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ヤンググランプリ2021直前展望
史上最速を重ねている山口拳矢が中心でしょう。危惧があるとすれば競輪祭の落車で負傷したところです。しかし時間も経ったところなので問題は無いと思われます。
また115期勢の活躍にも期待したいですね。特に小原佑太が面白そう。競技の方の第90回全日本自転車競技選手権大会トラックレースの男子ケイリンで優勝し、波に乗っていると思います。
そして町田太我にも注目したいですよね。広島記念決勝2着。先行し主導権をとって番手の松浦悠士に差されたものの強かったですよね。
まずは117期の二強対決をみながら、115期勢の絡みを考えたいと思います。
注目選手

山口拳矢 岐阜 117期
今年の活躍は目覚ましいものがありました。共同通信社杯の優勝はかなりびっくりしました。単騎で走るハンデと自分のタイミングで行けるプラス面がどのように作用するのか、かなり興味がありましたが、地元でビッグレースを優勝した実力はピカ一です。更に賞金争いであわやグランプリ出場というところまで行きました。これも凄い!この勢いでヤンググランプリを制覇するとみたいのですが。
ヤンググランプリは歴代あまり人気で決まらないというのもあります。しっかり優勝を決めることができるのか期待したいですね。

町田太我 広島 117期
先行での超大型新人といえば町田でしょう。ヤンググランプリはその持ち味の先行力を活かしたレースになるのではないかと思います。ただ、これは他の出場選手たちも読んでいるはずで、追い出しを掛けられ逃がされると厳しくなってしまうことが予想されます。追い出しを掛けられず、巧く先行できれば逃げ切り勝ちもあると思います。応援したいですね。

坂井 洋 栃木 115期
四日市記念決勝の捲り追い込みは見事でした。4コーナーでは浅井康太が勝ったと思ったところその後ろからピュンと差して優勝でした。この優勝で勢いに乗ってきていると思います。どのように並ぶかはわかりませんが地区でみれば単騎戦でしょう。そうなると坂井の一発も侮れないと思います。注意しておきたいですね。
ヤンググランプリ2021展望
デビュー3年以内の若手選手による頂上決戦・ヤンググランプリ2021がKEIRINグランプリシリーズ(静岡競輪場)の2日目11Rに実施される。9月の共同通信社杯で史上最速のGII優勝を飾った117期の山口拳矢が中心となるが、全員が自力型の細切れ戦だけに波乱の余地も十分だ。山口と同期の寺崎浩平の反撃や競輪祭でブレイクした115期の佐々木悠葵の一発も侮れない。

山口拳矢 岐阜 117期
山口拳矢は今年3月にホームバンクの大垣で実施された117期のルーキーチャンピオンレースで優勝、3度目のビッグレース出場だった7月のサマーナイトフェスティバルでビッグ初優出を決めるとともに準優勝と大健闘、そして9月の共同通信社杯では二次予選Bでバンクレコードタイとなる上がり10秒7の捲りを決め、決勝も最終バック7番手から捲って新田祐大、平原康多らを下し、史上最速となるデビューから1年114日でのGII初優勝を達成した。11月の競輪祭での落車の影響が気になるが、それでも山口中心は変わらないだろう。

寺崎浩平 福井 117期
117期の寺崎浩平は日本競輪選手養成所で優秀な成績を残し、同期の菊池岳仁とともに史上初の早期卒業を果たした逸材だ。同期の仲間より半年早くデビューした寺崎は順調に成長を遂げ、今年7月には117期では一番乗りとなるS級1班格付けを決めている。山口拳矢と人気を二分していた3月のルーキーチャンピオンレースでは打鐘を待たずにして落車と残念な結果に終わっているだけに、今回は必勝を期してくるだろう。現在はパリ五輪を目指してナショナルチームでも活躍しており、その機動力は折り紙付きだ。

高橋晋也 福島 115期
高橋晋也は昨年のヤンググランプリでは同期・同地区の小原佑太と連係、小原の逃げに乗って高橋は番手絶好の展開となったが、上がり10秒9の松井宏佑の捲りに屈して4着に終わっている。それでも今年2月の全日本選抜では一次予選と二次予選をともに逃げ粘りの2着で突破してGIの準決に初進出、3月のウィナーズカップでは昨年に続いて優出している。夏場は落車の影響などもあり低迷していたが、9月の共同通信社杯で準決進出と再び調子を上げてきており、今回も小原佑太と好連係を決めて昨年の雪辱を誓う。

町田太我 広島 117期
117期の町田太我は3月のルーキーチャンピオンレースは直前の落車の影響で残念ながら欠場となったが、6月に松山で開催された国際自転車トラック競技支援競輪の決勝では同期の菊池岳仁との叩き合いの末に主導権を取りきり、そのまま逃げ切って優勝、117期では一番乗りのGIII制覇を成し遂げた。その後も7月の小松島記念で決勝進出、8月のオールスターでは二次予選で敗れたが5走のうち4走で先行、11月の競輪祭でも5走のうち4走で先行しており、今回も自力選手揃いのレースだが、持ち味全開の主導権取りを狙ってくるだろう。

