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第5回ウイナーズカップ 松阪競輪場 直前展望
なかなか良い季節になってきました。今年の春は早そうですね。もしかすると桜が咲く中でウィナーズカップが行われるかもしれませんね。
桜とウィナーズ優勝者のコラボを是非観たいですね!

今年のウィナーズは一味違うような感じがあります。昨年デビューした117期が出場します。
一人は寺崎浩平、もう一人が山口拳矢です。山口拳矢が良いですね。ピチピチしていますよね。
どこまで活躍できるのか非常に期待したい選手です。
そしてビッグレース初出場の若手も多数出場します。
どのような活躍をするのかきっちり観ておきましょう!
注目選手

山口拳矢 岐阜 117期
流石です。度胸があるし、レース勘もばっちりの超若手選手です。近況もとても良いですね!戦法をしっかり使い分けているのが抜群です。今回のウィナーズカップも地元地区ビッグレースなので気合が入って更に良い走りをみせてくれるのではないかと思います。初日から注目してください!

寺崎浩平 福井 117期
ここのところ少し元気のない寺崎ですが、同期の山口が出場してきて、気合が入るでしょう。気合が入れば、間違いなく強い寺崎ですから、勝ち上がりは難しくないはず。寺崎の持ち味を遺憾なく発揮して、決勝進出も見えてきそうです。

松浦悠士 広島 98期
乗りに乗っている状態を依然キープしているのが松浦です。とにかく強い!番手でも先頭でもどちらでもいけています。見ている限りでは、現在最強。ウィナーズカップでも最強伝説を作ってくれるかもしれません。特に山口の清水裕友とラインを組んだ場合の破壊力は凄いものがあります。爆発力を見せてほしいですね。

郡司浩平 神奈川 99期
競輪祭、グランプリ、全日本選抜競輪を制し、ドンドン脂が乗ってきましたよね。南関は先行選手が多いのでなかなか先行する機会は無いですが、バックを取る競走でも、番手の競走でもバランスよい強さを感じます。また、ウィナーズカップは郡司にとっても思い出の競走のはず。ビッグ初タイトルですからね。今回もその強さを見せてくれるでしょう。


第5回ウィナーズカップ(GII)展望
 第5回ウィナーズカップが三重県の松阪競輪場で開催される。脇本雄太、新田祐大の五輪代表の2人は不在だが、S級S班の7人に昨年のヤンググランプリに出場した9人を始めとする若手選手が多数出場予定なのが最大の見どころで、今年もトップクラスの選手たちに真っ向勝負を挑むヤングパワーの激走が大会を大いに盛り上げてくれるだろう。
南関東の快進撃が止まらない
 ウィナーズカップの選考期間は昨年の7月から12月までに車券に最も貢献している1着回数の多い選手を中心に選抜されるが、FI開催の成績も選考対象になっている上に昨年のヤンググランプリの出場者全員に出場権が与えられているので、勢いのある若手選手が多数出場予定となっているのが特徴だ。昨年の大会では準欠の3個レースで113期の宮本隼輔と松井宏佑、115期の高橋晋也の3人が先行して見せ場をつくっており、今年もウィナーズカップならではのフレッシュな戦いが繰り広げられるだろう。

郡司浩平 神奈川 99期
 優勝候補の筆頭は2月の全日本選抜で早くも2度目のGI制覇を達成した南関東のエース・郡司浩平だ。全日本選抜の決勝では郡司は前に深谷知広、後ろにグランプリ覇者の和田健太郎という鉄壁のラインを形成、深谷もまるで昔から南関東の選手だったかのように迷いもなく先行し、郡司はGI初制覇を飾った昨年11月の競輪祭のときと同様に絶好の展開をしっかりとモノにした。南関東は今大会の出場予定選手が19人と地区別では最多を誇る一大勢力になっており、今回もラインの力で競輪祭、グランプリ、全日本選抜に続くビッグレース4連覇を成し遂げてくるだろう。

松井宏佑 神奈川 113期
 南関東のヤングパワー代表は113期の松井宏佑だ。松井は昨年の競輪祭でGI初優出を決めて郡司浩平の優勝に貢献、ヤンググランプリでは上がりタイム10秒9の圧倒的なスピードで優勝しており、若手選手の中では頭ひとつ抜けた存在だ。全日本選抜の初日特別選抜予選は吉田拓矢の逃げを8番手から捲り切るも切り替えた平原康多に交されて4着、二次予選は2周先行で4着と勝ち上がりに失敗したが、残り2走は逃げ切りで連勝しており、今大会も新しく仲間となった深谷知広とともに南関東を引っ張っていく。

