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第64回オールスター競輪(GI)直前展望
東京オリンピック真っ只中ですね。
そして第64回オールスター競輪(GI)がスタートする10日はなんと東京オリンピック終了から中1日でスタートします。
そして、東京オリンピックで新田祐大、脇本雄太、小林優香がメダルと取っていたら、直ぐ競輪ファンの前で走るとんでもない大会となります。これはもうワクワクでしかありません!
この原稿はまだ東京オリンピックのトラック自転車競技が始まる前なので、結果は全く知りえませんが、メダルを獲っていることを期待しましょう!
さて、今大会は今年初めて、S級S班が揃う大会でもあります。十二分にその走りを楽しみましょう!
注目選手

脇本雄太 福井 94期
東京オリンピック後でコンディションがどうなっているかわかりませんが、出場してくるからには東京オリンピックのベストなコンディションは保たれてくると思います。後はオリンピックの結果次第。精神的な部分が大きいと思いますから、良い結果であればあるほど良いはずです。ロング先行で競輪復活祭として欲しいですね。

新田祐大 福島 90期
悲願のオリンピック、男子ケイリン出場で大きな仕事をして福島に凱旋してくる期待して今大会は見たいですね。脇本と同様ベストなコンディションでくるはずなので後は精神的なものだと思います。オリンピックは世界選とは違い勝ち上がりが大きく違います。ケイリンもスプリントも2日間に分けられて行われます。前検前日の8日は男子ケイリン決勝が行われているはず。表彰台に立ってからいわき平に来て欲しいですね。

松浦悠士 広島 98期
現在、競輪界のトップである松浦の動向が気になります。先行選手がいれば番手、いなければ自分で動いて先行も厭わないスタイルを貫いています。今大会はオリンピック出場組を迎え撃つ立場でどのような戦法を取ってくるのかが最大の見どころでしょう。まずは初日のドリームレースで激突します。その時何が起こるか。起こすのは松浦からだと思いますがどうでしょうか。

山崎賢人 長崎 111期
ここのところ絶好調?なのが山崎賢人。印象的に強いですよね。先行しても強いし、捲っても強い。高松宮杯記念競輪、サマーナイトフェスティバルの決勝に進出して精神面もいい方向にいっていると思います。後は、成績をまとめて行けるかがポイントでしょう。今回はオリオン賞レースからスタートします。ファンに選ばれた事を誇りにして頑張ってほしいと思います。
ガールズドリームレース直前展望
ガールズケイリンフェスティバルの結果は結構衝撃的でした。それは児玉碧衣が1回も1着を取れなかったことです。絶対女王が何もできずに終わったのは何が起きたのかと思いました。
レース終了後の取材の中で、絶対女王としてある意味ありがちは精神的な問題があったようです。がこの結果により、復活のきっかけにもなったのも事実。このレースに懸ける意気込みは凄かったです。そして、小林優香の参戦です。東京オリンピック出場直後のレースとなります。コンディションは問題ないと思いますがやはり精神的な面が気になりますね。この辺りにも注視しておきましょう。
注目選手

児玉碧衣 福岡 108期
絶対女王から陥落するのはいやだ!といった気持ちが持続していればここは注目したい存在になります。直前の静岡での競走を見る限り、有言実行していると思うので、まずは児玉に注目したいと思います。姉弟子の小林優香との直接対決も見たいところですよね。

小林優香 福岡 106期
東京オリンピックで勝つためにガールズケイリンの出場を制限してきた中、ファン投票で選ばれこのレースに出場出来る事に感謝しているでしょう。そのファンの好意に報いるために頑張ることは間違いないと思います。ただ、東京オリンピックで使用するギア比が、ガールズケイリンではかなり軽く感じるはずなので、そのあたりの感覚の調整が出来るかどうかがポイントだと思います。

石井寛子 東京 104期
コンスタントな成績を上げている石井は、ガールズケイリンフェスティバルで見事な差し脚を見せました。一時期はトップどころと当たるともろさを見せていたのが、ここにきて完全に戻ってきたと言っても過言ではありません。レース勘も冴えてきてる感じがあります。ガールズドリームレースはさすがに強豪がそろっていますが、そこでも素晴らしい脚を見せてくれるでしょう。期待したいですね。
アルテミス賞レース
注目選手