佐々木悠葵 群馬 115期
佐々木悠葵は昨年11月にS級2班に昇級と115期の中ではやや遅めだったが、今年2月の高知FIで町田太我の逃げを差してS級初優勝を完全優勝で達成すると、3月の広島、5月の大宮と静岡、6月の西武園のFIでも完全優勝している。GI初出場だった8月のオールスターは一次予選で落車・失格と残念な結果に終わったが、11月の競輪祭では準決進出と目覚ましい活躍を見せている。二次予選Bでは眞杉匠との連係からヨコにも強いところを見せており、今回も坂井洋との連係から潜在能力の高さを披露してくれるだろう。

石原颯 香川 117期
石原颯は3月の117期のルーキーチャンピオンレースでは勝負どころで山口拳矢を追走する形となったが、山口が捲りにいったときにインから青野将太にすくわれて4着に終わった。しかし、4月の奈良GIIIで準優勝すると、5月の久留米FIでは上田尭弥―中川誠一郎の熊本コンビを捲ってS級初優勝を完全優勝で飾っている。その後も7月の高知記念で決勝進出、GI初出場となった8月のオールスターでは5日目選抜でGI初勝利を挙げ、11月の競輪祭でも1勝しており、今回も中四国ラインで同期の町田太我との連係から一発を狙ってくるだろう。

坂井洋 栃木 115期
坂井洋は昨年のヤンググランプリでは群馬の小林泰正と連係して前回りを選択、打鐘前に先頭に立って先行態勢に入るが小原佑太―高橋晋也の北日本コンビにカマされて5着に終わっている。今回も同期・群馬の佐々木悠葵との連係だろうし、小原佑太―高橋晋也との主導権争いが予想されるが、今年こそはしっかりと風を切る走りを狙ってくるだろう。ただ11月の四日市記念では単騎戦だったが、郡司浩平、浅井康太らのビッグネームを下して記念初優勝を飾っており、仮に今年も主導権取りに失敗しても、捲りでの反撃が十分に期待できそうだ。

小原佑太 青森 115期
小原佑太は大学時代からナショナルチームに在籍しており、10月にフランスで開催された世界選手権ではチームスプリントで8位、1kmタイムトライアルで8位となっている。昨年のヤンググランプリでは7着だったが、高橋晋也を連れての打鐘ガマシで主導権を取りきり見せ場をつくっている。しかし、9月の共同通信社杯の二次予選Bでは新山響平を連れて逃げてワンツーを決めているが、準決では高橋晋也―渡邉一成との連係で不発に終わっており、その反省を胸に今年のヤンググランプリも主導権取りに燃えてくるだろう。

伊藤颯馬 沖縄 115期
伊藤颯馬はビッグレース初出場となった3月のウィナーズカップでは一次予選で敗れたが、2日目特一般では逃げて山田庸平の1着に貢献している。6月の高知FIでは待望のS級初優勝を完全優勝で飾った。9月の共同通信社杯も一次予選で敗れたが、2日目特一般は逃げて2着、4日目一般も逃げて3着と健闘、沖縄県所属の選手では初めてのヤンググランプリ出場を決めた。昨年3月の115期のルーキーチャンピオンレースでは見せ場なく4着に終わったが、この2年近くで着実に成長した姿を全国のファンにアピールしてくれるだろう。
プレイバック
ヤンググランプリ2020
松井宏佑が8番手捲りで優勝
単騎の松井宏佑が前受け、以下は宮本隼輔、小原佑太-高橋晋也、坂井洋-小林泰正、黒沢征治-森田優弥、河合佑弥の並びで周回を重ねる。青板バックから黒沢がゆっくり上昇を開始、赤板ホームで松井に並びかけると松井が引き黒沢が先頭に立つが、すかさず坂井が叩いて先頭が入れ替わる。すると今度は打鐘とともに8番手から小原がカマして一気に主導権を握り、車間が空いた3番手に坂井、小林が踏み遅れて4番手に黒沢が入り、5番手に小林、6番手は外に森田、内に河合で並走、8番手に松井、最後尾に宮本で最終ホームを通過する。逃げる小原の掛かりがよく、高橋が車間を空けて追走、3番手の坂井とは3車身以上空く縦長の展開となるが、2コーナー8番手から松井が発進すると4コーナーで坂井を捉え、最後の直線では小原を交わした高橋も抜き去って上がり10秒9の好タイムで優勝、宮本が続いて2着に入り、2人を追った森田が3着に突っ込む。

ゴール

表彰