清水裕友 山口 105期
 南関東の快進撃に待ったをかけるのは清水裕友と松浦悠士の中国コンビだ。昨年の大会決勝では清水が逃げ、松浦が番手捲りで圧勝している。清水は昨年7月のサマーナイトフェスティバルを優勝後は調子落ちとなりビッグレースでの優出が途絶えてしまったが、全日本選抜で久しぶりに優出を決めている。決勝は清水ー松浦の並びで7番手からの捲り不発に終わったが、初日特別選抜予選では6番手から大外を捲り追い込み、深谷知広の番手から抜け出した郡司浩平を差し切って1着、準決は新山響平の逃げを3番手から捲って松浦とワンツーと完全復活を果たしている。
平原康多が関東の若手選手をリードする

平原康多 埼玉 87期
 平原康多は、今年1月の立川記念と大宮記念を連覇、2月の高松記念は準優勝と好スタートを切り、全日本選抜もしっかり優出を果たしている。2日目スタールビー賞は4着、準決は3着と薄氷を踏む思いの勝ち上がりだったが、初日特別選抜予選は吉田拓矢の逃げに乗っての1着だ。立川記念決勝では92期の鈴木康之との連係、大宮記念では96期の長島大介、115期の坂井洋、113期の森田優弥に連日前を任せての完全優勝、高松記念では113期の眞杉匠や115期の佐々木悠葵と連係しており、今大会も関東の若手選手をうまくリードして勝ち上がっていくだろう。

森田優弥 埼玉 113期
 関東の先行力は吉田拓矢と吉澤純平の2人が上位だが、森田優弥の徹底先行ぶりも魅力的だ。年末のヤンググランプリは3着に終わったが、平原康多の優勝をアシストした1月の大宮記念は4日間バックを取って1、4、3、9着の成績だ。今期2班ながら眞杉匠も急成長中の若手だ。昨年は補充で寛仁親王牌を走っているが、今大会は選考期間の1着回数が19回でビッグレース初出場を成し遂げた。1月の豊橋記念は準決で敗れたが4日間バックを取って5、2、8、1着、2月の高松では記念初優出を果たし、決勝では突っ張り先行で平原康多を引っ張っている。

高橋晋也 福島 115期
 北日本の注目選手はやはり高橋晋也だろう。昨年のウィナーズカップはビッグレース初出場だったが、予選から3日間逃げて3、3、2着で優出、決勝も3着で表彰台に上がり勢いがついたら止まらない若手の強さをアピールした。今年は1月の大宮FIで優勝、2月の高松記念では準決進出、全日本選抜では一次予選は逃げて大槻寛徳が1着、高橋が2着のワンツー、二次予選も逃げて高橋が2着、和田圭が3着、準決も気持ちよく逃げて守澤太志の優出に貢献しており、今回も昨年同様の連日の先行策が期待できる。

守澤太志 秋田 96期
 昨年のウィナーズカップで準優勝し、その後もビッグレースでコンスタントに活躍してついにグランプリ初出場を果たしたのが守澤太志だ。今年1月の和歌山記念では二次予選で自ら捲って1着、準決は小松崎大地の捲りに乗って1着で優出、2月の高松記念の準決は高橋晋也との連係から3着で優出、そして全日本選抜の準決も相性抜群の高橋晋也の逃げに乗り1着で突破と今年もS級S班の名に恥じない活躍を見せている。今大会も昨年同様に北日本の若手選手との連係から捲り兼備の自在脚で勝ち上がっていくだろう。
ラインの力で難敵を迎え撃つ

浅井康太 三重 90期
 地元の中部は参加予定選手が9人のみで今大会も苦しい戦いを強いられそうだが、エースの浅井康太は19年に松阪で開催された共同通信社杯では2連勝で勝ち上がるも準決で痛恨の失格と苦い思い出があるだけに、今度こそは優出を果たして地元ファンの期待に応えたいところだ。浅井は全日本選抜では二次予選で敗れたが、1月の豊橋記念決勝では逃げた深谷知広を捲った松浦悠士の上を捲っていき、浅井は松浦の番手の佐藤慎太郎にブロックされて不発となるが、浅井追走の吉田敏洋が直線伸びて優勝しており、今大会も少数精鋭ながらラインの力で難局を突破していく。

山口拳矢 岐阜 117期
 中部期待の新星は117期の山口拳矢だ。山口は昨年7月にデビューすると6場所連続完全優勝で9月にS級2班に特別昇級、S級初戦の10月の大垣FIも2連勝で勝ち上がったが、決勝は落車棄権に終わった。しかし、12月の伊東温泉FIでS級初優勝を完全優勝で達成、記念初参戦の次場所の広島でも3連勝で勝ち上がり決勝3着と健闘している。今年1月の豊橋記念では準決で深谷知広、眞杉匠を相手に後手を踏んで4着に敗れているが、その失敗を糧にビッグレース初出場となる今大会では強い走りを見せてくれるだろう。

