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世界選手権終了。オリンピックへの枠は取った。 オリンピックへのスタンディングスタート、カウントダウン開始だ! |
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マンチェスター市長。胸のメダルは、きっと「ロード」とか「サー」とか偉い称号のつく人しかもらえないものなんでしょうが、私はどうしてもラッパーを想像して、「エミネムのお父さん」ぐらいにしか見えません |
地面が揺れるのではないかと思うほどの歓声。自国、他国の選手に関らず、健闘したものに対する惜しみない拍手、そしてこれが人生最後の日であるかのように死力を尽くしてぶつかり合う選手たち。これだ。これが世界選なんだ!
いやー、あらためて思い知らされましたね。スピードチャンネルのライブ中継をご覧になった方もいらっしゃると思いますが、今回の世界選は本当に素晴らしかったです。もう、ホント幸せ!マンチェスターは名実ともにトラックサイクリングのメッカになった感があります。
激戦が予想された世界選、やはり素晴らしいものは最高の状態で記録しないと・・・などといろいろな理由をつけながら、とうとう最新のデジタル一眼レフカメラを購入しました!!カメラの進歩ってすごいですねぇ。僕の腕でも前よりかなりいい写真がとれるようになりました。(「デュッセル通信の写真がショボい」という批判を、「カメラが悪い」ということでかわしてきた私ですが、もうこれで通用しなくなりました)連写モードもカシャカシャカシャカシャって、すこぶる快調。いい音がします。
そうは言っても、私が買うカメラなんてたかが知れているわけで(お?予防線か?)やはり砂田さん(デュッセルペディア:砂田弓弦-スナダユズル-自転車写真と言ったらこの人、というほどの名カメラマン。イタリア語、英語など多国語をあやつり、自転車競技における非常に広い人脈を持つだけでなく、いいカメラポジションゲットのための競りにも強い。競輪選手だったら、中割りが得意と思われる。でも普段は、やさしくてちょっぴりエッチで、おチャメなおじさん ※この項目は人物に関する書きかけ項目です。この記事を加筆修正してくださる協力者を求めています)のカメラなんてスゴイ音がします。
連写のときなんて、カシャカシャなんてかわいい音じゃなくてズババババババババって言いますから。連写というより連射です。あれ、弾入ってたら、クリス・ホイなんて今頃ハチの巣状態ですよ。あのカメラ欲しいなぁ・・・「あ、やめて下さいよ砂田さん、そうやって後ろから覗き込んでボクの撮った写真チェックするのは!恥ずかしいじゃないですか!」
さて、今回、例によって日々のレポートはプロフェッショナルの記者さんたちが書いてくださるので、私は出番なし。デュッセル通信用ネタを探してニッチなニーズをうめるべくチョロチョロしてみました。UCI会長パットマックェイドをして、「歴史の中で最もサクセスフルなトラック競技の世界選」と言わしめたマンチェスター大会、この大会の運営にはマンチェスター市の強力なバックアップがありました。 |
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ブラッドリー・ウィギンス(右)とマーク・キャベンディッシュ。とにかくブラッドリー大活躍の大会だった
クリス・ホイ。ありえないぐらい強い
ビクトリア・ペンドルトン。スリムな身体に熱い闘志。ゴーグルの奥の瞳は何をとらえているのか
ケイリンファイナルはまさにデッドヒート
常にインタビュー攻めのビッキー。今大会では、なかなか彼女に近づけなかった |
スポーツシティとして売り出し中のマンチェスター、もちろんサッカーのマンチェスターユナイテッドの人気はご存知のとおりですが、今年はこのトラック競技の世界選手権を皮切りに水泳の世界選手権、パラリンピックワールドカップ、UEFAカップのファイナルなど6つのワールドクラスイベントが次々と行われます。マンチェスターの市長さんも会場に来て、要人たちの応対に当たっていらっしゃいましたが、国そして地方行政が一体となってスポーツ強化に本腰を入れると、こういう結果になるんだというのを今回の世界選では見せつけられた気がします。