佐藤水菜 神奈川 114期
ナショナルチームに加わって持ち味全開となっている佐藤はこのメンバーでも先行逃げ切りのパフォーマンスを見せてくれるのではないかと期待したいです。これは推測ですが、ギアが合っているのが鍵でしょう。今のギアを踏みこなせているからこそ先行逃げ切りを連発できると思います。トップメンバーの中でも圧巻のパフォーマンスを見せてほしいですね。
第64回オールスター競輪展望
 第64回オールスター競輪がいわき平競輪場で開催される。今大会からはGIでは競輪祭に次いで2番目となるナイター開催となり、開催期間も6日制となっている。勝ち上がり方式も競輪祭と同様に一次予選はポイント制になる。今大会では脇本雄太と新田祐大の2人も久しぶりに参戦予定で、真夏の暑さを吹き飛ばす見どころ満載の戦いが繰り広げられるだろう。
平原康多が関東復権に意欲を燃やす
オールスター競輪はファン投票によって出場選手が決まるのが特徴で、ファン投票第1位から第9位までのベストナインが初日のドリームレースに出場する。昨年まではドリームレースで5着までに入った5名が3日目のシャイニングスター賞と4日目の準決へ無条件で進出できたが、今大会から勝ち上がり方式が変わり、ドリームレース組もまずは2走し、獲得した合計ポイント(ドリームレースの出場選手はポイントが最優遇される)の上位者9名がシャイニングスター賞と準決へ進出できる。

平原康多 埼玉 87期
ファン投票第1位は平原康多で4年ぶりの1位となる。平原は17年2月の全日本選抜以来GIタイトルから遠ざかっているが、関東復権を望むファンが大勢いることがよくわかる。平原は怪我のために6月の高松宮記念杯を欠場したが、吉田拓矢と宿口陽一の2人が優出を果たし、宿口がGI初優勝、吉田が準優勝とワンツーを決めて関東に久しぶりのタイトルをもたらした。この勢いを止めないためにも平原は関東でのGI連覇に意欲を燃やし、自分に投票してくれたファンの期待に応える走りをきっと見せてくれるだろう。

松浦悠士 広島 98期
ファン投票第2位は松浦悠士だ。5月の日本選手権競輪では清水裕友の逃げに乗って優勝、続く全プロ記念のスーパープロピスト賞も古性優作の逃げを捲って優勝、3月のウィナーズカップでは逃げる高橋晋也の番手を奪い、そこから捲って清水の優勝に貢献と今年も中国コンビは猛威を振るっていた。しかし、高松宮記念杯では清水を連れて逃げるも山崎賢人に捲られて中国コンビは勝ちきれなかった。攻めの方程式がワンパターンなのが中国コンビの弱点で、今大会では清水とともに修正点をあぶりだして勝てる走りを目指してくる。

脇本雄太 福井 94期
ファン投票第3位は脇本雄太だ。現時点ではオリンピックの結果はわからないが、今大会までにしっかり気持ちを入れ替えて今度は競輪で頂点を狙ってくるだろう。ドリームレースは近畿が1人だが、昨年のグランプリと同様に平原康多が付いてくれれば先行勝負に出てくるだろう。18年8月のいわき平のオールスターでは1走目のオリオン賞は新山響平に主導権を奪われて7着に終わったが、二次予選は逃げ切り、準決も逃げ切り、そして決勝も2着の浅井康太に3車身の差をつける華麗な逃走劇でGI初優勝を飾っている。

郡司浩平 神奈川 99期
ファン第4位は郡司浩平だ。昨年11月の競輪祭で松井宏佑の逃げに乗ってGI初制覇を飾り、今年2月にホームバンクの川崎で開催された全日本選抜では深谷知広の逃げに乗ってGI連覇を達成して名実ともに南関東のエースへと成長を遂げた。その後も3月のウィナーズカップは決勝7着だったが、5月の日本選手権競輪は準優勝と健闘している。しかし、6月の高松宮記念杯では車体故障で無念の二次予選敗退に終わっており、今大会では豊富な南関東の機動力を足がかりにリベンジに燃えてくる。

新田祐大 福島 90期
地元の新田祐大はファン投票第6位だ。脇本雄太と同様に今大会が今年初めての競輪となるだけにレース勘が気がかりだが、地元ファンの声援を背に受けて世界レベルのスピードをしっかりと披露してくれるだろう。18年のいわき平のオールスターは準決で無念の落車となったが、15年9月の松戸と19年8月の名古屋でオールスターを2度制覇している。今大会のドリームレースでは佐藤慎太郎と守澤太志の2車が付いてくれるので、脇本雄太や深谷知広を叩いての先行勝負も十分に考えられるだろう。

