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競輪界の重鎮・中野浩一氏に聞く!
今回は早期卒業の2選手のお話
今回は早期卒業の2選手のお話です。
二人ともA級2班に特別昇班しましたよね。
今後どのような活躍してほしいのか中野浩一氏に語って頂きました。またこれから日本競輪選手養成所に入る候補生たちにもアドバイスです。

中野慎詞 岩手 121期

太田海也 岡山 121期
─ 中野さんから見て早期卒業の二人はいかがですか?
「そうだね、中野慎詞に関してはナショナルチームに所属しているのでずっと見ているね。
 彼は勝って当たり前、負けたらおかしいと思うよね。
 まあ、それでも一番心配していたのは、先行した時にうしろから差されるという事だったけど、慎詞ぐらい力があれば、それもなかなかないよね。先行しても、後ろには差されないだろうし、後ろの選手も、とっととS級に上がってくれと思うんじゃないかな。また、そういうところを周囲に見せないといけないのではないかなと思います。
 また、慎詞は後ろを連れていくテクニックがあるからね。でもそこがポイントで、ちょっと気を抜くと後ろから差される可能性もある。自分たちの時にはあの松田隆文(大分35期 在校成績1位、卒業記念レース優勝 ミュンヘンオリンピック出場)でも差されているから。
 特に自分みたいなスプリンターは後ろについて来られると最後抜かれるかもしれないなというのもあったからね。自分の場合はそのあたりをきちんと分析して走っていたけどね。
 もう一人の太田海也はまだそこまでわからないけど、自分の力を全て出せば、問題なくS級に特別昇級出来ると思います。
 後は競輪選手としての考え方だよね。お客様の為にどうやって走ればいいのか?等を考えて走ってほしいね。早期卒業者には特に、当然18連勝してS級に特別昇級することが望まれている事だから、そこは自覚してほしい。
 競走内容に関しては、自分たちの脚の特性というものがあるから、そこを分かってレースを組み立てるのが当然でしょう。そしてS級で活躍して結果を出して欲しいね。何のために苦しい練習をしているのかという事を考えればおのずと成績を残すでしょう。
 これから養成所に入所する候補生たちには言っておきたいけど、養成所の時には色々考えて、色々な事を試して走って欲しい。仕掛けどころを変えて駆けるとか等なんだけど、プロになったら勝つために走らなくてはならないから試すという事は出来ないので、養成所にいる間はなんでも出来るのだからしっかりやってほしいよね。自分の競輪学校時代の時にはそう考えて競走訓練には臨んでいたから、それが、デビューしてから役に立ったと思います。
 対戦する相手の力を読んでどこから自分が仕掛けるのかを考えて実行するのがとても重要です。
 まずは自分が勝つことを目指して走るのが競輪だから、色々な経験をしっかり積んで行ってほしいね」
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