ウィナーズカップ直前展望
今年の冬は寒かったですね!
まだまだ寒の戻りがありますから油断はできませんが、ウィナーズカップで熱くなりましょう!
また、ウィナーズカップが行われる松山競輪は、何といっても道後温泉で有名です。
そして、瀬戸内の美味しい魚もたくさんあるので、是非松山にお越しください!
競輪と美味しいものが味わえますよ!
注目選手
浅井康太 三重 90期
優勝という結果は出ていませんが、動きはとてもよく感じます。特に名古屋記念の準決勝での動きは良かったと感じました。結果は吉田敏洋が番手から勝っていますが、中団を取り切ってから再度踏み込む脚が良いですね。昨年のグランプリは勝ったものの、大きいところの優勝はなかった浅井が、このウィナーズカップでは優勝候補一角としてあげたいです。
吉田敏洋 愛知 85期
一昨年の活躍を思い出す方もいると思います。グランプリ争いを繰り広げ結果は次点。かなり悔しい思いがあったはずです。今年は名古屋記念を優勝し、波に乗れてきているはず。特に、この開催は深谷知広が久々に走るので、連携があれば、俄然良いポジションでのレースを進められると思います。期待して注目したいと思います。
三谷竜生 奈良 101期
昨年は、ダービーを優勝してから不調が長く続いていました。なかなかその波から抜け出せなかったのですが、やっと本来の力を取り戻してきたようです。奈良記念優勝はその証でしょう。地元からの復活はよくあるパターンです。三谷の動向に目が離せないですね。
世界選手権組
渡邉一成 福島 88期
新田祐大 福島 90期
深谷知広 愛知 96期
グランプリ以降、競輪競走を走らず競技に専念してきた3選手は久々に競輪を走ります。確かにレース勘というものがありますが、今の彼らには問題はないでしょう。特に深谷は1kmTTで1分2秒を世界選で出していますし、渡邉はスプリント予選200mTTでは9秒台で走っています。これは早々でるタイムではないので調子は上向きだと思います。新田にしてもケイリンを走っているので感覚的には問題はないはず。
世界で戦う脚を見せてほしいですね。
昨年度に新設されたウィナーズカップの第2回大会が松山競輪場で開催される。先の全日本選抜を圧倒的なスピードで制した新田祐大が断然の優勝候補の筆頭だが、ラインの結束力を武器に立ち向かう近畿勢や復調なった平原康多率いる関東勢の猛反撃が一番の見どころになるだろう。また、ウィナーズカップは昨年のヤンググランプリの出場選手を始めとする若手選手の出場が多いのが特徴の一つで、昨年の大会では99期の郡司浩平が見事にビッグレース初制覇を飾っており、今大会でもニューヒーローの誕生が大いに期待できる。
今年も新田イヤーとなるか
ウィナーズカップの選考期間は昨年の9月から12月までで車券に最も貢献している1着回数の多い選手を中心に選抜されるが、FI開催の成績も選考対象になっている上に昨年のヤンググランプリの出走者全員に出場権が与えられているので、勢いのある若手選手が多数出場予定となっているのが特徴だ。初日の特別選抜予選の3個レースの顔ぶれも若手選手の名前が多く、しかも地区的には27人のうち中四国勢が6人と最も多くなっており、他のビッグレースでは見られないようなフレッシュな戦いが期待できるだろうし、今年も昨年・覇者の郡司浩平に続くニューヒーローの誕生が十分にありそうだ。
新田祐大 福島 90期
それでも決戦の舞台が松山の高速バンクなだけに、超速の王者・新田祐大の優位が揺るぐことはないだろう。2月の全日本選抜も圧巻の捲りで制しており、今年も昨年続いての新田イヤーになりそうな予感を強く印象づけた。とりわけファンの度肝を抜いたのは準決の走りだ。最終ホーム7番手から仕掛けきれずに一旦は失速したかに見えたが、バックからのゼロ発進で再度踏み込むと驚異的なスピードで前団をあっさりと飲み込んでしまった。これまでの競輪ではまったく見たことがないような超人的な走りだった。まさに競輪ではなく、新田ならではの「ケイリン」の走りだったといえるだろう。
平原康多 埼玉 87期
新田祐大とは対象的に「競輪」の申し子と呼べる走りでファンを魅了しているのが平原康多だ。平原の最も得意にしているのがレースを捌いての中団確保からの捲りであり、後方になったときには前団のスピートに乗ってさらに自分も加速していくという競輪の教科書のような走りだ。それは新田祐大には真似のできない、展開に応じて全方位の戦い方ができる平原ならではの強みだ。全日本選抜決勝は村上博幸のブロックを受けて6着に終わったが、昨年後半からの不振から完全に立ち直っており、今回も新田と平原のケイリン対競輪の戦いが見どころになるだろう。
吉澤純平 茨城 101期
