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2018年も「早っ!」って感じでもう下半期が始まりましたので、今回は、競輪界の上半期を簡単に振り返ってみたいと思います。

2月の読売新聞社杯全日本選抜競輪の優勝者は、新田祐大選手(福島)でした。先行する古性優作選手(大阪)を村上義弘選手(京都)が番手捲り。その上を新田選手は8番手から捲り優勝。この優勝で、今年も新田時代が続くと誰もが思ったはずです。

3月のウィナーズカップの優勝者は、武田豊樹選手(茨城)。原田研太朗選手(徳島)の先行に三谷竜生選手(奈良)がイン粘りをした所をホーム捲りを決めた平原康多選手(埼玉)を差して優勝したわけですが、武田選手は、骨盤骨折からの復調に時間がかかっていて、この優勝で復活への手応えを掴んだシリーズでした。

5月の日本選手権競輪の優勝者は、三谷竜生選手(奈良)。脇本雄太選手(福井)の打鐘大ガマシ先行の番手から差して優勝。この優勝は、近畿勢が4人決勝に乗っていて、脇本選手の打鐘発進での優勝ということでラインの結束力を痛感出来たシリーズでした。

6月の高松宮記念杯競輪の優勝者は、三谷選手が日本選手権に続いて特別競輪連続優勝でした。 この開催も、脇本選手の打鐘発進を番手から差しての優勝。脇本選手は、日本選手権に続いて仕上がり抜群でしたが、番手が自力選手でツキが無かったという展開でした。

このようにビッグレースだけを観ると、番手を回った選手が優勝に一番近い位置にいるように思えます。
上半期のGIII開催の優勝者は、三谷選手が3回。平原選手が2回。山田英明選手(佐賀)が2回(うち、小松島GIIIはウィナーズカップ参加者不在ということで1.5回と私は評価したい)。 その他のGIII開催は優勝者が全て違います。 この結果から今は、特別に実力が抜きに出た人がいないと判断出来ると思います。

先日、真夏の祭典'サマーナイトフェスティバル'が松戸競輪場で開催されました。初日の特別選抜競走では、深谷知広選手(愛知)が浅井康太選手(三重)を千切るというダッシュ力を魅せました。準決勝戦では、渡邉一成選手(福島)が佐藤慎太郎選手(福島)を千切ってカマシ捲りを決めて決勝進出。その決勝戦では、先行する深谷選手をカマシにいった菅田壱道選手(宮城)のスピードをもらってバックで捲りにいった渡邉選手が深谷選手とのモガキ合いを制して見事優勝しました。 先行した深谷選手も2着に残るというナショナルチームのワンツーでした。この数場所の内容を見ると、今年の下半期は、やはり特別競輪だけ参加してくるナショナルチームメンバーを中心にレースが流れていくのではないでしょうか? ナショナルチームに入って練習している選手は、調整無しで練習しているので強化度が高いです。次開催に出場してくる時は、上昇度を感じ取れる走りが出来ます。それならば'他の選手も練習に集中して特別競輪だけ参加すれば強くなれるのではないか?'と思う方もみえるでしょうが、一般選手は、一期間の最低出走回数というのが決められているので休んで練習漬けというのは難しいのが事実です。練習を結果に繋げるということは難しいですが、練習は嘘をつかないというのも事実です。 こうしてみると、ますます特別競輪はナショナルチームに入っている選手を中心にレースを進めていく下半期になりそうです。
山田裕仁(61期 岐阜)
 1968年昭和43年6月18日岐阜県50歳 GI6勝 KEIRINグランプリを3回制覇
 その強さに「帝王」と呼ばれた 61期で同期は神山雄一郎
 2014年3月に日本選手権競輪を最後に引退し現在は競輪評論家として活躍中