イギリスチームは金9つ銀2つで合計11のメダルを獲得。なかでもメダルを量産したのが、個人追い抜き、団体追い抜き、マディソンに出場し全て金メダルのブラッドリー・ウィギンス、チームスプリント、スプリント、ケイリンのクリス・ホイ。こちらもすべて金。それからチームスプリント、スプリントで金、ケイリンで銀のビクトリア・ペンドルトン。最後の種目ケイリンではアメリカのジェニー・リードに金を譲り、2年連続の3冠を逸してしまいましたが、あの走りがあの小柄な身体のどこから生まれるのか不思議です。スポーツ新聞にも「Victoria’s Secret」(デュッセルペディア:女性用大手下着メーカー。商品はスケスケなのとか、ちっちゃいのとかセクシーなものが多いうえに、超一流のモデルさんを使っているだけにカタログは鼻血もの)なんて、強さの秘密とかけ言葉にした見出しがでていました。「なんで、女性の下着にそんなに詳しいんだ?」という質問はいいっこなしにして、そのビッキー・ペンドルトンの下着・・・じゃなかった秘密は、なんなんでしょうねぇ。
あるイギリスの新聞のインタビューに答えて、彼女はこういうことを言っています。「はじめて、ナタリア・ツィリンスカヤ(ベラルーシ、トラック短距離系では実績一番の女子選手)と同じスタートラインに立ったとき、“私はここに何をしにきたのだろう?”と身の危険を感じたわ。“早く逃げ出さなきゃ、プライドとか言ってる場合じゃないわ”と。彼女は私よりも少なくとも10kgは体重があって、すごく大きく見えたの。でも、私でも勝てた。シャープな肘は大きな腿と同じくらい重要なのよ。確かに身体が細いというのは、実際不利かもしれない。でも私の身体を見れば、ステロイドなんて使ってるわけがないということがわかるでしょう。私が勝ち続ける限り、少なくとも私はクリーンだし、ドーピングしなくても勝てるということを証明することになると思うの」
2007年イギリススポーツジャーナリスト協会が選ぶ、スポーツウーマン・オブ・ザ・イヤーに輝いたビッキーは授賞式ではF1のルイス・ハミルトンなどビッグネームたちとも親交を深めたといいます。「有名になっても生活はなにも変わらないけど、ウィンブルドンのロイヤルボックスに呼んでもらえたのはラッキー!」と無邪気に喜んでいたとのこと。声をかけるといつもかわいい笑顔でニッコリ笑う、強くてもスレてなくって偉そうにしないところが魅力です。化粧してレースにのぞんだり、おしゃれも忘れないビクトリア。スキニージーンズの履ける(真偽は未確認ですスミマセン)スプリンターとして、オリンピックでも注目ですね。 |
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テオvsクリス。一本目は奇襲でテオが取ったが・・
健闘をたたえあうクリスとケビン。心のなかでは2人とも「オリンピックはオレが勝つ」と思っているだろうか |
8年前、おなじマンチェスターで行われた世界選時のイギリスチームの成績は金メダル1、銀メダル1、銅メダル2。結果だけからみると8年より短い期間で、この今にもトラックサイクリングを完全征服しそうな自転車大英帝国ができあがったことになります。国がトラックサイクリングを重点強化の種目に指定し、お金も頭脳もつぎ込んだ策がイギリスはまんまと成功しています。オリンピックでも、中心的活躍をすると思われますが、そうすんなりは行かないのが、やはり世界最高のスポーツの祭典です。
今回、いまひとつ調子がでなくって、クリス・ホイの後塵を拝したオランダのテオ・ボスや、今回も最後までスプリントでホイに食い下がったフランスのケビン・シロー、女子では、ロサンゼルス大会での落車の影響で出場してこなかったオーストラリアのアナ・ミアーズや、ワールドカップ総合チャンピオン、オランダのウィリー・カニスなんかが、すんなり引き下がるとは思えませんものね。 |
初シーズンながら、よく頑張ったマディソン日本チーム。今後がますます楽しみ |
さて、そろそろ日本の話をしましょうね。既に報道があったとおり、日本はトラック競技でチームスプリントが1、そのチームスプリントによって得られた枠をあわせてスプリントが2、ケイリンが2、そしてポイントレースが1という枠を獲得しました。すでにB世界選で獲得していた女子スプリント、女子ポイントレースとあわせると6種目、のべ10人のライダーが走ることになります。
