デュッセルドルフ通信 2008年1月29日
ワールドカップ3/4が終了。日本チーム正念場
 
青い海に青い空。さすがカリフォルニア
青い海に青い空。さすがカリフォルニア
 こんにちは!大変遅いごあいさつになりますが、本年も何卒よろしくお願いいたします。L.A.に行ってきました!素晴らしい!L.A.最高!何が?太陽サンサン!食事もおいしいし、人も陽気だし・・(ってアンタ何しに行ってんの?)
 コホン、エ~もとい。ワールドカップ・ロサンゼルス大会の会場、「がんばって~!」とか、日本語の応援が聞こえることが最高です。日本のライダーたちにとって世界大会は、たいがいがアウェイですからね。こういう応援は力入りますよ。L.A.在住の方も日本から応援に来てくれた方もいたわけですが、ホント感動もんです。
 ついでに、私のデュッセル通信も幾人かの方から「楽しみに見てますよ」と激励の言葉をいただきました。直後に「なかなか更新されないな~、と思いながら見てます」と・・・ん~イタイ!アメとムチとは、こういうのを言うんですね。気合が入ります。ありがとうございます!今から更新が遅い言い訳考えます!(そのパワー、更新を早める方に使えませんか?)
セレブもサンタモニカがお好き?
セレブもサンタモニカがお好き?
 で、なんでしたっけ?私がサンタモニカでジャン・レノを見かけた話でしたっけ?フツーに歩いているから、ビックリしますよね。用心棒みたいな人がグルっと回りをガードしてましたけど、それを突き抜けてスゴいオーラ出してました。イタリア製のスーツが似合うのはああいう人なんですねぇ。「なんか声をかけてみたいなぁ、やっぱフランス語のほうがいいのかなぁ・・・」なんて考えているうちに行っちゃって、もうひと目みようと、道路の反対側に渡って走って先回りして、待ち伏せしたり・・・ほとんどストーカーでした。
 なんで写真撮らなかったかって?カメラなんて向けたら、用心棒から口の中に手を突っ込まれて身体を裏返しにされそうな気がしたので・・・イーンサーイドアーウト!死んじゃいますよ。「私がいなくなったら誰がデュッセル通信を更新するのだ」という使命感がそうさせました。(今度はそっちを言い訳に・・・)
 ん?そうそう、これL.A.セレブ通信ではなくて、デュッセル通信でしたね。自転車のライダーのことを書かねば。では、再起動ボタンを・・・
仲良くロード練習するスプリントチーム。この気候なら練習も気持ちいい
仲良くロード練習するスプリントチーム。この気候なら練習も気持ちいい
 私、テレビのスタッフとよく一緒に行動させてもらうんですが、そのグループでL.A.大会に行くと必ずと言っていいほど行く日本料理のお店があります。「さぬきの里」というんですが、地元でも有名なお店みたいで日本の芸能人やスポーツ選手もよく行くお店みたいです。
 到着早々食べに行ったわけですが、そこで伏見、永井、渡邊、北津留選手たちに遭遇。みんなに挨拶をして、伏見選手にはグランプリ優勝おめでとうを言ったりして「明日練習を見に行きます!」と、自分の席に戻りました。
 まだ残って話していたスタッフが「あー!」とか「おぇー」とか声をあげていたので何か盛り上がってるなと思っていました。我々の席からは選手たちの席は死角でよく見えないのですが北津留選手が割り箸を一本持ってニヤニヤしている姿がチラリ。
 その後、戻ってきたスタッフが「これ、選手たちからお年玉」と持ってきたもの。割り箸の先に黒いものが一滴、チョンとついています。「なんか、昔おなかこわしたときにバァちゃんからなめさせられた梅エキスに似てるなぁ・・・」
 私の心の中「フフフ、私をなめてはいけない。みんなのリアクションからして、なんか辛いものなんだろう。しかし、私は本場のトム・ヤムクンを顔色ひとつ変えずに完食して、翌日オシリが痛くなったほどの男なのだ!(辛さに強いということを強調できているのかどうかビミョーな表現)サインペンで点を書いたぐらいしかついてないじゃないか。こんな一滴ごときに・・・パクリ」・・・「?」・・「!」・・・・「!!!!」「あ゛~、イ、イタイ、口が痛―い!み、水!アワワ、ゲホッ、ゲホッ」おしぼりで舌を一生懸命拭きますが、おさまる気配なし。
