競輪選手にシーズンオフはありません。
年が明けると世間では'おめでとう'の挨拶を交わしますが現役の選手の中には、本当におめでたいのか?と思う時もあるのが事実です。それは、年末にグランプリを走り特別な空気感を味わい、走り終えて脱力感。そしてその心身の疲れを癒す時間は数日、優勝して喜んでいられるのも数日、また新たにグランプリ出場メンバーに入る為の闘いが始まってしまうからです。 一度グランプリに出場した選手は必ずまたこの舞台に立ちたいと思います。そんな素敵な舞台です。そこに向けて全ての人が年が明けてしまうと同じスタートラインに並んでしまう。毎年それを繰り返して気づいた時にはおじいちゃんになってます。 笑
さて、そのグランプリの出場枠一つ目を争う読売新聞社杯全日本選抜競輪がもうすぐ開催されます。選手全ての人にいえることですが地元開催は2割増しというぐらい力を発揮します。今年の開催は四日市競輪場です。三重県の参加選手は寂しくも浅井康太選手と坂口晃輔選手の二人だけですが、彼らにとっては絶対に負けられない闘いだと思ってるはずです。 坂口選手もこの大会に向けて練習してきた成果が出てるようで得点も110点を超す安定した成績を収めています。
地元開催になるといつも以上に張り切って練習してしまうものです。オーバーワークに気づかないまま疲れが抜けきらずに翌場所が絶好調だったという経験をした人は何人もいると思います。その点特別競輪になると一年以上も前から開催日が決まっているため長期プランでの練習に取り組めます。クレバーな浅井選手の調整ミスは考えづらいので、優勝候補筆頭でしょうね。
対抗勢力としては、昨年後半の不調から復調して年頭から飛ばしている平原康多選手率いる関東勢は魅力ですね。また新田祐大選手の弾丸捲り率いる福島勢も強力ですね。ということは昨年の流れから変わらずに今年の前半戦はいくと思います。近畿勢はグランプリレーサー三谷選手の復調、脇本選手の活躍がカギ。やはり自力選手が強い地区がどうしても活躍出来る感じになっています。であるなら後半戦は自転車競技で出場出来る寬仁親王牌やファン投票で出場出来るオールスターがあるので、ヤング選手達に活躍してもらい新しい勢力図の闘いをみたいですね。期待できそうな若い選手がたくさん出てきてますからね。
山田裕仁(61期 岐阜)
1968年昭和43年6月18日岐阜県49歳 GI6勝 KEIRINグランプリを3回制覇
その強さに「帝王」と呼ばれた 61期で同期は神山雄一郎
2014年3月に日本選手権競輪を最後に引退し現在は競輪評論家として活躍中