テオ・ボス。
左が期待の若手ティム・ヴェルド |
この人、ホントにサービス精神旺盛です。しかも、日本人にはなるべく日本語で。心得てますねぇ。日本のファンの心をつかむのにそんなに時間がかからなかったのは、わかる気がします。さて、ピットエリアではじまった彼とのやりとりを以下に。
私:「では、申し訳ないけど・・・日本のファンが君の近況を知りたがってるんでね」
テオ:「OK。近況ね。今年は、日本の国際競輪から戻ったあと、のんびりいい夏休みを過ごしたよ。そのあと夏の間は基礎トレーニングを中心にやっていた。だからレースの練習はほとんどやってないんだ。これからテンションをあげていくところだよ」
私:「今シーズンは何の種目に力を入れるつもり?」
テオ:「スプリントとケイリンとあと、オランダチームという意味ではチームスプリントかな?チームスプリントはちょっとメンバーの入れ替えがあって、ティム・ヴェルドという若手が入ったんだ。3走は若い彼に任せて、僕は2走をやることになったよ。1走は、テアン。知ってるでしょ?」(テアン・ムルダーは2005年世界選手権のケイリンチャンピオン)
私:「そりゃまた強そうだね。日本の脅威だね」
テオ:「でしょ。いいチームだよ。でも、日本も強いよね。ナガツカがいるし」
私:「ありがとう。伝えるよ。ところで1キロタイムトライアルも大事だよね。」
テオ:「実は1キロはもう走らないことにしたんだ」
私:「えぇ?それはショック。オリンピック種目からはずれたことに関係がある?」
テオ:「少しはね。でも、それだけじゃない。自分の可能性をフルに引き出すために種目を絞っていくことも大切なんだ」
私:「わかるよ。では次に行くね。この6日間レースみたいにスプリント系の種目を採用するのが増える傾向にあるみたいなんだけど、どう?」
テオ:「大歓迎!シーズンインの調整に最高だよ」(やはり、彼にとってはショーレースよりUCIの大会の方が大切なようです)
私:「じゃ、ワールドカップは第1戦のモスクワから出るんだね」
テオ:「いや、2戦のマンチェスターか3戦のロサンゼルスかな、他にも6日間レースがあるし」(あれ?意外と6日間も大切?)
テオとレネのスタンディング対決。
止まること5分。 |
私:「OK。それじゃ君の今シーズンの目標は?」
テオ:「やっぱり世界選手権かな?フィジカル面では前より強くなってる自信があるんだ。でもそれは必ずしも結果となって現れない。今年は、自分が進化していることを結果で証明したいんだ」(いいね。いいね。一流アスリートっぽい発言だね)
私:「うん。日本のファンも日本選手とテオを応援すると思うよ。では、日本のファンに何か一言どうぞ」
テオ:「僕は日本の競輪の雰囲気が大好きです。日本の皆さんはとても暖かかったし、最高です。国際競輪で皆さんが“テオー!”と叫んでくれるのが僕のパワーの源でした。僕にとって日本は特別な思いのある国です。できれば、また日本に行きたいし、なるべく早くに皆さんとまた会えたらいいなと思ってます」
私:「ありがとう。次のレースも頑張ってね」
テオ:「ありがとう!もう帰っちゃうの?」
私:「いや、君のレースを見てるよ」
テオ:「OK!楽しんでね」
・・・ということで選手エリアを後にしました。
しかし、ホントにナイスガイですね。強くてカッコよくて性格がいい。非の打ち所がありまへん。日本のテオ・ボスファンの皆さん、あなたのテオは元気いっぱいでしたよ!
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