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時代の流れやルール変更に伴い、その恩恵にあずかる選手もいれば逆の選手もいます。また同地区に強い自力選手が出現すると、追い込み選手にもチャンスが増えてきます。競輪はGI戦で優勝、タイトルを勝ち獲るためにはただ、力まかせに戦って獲れるものではありません。

この数十年の間に、宮城王国と言われたり、群馬の時代があったり、熊本が強かったりと今みたいにライン戦ではない時代は、強いと言われるのは個人や県単位でした。なぜ県単位だったのかというと、誰か強い選手が出てきてタイトルを獲ると、その選手に刺激され必然的に同県のライバルが続き、連携もあれば、追い越そうともし、その県のレベルが上がっていったのです。

今の時代は県から広がっていき、地区単位に変わってきています。
誰が強いのかというより、どの地区が強いのかを見ていくのが「車券推理」には必要ではないでしょうか。

昨年1年間の賞金順位上位30位の地区別を見ると
北日本3、関東6、南関4、中部6、近畿6、中四国2、九州3
31~50位には北日本4、関東3、南関3、中部2、近畿3、中四国3、九州2
人数的には関東と中部、近畿。
関東には昨年後半から持ち直した平原康多と武田豊樹がいるだけに強力に見えますが、自力型が少ない。ちなみに吉田拓矢は37位。
対して中部は浅井康太、吉田敏洋、深谷知広、竹内雄作、金子貴志とほとんどが自力。
この流れでいくと、今年は中部勢が押してきそうにも思えるが、昨年の後半から少し流れが変わってきたように思えます。

新設されたウィナーズカップ終了までの今年約3ヶ月の賞金上位30位の地区別だと
北日本3、関東5、南関8、中部4、近畿5、中四国3、九州2
31~50位には
北日本3、関東3、南関6、中部1、近畿2、中四国2、九州2

昨年12月佐世保記念優勝の石井秀治を皮切りに、2月の奈良記念では根田空史の記念初優勝、続いて国際自転車トラック競技支援の小田原GIIIでは田中晴基、四日市記念では山中秀将、そしてウィナーズカップでは郡司浩平がGII初制覇と南関勢の勢いが止まらないです。
郡司浩平と山中秀将は自分で勝ち取ったレースでしたが、石井秀治や根田空史そして田中晴基は南関や同県との連携からの二段掛けも含めた結果でした。器用な自力型が県単位ではなく南関という地区での連携の意識を強めた結果が顕著に出ているような気がします。
現在は平原康多の総合力が一番であることは多くの人が思っているかもしれませんが、ラインとしての勢力図は南関勢となっていることは間違いありません。今後は平原康多でさえ南関結束には手を焼くのではないでしょうか?

勢力図として今年は、南関勢の中から、タイトルホルダーが出ることは時間の問題と言えそうだ。