深谷知広 静岡 96期
今大会のドリームレースでS級S班以外からただ1人選出されたのがファン投票第8位の深谷知広だ。深谷は14年7月の寬仁親王牌以降はGI優勝がないが、近況の徹底先行ぶりが高く評価されて人気はうなぎのぼりだ。2月の全日本選抜競輪では4日間先行、3月のウィナーズカップでは決勝は仕掛けきれなかったが、勝ち上がり戦は3日間先行、6月の高松宮記念杯では準決で先行するも松谷秀幸が離れてしまい4着に沈んだが、4日目特別優秀は逃げ切っており、今回も主導権取りを狙ってくるだろう。
3車揃った近畿ラインが中心
ファン投票の第10位から第18位までの9名が2日目のオリオン賞に出場するが、オリオン組もポイントの優遇があり、2走しての合計ポイントが上位9名までに入れれば4日目のシャイニングスター賞へ進出できる。今年のオリオン賞は3車揃った近畿が展開的に有利だが、成長著しい山崎賢人や目標のいない諸橋愛-神山雄一郎の関東コンビがどう出てくるかが見どころになるだろう。

浅井康太 三重 90期
浅井康太はファン投票第11位だ。6月の高松宮記念杯はまさかの二次予選敗退となったが、FIながら次場所の名古屋で優勝しており調子は悪くない。5月の高松宮記念杯では準決を2着で突破して優出、特別選抜予選では8番手からの捲りで松浦悠士、郡司浩平の2強を下して上がりタイム10秒9をマークしており、ツボにはまったときのスピードはやはり侮れない。オリオン賞は単騎戦となるだろうが、近畿トリオと山崎賢人、北津留翼の九州コンビが叩き合う展開となれば自慢の捲りが炸裂するだろう。

寺崎浩平 福井 117期
近畿は相変わらずの人気を誇る村上義弘がファン投票第13位、寺崎浩平が14位、古性優作が16位で、寺崎-古性-村上の並びで結束だろう。寺崎は若手にしては積極性がいまいちの印象であるがここは逃げの一手だろう。6月の高松宮記念杯では二次予選敗退で主導権を取れたのは2走だけだったが、次場所の久留米記念では準決で敗れたものの4日間逃げており、一次予選と4日目特選で逃げ切っている。古性優作も近況は逃げるレースが多く、展開次第では早めの番手捲りあるだろうし、そうなれば村上の差し切りも十分だ。

諸橋愛 新潟 79期
関東は諸橋愛がファン投票第12位、神山雄一郎が17位だ。昨年のオリオン賞は諸橋-神山の並びで新山響平と連係、新山の逃げに乗って諸橋が1着、新山が2着、神山が6着だった。今年は目標がいないので九州か近畿の番手へ飛びつき狙いだろう。諸橋は6月の高松記念記念杯は二次予選で無念の落車、直前の別府記念でも準決で落車しているが、高松宮記念杯後の立川FIで優勝しており調子は問題なさそうだ。4月の四日市記念も松浦悠士に深谷知広と強敵揃いの決勝だったが、平原康多の捲りを差して優勝している。

山崎賢人 長崎 111期
九州コンビは勝ち星量産中の北津留翼がファン投票第15位、山崎賢人が18位だ。2人が連係するなら山崎-北津留の並びだろうが、北津留が山崎のダッシュに離れてしまう危険性があるのでそれぞれが単騎戦というのもありそうだ。山崎は高松宮記念杯では準決を逃げ粘りの2着で突破して優出、決勝は4着に終わったが、大本命の松浦悠士-清水裕友の中国コンビを単騎で捲りきって波乱を呼び起こした。2着権利の準決で先行した勇気も素晴らしく、今大会も山崎らしい走りでシリーズを大いに盛り上げてくれるだろう。
吉田拓矢が強気の走りでチャンスを掴む

吉田拓矢 茨城 107期
吉田拓矢が完全にひと皮むけた。以前の吉田は先行、捲りのスピートには定評があったが、とりわけビッグレースとなると勝負どころで甘さが出て仕掛けきれずに敗退というケースが多かった。しかし、6月の高松宮記念杯の決勝では山崎賢人の単騎捲りに機敏にスイッチ、必死に山崎を追いかけ最後は交わして宿口陽一にGI初優勝をプレゼントした。続く久留米記念も1、1、2着で勝ち上がると決勝は捲って優勝と勢いに乗っており、今大会もチャンスを逃さない強気の走りで大活躍してくれるだろう。

