レース直前展望
豪雨により被害に遭われ亡くなられた方々に哀悼の意を捧げますとともに、被害にあわれた方々に心よりお見舞いを申し上げます。
昨年に続いていわき平競輪場で第61回オールスター競輪(GI)が開催されます。
夏真っ盛りに競輪界のスター選手たちの魅力ある競走がいわき平バンクで繰り広げられます。
是非、トップスター選手たちの競走をご観戦ください!
オールスター競輪直前注目選手!
脇本雄太 福井 94期
今、一番強い先行選手は脇本雄太でしょう。驚異の打鐘先行逃げ切りをするのはこの選手しかいません。また、先行できなければ驚異の捲りで勝ってしまうトップスピードも半端じゃありません。日本選手権決勝3位、高松宮記念杯競輪決勝2位は目を見張るものがあります。それも先行ですからね。
今回のオールスター競輪ではどのような結果を残すのか、大いに期待したいと思います。
三谷竜生 奈良 101期
GI連続3連覇が懸る今回のオールスター競輪ですが、今回も魅せてくれるはずです。とてつもないパワーで走る脇本を差せる脚は、もう見事としか言いようがありません。自力で走っても強いから差せるのであって、その脚はやはり超抜でしょう。今回もその脚を存分にみせてほしいですね。
111期3選手!
南潤 和歌山
松本貴治 愛媛
山崎賢人 長崎
111期から3選手が出場します。最速でGIII優勝を決めた南潤。徹底先行で成績を残している松本。近況は優勝回数が多い山崎です。
南は近畿、松本は四国、山崎は九州の先頭で頑張ってくるはず。これらの選手にぜひ注目してほしいと思います。一次予選から目が離せませんよ!
第61回オールスター競輪が昨年に続いていわき平競輪場で開催される。中心となるのはファン投票1位の新田祐大と8位の渡邉一成の福島コンビだ。昨年の大会と同様に今年も地元コンビによる決勝戦でのワンツー決着に大きな期待がかかる。強靭な先行力が戻った深谷知広と浅井康太の中部コンビ、GI連覇中の三谷竜生と村上義弘の近畿コンビ、平原康多と武田豊樹の関東コンビも強力でファンの支持に応える熱い走りを見せてくれるだろう。
〇オールスター2018ドリーム
福島コンビによる大会連覇に期待
完全復活の深谷知広が押し切りを狙う
ファン投票で1位から9位まで選ばれたベストナインは初日のドリームレースに出場する。ドリームレースで5着までに入った5名が3日目のシャイニングスター賞に勝ち上がり、シャイニングスター賞の全員が無条件で準決へ進出できる。
新田祐大 福島 90期
ファン投票で2年ぶり2度目の1位に選ばれたのが新田祐大だ。新田は現在自転車競技に重点を置いているために競輪での出走回数は少ないが、2月の全日本選抜を優勝しており、そのスピードスターぶりで全国のファンを魅了し続けている。昨年の大会ではドリームレースが上がり11秒1の捲りで1着、シャイニングスター賞も11秒0で1着、決勝は渡邉一成に交わされて2着だったが個人上がりタイムは10秒8と、もちろん地元のいわき平バンクは大得意だ。
渡邉一成 福島 88期
渡邉一成はファン投票8位だが、昨年の決勝では新田祐大の捲りを差し切って優勝しており、大会連覇に大きな期待がかかる。7月のサマーナイトフェスティバルでは新田が不在だったが、決勝では菅田壱道と連係、菅田が逃げる深谷知広の横まで捲りあげると渡邉はそこから自力に転じ、逃げ粘る深谷を直線でとらえて今年初優勝を飾っている。渡邉も新田と同様に競輪の出走回数が少なくレース勘にやや不安があるが、今回も北日本連係から地元ファンの声援に答えてくれるだろう。
平原康多 埼玉 87期
ファン投票2位は平原康多だ。平原は5月の日本選手権と6月の高松宮記念杯で準決敗退と近況はやや調子を落としていたが、サマーナイトフェスティバルでは優出を果たしている。優勝には手が届かなかったが、深谷知広のハイスピード先行に飛びついて番手を奪ったあたりはさすがと思わせる走りだった。展開次第では深谷相手に突っ張る覚悟で仕掛けていったからこその技であり、今回も調子は万全でなくとも平原らしい技巧的な走りで難局を突破していくだろう。
深谷知広 愛知 96期
ファン投票3位は深谷知広だ。深谷はサマーナイトフェスティバルでは短走路の松戸バンクが舞台だったとはいえ連日積極的な走りを披露、全盛期の(いや、それ以上の)強靭な先行力を完全に取り戻していた。決勝では平原康多に番手に飛びつかれ、さらには渡邉一成に捲られながらも驚異的な粘り脚で2着に入っている。これも新田祐大らとともにナショナルチームで鍛えられている成果だろう。昨年の大会でも上がり10秒8の捲りを放っており、いわき平バンクとの相性もいい。
三谷竜生 奈良 101期
