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ちょっと前までギャンブルの世界でグランプリと言えばKEIRINグランプリを指す言葉だったのだが、近頃はボートレースの賞金王決定戦をボートレースグランプリと呼ぶようになったり、有馬記念もサブタイトルにグランプリと付いていますね。

グランプリと言う言葉から連想するのは、やはり賞金の1億円でしょう。
競輪とボートレースのグランプリ1着優勝賞金です。

1着賞金が1億円になったのはボートレースの方が先で1997年の12回大会からでした。
初代一発1億円レーサーは当時26歳の服部幸男が拐っていきました。

競輪の1億円は2004年!輪界初の一発1億円を獲得したのは小野俊之。

この年の特別競輪の勝者を記すと

競輪祭 小橋正義
日本選手権 伏見俊昭
高松宮杯 松本整
寬仁親王牌 小橋正義
オールスター 神山雄一郎
全日本選抜 内林久徳

ふるさとダービー
佐世保 金子貴志
函館 齋藤登志信
福井 村上義弘

共同通信社杯 佐藤慎太郎
東王座 小橋正義
西王座 小川圭二

こんな年でした!

KEIRINグランプリ04出場選手は
(1)神山雄一郎(2)佐藤慎太郎(3)村上義弘(4)齋藤登志信(5)小橋正義
(6)内林久徳(7)伏見俊昭(8)岡部芳幸(9)小野俊之

こんなメンバー
お気付きの方もいらっしゃると思いますが、
そうです!この年の高松宮記念杯の勝者松本整選手が優勝後の電撃引退をしてしまったので、グランプリに出場していないのです!
当時、あの件については、ああいう結果になるまでの経緯があり、いろいろと意見が飛び交いましたが、苦い思いばかりが記憶に残っています。

話は変わり私事ですが、私はとにかく公営競技が好きで年末からの大レースは全部参加するのです。
競輪グランプリは本場へ!と行きたいとこですが、我々噺家の商売は年末は忙しい!

明後日に控える元旦に向けて、後輩や裏方に配る手拭いの仕度やお年玉を作ったり、普段に御贔屓を戴いてるお客の年始回りに行くときのお年賀を支度したりといろいろとある。

だから車券は京王閣の場外で早めに買って、出走の時間はできるだけ家にいるようにしてテレビ観戦。

この年の私の年末の大レースの成績はというと
ボートレースの住之江賞金王では大外6コースの田中信一郎の2周1マークで上瀧和則を逆転しての2連単最低人気の決着で、私はインの植木通彦から買ってたんで、スタートでカドの上瀧に叩かれておしまいで、かすりもしない。

続く有馬記念は勝ち馬のゼンノロブロイから狙ったのはよかったが、ヒモは穴目でシルクフェイマスとしたところ、逃げたタップダンスシチーを2番手追走のゼンノロブロイが前を可愛がったんで、後ろの馬に出番はなし!シルクフェイマスはタップダンスシチー捕まえられずに3着と悔しいハズレ!

オートレースのスーパースターは暮れの開催ではなく、1月に行われていたが、この年から暮れの開催となり、王座決定戦は有馬記念と同日に行われた。
場外発売を買いに行けなかったが高橋貢が優勝!

KEIRINグランプリの前日に行われた大井競馬の東京大賞典は東京ダービー勝ちの3歳馬アジュティーミツオーが、まさかの逃げ切り勝ちで、まるっきり当たりが来ない状況でKEIRINグランプリを迎えた。

KEIRINグランプリの並びは
福島が3人ながら、いつも積極的に行く齋藤登志信を単騎に出来ない!と岡部芳幸が齋藤登志信を追走することになって、齋藤-岡部、伏見-佐藤で別れて戦うことに、関東は神山-小橋、近畿は村上-内林で九州から一人参戦の小野は先手をとりそうな近畿の3番手から、という競走!
気っ風のいい村上はラインが長くなれば先手を取ってレースをすると踏んでのものか?
このレース私は村上と齋藤の叩き合いを神山が捲って番手の小橋が差す!と踏んだ。

この年の小橋は大激戦の競輪祭を競りや切り替えを多用し審議になりながらも制覇!

続く東王座も藤原憲征の番手もほとんど自力で勝ったようなレースで勝ち。

寬仁親王牌も武田豊樹の番手から鋭い差しで制覇!

横も滅法強く、縦も切れる!平成の鬼脚なんて言われたこともあったくらいだった選手。

ここは細切れ戦、なんでもやってくる小橋は頼もしい存在だった。

レースは伏見が前で受けて、関東、近畿+小野、齋藤で流れ、村上が伏見を押さえてペースを落とすと齋藤がカマシて村上が突っ張って抵抗する、強引に齋藤が叩いて齋藤ラインを追っていた神山が付いていく、齋藤が叩いて神山が3番手から捲って小橋が差して頂きだな!っと思った瞬間、村上ラインを追っていた小野が神山を退かして、切り替えた!

齋藤が出切って齋藤-岡部に切り替えた小野さらに神山が飛ばされた小橋が続いて、捲りは誰も来ない!

これは岡部が齋藤を差して獲るな!と思ったところを小野がさらに差して1億円奪取!岡部が2着で、この年特別を何も勝っていなかった2人で決着した。

私の狙った小橋は3着に突っ込んで来たが車券はハズレ!

これにより、この年の総決算は全く当たることをなく終わってしまった。

KEIRINグランプリを振り返ってみれば、小野の優勝で終わったが、鍵は松本整の引退にあったように思う。

松本が引退していなければ、当然ながら高松宮杯以降の特別競輪と記念開催での勝ち上がりにも影響があって、出場メンバーも違ったものになっていたはずだ。

そして、村上の駆け方も、後ろが内林なのと松本では違ったものになっていた。
偶然に偶然が重なって、結果が出てくる!

レースを読みきって車券を的中させるのは醍醐味ではあるが、実はそれも偶然が重なって的中したものなのだ。

KEIRINグランプリ2017  偶然でもマグレでもいいから的中させたいものです。
プロフィール
 昭和58年柳家小三治に入門
 平成13年真打昇進
 平成14年林家彦六賞受賞

公営競技をこよなく愛する落語家