 あわてているうちに選手たちは笑いながら「お先でーす」と帰っちゃいました。残されたのは全員が口の痛みに煩悶するテレビスタッフ席。
 だ、誰ですか?!こんなおバカなもん、持ってきたのは!!後で、聞いたら伏見選手らしく「すごいでしょ、アレ。なんてったってハバネロの数百倍って言われてますから!」とうれしそうでした。それ以来、ことあるごとにあのソース(悪魔のソースと命名されたらしい)の話題が出ました。
 伏見選手「あのソースなめるとロレツが回らなくなるんですよね。ヒィャバロネ(ハバネロ)ってなっちゃいます」ネとロが逆になっちゃうあたり、口だけでなく、脳にまで影響があるようです。ドーピングコントロールに引っかかるのではないかと心配するほど強力ですので、選手の皆さん、ほどほどに。「悪魔のソース」は、昨年の終わりごろから始まった伏見選手のブログ
http://www.t-fushimi.com/
に紹介されています。ナショナルチーム情報などもたくさん出ていてとても面白いので是非ごらんあれ。そうそう、ナショナルチーム情報といえば、こちらもご紹介しておきましょう。
http://www.cyclistfan.com/
私のライバルをご紹介するようなものですが、大会レポートのアップは私のものより段違いに早いです。おそらく日本で一番早いトラック競技大会レポートだと思います。力を合わせて、トラック競技を盛り上げて行きたいですね。(私の情報、あてにされなくなったらどーしよー!)
ちょっとしたきっかけで、もっと上へ行けそうな気が・・・
ちょっとしたきっかけで、もっと上へ行けそうな気が・・・
 さて、L.A.大会、日本チームに残念なことがいくつかありました。最も残念なのは飯島誠選手の負傷です。大会レポートにもあるように、落車に巻き込まれて、右肩部分を負傷。その後の情報では、ケガは最悪の状態ではないようですが、伸びた靭帯を戻すのにはある程度の時間を要するようです。やる気十分の飯島選手は既に右肩を固めながら練習を再開しているとのこと。一刻も早い完治に期待しましょう。
 もうひとつは、日本チームがなかなか結果を出せないこと。間近に見ていて、力が上がってきていることを感じるのですがねぇ。個人種目は負けても、前とは負け方が変わってきていますし。あと、少しだけの要素でブレークスルーがある気がします。連戦による疲弊の影響がないといえばウソになるでしょう。
フランス、フランス、オーストラリア。もう、見飽きた!ちなみに4位もオーストラリア!
フランス、フランス、オーストラリア。もう、見飽きた!ちなみに4位もオーストラリア!
 外国人選手と話をすると、特にスプリント系の選手は、自分の限界を超えるような練習を時々して、その後ある程度休み、回復時には前の頂点よりも頂点があがっている、というような、グラフにするとジグザグに右肩上がりをしていくようなピークの作り方をしているようです。一方、スケジュールのつまっている日本選手は常にピークを作りながらも、大くずれを防ぐため、なだらかな曲線グラフのような体調管理をしている選手が中心だと思います。そうすると極端には体調は落ちないが、ドラスティックに右肩が上がっていかないという現象が起きます。このあたりの部分に日本人選手の背負う苦労があるのではないかと私は分析しています。
 モチベーションにしてもそうでしょう。強い選手とはいえ、人間ですから常にやる気100%というわけにはいきませんよね。オーストラリアTOSHIBAチームのライアン・ベイリーなんて、びっくりするほど強いときと、そうでもないとき(それでも強いんですが)が結構はっきりしています。本人に意識があるにせよないにせよ、自然とバイオリズムのジグザグを作っているということなんでしょうね。
 これが、常に強いテオ・ボスやクリス・ホイなどはどうなっているんだろうと思いますが、ふたりとも今回は参加してきませんでしたし、国際大会に参加していないときに全てを緊張から解放してヨダレを垂らして寝ているかもしれませんね(彼らのその姿は想像しがたいですが)。今の枠組みのなかで日本の選手ができることは、それぞれが上手に休むことと、オン・オフの切り替えを早くすることでしょうか。これで、ワールドカップ・デンマーク大会、世界選まではうまく切り抜けて欲しいですね。