野原雅也 福井 103期
野原雅也が着実にパワーアップしている。6月の高松宮記念杯では準決で落車してしまったが、一次予選は皿屋豊の逃げを4番手から捲って1着、2日目白虎賞は清水裕友や山崎賢人を相手に三谷竜生を連れて先行、結果は8着だったが清水の巻き返しを許さない強力先行で三谷に勝ち星をプレゼント、落車後の4日目特別優秀では逃げる新山響平の番手を捌いて再び三谷の1着に貢献と、展開に応じた自在な走りが冴え渡っている。5月の日本選手権でも2連勝で準決に勝ち上がっており、今度こそのGI初優出に期待がかかる。
思い出のレース
2016年 第59回大会 岩津裕介
岩津裕介が直線伸びてGI初優勝
新田祐大-菅田壱道が前受け、3番手に村上義弘-稲垣裕之-岩津裕介、単騎の中村浩士が6番手、平原康多-武田豊樹-木暮安由の関東ラインが後方で周回を重ねる。青板から平原が上がっていくが、合わせて村上も3番手から出て、青板2コーナーで誘導員を降ろした村上が平原を制して主導権を握る。下げた平原は上がってきた新田を迎え入れ、菅田をどかして6番手に収まり、菅田が9番手まで下がったところで赤板ホームを通過する。腹を決めた村上は赤板から早くもペースを上げて先行、後続を一本棒に持ち込む。そのまま打鐘を迎えても後ろからの仕掛けはなく、最終ホーム手前で平原がインから新田を捌いて5番手に入る。捌かれた新田は後退、最終1コーナーから稲垣が早くも番手捲りを打つ。2コーナーから平原が捲るが3コーナーで岩津に牽制されて不発、最後の直線で車を外に持ち出した岩津が鋭く伸びてGI初優勝、2着に稲垣、3着に中村が入る。

表彰

ゴール

バンクの特徴
直線が長く追い込み選手が有利
06年10月にリニューアルオープンしたいわき平はクセのない標準的な400バンクだが、リニューアルに伴い見なし直線距離が旧バンクより10m長くなり、全国の400バンクの中では3番目に長い直線となったため追い込み選手有利が基本だ。
また、いわき平はバンクの内側にも観客席があり、そこからレースを観戦できるのが特徴となっているが、バンク全周の外側だけではなく内側も透明なポリカーボネート板で塞がれているためバンクに入り込んだ風の逃げ道がなく、全国でも有数の風の影響を受けやすいバンクとなっている。そのためカントがそこそこあって設計上は高速バンクとなっているが、風のある日はバンクが重くてタイムが出にくく捲りも決まりにくい。
08年8月に開催されたオールスターの決まり手を見てみると、全54レース(ガールズ2個レースを除く)のうち1着は逃げが6回、捲りが13回、差しが35回、2着は逃げが7回、捲りが10回、差しが21回、マークが16回となっている。
とにかく圧倒的に追い込みが有利である。うまく中団からの捲りが決まっても、先手ラインからスイッチした選手が長い直線を利して余裕で差し切るというレースがよく見られる。もちろん中団で脚をためていた選手の直線強襲も多く、差し-差しの決まり手の出現率も高い。
08年の大会では先行選手の健闘が光っていた。07年8月のオールスターでは逃げ切りが3回、逃げ粘りの2着が5回で、先手ラインの選手が1着になった回数も13回だったが、08年の大会では先手ラインの選手が1着になった回数は29回と半数以上にのぼっていた。捲りは中団からタイミングよく仕掛けても、3コーナーでプロックを受けて不発というパターンが多かった。
08年の大会のベストタイムは4日目3Rで山崎芳仁が3角7番手から捲り追い込んでマークした10秒9だが、10秒台の上がりタイムはこの1回きりで、やはり08年の大会は5日間を通してバンクは重い印象だった。

