月刊競輪WEB|KEIRIN.JP
第28回寬仁親王牌は、村上博幸(京都)選手の優勝で、台風による1日の延期はありましたが無事幕を閉じました。 村上選手は、5年ぶりのGI優勝ということですが、もう40の声を聞く村上選手が日本一になるためには相当な努力をしてきたのだと思います。 本当におめでとうございます。
この大会は、全プロ競技大会の成績を参考に選考されている大会だけに、縦脚の光、若手の113期の選手に注目していました。
藤根俊貴(岩手)選手は、初日は、残り2周から先行するもゴール前末欠いて7着。2日目は、残り2周では先頭に立つも松本貴治(愛媛)選手にカマされて3番手に入れるも動けず、ゴール前では落車に巻き込まれてしまう。3日目は、前でペース上げるも永井清史(岐阜)選手に先行されてまきかえせず7着。最終日は、残り2周から先行するもゴール前末欠いて粘れず5着。落車してるので体調は万全ではなかったと思いますが未勝利で終わりました。
宮本隼輔(山口)選手は、初日は、残り2周では前へ出て先行するも、最後方にいた堀内俊介(神奈川)選手に捲られて9着。2日目は、前受けして一度下げて6番手から打鐘カマシで先行するも長島大介(栃木)選手に捲られて4着。3日目は、伊藤裕貴(三重)選手とモガキ合いになり、なんとか先頭には出たが捲られて7着。最終日は、単騎だった蕗澤鴻太郎(群馬)選手が先行してカマシにいくも出きれず9着。未勝利で終わりました。
小林泰正(群馬)選手は、初日は、打鐘からカマシて先行、ゴール前に捲り届いた原田研太朗(徳島)選手には負けましたが3着で二次予選へ。2日目は、4番手で内にいる太田竜馬(徳島)選手と併走して捲りにいくも不発になり7着ゴールも併走時に太田選手を押し込み過ぎて押圧により失格。
113期の選手は残念ながら全員未勝利で終わってしまいました。 その上の期、111期に目を向けても、松本貴治(愛媛)選手が5、1、1、2着と3連対と目に付きますが、南潤(和歌山)選手は、8、9、7、8で未勝利。 蕗澤鴻太郎(群馬)選手も9、6、8、5で未勝利。これまでの実績で人気を背負ってた山崎賢人(長崎)選手も2、7、失 で未勝利。
特別クラスの選手とは、まだまだ差があるというのを感じたのではないでしょうか。この経験を生かしてどんどん成長していってもらいたいです。
最後に、今回の優勝者村上選手のインタビューで、「ここ数年、家族には迷惑をかけた。全ての面で、今出来ることをやろうと」。 栄光の陰に犠牲になってることもある、裏を返せば、何かを犠牲にしてでも栄光を掴み取るという努力をしているということを若手選手に感じ取ってもらいたいと思います。
山田裕仁(61期 岐阜)
1968年昭和43年6月18日岐阜県・GI6勝・KEIRINグランプリを3回制覇。その強さに「帝王」と呼ばれた。61期で同期は神山雄一郎。2014年3月に日本選手権競輪を最後に引退し現在は競輪評論家として活躍中。