>>掲載記事一覧へ
東京オリンピック自転車トラック競技代表内定選手発表
競輪界からは新田祐大、脇本雄太、橋本英也、小林優香の4名が代表選出!
新型コロナウイルスの影響により、開催が一年延期となった東京オリンピック。自転車競技の代表選手発表も延期となっていたが、6月4日にトラック種目の代表内定選手が発表された。
競輪界からは男子が新田祐大、脇本雄太、橋本英也、女子は小林優香が代表に選出。新田は2012年ロンドンオリンピック以来2度目の出場、脇本は2016年リオデジャネイロオリンピックに続き2度目、橋本と小林は今回がオリンピック初出場。なお、小林が出場を予定している女子ケイリンは日本人選手としてこれが初参加となる。
■代表内定選手
【短距離種目】
新田祐大(JPCA・JPCU福島/ドリームシーカーレーシングチーム)
脇本雄太(JPCA・JPCU福井/チームブリヂストンサイクリング)
小林優香(JPCA・JPCU福岡/ドリームシーカーレーシングチーム)

※補欠選手
男子1 深谷知広(JPCA・JPCU愛知/ドリームシーカーレーシングチーム)
男子2 河端朋之(JPCA・JPCU岡山)
女子  太田りゆ(JPCA・JPCU埼玉/チームブリヂストンサイクリング)

【中距離種目】
橋本英也(JPCA・JPCU岐阜/チームブリヂストンサイクリング)
梶原悠未(茨城・筑波大学大学院)
中村妃智(千葉・日本写真判定株式会社)

※補欠選手
男子 窪木一茂(福島・チームブリヂストンサイクリング)
女子 古山稀絵(東京・日本体育大学)
■参加枠(人数)
男子スプリント  1 +(1)
男子ケイリン   1 +(1)
男子オムニアム  1
女子スプリント  (1)
女子ケイリン   1
女子オムニアム (1)
女子マディソン  2

※カッコ内は他種目での参加資格獲得によるエントリー
※マディソンは2人1チームで行う種目
■コーチコメント
ブノワ・ベトゥ 短距離ヘッドコーチ
「まず女子についてですが、太田りゆ選手の力も借りて、小林優香選手が日本の出場枠を獲得することができました。小林選手はケイリンの世界の序列を揺るがす目標を持って、オリンピックに挑みます。
男子の新田祐大選手は日本の競輪の立役者であり、プロ選手として10年以上の経験もありますが、競技の世界でも才能を全開で発揮できるようになりました。世界選手権では2019年のケイリンで銀メダル、今年はスプリントで5位。オリンピックでもメダルを狙います。彼の魅力と才能で若い日本人選手に夢を与えることを願っています。
脇本雄太選手は独特な選手であり、乳酸に対する耐久力が並外れています。今年の世界選手権では見事な成績を達成できました(ケイリン銀メダル)。彼もオリンピックでの失敗を経験しているので、この辛い記憶を活かして輝きたい、日本を感動させたいという気持でオリンピックに臨むと思います」