正式にはUCIからJOCへの通知を待つことになりますが、およそ間違いはないと思われます。初出場が期待されたマディソンは私の手元の計算では、13チーム選抜されるUCIランキング分で選抜順位14番目と本当に惜しいところまで行きました。マディソンは事実上、今シーズンが世界へのデビューシーズンだったわけですから、本来であれば「これでよし」と言えるんですが、オリンピックまであと一歩だっただけに残念でなりませんね。スポーツマンシップには反しますが、「どこかのチームになにかおこらないか」などとつい、願ってしまいます。 |
伏見選手。道中も非常に落ち着いていた |
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今シーズン、ワールドカップでも世界選でもメダルに届かなかった日本チームですが世界選での走りにいくつか明るい希望が見られました。
まず伏見選手の積極的な走り。ワールドカップ大会では勝ちにこだわるあまり(ある意味、重要なことではあるのですが)前に出るタイミングが遅くなる傾向がありましたが、特に今回の予選の競走は全く躊躇が感じられず、「来るなら来てみろ!」という声が聞こえそうな競走でした。ワールドカップでは予選が1着のみの勝ち上がりで「敗者復活まわりは圧倒的に不利。なんとしても予選で“1”を獲らなくては」という強い思いが競走を小さくしてしまったのかもしれません。今回は2着まで進出できる方式で心に余裕が生まれたのもいい方に作用したと思います。
オリンピックは24人出場の勝ちあがり方式で、予選は2着までダイレクトにセカンドラウンドに行けるはずですから、今回と同じ気持ちで行けるということですね。今回の競走で脚力が世界のトップに通用することをやっと証明できた伏見選手。「これまでの欲求不満と借りを返しました!」と握手に答えてくれ、昨年末のケイリングランプリ以来のいい笑顔を見ることができました。 |
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逃げをうつ盛選手。「あと1しゅぅぅぅう!捕まるなァァァ!」と思わず叫んでしまった
永井選手。「スプリントももっと上に行けたのでは?」と思ったほど、力が上がってきた |
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そしてスクラッチで6位だった盛選手。順位は6位。でも、その走りはメダルに値します。逃げて逃げて最後の最後で次々と差されてしまったわけですが、並の選手なら、ああいう形で逃げてしまうと、最終ラップを待たずにズルズル下がって、アボ~ンです。あそこで「行こう」と思えるということは、自分の逃げ脚に自信を持っている証拠ですね。今シーズン、盛選手が逃げる姿を何度見たことか・・・このスタイル、今後も変えずにさらにパワーアップしてほしいですね。満場のイギリスファンも盛選手の走りに沸きに沸いていました。マディソンでの出場枠がとれない限り、盛選手がオリンピックで走るのを見られる可能性は低いのですが、今後も、魅せる走りのできる「走りのエンターティナー」盛選手をお忘れなく。
それから、永井選手。調子上がってきてますね。チームスプリントの第3走としてのラップタイム13″474はクリス・ホイよりも速いタイム。13″4台というのはアテネオリンピックでの井上昌己選手の最速タイム(13″460)とほぼ同レベルということになります。ずっと「井上さんのタイムが目標です」と言ってきた永井選手。早々とその目標レベルに到達した今、さらに上を目指すのみ。あと4ヶ月でどれだけ縮まるか楽しみです。
ただ、チームスプリントにおいて他の国のことを考えると、おそろしくなることがあります。アテネオリンピックでは優勝国ドイツの総タイムが43秒9台。「44秒を切ったのか!」と驚いたものでしたが、今回の世界選、フランス、イギリス、オランダの表彰台3チームとも43秒台。優勝国のフランスにいたっては43″271です。会場もこの記録に唖然。今のところ日本はトータルタイムで1.7秒ほどの差をつけられていますから、急がなくてはいけませんね。 |
