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トラックジュニア世界選手権 |
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ケイリンはジュニアにも定着 |
なによりはじめに正直に言います・・・ジュニアの皆様ごめんなさい!私、ジュニアをなめてましたぁー。「どれどれ将来、有望な選手が育っているかな?」ぐらいの気持ちで見てみたジュニア世界選、ところがドッコイ。とにかく「こいつら、ほんとにジュニアなの?」って子達がいっぱい。テクニックはとりあえずおいといて、タイムはエリートとくらべて遜色ないような選手がゴロゴロいます。 |
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場所はウィーン、フェリーデュジカ・スタジアム、ドナウ川のほとりに建てられた木製インドア250mバンクです。世界中から34カ国261人が競い、日本からも男女合わせて6名の若い戦士たちが参加しました。気になる日本チームの成績ですが男子ポイントレースでは岩手、紫波総合高校の兼平純君が6位、男子ケイリンでは宮城、東北高校の阿部力也君が10位、チームスプリントは8位とまずますといったところでした。 |
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マックス(下)とシロー(上)一騎打ち |
さて全世界的に見ていくとフランス・ドイツ・オーストラリアあたりが、次世代の育成に非常に成功しているように見えます。ここでどうしても名指しで書いておかなければならない選手が2人。まず、ドイツのマクシミリアン・レビーと、それからフランスのケビン・シローです。この2人、とにかくこの大会で目立っていて、スプリントなどは予選の段階からすべてストレート勝ち。他の選手よりも頭ひとつ抜き出ていました。ともに1987年生まれの18歳。来年からエリートの世界選に出てくるって事ですね。 |
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86と111
マックスの方が
ナンバーがよかったか??? |
1kmTT、スプリントともにこの2人で金メダル、銀メダルなのですが、いずれもマクシミリアンが勝っています。ちなみにそのマクシミリアンの1kmTTのタイムは1'03"757、スプリント予選の200mフライングスタートは10"193です。2人は同じ強いのでも、少しタイプが違います。マックスことマクシミリアンのほうは、はじめの1周はわりと平凡なタイムなんですが、ラップを重ねるごとにどんどんスピードに乗っていく、ドイツのステファン・ニムケのようなタイプ。逆にシローのほうは、ファーストラップ250mを17秒台で回ってきてしまうようなスタートダッシュ型、おなじみローラン・ガネのようなタイプです。今のところはマックスに軍配が上がっていますが、エリートクラスに行ってもこの新星2人の戦い、またエリートクラスの海千山千がどう迎え撃つのか、今からすごく楽しみですねぇ。日本の選手たちがこのイキのいい若造たちを料理できるかも興味のあるところです。 |
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ここで、冷静に考えると日本にとっては少し怖い話をひとつ。ギャンブルとしての競輪をはじめて久しいお隣さん、韓国が着実に力を伸ばしてきています。スプリントでは5位、1kmTTは4位、チームスプリントも4位と仏、独、豪の次にジュニアの育成に成功している国といえるのではないでしょうか。このジュニア世界選に出場した選手たちは北京オリンピックの時点では年齢的にも確実に日本が戦うことになる選手たちです。まだ北京オリンピックの出場権獲得条件は発表されていませんが、大陸枠などが設定されたりしたら、開催国中国もいますし、ややこしいことになりますね。 |
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これまで、ヨーロッパやオセアニアの国々をどうやって打ち負かすか一生懸命考えていたのに最も近い国が強敵に育っているなんて・・・少し遅れて自転車にやってきた韓流ブーム、こけおどしではなさそうです。 |
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怯えてばかりいても仕方ないので、話をジュニア世界選に戻しましょう。トラックの世界選手権のあと、ロードの世界選手権が同じオーストリアのザルツブルグで行われたのですが、トラックの世界選に参加した選手のなかにはそのままロードのほうにもでてしまう選手が60名ほどいたということで、まだジュニアの段階では、トラックとロードを掛け持ちする選手が多くみられました。当然、そういう選手は中長距離のほうに多く見られるのですが、短距離でもそれなりにいるようです。どのスポーツの世界も全体的な傾向として低年齢からのエリート化・専門化が進むなか、面白い傾向だと思いました。 |
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一方で、若いうちから怪物が育ってくる傾向は自転車も例外ではないと今回、思い知らされました。つぶやきシローや、安室ちゃんの後ろで踊ってたマックスは、最近あまり見なくなったけど、トラックサイクリングの世界ではこれからドイツの「マックス」とフランスの「シロー」の名前を何度も目にすること間違いなし!覚えてくださいこの名前!! |
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