寺崎浩平 福井 117期
 近畿はやはり117期の新鋭・寺崎浩平の機動力に期待したい。全日本選抜では二次予選で惜しくも4着と敗れたが、村上博幸、東口善朋の2人を連れてしっかり主導権を取りきり近畿ワンツーに貢献している。1月の和歌山記念も準決で敗れたが、二次予選では捲りながら古性優作が1着、寺崎が2着でワンツーを決めている。ただ、新人にしてはいまいち思い切りが悪く、捲りを多用しがちで逃げたときの末の甘さが課題となっているが、今回は若手の出場が多い大会だけにライバルたちに負けたくないという強い気持ちが持てれば大駆けが期待できるだろう。

北津留翼 福岡 90期
 九州は北津留翼が好調だ。コロナ禍でFI戦が7車立てになったおかげで(と言ったら不謹慎かもしれないが)、得意の捲りで勝ち星を量産、選考期間の1着回数がトップの21回で出場権を獲得した。勢いに乗った北津留は全日本選抜でも活躍、準決は6着に敗れたが、一次予選は8番手から捲って1着、二次予選は4番手から捲って上がりタイム10秒9を叩き出して園田匠とワンツーを決めておりその強さは本物だ。2月の高松記念も準決で敗れたが、残り3走はオール1着で最終日にやはり10秒9をマークしており、今大会も北津留の一発が侮れない。
思い出のレース
第4回ウィナーズカップ
清水の逃げに乗り松浦が番手捲りで優勝
 高橋晋也-守澤太志の北日本コンビが前受け、単騎の和田健太郎が3番手、清水裕友-松浦悠士-柏野智典の中国勢が中団、その後ろに単騎の吉田敏洋、古性優作、原田研太朗が続いて周回を重ねる。赤板過ぎまで隊列に動きがなく、2コーナーから清水が一気に踏んで打鐘とともに高橋を叩いて先行態勢に入る。吉田と古性が中国ラインに続き、高橋はすんなり退いて6番手、和田が8番手、原田が9番手となる。清水はペースを緩めることなくエンジン全開で逃げ、最終1コーナーから松浦が後ろを警戒しながら車間を空けて追走する。6番手の高橋は2コーナーから仕掛け、合わせて松浦が3コーナーから番手捲りを打つ。4コーナーで高橋が中国勢に並ぶと柏野がヨコに振って牽制、それでも高橋のスピードは衰えず松浦に迫るが、松浦は高橋を振り切って先頭でゴールイン、2着に高橋、3着に守澤が突っ込む。

表彰

ゴール

バンクの特徴
カントがきつく直線も長い高速バンク
 松阪は最大カントが34度25分29秒と400バンクの中では日本一きつい傾斜を有しているのが最大の特徴だ。走路自体はクセがなくて走りやすくどんな戦法でも十分に力を発揮できる高速バンクとなっているが、きついカントを利した捲りが決まりやすく、見なし直線距離も61.5mと長いので先行選手には厳しいバンクとなっている。
 19年9月に開催された共同通信社杯の決まり手を見てみると、全47レースのうち1着は逃げが3回、捲りが11回、差しが33回、2着逃げが5回、捲りが16回、差しが15回、マークが11回となっている。
 やはり先行より捲りのラインのほうが優勢だが、直線が長いのでジャストタイミングで捲っても、捲りにスピードをもらった追い込み選手が大外を伸びて1着というパターンが圧倒的に多い。
 共同通信社杯での最高上がりタイムは2日目の二次予選Aで浅井康太がマークした10秒7だ。レースは和田真久留が先行、単騎の平原康多が7番手、浅井康太ー坂口晃輔の地元勢が8、9番手となり、最終バックから捲った平原を追走した浅井がゴール前で差し切って1着となっている。先行して7着に沈んだ和田の個人上がりタイムが11秒4、捲った平原の個人上がりタイムが10秒8という高速レースだった。
 次点も2日目の二次予選Bで柴崎淳がマークした10秒9で、最終バック8番手から捲った柴崎が3番手から先捲りした山田英明の上を伸びて1着となっている。
 ただ、捲り天国の松阪バンクだが、共同通信社杯では先手ラインの選手が1着を取ったのが18回と先行選手もかなり健闘していたので注意が必要だ。とりわけ3日目の準決では3個レースとも先手ラインの選手が1着になっている。
 10Rでは吉田拓矢の先行に乗った柴崎淳が1着、11Rでは鈴木竜士の先行を利した平原康多が捲り発進で1着、12Rでは1着入線の浅井康太が失格となったが、地元勢を連れて逃げた山崎賢人が繰り上がりの1着となっている。


 周長は400m、最大カントは34度25分29秒、見なし直線距離は61.5m。夏場は先行向きのバック追い風の日が多いが、冬場はバック向かい風の日が多くなる。直線は真ん中のコースがよく伸びるので、きついカントを利用しての中割りが決まりやすい。捲りは最後の直線でイエローライン上にコースを取るとよく伸びる。最高上がりタイムは14年5月に中川誠一郎の7番手捲りを差し切った井上昌己が叩き出した10秒4。

松阪競輪場