周長は400m、見なし直線距離は62.7m、最大カントは32度54分45秒。直線部分ではイエローラインの内寄りと外寄りに伸びるコースがあり、先手ラインで決まるかと思われた瞬間にイエローラインの内、外を伸びてきた選手で大逆転というケースがよく見られる。捲りも2角からの仕掛けではスピードに乗り切れずに不発になりやすく、3角過ぎからの捲り追い込みのほうが有効で、400バンクだが仕掛けどころは全体的に遅めである。
ガールズ関連
ガールズコレクション2021いわき平ステージがオールスター競輪を開催中のいわき平競輪場で実施される。ガールズケイリン総選挙で上位に選ばれた7名が4日目9Rのガールズドリームレースに出場、8位から14位までの7名が2日目9Rのアルテミス賞に出場する。ドリームレースは児玉碧衣が主役を務め、アルテミス賞は成長著しい佐藤水菜と梅川風子のスピード対決が見どころだ。
ガールズドリームレース

児玉碧衣 福岡 108期
児玉碧衣はファン投票で5年連続の1位に輝いており、人気、実力ともに文句なしの女王の貫禄だ。18年にいわき平で実施されたガールズドリームレースでビッグレース初優勝を飾っておりバンクとの相性もいい。今年は3月のコレクション松阪ステージを優勝しているが、5月のコレクション京王閣ステージは4着に終わり、6月には体調不良で2場所欠場している。それでも欠場明けの6月の京都向日町で完全優勝、7月の小倉は決勝2着に終わったが、予選1、2はともに捲りで11秒7の好タイムをマークしており今回も断然の優勝候補の筆頭だ。

高木真備 東京 106期
高木真備は昨年に続いてファン投票は第2位だ。高木は16年に松戸で実施されたガールズドリームレースでビッグレース初優勝を飾り、18年にいわき平で実施されたガールズドリームレースでも小林優香の捲りを差し切って優勝している。今年は3月のコレクション松阪ステージで落車・再入と残念な結果に終わったが、2月の名古屋の予選2では太田美穂の逃げを2角5番手から捲り、上がりタイムは11秒3と非公認ながら400バンクでのガールズ日本人最高記録を叩き出しており、今回も好相性のバンクでスピードを見せつけてくれるだろう。

石井寛子 東京 104期
ファン投票第3位は石井寛子だ。石井は19年に名古屋で実施されたガールズドリームレースで児玉碧衣の逃げを差し切って優勝している。いわき平ではアルテミス賞だが、17年に東京の石井貴子の逃げを追走から番手捲りで優勝しておりバンクとの相性は良好だ。今年は5月の川崎の2日目にガールズケイリン最多連勝記録に並ぶ24連勝を達成と絶好調だ。残念ながら川崎の決勝は2着に終わり記録更新はならなかったが、次場所の松戸、青森、小倉と3場所連続完全優勝を達成しており、今回も持ち味の自在脚で強い走りを見せてくれるだろう。

小林優香 福岡 106期
東京五輪日本代表の小林優香がファン投票第4位だ。小林は17年にいわき平で実施されたガールズドリームレースが2着、19年と20年に名古屋で実施されたガールズドリームレースは3着と6着で優勝はまだないが、ファン投票によって出場選手が選ばれるレースだけにぜひとも優勝がほしいところだろう。今年は今回がガールズケイリン初出走となるが、5月に香港で開催されたUCIトラック・ネーションズカップのケイリンで金メダルを獲得しており、もちろん東京五輪に向けて体調面も万全で今回も世界レベルのスピードを披露してくれるだろう。

石井貴子 千葉 106期
ファン投票第5位は石井貴子だ。石井は昨年名古屋で実施されたガールズドリームレースで児玉碧衣の逃げを追走からゴール前で差し切って優勝している。18年にいわき平で実施されたガールズドリームレースも優勝こそならなかったが、児玉碧衣の捲りを追走して2着に入っている。今年は3月のいわき平で優勝しておりバンクとの相性はいい。4月には高松、松戸、和歌山で3場所連続の完全優勝も達成している。ただ5月のコレクション京王閣ステージで落車、骨折の大怪我を負って現在は欠場中で体調面が気がかりだ。

荒川ひかり 茨城 110期
荒川ひかりはファン投票第6位でガールズドリームレース初出場となった。19年には名古屋で実施されたアルテミス賞に出場しており今回が2回目のビッグレースとなる。19年のアルテミス賞は終始6、7番手の苦しい展開だったが、最後の直線で大外を伸びて3着と健闘している。昨年12月の川崎で通算3度目の優勝を達成しているが、今年は1月の京王閣と2月の小倉で落車して調子が上がらずまだ優勝はない。それでも6月までに15場所走って決勝に11回乗っており、今回も対戦相手が強いが決して侮れない存在と言えるだろう。