吉澤純平は全日本選抜で待望のGI初優出を達成した。初日特別選抜予選は逃げる竹内雄作の番手にハマっての1着だったが、準決は後続のもつれを尻目に2着に5車身の差をつけての堂々の逃げ切りで突破している。12月の広島記念の準決も捲りの1着で突破、1月の大宮記念の準決も4番手からの直線強襲で1着突破と、ここへきて急速に力をつけてきている。大宮記念決勝に続いて全日本選抜決勝でも平原康多との連係はうまくいかなかったが、GI決勝の大舞台を経験したことで今大会もワンランクアップの強さを存分に発揮してくれるだろう。
復調なった原田研太朗が地元ファンの期待に応える
村上義弘が近畿の結束力で打倒・新田祐大を目指す
前述のとおり初日特別選抜予選3個レースの選手数を地区的に見てみると、中四国勢が6人と最多となっている。続いて関東と近畿が5人ずつだ。これまでの中四国勢はビッグレースでは常にラインが手薄で苦しい戦いを強いられてきたが、ここへきて有望な若手が次々と登場してきて勢いを増してきている。全日本選抜では109期の太田竜馬が敗者戦ながら2勝をマーク、GI初出場となった105期の清水裕人も一次予選と3日選抜で2勝、3日目から補充出走の107期の小川真太郎も3着、1着と好成績を挙げている。もちろんトップクラスの選手たちとの力の差は大きいが、彼らの頑張り次第では地元・四国勢の大躍進の可能性が十分にありそうだ。
原田研太朗 徳島 98期
原田研太朗は昨年後半から不振に陥ったが、12月の取手FIでの完全優勝をきっかけに復活、続く伊東温泉記念が決勝3着、広島記念が決勝9着、1月の和歌山記念が決勝5着、小田原FIの優勝を経て全日本選抜では昨年8月のオールスター以来のGI優出を決めた。準決は後手を踏まされてのぎりぎりの3着での突破だったが、一次予選は7番手から捲り四国ラインで上位を独占、二次予選は脇本雄太の逃げを5番手から捲って1着、渡部哲男を3着に連れ込んでいる。今大会も四国の若手選手たちとともに地元ファンの期待にきっちり応える走りを見せてくれるだろう。
村上義弘 京都 73期
全日本選抜では近畿勢から4人が決勝進出、古性優作が主導権を握り、村上義弘が最終バックから番手捲り、村上博幸が吉澤純平、平原康多を次々にブロックと、各人が最高のパフォーマンスを演じて近畿の結束力を見せつけたが、新田祐大の捲りに屈して優勝には手が届かなかった。その無念さは察するに余りあるものだ。今大会は村上義弘は予選スタートとなってしまったが、もちろんしっかりと勝ち上がって決勝進出を果たしてくるだろうし、三谷竜生、脇本雄太、稲川翔らとともに再び近畿の結束力を発揮して打倒・新田祐大に燃えてくるだろう。
三谷竜生 奈良 101期
三谷竜生は全日本選抜では二次予選で敗れたが、先行して村上博幸の勝ち上がりに貢献、3日目特選は逃げ切り、4日目特別優秀は脇本雄太マークで2着と、まだ本調子とはいえないが状態はだいぶ良化してきている。直前の高松記念では初日特選こそ3着だったが、2日目優秀が最終ホームからの早めの捲り返しで1着、準決も4番手からの捲りで1着、決勝は7番手に置かれたが最終2角から捲り切って優勝とS級S班の力を見せつけている。今大会も松山の高速バンクで、三谷らしい豪快な先行・捲りで復活優勝を目指してくる。
浅井康太が全日本選抜の汚名返上を期す
山中秀将が怒涛の捲りで波乱を呼び起こす
浅井康太 三重 90期
全日本選抜の浅井康太は特別選抜予選では竹内優作の番手を関東勢に奪われ、5番手に引いたままで流れ込みの5着、二次予選も竹内との連係が外れ、5番手から自ら仕掛けて捲り切るが末脚を欠いて4着に敗れ途中欠場となってしまった。ホームバンクでのGI開催のプレッシャーから大事を取りすぎてああいう走りになってしまったのだろうが、2日連続で竹内との連係を外してしまったのは大きな疑問符の残るところだろう。もちろん今大会では汚名返上のためにライン重視の走りを心かけてきそうで、グレードはG2だがグランプリ覇者の名に恥じない戦いを見せてくれるにちがいない。
深谷知広 愛知 96期
深谷知広は海外遠征のために全日本選抜を欠場しているが、東京五輪出場を目指して自転車競技に打ち込んでいる成果が競輪でもしっかり現れている。昨年は3大会のGIで決勝進出、3年ぶりのグランプリ出場を果たした。グランプリでは2車の短いラインながら浅井康太を連れて果敢に先行、最後は落車に巻き込まれたが、浅井の優勝に貢献するとともに最終4角までは誰にも捲らせない素晴らしい走りを見せた。自転車競技との相乗効果で全盛期の強さが完全に戻っており、今大会も新田祐大に負けないスピードケイリンを披露してくれるだろう。
中川誠一郎 熊本 85期
九州は総勢7人が出場予定で、坂本健太郎、中川誠一郎、井上昌己の3人が特別選抜予選に選ばれているが、ここはやはり自転車競技つながりで中川のスピードに期待してみたい。全日本選抜では二次予選で敗れているが、一次予選では8番手の苦しい展開に追い込まれるも最終3角からの捲り追い込みで大外を強襲して1着、4日目特選では松岡貴久の8番手捲りを追い込んで2勝目を挙げている。近況は目立った活躍は見られないが、1月の和歌山記念では1着1回、2着1回、続く松阪記念では4日目特選で1着と調子自体は悪くない。
