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サマーナイトフェスティバル浅井康太(三重)選手の優勝、ガールズケイリンフェスティバルは 梶田舞(栃木)選手が涙涙の優勝で無事幕を閉じました。優勝おめでとうございました。
私が現役の頃は、サマーナイトフェスティバルといえば二日制で1着選手だけが決勝戦にいける、そう『フェスティバル』まさにお祭り感覚のような大会だったような気がしていましたが、今はSS級という格のある選手全員が参加し三日制で優勝者を決めるのでGI優勝と言っても過言じゃないレベルの開催になりましたね。今では全国各地でナイター開催が多く行われるようになってきましたが、これだけのトップ選手が参加するナイター開催はこの大会だけなので、ファンの方も年に一度の楽しみな開催にしていると思います。夏の夜に電飾が綺麗に映し出されて華やかで若者のデートコースの一つに入れてもらえるようになるといいですね

話は変わりますが、時代の流れに乗って行かなきゃどこの業界も生き残れません。ということで各施行者は、売り上げを延ばすためにモーニング開催、ナイター開催、今では無観客でのミッドナイト開催も始めました。おかげで売り上げも順調に伸び、新規顧客の開拓に貢献していると思います。しかしメリットばかりじゃなく開催時刻がバラバラということに選手の体調維持することが難しいというデメリットもあるということも今後の課題にして欲しいと思います。

最近の夏は北海道でもエアコン無しでは過ごせないくらい暑い日本になりました。現役の頃は日中の暑い時間帯に乗り込み練習に出かけると熱中症で身が危険なので、夏はサマータイムと言って日の出の前に練習に出かけていました。そして暑い時間帯は昼寝やエアコンの効いている室内でウエイトやローラー練習、体のケアの時間にあて、そしてまた夕方以降(大垣は照明がついてるので)バンクで練習するという毎日でした。普段はなるべく暑い所を避けて暮らしていたので夏の開催のレースには集中力の持続に気を使わなくてはなりませんでしたね。発走ギリギリまでアイスバックを首にあてたり色々考えて暑さ対策していましたね。そんなレース以外に気を使う昼間の開催よりナイター開催は意外とありがたい開催でした。多少涼しくなってからレースが出来るので走りやすかった記憶があります。だから現役時代ナイター開催はけっこう成績が良かったといういいイメージが残っています。

若手選手からの質問でよく昼間の開催、ナイター開催、ミッドナイトにモーニングと走る時間帯が違うし宿舎での生活リズムも違うのでウォーミングアップ方法は変えた方がいいですか?と聞かれることがあります。私は正確な回答を伝えるには人それぞれ違うと思っているので、モーニング開催の時は身体を目覚めさせる為にも出来るだけ早起きした方が良いのでは… としかアドバイスしていません。私の考え方は、全ての人が同じことをしても同じ結果が得られないと思っています。強い選手を観察して強い選手の真似をしても強くならない。参考にすることはもちろん必要です。『自分にあった方法を見つける』これはアップの仕方だけじゃなく、普段の練習内容も同じです。強い選手がやっているから同じ練習をすれば強くなるなんて考えない方がいい。自分に必要な練習内容は人それぞれ違うはずです。回復力だって違うのですから同じことして同じパフォーマンス出せるとは思わないからです。他人にアドバイスを受けることも大切ですし、自分で自分に合った練習方法、休養パターン等、試行錯誤を繰り返して見つけることが大切だと思います。要するに 練習も楽なことをして強くなることもないし、人の真似すればいいという楽な考え方でも強くはならないということですね。
暑さ対策に時間対策と、選手の皆さんは色々と大変だと思いますが、自分のベストの対策方法を見つけて頑張ってください。
山田裕仁(61期 岐阜)
 1968年昭和43年6月18日岐阜県48歳 GI6勝 KEIRINグランプリを3回制覇
 その強さに「帝王」と呼ばれた 61期で同期は神山雄一郎
 2014年3月に日本選手権競輪を最後に引退し現在は競輪評論家として活躍中