクとしては直線が長く、走路の幅も広いので捲りや追い込みが有利とされている。ただ、直線が真っ平らで脚力のロスがないため先行も十分に粘り込める。
昨年2月の記念開催の決まり手を見てみると、全48レースのうち1着は逃げが9回、捲りが18回、差しが21回、2着は逃げが8回、捲りが8回、差しが10回、マークが22回となっている。
やはり捲りがよく決まっているが、直線の長さに反して逃げの健闘が目立っている。先手ラインの選手が1着を取った回数も全体の3分の1強の18回だ。直線が長くて遅めの捲り追い込みが決まりやすいバンクだが、捲りに構えた選手たちが位置取りや捲り合戦でもつれ合っていのを尻目にまんまと逃げ切ってしまうケースが多い。
捲りは中団位置が取れれば最終バックや3角からの遅めの捲り追い込みが有効だ。400バンクの定石通りに最終2角前から早めに仕掛けると、長い直線で番手追走の選手に差されたり、先捲りを追って後方から仕掛けてきた捲り選手に交されてしまう危険性が高くなる。
4日目4Rの選抜では山口智弘が打鐘から抑え先行、最終ホーム7番手から山本直がすかさず巻き返して3角で捲り切るが、後方待機の真船圭一郎が3角から仕掛けて最後の直線で大外伸び、真船追走の須藤悟がさらに伸びて1着、山本直の番手から差し込んだ藤原浩が2着、真船が3着で、2車単が8万円、3連単が65万円の超大穴になっている。
ちなみに決勝戦は記念初優出の取鳥雄吾が果敢に先行、その後位を井上昌己と稲垣裕之で取り合う形になり、最終2角6番手から仕掛けた山中秀将が3角で捲り切り、地元記念4連覇のかかっていた浅井康太が山中を追っていくが、山中の番手の内藤秀久に2度ブロックを受けて失速、山中がそのまま押し切って記念初優勝、2着も内藤で南関東コンビのワンツー決着、浅井は3着だった。
周長は400m、最大カントは32度15分07秒、見なし直線距離は62.4m。平成9年に全面改修され、コーナー部分が短くなり直線が500走路並に長いバンクに生まれ変わった。直線の幅も広く、ゴール前では横並びで入ってくるケースが多くてもつれることも少なく、ラインの選手同士のスジ決着の出現率が高い。外帯線の外側2mあたりに伸びるコースがある。海が近くて風の影響が大きく、冬場はバック向かい風になりやすい。
四日市バンク
|