山中秀将 千葉 95期
南関東は昨年覇者の郡司浩平が不出場で、特別選抜予選組も岩本俊介と桐山敬太郎の2人だけと状況的にはやや寂しいが、全日本選抜では山中秀将と和田健太郎の千葉コンビが準決まで勝ち上がっており決して侮れない。山中は準決で7着と敗れたが、一次予選は8番手からの捲りで渡邉晴智とワンツーを決め、上がりタイムが11秒2と初日の一番時計をマークしている。二次予選も三谷竜生の先行を8番手からあっさり捲り切り、和田健太郎が1着、山中が2着で千葉ワンツーを決めており、今大会も怒涛の捲りで波乱を呼び起こしてくれそうだ。
レースの思い出
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郡司浩平が中団捲りでビッグレース初制覇
昨年から新設されたウィナーズカップの初代王者に輝いたのは南関東の若武者・郡司浩平だ。並み居る強豪を打ち破っての堂々のビッグレース初制覇だった。平原康多-武田豊樹-木暮安由が前受け、単騎の原田研太朗が続き、稲垣裕之-稲川翔-東口善朋、郡司浩平-中村浩士の並びで周回を重ねる。青板の3角から郡司がゆっくりと上昇開始、赤板で先頭に立つが、続いた稲垣が上バンクを使って郡司に並びかけ、打鐘前から先頭に立って先行態勢に入る。郡司が4番手を確保し、平原が6番手、原田が最後尾の一本棒の状態で最終ホームを通過。最終2角から平原が仕掛けるが、合わせて郡司がバック手前から捲り発進、逃げる稲垣を3角でとらえて先頭に躍り出る。平原も必死に南関東コンビを追うが、2センターで稲川に絡まれて失速する。ゴール前は南関東コンビのマッチレースとなり、郡司が中村の猛追を8分の1輪差で振り切って優勝、中村が2着、平原が3着に入る。
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高速バンクで回転力のある自力選手に有利
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捲りは3コーナーからの捲り追い込みが有効
標準的な400バンクで、どんな戦法でも力を発揮できるが、カントがややきつめの高速バンクでタイムも出やすいので、回転力のある自力型に若干有利だ。
直線がやや長めだが、自力型がスピードに乗りやすいので、ビッグレースでも捲りだけではなく先行もよく粘れている。最終ホーム手前から仕掛けて1コーナーで出切ってしまえば最後の直線まで持つし、3コーナーを壁をきれいに回っていければもう1回内が伸びる感じがあるので粘り込むことができる。
13年2月に開催された全日本選抜の決まり手を見てみると、全47レースのうち1着は逃げが8回、捲りが16回、差しが23回、2着は逃げが9回、捲りが8回、差しが13回、マークが17回となっている。
先行がよく粘っており、GIながら先手ラインのワンツー決着の出現率が高い。ただ、先行がよく掛かるので、別線の自力型が真っ向勝負を避け、先手ラインの番手に飛びついたり追い上げたりしてスジ違いで決着するレースもよく見られた。
捲りは400バンクの基本どおりに2コーナーから仕掛けて3コーナーをスピードに乗って回っていけば直線でよく伸びる。しかし、掛かりがよくないときつい壁となっている3コーナーで外に膨らみ、先手ラインの選手のブロックを受けて不発になりやすい。理想は中団位置を取っての3コーナーからの捲り追い込みだ。
13年の全日本選抜のときも捲りのほとんどは中団からの仕掛けで、後方からのロング捲りはあまり決まっていない。後方からの巻き返しは前団の先捲りの選手に3コーナーで合わされて不発になりやすいので、GIでよく見られる捲りー捲りの決着の出現率も低かった。
直線では中コースがよく伸びるので、追い込み選手もコースがうまく空けば5、6番手から直線で一気に突き抜けることができる。最終4コーナーからインに切り込み、直線でコースをこじあけて突っ込んでいく戦法も有効だ。
周長は400m、最大カントは34度01分48秒、見なし直線距離は58.6m。旧松山競輪場は500バンクで市街地の城址公園内にあったが、05年に郊外のスポーツ公園内に移転して400バンクに生まれ変わった。川沿いに位置しており、バック側には建物がないので風の影響も受けやすい。走路に風が入り込みやすく、フェンスが透明板のポリカーボネートのために風が吹き抜けないので、風の強い日はバンクのどこも向かい風になって重くなる。
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