 オリンピックの枠さえとれれば、そのあとは、オリンピック中心のスケジュールを引くことができると思いますし、時間にゆとりが与えられれば、戦略を立て直すこともできます。エンデュランス系の方は、飯島選手のケガが心配ですが、こちらも踏ん張り時。無責任に根性論を振り回したくはありませんが、オリンピックの権利が獲れるまでは、気合で行くしかありません。マディソンの相方の盛選手も精神的につらいと思いますが、今は与えられた条件のなかで精一杯のやるしかありません。
これはなかなかの傑作です
これはなかなかの傑作です
とりあえず実物と比較してみましょう
とりあえず実物と比較してみましょう
 
 話がまじめになりすぎましたね。(いけないことか?)オン・オフの切り替えを早くと言ったばかりですからね。(キミはやらんでもいいと思う)
 今回、面白いものを見つけました。永井選手が作ったステッカー。選手は結構、千社札とかオリジナルのものを作っているんですが、これにはやられました。永井選手がバッグに貼っているのを見つけて話をむけたところ、「スゴイ似てますよねぇ。エヘヘ」と本人もその出来栄えに満足している様子。
 これ、作った人がうまいのか、永井選手の顔が作りやすかったのか・・・たぶんその両方なんでしょうけど。なんかおかしくて、思わずおねだりをしてしまいました。次の大会でもらえる約束なんですけど、人気でそれまでになくなっちゃわないか心配です。
 さて、もう一ヶ月もせずに次のコペンハーゲン大会がやってきます。ワールドカップ本戦以外のお楽しみは、もうおなじみ、インターナショナルケイリンイベント。マンチェスターからコペンハーゲンに場所を移した今年も日本と世界のケイリンライダーがガチンコ勝負です。
 すでに外国人選手のエントリー受付がUCIのホームページで始まっています。エントリー選手のなかから、UCIがケイリンスペシャリストという観点で12人をセレクトします。
 L.A.大会スプリントで優勝したロベルト・キァッパやマレーシアの松岡修造・・・じゃなかったクレバーな熱血漢、ジョサイア・ヌグなどは鼻息荒く、私に向かって「絶対に出るからな。待ってろよ!」とシュワちゃんばりに「アーイルビーバック!」状態で宣言してました。カリフォルニアだけに。(なんでこういうムダなオチをつけたがるのかな)
このところ一気に力を増したケビン・シロー。“ミースター、アーンダーソン”って言ってみて!
このところ一気に力を増したケビン・シロー。“ミースター、アーンダーソン”って言ってみて!
 このL.A.大会で、成長の著しさを見せつけたケビン・シローなんかにも出て欲しいですね。マトリックスのエージェント・スミスみたいな顔しちゃって、エライ強いんですから。
 それを迎え撃つ日本人ライダー7人は決定済み。2007年グランプリチャンピオン伏見選手を筆頭にナショナルチームの永井選手、渡邊選手、北津留選手さらに岡部芳幸選手、手島慶介選手、佐藤慎太郎選手とゴージャスラインアップ!「S級S班のプロモーションですか?」とか「福島の並びはどうなるんでしょう?」なんて冗談を言いたくなりますが、これがまた面白そう!
 昨年、国際競輪で日本に戻った時に会った佐藤選手に「国際大会にもタマには顔を出してください!」と冗談を言ったら、「ボクは世界を走らせたらスゴいっすヨ!」と、あのブ厚い胸をはっていました。そのコメントの直後に運送会社から運ばれてきたリモワのケースがぶっ壊れていて「おぉぉぉぉお!」と頭をかかえていましたが、きっと修理したリモワでヨーロッパに駆けつけてくれると思います。
 インターナショナルケイリンの日本選手は発走直前に悪魔ソースをなめて、水の飲みたさに間違いなくワン・ツー・スリーです。(ヨーイ、ドンでバカ駆けする可能性あり)どうぞご期待あれ!(オン・オフはいいがオフで終わってどうする?)
 
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