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会場の生歌を聞くフランスチーム。うれしそう |
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このチームスプリントの表彰式ではフランスの国歌が出だしのみで、プツッと切れてしまうハプニングがありました。とっさに会場のファンの誰かが、フランス国歌を歌いはじめ、その歌に他のファンが次々と加わり、最後はフランス国歌、ラ・マルセイエーズの大合唱。これには私も感動しました。選手たちもテープの国歌より何倍もうれしかったことでしょう。これも、最高のパフォーマンスを見せてくれたフランスチームへの会場からのごほうびなんでしょうね。「やっぱスポーツっていいなぁ」って、当たり前のことをしみじみ思いましたね。しかし、よく人の国の国歌知ってますよね。お隣の国と言っても、日本人が韓国の国家を歌えるようなものですからね。感心しました。まぁ、なかにはまわりをチラチラ見ながら「アーアー、オーオー」言ってただけの人もいましたけど・・・ |
さて、世界選手権が終わり、一息ついたような気になってますけど、今年はここで終わらないんですね。オーストラリアチームは、まだ公に発表はしていないようですが、世界選最終日の夜にオリンピックへ行ける選手が本人たちには告げられたようです。フランスチームもこのまま選考会を行うことなく、これまでのパフォーマンスを見てメンバーを決定するそうです。一方、イギリスチームはこれからまた選考会が行われ、最後までチーム内の競争が続くとのこと。
各国さまざまですが日本チームのメンバー発表も、そう遠くのことではなさそうですね。あぁぁ、なんか私、この時期ヨーロッパにいていいんですかね?(皆さんに聞くなよ)アジア選手権がもうすぐ奈良であるというのに見に行かなくていいんでしょうか?だれか、日本に帰るお金ください!(他力本願かい!)
いいデジタル一眼レフで記録する前に、日本チームの走りを自分の脳裏に記録するのが先だったかもしれませんね。ヒッチハイクだと、モンゴルあたりで行き倒れてパオのなかで優しいしわくちゃのおばあちゃんから何の動物の乳だかわからないミルク状のものを与えられて、手当てを受けているところ(すごい具体的な想像やね)くらいでアジア選手権終わっちゃいそうですしねぇ・・・ヨーロッパにいながらも情報あつめにいそしみます。 |
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ところで、皆さんのなかで世界選手権のライブ中継、見逃した方、ダイジェスト放映を是非ご覧になってください。この世界選は本当にすばらしい競走がいっぱいでしたし、これを見ておくとオリンピックの楽しめ方が違います。まだ放送日は決まっていないようですが、NHK BS1できっと放映されると思います。放送日が決まればkeirin.jpでもお知らせするはずですので、お楽しみに。
さて、次回は少しずつオリンピックの代表選手が各国とも決まってくると思いますので、トラック競技、海外注目選手の紹介とともに勝手にその選手たちに枕詞をつけてみようと考えています。たらちねの・・・じゃないですよ。長塚智広選手に「ロケットスタート」という代名詞がついていますが、はじめにつけた人ファインプレーですよね。アレです。昔、古館伊知郎さんが競輪の実況をされていたときに神山雄一郎選手に「まくり狼」とか。私には、そういうセンスないので、もし次回別のことを書いていたら「面白いのを考えつかないので、企画倒れしたんだな」と思ってください。何事もなかったかのように別のこと書きますから、たぶん(あまりに無責任)
では、今回はこのあたりで。あ、もし皆さんで面白い枕詞思いついたら、
こちら まで送ってくださいね、日本人選手でも外国人選手でもいいです。できたら、理由も書いてくださるとうれしいです!(企画倒れにならないように皆さんの知恵を借りようとしている雰囲気アリアリ) |
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