月刊競輪WEB|KEIRIN.JP
僕が自転車を降りて(引退して)約3ヵ月が経った。
ありがたいことに各種解説やイベントなどにお呼び頂ける機会が増えてきました。
本当に感謝です。
現役時代は何もしなくても勝手に月2本斡旋(仕事)が入った。
頭を下げるでもない、先方にプレゼンするわけでもない。なのに仕事(レース)がもらえた。
これは営業しなくても仕事がもらえる会社のようなものだ。
本当に恵まれた世界に居たのだなとつくづく感じる。
ところが今、僕が身を置いている解説、コメンテーターと言う世界はそれとは違う。
オファーを頂かない限り仕事はゼロだ。
だからこそ自転車を降りた今、仕事が出来る(頂ける)喜びを噛みしめている。
一本一本誠実に応えていきたいと思う。
そして解説やトークショー、書き物の仕事をさせてもらいながら3ヵ月。
スーツ&ネクタイスタイルも板につき、自分でも「まんざらではない」と思い始めた矢先こんなことが……
あるG1レース開催中の記者席での出来事。
依頼のあった仕事の原稿を書いていると背後から急にデカい声で、
「シンペー!!」と言う声が響き渡った。
思わず筆者は背筋を伸ばし声の主の方を向き
「はい!!」
と元気よく立ち上がってしまった。
脊髄反射とはこの事でしょう。
そりゃそうです。
現役時代、何百回も聞いたことのあるフレーズ。絶対忘れるわけのない声質。
誰だろう?と考える前に身体が反応してしまったのです。
そう、その声の主は山口幸二さんでした。
なんなんだこれは!(笑)
シンペー!と呼ばれただけで相変わらず身が引き締まってしまう。
引退してもまったく変わらない関係性(笑)
そりゃそうだ。
僕も40歳になったという事はコウジさんも50歳になったわけで年齢差は一生埋まらない。
ずっと大先輩なのだから。
しかしその日の帰り道、
(競輪選手を引退してもこれかよ~)
と、若干トホホな気持ちになったのは言うまでもない…
と言うわけで前置きが長くなりましたが二回目のコラムです(笑)
僕の現役時代に影響を与えた選手として前回は合志正臣さんを紹介しました。
今回はそうだな…
荒井崇博(佐賀82期)にでも触れましょうか。
意外ですかね?
そもそも筆者と荒井は地区も違えば期も違う。
同級生と言う繋がりだけなんですがとにかくルーキー時代から同じレースで対戦する事が多かった。
番組が出るたびに
「また荒井!?」
状態(笑)
お互い出世が早かったので最年少、そして同級生と言うことで組みやすかったんでしょうね。
ほとんど二人で先行争いして8、9着でした(苦笑)
そんな経緯もあり仲良くなるのに時間は掛からなかった。
荒井の性格を一言で言うと「不器用」に尽きる。
とにかく人当たりがキツイ。
特にメディア、マスコミ関係者への不愛想さは筆者も驚くほどでした。
ある日の1着勝利者インタビューに荒井が出た時の事、
イ「荒井選手、1着おめでとうございます!」
荒「………(軽くうなずく)」
イ「1着という事で調子は良いとみてよろしいでしょうか?」
荒「普通す……」
でしたからね。
スポーツマンの風上にも置けません(苦笑)
しかし僕にとっての荒井は本当に良いヤツなんです。
落車が多く深刻な状況だった筆者の身体の事を常に心配してくれた。
「競輪選手を辞めてからの人生の方が長いんやけん、はよ辞めろや」
は荒井の口癖でした。
口調はキツイですがアイツなりの僕へのエールという事は毎回伝わってきました。
荒井の調子が悪い時は、
「このままでは終われんけん、ウエイトトレーニング教えてくれや」
と相談をしてくれた事もあります。
意外と素直でしょ(笑)
一緒にライブを観に行った時、僕がチケット代をオゴったんです。
そしたら女の子を紹介してくれました。
あの時は本当にありがとう。
さぁ荒井崇博のイメージが爆上げされたと思います。
最後に…
今の若手選手は荒井に対してほとんど怖いイメージを持っていると思います。
しかし声を大にして言いたい。
「副業やビジネスの事は荒井に聞け」
競輪より数倍才能があります。