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ミッドナイトフィナーレ2019
 2018年、お客様へ感謝の気持ちを込めて実施した記念事業の一つ、ミッドナイトフィナーレ。2019年は舞台を小倉から西武園に移し12月29日から31日の三日間で開催。初日にA級3班戦、2日目にA級1・2班戦、最終日にガールズ戦の単発記念レースをメインとし、熱い闘いを繰り広げ令和元年のレースを締めくくった。
(各記念レースの出場選手は、2019年7月から9月のミッドナイト競輪成績上位者を中心に7名ずつを斡旋。)
ミッドナイトA級3班戦単発レース


 初手の周回は、張野幸聖-橋本大祐の中部近畿ラインが前受け。続いて尾崎悠生-吉松賢二の関東勢、宮崎大空-大崎世志人の西日本勢、最後方に磯島成介。青板周回3コーナー過ぎ、宮崎が動き出し磯島もこのラインに続く。前をおさえた宮崎が赤板で先頭に。そのタイミングを見計らった尾崎がすかさず上昇を開始。2コーナーで先頭に並ぶと打鐘を目掛けさらにスピードアップし主導権を握る。3番手を確保した宮崎、前との差は一車身。勝負権のある位置が欲しい張野は、終始宮崎ラインを追走する磯島に外からプレッシャーをかけ5番手を奪取し最終ホームを通過した。最終1センター過ぎ、先頭ラインとの車間を詰めた勢いで捲りを放つ宮崎。さらに外から捲りをしかける張野、スピードが違う。張野は前団を捉えるとどんどん後続を引き離しゴール線を駆け抜けた。2着は、引き離されながらも最後方から必死に張野を追いかけた磯島。3着は、好位をキープしながらも敗れた宮崎となった。
 1着の張野は、「今日は前受けして引くか、突っ張れるようなら突っ張る感じを考えていたんですけど、先行じゃちょっと厳しいメンバーかなと思って、勝ちにこだわるイメージでいました」「先に仕掛けられたら追いつかないと思って、ずっと磯島君だけ意識していました。最終ホームで磯島君をけん制した時、すんなり引いてくれたので良かったです」とレースを振り返った。そして、「脚力はどうかなぁと思うんですけど、成績だけ見たら上がってきているし、特別昇班もかかっているので、次の取手F2でしっかり昇班できるようにがんばりたいです。もっと練習をして先輩たちと一緒に走れるよう頑張ります」と先を見据えた。
ミッドナイトA級1・2班戦単発レース

 レースは、橋本瑠偉-藤原悠斗のラインが誘導員の後ろをとり、そのあとに城幸弘-山信田学の関東、北野良栄-原田隆の中部近畿ラインに千澤大輔がつづき周回を重ねる。青板周回3コーナー過ぎ北野が上昇をはじめ赤板で先頭が入れ替わる。千澤は追走せず最後方のまま。城が北野の動きに乗じ3番手橋本の外まで上昇し中団は並走状態。2コーナー過ぎ、城がペースアップし打鐘で先行態勢に。北野がすんなり中団を確保し橋本は踏み遅れ6番手で最終ホームを向かえる。先頭ラインとの車間を一車身に保ちながら、後方の橋本を警戒する北野は2コーナーから満を持してスパート。原田を引き連れ関東ラインに襲いかかる。3コーナー、番手の山信田のけん制をこらえ外を踏む北野。最後の直線、山信田も懸命に食い下がるが北野がゴール手前で交わしフィニッシュ。2着に山信田、3着には原田が入った。
 1着の北野は、「西武園は、捲りが効かないのでいつもより早めに仕掛けて、その上を仕掛けられそうになったら先行しようと思ってたんですけど、最初の位置どりで車番通り一番後ろになったし、一度レースを動かして、中団が取れれば中団からレースを組み立てようと考えました。いい方向に向いたかなと」。最終3コーナー過ぎ牽制に合うが、「本当は最終ホームで仕掛けようと思ったんですけどいつも以上に城が踏んでいて、バックで無理やりスパートました。コーナーでは自転車が進まないってわかってるんですけど、僕を信じて原田さんが後ろに着いてくれているし、昨年S級とA級を半々で走って違いもわかるし、S級に戻ったときに温度差なく走れるように仕掛けたつもりです。1着を獲れたことよりも、次につながるかなと思います」とレースをふり返った。「今年は、S級1班を獲りたいですしG1にも出たい。出るだけじゃなくてタイトルを獲れるところまで行きたいしできると思うので、その気になって頑張ります」と目標を話した。
ミッドナイトL級単発レース

 レースは、スタートで飛び出した梶田舞が誘導員の後ろを捕り、続いて吉岡詩織-大久保花梨-長澤彩-柳原真緒-細田愛未-土屋珠理の並びで動きのないまま打鐘をむかえる。誘導が退避すると先頭の梶田が後方の動きを警戒しながらペースを緩める。4コーナー付近から2番手にいた吉岡が力強く踏み出し先行態勢に入り最終ホームを先頭で通過。大久保、長澤もそれに続く。梶田は吉岡に合わせられず3番手で長澤と並走となる。2コーナー、吉岡を追いかける大久保がスピードを上げ先頭をかわしにかかる。さらに後方からは、脚を溜めていた柳原が捲ってくるが伸びを欠く。4コーナー、先頭に立った大久保と2番手をキープする長澤の直線勝負だが3/4車身詰めるのがいっぱい。長澤の追い込みを封じた大久保が1着でゴール。食い下がった長澤が2着。スピードを載せきれなかった柳原が3着となった。
 好位置からレースを進め1着となった大久保は、「レース前、吉岡さんが後方から来たらそれに飛び付くことを想像していたので、周回中私の前にいたのが予想外でラッキーでした」「自力のある柳原さんが後ろからくると思ったので、それよりは先に仕掛けないとと思って早めに踏んだんですけど、最後ちょっと危なかったですね。でも、今日は運が向きました」と振り返った。そして、「ガールズケイリンも、どんどんスピードが上がって、上がりタイムも速くなっているので、自分もタイムで勝てるように強化したい。今年は深夜に走るんじゃなくて、この企画レースの3日前にやっていたガールズGPに出たいです。優勝したら1,000万円の方に出たいです」と、抱負を語った。