クレイグ・グリフィン 中距離ヘッドコーチ
「まずは橋本英也選手、梶原悠未選手、中村妃智選手、この3人がオリンピック代表選手として名を連ねたことは喜ばしく、この強いチームのコーチとして誇りに思います。過去の日本自転車競技界の中でもおそらくベストなチームが出来上がったと言えるでしょう。
橋本選手はとてもユニークな選手です。スピードと集団の中での戦術に長け、競輪選手でもあるということがこの力を引き出しているのではないかと思います。伸びしろはまだまだあるので、延期によって得た時間を有効に利用したいと考えています。メダルの可能性も大いにあるでしょう。
梶原選手はオールラウンドに何でもできる選手に日々成長しています。世界チャンピオンの称号を手に入れ、オリンピックでもオムニアム種目のゴールドメダリストに最も近い存在であると言えるでしょう。彼女のスピードと加速力は世界でもトップレベルです。精神力もモチベーションも非常に高く、オリンピックに良いコンディションで臨めれば、必ずや表彰台に上がる彼女を見られるでしょう。
中村選手は普段は物静かですが、自転車に乗ると怖いもの知らずな気質を発揮します。女子マディソンで梶原選手とパートナーを組むには理想的な資質を持っています。良いタイミングで梶原選手にバトンを渡すことが彼女の大きな役割となります」
■選手コメント ※カッコ内は出場予定種目
新田祐大(男子スプリント、男子ケイリン) 写真提供:(公財)日本自転車競技連盟
「日本人であれば誰もが憧れる東京オリンピックという大きな舞台で、日本発祥のスポーツであるケイリンに出場できるのは非常に誇り高いことだと思います。僕はこの東京オリンピックで金メダルを獲得することだけを目指して4年間やってきました。(オリンピックの開催が)延期になりましたが、気持ち的には金メダルまでの時間ができて、自分の今欠けている部分を成長させる一年にできるのではないかと感じています。夢の舞台でしっかり金メダルを獲得できるように、日々のトレーニングに全力で頑張っていきたいと思っています」
脇本雄太(男子ケイリン、男子スプリント) 写真提供:(公財)日本自転車競技連盟
「前回のリオオリンピックでもケイリンに出場させてもらいましたが、自分の中で情けない成績だったので、東京オリンピックでは必ず金メダルを獲りたいという気持ちがあります。自国開催ということで、僕にかけられた期待も大きいと思いますが、そこにしっかりと応えていきたいと思っています。他の選手と比べて最大パワーが少し低い部分があるので、そこは最優先で強化したいと考えていますが、僕自身の長所であるスピード、持久力はなるべく落とさずに練習をしていきたいです。今はまだ大変な時期ですが、与えられたメニューと環境の中でしっかり頑張り抜いて、来年の東京オリンピックに向かっていくだけだと思っています」
小林優香(女子ケイリン、女子スプリント) 写真提供:(公財)日本自転車競技連盟
「競輪学校に入学したときに東京オリンピックの開催が決まり、そのときからオリンピックでメダルを獲ることを目標にやってきました。一年延期になったときには正直ちょっと残念だなという気持もありましたが、もう一年準備ができるんだと考え、今は来年に向かって全力でトレーニングを頑張っていきたいです。自分の長所である持久力をもっと伸ばしながら、短所であるトップスピードも上げていければ、良い結果に繋がると思います。あとはレースに向けてのマインドコントロールなども強化していきたいと思っています」
橋本英也(男子オムニアム) 写真提供:(公財)日本自転車競技連盟
「個人的にはオリンピックが延期になったことは非常にチャンスだと思っています。今年の初めにあった世界選手権では自分の目標に届かず、このままだとオリンピックでのメダルは少し難しいのではないかと思っていたのですが、一年延期になったことで準備の時間ができましたし、それによってメダル獲得に近づくことができると考えています。オムニアムは全部で4種目ありますが、最初の3種目を3位以内で折り返せば、最後のポイントレースで金メダルが狙える位置にいると思うので、メダル獲得を目指していきたいです。今は非常に大変な状況ですが、オリンピック開催に向けて尽力してくださっている方々に感謝して、一日一日を大切に来年の東京オリンピックに向けて準備をしていきたいと思います」
梶原悠未(女子オムニアム、女子マディソン)
「オムニアムで必ず金メダルを獲得できるように、有言実行でいきたいと思います。一年の延期は、強くなるために強化する時間が増えたと考えています。スピードを世界で戦える確固たる武器に仕上げ、その強化したスピードをレース中に何度も発揮できるよう持久力のトレーニング、そして戦術の研究に取り組んでいきたいと思っています。本番までの残り一年間、日本代表としての誇りと自覚を胸に、精一杯準備していきたいです」
中村妃智(女子マディソン) 写真提供:(公財)日本自転車競技連盟
「夢の舞台に立つチケットを手に入れたので、メダル獲得を目指して頑張っていきたいと思っています。一番重要だと感じているのはスピード力の強化です。集団の前でより速いスピードで梶原選手に交代するというのが、私のひとつの役割だと思っています。一年後の日本や世界がどのようになっているかは想像もつきませんが、またスポーツで世界中が熱くなれる日を信じて、この一年間トレーニングに打ち込んでいきたいと思います」
>>掲載記事一覧へ