レース展望

次代を担う若手レーサーの登竜門・ヤンググランプリ2018が静岡競輪場に於けるKEIRINグランプリシリーズの2日目11Rに実施される。今年は近畿が1人、中国が2人、四国が5人、九州が1人で、東日本の選手が不在の組み合わせとなった。近況乗りに乗っている長崎の山崎賢人を中心に推すが、昨年のリベンジに燃える徳島の太田竜馬や3人揃った愛媛勢もライン的には強力で、今年のヤンググランプリも激戦必至だ。
南潤選手
南潤 和歌山 111期
南潤は3月に玉野で行われた111期のルーキーチャンピオンレースでは単騎戦だったが、打鐘の5番手から一気にカマすと先行態勢に入っていた門田凌-松本貴治-今野大輔の愛媛トリオをあっさり飲み込み、そのまま逃げ切って優勝している。その後も4月の函館ナイターではデビューから298日目の史上最速のGIII制覇を達成と快進撃を続け、GI、GIIの大舞台でも逃げに逃げまくって旋風を巻き起こしている。10月の寬仁親王牌でも4日間の主導権取りで初の準決進出を決めており、今回も大ガマシでの一発を狙ってきそうだ。
山崎賢人選手
山崎賢人 長崎 111期
山崎賢人は今年1月にS級に特進、3月のルーキーチャンピオンレースでは終始8番手で仕掛けきれずに6着に終わったが、5月の松阪FIでS級初優勝を飾ると一気に実力が開花、GI初出場となった8月のオールスターではあれよあれよという間にいきなりの決勝進出を果たし、続く9月の共同通信社杯でも無傷の3連勝で決勝に勝ち上がった。さらに10月の寬仁親王牌では準決で8着と敗れたが残り3走で3勝をマーク、11月の取手では記念初優勝を完全優勝で達成と乗りに乗っており、今回も断然の優勝候補筆頭となるだろう。
松本貴治選手
松本貴治 愛媛 111期
松本貴治は競輪学校時代の記録会で最も優れた成績を残した者だけが与えられるゴールデンキャップを獲得した逸材だ。今年1月にS級に特進、3月のルーキーチャンピオンレースでは南潤のカマシに屈したが、愛媛トリオの連係から2着に食い込んでいる。S級での優勝はまだないが、持ち味の持久力を活かした迫力満点の先行が魅力で、GI初出場となった8月のオールスターでは4走すべてで主導権を取りきり、2着1回、3着1回と確定版にも2度のっている。今回も愛媛トリオで好連係を決めてくるだろう。
佐々木豪選手
佐々木豪 愛媛 109期
佐々木豪は今年1月にS級に昇進、3月の小松島GIII、5月の名古屋記念で決勝進出するなど前半戦は順調だったが、後半戦に入ると腰痛に苦しめられてGI初出場のオールスターでは8、9、8着に終わった。それでも、腰痛に負けない強い気持ちで臨んだ地元地区の共同通信社杯では見事に準決進出、10月の寬仁親王牌では2勝をマークと状態が上向き、続く熊本記念の企画レースであるエボリューションでS級初優勝を飾っている。今回も強敵揃いだが、誰にも負けない強い気持ちでライバルたちに立ち向かっていく。
佐伯辰哉 広島 109期
佐伯辰哉は元BMXライダーで、2014年の全日本MBMX選手権大会で優勝という輝かしい経歴を持っている。昨年6月S級に特進、今年3月の福井FI決勝では番手追走の松浦悠士や捲りで迫る南修二らを振り切っての逃げ切りでS級初優勝を飾っている。まだビッグレースの出場経験はないが、FI戦を中心に好成績を積み重ねて年末の大舞台への出場権を獲得した。今は若手らしく先行主体で頑張っているが、元BMXライダーらしくバランス感覚に優れていて自転車の捌きもうまく、今回も混戦を突いての一発が十分にありそう。
門田凌 愛媛 111期
門田凌は昨年12月にS級に特進、今年3月のルーキーチャンピオンレースでは愛媛トリオの先頭で打鐘前から先行態勢に入るが、南潤のカマシに屈して9着に終わっている。それでも、4月の西武園記念では逃げ切りの2連勝で準決進出、二次予選では大本命の稲垣裕之を下す大金星だった。7月の福井記念でも2勝をマークと順調だったが、8月の新人訓練で落車して左鎖骨を骨折、2か月の欠場を余儀なくされている。10月から実戦に復帰して今はまだ万全の状態とはいえないが、今回も前を任されれば愛媛ラインをぐいぐい引っ張っていくだろう。
竹内翼 広島 109期
竹内翼はサッカーのJ2ファジアーノ岡山の選手から競輪選手に転身した。デビュー後は徹底先行で頑張っており、昨年3月の109期のルーキーチャンピオンレースでは打鐘からの先行で6着になっている。しかし、昨年のヤンググランプリでは吉田拓矢-鈴木竜士の関東コンビに主導権を奪われて見せ場なく終わっているだけに、今年は展開次第では昨年のリベンジとばかりに主導権取りを狙ってきそうだ。8月の富山FIIの企画レースであるブロックセブンでは逃げ切りでS級初優勝を達成と、近況の調子も上昇気配だ。
島川将貴 徳島 109期
島川将貴は昨年3月にS級に特進、同年11月の伊東温泉FI決勝では打鐘先行の金子哲大を8番手からの豪快な捲りで捉えてS級初優勝を飾っている。今年はまだ優勝はないが、7月の弥彦記念では二次予選で敗れたものの4日間の主導権取りで1着1回、2着1回、3着1回の好成績、11月の防府記念も二次予選を突破できなかったが、3日間の主導権取りで1着1回、2着1回と好調だ。昨年3月のルーキーチャンピオンレースでは太田竜馬との連係を外して9着に終わっているが、今回は同県同期の太田と好タッグを組んでワンツーを狙ってくるだろう。
ヤンググランプリの思い出
ヤンググランプリ2008
北日本4人の結束で飯野裕太がビッグ初優勝
ヤンググランプリ2008は4人揃った北日本勢がしっかりと結束、3番手を回った飯野祐太がビッグ初優勝を飾るとともに北日本勢によるヤンググランプリ4連覇が実現した。レースは北津留翼-坂本亮馬-松岡貴久の九州トリオが前受け、菅田壱道-新田祐大-飯野裕太-鈴木謙太郎の北日本勢が中団、柴崎淳-浅井康太の三重コンビが後攻めで周回を重ねる。赤板ホームで菅田が後方を見やり、打鐘前の2角からようやく北日本勢が三重コンビを警戒しながら上昇を開始し、打鐘とともに北日本勢4人がきれいに出切ってしまう。と同時に柴崎が北津留を押さえて中団を確保、九州トリオは7番手となる。柴崎は北津留を警戒してなかなか仕掛けず、業を煮やした浅井が柴崎の内をすくって北日本勢の後ろに切り替えるが、新田が最終2角過ぎから早めの番手捲りを打ち、北日本勢が先頭で最終4角を回って前3人のマッチレースとなる。新田の後ろをサラ脚で回ってきた飯野がゴール前できっちり交わして優勝、2着に新田、3着も鈴木で北日本3人で表彰台を独占した。