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グランプリ攻略法??

競輪祭が終わりグランプリメンバーが確定しました。 毎年競輪祭が終わると今年も一年が終わってしまうんだなぁという寂しさと、年末の大一番へのワクワク感が交差する心情になります。
今年の競輪祭は、優勝した新田祐大選手の一強時代の到来を思わせる開催でした。驚愕なトップスピードは、前団に位置する選手は関係無く、現に先捲りを打った木暮選手の上を捲りきっているわけですし、番手をすんなり回って来る選手だけが敵になっているだけのようにも思えます。初日に、熊本の中川誠一郎選手に差されたレースがありましたが、捲りの踏み出しに離れず追走出来る選手のみが差して勝ちきるチャンスがあるスピードタイプ。ナショナルチームで活躍しているようなスピードがあるタイプなら逆転も可能なのかと…。そういう意味では同地区で番手を回るチャンスがある渡邉一成選手は優勝することが出来ているのでしょう。

競輪祭の決勝戦は、勝ち上がり方に好調をアピール出来ていた深谷選手が一番のライバルになると予想していた方が多くいたかもしれませんが、私は深谷選手が先行しても新田選手に捲られると思っていました。 当の本人深谷選手もそれが想像ついたから思い切って先行する勇気が無く最悪の8番手凡走に見える競走になったのではないでしょうか。

私は現役で走っている特定の人の攻略法を伝授出来るほど優れた選手ではなかったのですが、一強に見える選手にも弱点はあるのではないでしょうか? その弱点を突いて走れる選手だからこそプロと言われている人達だと思います。

昔から横綱と呼ばれてきた選手にも弱点はありました。その弱点をついて勝てるように'考えて練習すること'も自分を強くすることには必要な練習です。対戦相手に応じての必勝法を自分の手の内に入れるという考え方も強さの秘訣になると思いますよ。

最後に一つ、一流と超一流と呼ばれる人の違いに他人の言うことを聞き入れる能力、素直に聞いてみるという気持ちが有るか無いかという違いがあります。強い選手は必ず自分という硬い殻に包まれています。そんな自分に他人の意見を聞き入れてみるという柔軟な考え方が出来るかどうか?そんな頭の柔らかさが一流の壁を越えて超一流になるんだと思います。
とあるガールズの選手にもアドバイスを送ったことがありますが、男女問わず全ての人に共通することだと思います
山田裕仁(61期 岐阜)
 1968年昭和43年6月18日岐阜県49歳 GI6勝 KEIRINグランプリを3回制覇
 その強さに「帝王」と呼ばれた 61期で同期は神山雄一郎
 2014年3月に日本選手権競輪を最後に引退し現在は競輪評論家として活躍中