月刊競輪WEB|KEIRIN.JP
2019年12月30日
競輪界は驚きの結末を迎えた。

競輪グランプリ2019にてなんと43歳の佐藤慎太郎選手がグランプリ史上最高齢優勝タイ記録となる優勝を果たしたのだ。

これには筆者もゴールした瞬間開いた口が塞がらなかった。

いや……

筆者だけではない。

筆者は日本テレビの地上波解説をさせてもらっていたのだが周りの演者、スタッフ一同その瞬間一瞬静けさに包まれたことを鮮明に覚えている。

それもそのはずだ。

今年のグランプリは競輪界のニューヒーロー誕生の予感がプンプンしていた。

自転車競技活動を経て世界基準の力を手に入れた脇本、新田のナショナルチーム勢。

そしてその両者が国内競輪不在の間、間違いなく2019年の競輪界を引っ張り続けた清水、松浦、郡司の20代レーサー達。

時代の移り変わり、

"世代交代"の準備は整っていたのだ。

世論も若いチャンピオンを望んでいた。

しかし結果はどうだ。

その期待をあざ笑うかのような結末である。

ナショナルチーム?
縦脚全盛?

そんなんじゃ"競輪"は勝てねぇよ。
と慎太郎さんの強烈なメッセージが込められているかのような追い込みだった。

見事の一言。

一世一代の差しであったことは言うまでもない。

2020年、チャンピオンジャージを着て走る慎太郎さんが非常に楽しみである。

しかしながらまぁよく勝ったもんだ笑

実は筆者はグランプリ前日の29日に慎太郎さんと長く話し込んだんです。

ほとんどいじわるな質問でした笑

「新田の捲くりに付いて行けないですよね?」
「優勝の自信は無いでしょ?」
「沖縄のおいしい料理屋さん教えてください」
なんて軽いノリでしたね。

「ばーかシンペー何言ってんだよ。それより今回の解説のギャラいくらだよ?」
といつも通りの慎太郎さん笑笑

そう、

"いつも通り"

です。

もちろん他の8人とも話しましたが凄く自信有りげだったり、いつも以上に落ち着いていたりと、
今思うと

"いつも通りでは無かった"

かもしれません。

あらためて競輪と言う競技は人間としての"総合力"を競うものなのだと再確認しました。

グランプリ2019
若手のトップ競輪選手は学ぶことが沢山あっただろう。

逆に気づけなければ今後も慎太郎さんに勝てないだろう。

僕はどちらの選手も見守り続けようと思う。