三谷竜生は日本選手権では脇本雄太の先行にのり連覇を達成、続く高松宮記念杯も脇本の先行を交わしてGI連覇を達成と、今年前半は三谷を中心とする近畿勢が競輪界を席巻した。サマーナイトフェスティバルは優出を逃したが、単騎戦となった初日特別選抜予選では中団から深谷知広の逃げを捲って1着になっており、今回も組み合わせや展開によってなんでもこなせる三谷が強さを発揮してくるだろう。
〇オールスター2018オリオン
脇本雄太がハイスピードでぶっちぎる
中四国連係で原田研太朗の逆転もあり
ファン投票10位から18位の9名が2日目のオリオン賞に出場するが、3着までに入れば3日目のシャイニングスター賞へ勝ち上がれる。中心となるのは脇本雄太と村上博幸の近畿コンビだ。脇本が一気に主導権を握ってしまえば近畿コンビでのワンツー決着が濃厚だ。太田竜馬-原田研太朗-桑原大志で連係しそうな中四国勢が2段駆け狙いで発進すれば逆転も十分。東日本連係で諸橋愛と神山雄一郎ベテラン勢が新山響平をうまくリードしていけば波乱の目もありそうだ。
脇本雄太 福井 94期
脇本雄太は日本選手権決勝では近畿勢を引き連れて先行して三谷竜生の日本選手権連覇に貢献、続く高松宮記念杯決勝も三谷竜生を連れて主導権を握ると後続を5車身以上ぶっちぎる独走状態に持ち込んでしまった。ゴール前では三谷に交わされてGI初優勝はならなかったが、今の脇本に先行を許してしまったら簡単には捲れない。昨年の大会のオリオン賞では9番手から捲って上がりタイム10秒8で1着になっており、今年のオリオン賞も脇本中心は揺るがないだろう。
原田研太朗 徳島 98期
原田研太朗は高松宮記念杯の準決では小川真太郎の先行に乗り、後方から巻き返してきた三谷竜生に合わせて番手捲りを打つと、三谷と捲り合戦に勝って1着でゴール、決勝も3着と健闘した。次場所の小松島記念の2日目優秀では太田竜馬と連係、太田の先行を追い込んで1着ともちろん太田との相性もいい。太田は高松宮記念杯では二次予選で主導権を取れずに敗れたが、残り3走はしっかり先行しており、今回も先行勝負に出れば原田に勝機が向くだろう。
新山響平 青森 107期
新山響平も近況は積極的だ。6月の函館記念では4日間主導権を取り切って決勝8着、高松宮記念杯では一次予選が逃げ切り、2日目青龍賞では別線勝負となった新田祐大-渡邉一成の福島コンビを相手に先行勝負に出ている。サマーナイトフェスティバルも準決で敗れたが、初日予選では中村浩士-萩原孝之の地元勢を連れて逃げ3着に粘り込んでいる。今回もおそらく後ろは関東勢になりそうだが、脇本雄太、太田竜馬を相手に主導権取りを狙ってきそうだ。
園田匠 福岡 87期
混戦突いての一発を狙ってきそうなのが園田匠だ。他地区に比べて九州は機動力型が手薄なので、追い込み主体の競走では上位戦では戦えないと悟った園田。今は再び自力中心の練習方法に取り組んでいる。6月の函館記念の準決ではバック9番手から大外を捲り追い込んで1着、サマーナイトフェスティバルの初日予選でも目標の松岡貴久が不発の展開となったが、6番手から自ら捲って頭に突き抜けている。今回も先行争いで混戦模様となれば園田の一発が侮れない。
〇オールスター2018特選
機動力上位の吉澤純平が勝利を目指す
古性優作が得意の捌きで勝機を掴む
2日目の特別選抜予選1個レースでは1着を取った1名だけが3日目のシャイニングスター賞に勝ち上がれる。機動力上位の吉澤純平に木暮安由が続く関東コンビが優勢だが、1着権利の厳しい戦いだけに激戦は必至だ。強気の捌きとタテ脚が魅力の古性優作に稲垣裕之が続く近畿コンビや松谷秀幸-中村浩士の南関東コンビにも勝機は十分だ。同地区の仲間がいない吉田敏洋、香川雄介、佐藤慎太郎の動向にも注目で、彼らの動き次第では波乱の決着もありそうだ。
吉澤純平 茨城 101期
吉澤純平は今年2月の全日本選抜の準決を逃げ切りで突破してGI初優出を果たした。日本選手権ではまさかの一次予選敗退に終わったが、高松宮記念杯の準決では新田祐大を下し武田豊樹との1着同着で2度目のGI優出を決めている。さらに次場所の久留米記念も準決を1着で突破して決勝4着、7月の岸和田F1は完全優勝と勢いに乗っている。今回は1着権利だけに仕掛けどころが難しいが、好位置確保からのスパートで押し切りを狙ってくるだろう。
古性優作 大阪 100期
古性優作は地元・岸和田の高松宮記念杯では残念ながら優出を果たせなかったが、サマーナイトフェスティバルでは2連勝で決勝進出を決めている。初日予選では勝負どころで4番手にいたが、後方から巻き返してきた和田真久留を捌いてから発進、すかさず先手ラインの内に潜り込むと今度は佐藤慎太郎を捌いて番手を奪取し直線抜け出して1着と八面六臂の大立ち回りを演じた。今回も展開次第では古性らしい捌きの走りで勝機を掴んでくるだろう。
