月刊競輪WEB|KEIRIN.JP
2020年、新型コロナウイルスと言う未曾有の事態が日本列島を襲い今もまだ猛威を振るっている。

そんな中、我が競輪界もグランプリ2020に出走する9名が無事決まった。

ここに至るまでの道のりは極めて険しく難しい期間があり、間違いなく選手、関係者が一致団結し乗り越えてきました。

競輪界の端くれに携わらせてもらっている者として我が業界の事を本当に誇りに思います。
さぁその9名の顔ぶれを見てみよう。
①郡司浩平
②脇本雄太
③松浦悠士
④和田健太郎
⑤清水裕友
⑥守澤太志
⑦平原康多
⑧新田祐大
⑨佐藤慎太郎

皆さんの印象はどうだろうか?

まず僕の印象は純粋に素晴らしいメンバーだと言うこと。
終わってみれば昨年のGP2019にも出走した選手が7名と目新しさが無いように思えるが何と言っても

④和田健太郎 ⑥守澤太志
の2名の初出場組のインパクトが強烈だ。

なぜそこまでの衝撃を覚えるのか?

それはこの初出場者2名の年齢が39歳、35歳と常識ならば体力的にも下降線を辿るはずの相当なベテランであり、さらにはレースを自らコントロールする事が困難な追い込み型の選手であると言うこと。

そして何より両者とも南関東地区、北日本地区では縁の下の力持ちタイプで決して最高の番手(勝利にもっとも近い位置)がある訳では無いという所である。

この両者のグランプリ出場は間違いなく日本全国の競輪選手にグランプリと言うものを身近に感じさせ、不可能と思っていた事を可能と思わせる勇気とモチベーションを与えた。
そして個人的に注目したい点がもう1つ。
全9名中8名の選手がグランプリ未勝利と言うことも見逃せない。

佐藤慎太郎選手以外が優勝すればグランプリ初優勝となり新たな王者も誕生する。
見どころは沢山あるが360度どこの視点から見ても今年のグランプリは面白い。

余談になるが先日、筆者の友人の他公営競技記者に
『20代の選手1人しか居ないけど競輪の将来大丈夫?』と聞かれました。

実にしゃらくせえ!!
『体力を技術と経験が凌駕するスポーツを見た事があるか?そこに目が行かない新聞記者は〇〇〇だ』
と一蹴しときました。

反省してましたね。

『今年のKEIRINグランプリは大勝負する』
と約束してくれました。

わかれば良いんです。
しかし、

〝ベテランが健在〟これは間違いなく競輪の魅力の一つです。
逆に言うと若手世代はこの意味を必死に考え逆算し競輪の本質を掴まなければ先人には勝て無いと言うこと。
私は自転車を降りましたがまだまだ同世代がトップシーンで活躍する競輪の魅力にどっぷり取り憑かれています。
幸運な事に僕は3日間KEIRINグランプリが行われる平塚競輪場で仕事をさせて頂きます。
思い出すなぁ…

平塚グランプリ。
僕の代わりに後閑信一さんがウイニングランをしてくれたんです。

ありがたすぎて今でも涙が出てきます。

後閑さん気持ち良かったんだろうな……
のちに聞いたら人生最良の瞬間だったと言ってました。

……………………
返してくださいよ!笑
人生最良の瞬間を!笑
いつかグランプリのウイニングランをやり直させてもらいたいと願いながら今回のコラムは終了します。
see you