太田りゆ 埼玉 112期
ファン投票第7位は太田りゆだ。太田は18年にいわき平で実施されたアルテミス賞に出場、19年と20年の名古屋ではガールズドリームレースに出場している。19年のレースでは残念ながら失格に終わったが、昨年のレースでは積極的に前を取って先行態勢に入り、児玉碧衣に叩かれて5着に終わっているがしっかりと見せ場をつくっていた。自転車競技に重点を置いているため今年もガールズケイリンの出走回数は少ないが、2月の奈良、3月の京王閣、4月の前橋で3場所連続の完全優勝を達成しており今回も積極的な攻めを見せてくれるだろう。
アルテミス賞レース

山原さくら 高知 104期
山原さくらは19年11月に病気のために手術を受け、その後は長期欠場していたが、昨年5月に復帰、昨年は優勝5回と健在ぶりを示した。今年も6月までに15場所走って優勝が7回と以前と変わらぬ強さを見せている。3月のいわき平の決勝では石井貴子の逃げを5番手から捲って完全優勝を達成とバンクとの相性もいい。ビッグレースは19年の名古屋のガールズドリームレース以来となるが、破壊力満点の捲りで優勝をもぎとっていくだろう。

佐藤水菜 神奈川 114期
佐藤水菜は19年に名古屋で実施されたアルテミス賞では終始後方のままで5着と凡走してしまった。しかし、今年3月のコレクション松阪ステージでは先行して3着と積極的な走りを見せ、5月のコレクション京王閣ステージでは3番手から捲り、児玉碧衣を下して念願のビッグレース初優勝を飾っている。今回も前へ前への積極的な走りでレースをつくり、自慢のスピードを炸裂させて2度目のビッグレース制覇を狙ってくるだろう。

梅川風子 東京 112期
梅川風子は昨年の名古屋で実施されたアルテミス賞では5番手から捲り、番手から先捲りの大久保花梨とのもがき合いを制して優勝している。今年は2月の取手決勝で落車、3月のコレクション松阪ステージでも落車・再入で6着とアクシデントが続いた。しかし、4月の豊橋は決勝で3着に終わったが、1場所欠場して臨んだ6月の川崎では完全優勝を飾っており体調面は心配なさそうで、今回も連覇が十分に期待できるだろう。

久米 詩 静岡 116期
久米詩は116期の新鋭で今回の出場メンバーの中では最年少の21歳だ。今年は1月の取手と3月の広島で優勝、ビッグレース初出場となった5月のコレクション京王閣ステージでは太田美穂の逃げを追走、佐藤水菜に捲られたが3着と健闘している。6月には2場所で病気欠場しているが、7月の小倉では予選1が捲りの2着、予選2と決勝は逃げ切りで今年3度目の優勝を飾っており、今回も新鋭らしい積極的な走りで健闘してくれるだろう。

石井貴子 東京 104期
石井貴子は17年のいわき平からアルテミス賞に4年連続で出場しており今回が5回目の出場だ。17年のレースでは石井が先行、妹を追った姉の石井寛子が優勝している。18年のレースでは先行態勢に入るも尾崎睦に叩かれて7着、19年のレースでは終始後方で6着と凡走したが、昨年のレースでは結果は6着だったがしっかり主導権を取りきっている。もちろん今回も積極的な組み立てで主導権取りを狙ってくるだろう。

梶田舞 栃木 104期
梶田舞はガールズグランプリを2回、ガールズケイリンフェスティバルを1回制覇している実力者だが、ガールズケイリンコレクションの優勝はまだない。アルテミス賞は19年と20年に連続出場しているが、19年のレースでは奥井迪を相手に突っ張り先行を敢行するもゴール前で長澤彩に交わされて2着、20年のレースも梅川風子の捲りを追走して2着に終わっており、今年こそはの意気込みで臨んでくるだろう。

高木佑真 神奈川 116期
高木佑真は久米詩と同期の116期の新鋭で、今回がビッグレース初出場となる。昨年11月の松戸で初優勝を飾っているが、3日間逃げ切りの完全優勝だった。今年はまだ優勝はないが、今年は6月まで15場所走って決勝進出は12回と成績は安定している。1月の京王閣決勝では先行職人の奥井迪を相手に主導権を取り切り、ゴール前で奥井に交わされながらも2着に粘り込んでおり、今回も持ち味を活かした先行勝負が期待できる。