中村浩士 千葉 79期
中村浩士は松戸のサマーナイトフェスティバルでは南関東勢からただ1人決勝進出を果たし地元の意地を見せた。初日予選は新山響平の逃げを目標に2着、準決では目標の近藤隆司が不発に終わり後ろから三谷竜生が迫ってきていたが、最後の直線でしっかり踏み直して三谷に打ち勝ち3着に食い込んでいる。今回目標とする松谷秀幸も日本選手権で準決へ勝ち上がるなど決して調子は悪くなく、今回も相手は強敵揃いだが南関東コンビの大健闘が十分に期待できそうだ。
オールスター2018思い出
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2013年 第56回大会 後閑信一
後閑信一が地元で7年ぶりのGI制覇
新田祐大-成田和也、藤木裕-村上博幸-稲川翔、後閑信一-勝瀬卓也、吉田敏洋-金子貴志の並びで周回。青板周回のバックから吉田がゆっくり上昇して前を押さえると、新田は3番手の藤木の横まで下がる。続いて藤木が上昇して先頭に立ち、そのまま誘導員を交わしたところで打鐘を迎える。近畿ラインを追った後閑が4番手に入り、その後ろの6番手では内に吉田、外に新田で併走となる。鐘が鳴り響くなか藤木は全開で先行態勢に入るが、4角から新田も一気にスパートし最終2角手前で藤木を叩き切ってしまう。しかし、成田が村上からブロックを受けて捌かれてしまい、新田は裸逃げの状態となる。すると2角過ぎから後閑が捲り発進、後閑のスピードはよく4角で新田に追いつくと最後の直線では新田と後閑のマッチレースとなる。後閑に気づいた新田は車を横に振って牽制するが、後閑は4分の3車輪の差をつけて先頭でゴールイン、2着に新田、3着に勝瀬が入る。
決勝ゴール
表彰
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〇オールスター2018バンク
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標準的な400バンクだが直線が長い
追い込み有利で印象的には500バンクに近い
06年10月にリニューアルオープンしたいわき平はクセのない標準的な400バンクだが、旧バンクより見なし直線距離が10m長くなり、全国の400バンクの中では3番目に長い直線となったため追い込み選手有利が基本だ。
昨年8月に開催されたオールスターの決まり手を見てみると、全53レース(ガールズ2個と競走不成立1個レースを除く)のうち1着は逃げが3回、捲りが20回、差しが30回、2着は逃げが5回、捲りが15回、差しが14回、マークが19回となっている。
やはり直線が長いだけあって差しの回数が圧倒的に多く、逃げは厳しい。昨年の大会で逃げ切れたのは河端朋之(2回)と深谷知広の2人だけだ。
しかも全53レースのうち先手ラインの選手が1着になったのは13回だけである。いわき平では先手ラインで番手絶好の展開になっても簡単には勝ち切れないのである。
では、1着が30回もある差しの内容はどうなっているかというと、その大半が後方で脚をためていた選手の直線強襲なのである。
直線部分ではイエローラインの内寄りと外寄りに伸びるコースがあるので、先手ラインで決まるかと思われた瞬間にイエローラインの内、外を伸びてきた2選手で大逆転というケースがよく見られる。いわき平は400バンクだが、印象的には500バンクに近い。
仕掛けも通常の400バンクよりも遅めで、3角捲りもよく決まっている。リニューアル当初は軽くてクセのない高速バンクと言われていたが、実際は風の影響などでバンクが重くタイムが出にくい。先手ラインがあまり掛からないので、前団のもつれを見ながらの最終3角7、8番手からの捲り追い込みでも十分に頭に突き抜けることができる。
ちなみに昨年の決勝では4番手から捲った新田祐大が上がり10秒8、新田を交わして優勝した渡邉一成が10秒7、2日目オリオン賞では9番手から捲った脇本雄太が10秒8、3日目二次予選では8番手から捲った深谷知広が10秒8と、ナショナルチームのメンバーだけは別格のスピードを披露していた。
周長は400m、見なし直線距離は62.7m、最大カントは32度54分45秒。屋外の競輪場では日本で唯一となる構造物上に設置された空中バンクで、バンクの内側からもレースを観戦できる。そのためバンクは内も外も透明板のポリカーボネートで覆われていて、走路に吹き込んだ風の逃げ場がない。さらに06年にバンクの全面改修が実施され、以前より重くなったという声が多い。
いわき平バンク
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