デュッセルドルフ通信 2008年7月5日
あと1ヶ月。北京は目の前だ!
 
  「そろそろデュッセルドルフ通信、更新ですか?」渡邉一成選手に声をかけられる。ギクゥゥゥッ!「ア、アハハ。みんなに久しぶりに会ったから、もうすぐ書けるかもぉ。ハハハ・・・」
  いやぁ~もう、すみませ~ん。「あいつ何やってんだ?」と、選手をはじめいろんな方がチェックしてくれてることは、本当にうれしいですね。でも、なんかオリンピックも近うございますでしょ。いろいろ野暮用も多くて・・・
  「言い訳を考えているヒマがあったら書け」そのとおりですねー。鋭い言葉ですねー。これ、標語としてデスクの前に貼ることにします!うん、相田みつをっぽく書いて貼ります。半紙と墨、半紙と墨。筆はどこだっけか?・・・←「墨をするヒマがあったら書け」そうですよねー(汗)。
  「人間だもの。そんなときもある」んー、こっちのほうが、かなり相田みつをっぽいですね。これにしましょ!ネ!(うまくすりかえたつもり?)
  渡邉選手に会えたということは・・・そうです!私、はるばる日本に帰ってまいりました!東京ドームで開催されたニッポン自転車オリンピックチーム壮行イベントのために!
  久しぶりに帰った日本。はじめに目に付いたのは「クールビズ」ですね。電車に乗っても「クールビズにあらざるもの人にあらず」という雰囲気で、みーんなオシャレなシャツになりましたねぇ。ヨーロッパのオシャレもかっこいいのですが、日本もなかなかになってきましたヨ。体型などを考えると日本人は日本で買ったほうがジャストフィット!だと思うので、私、日本に帰ったときに服なんかも結構、買って帰ります。今、メンズスーツはスリムフィット全盛!「これは、乗り遅れてはイカン!」とデパートに向かったわけですが、「ちょっとだけやり過ぎ」が私のクセなんですよね。スーツも「中途半端なスリムはいかんだろ」と勝手に思い込み「やっぱこれっしょ」と手に取ったスーツ。い~い具合にやり過ぎてて私の心をくすぐっちゃいました。
私「あのー、試着していいですか?」
店員さん「もちろんです。こちらへどうぞ」
シャー(カーテンを閉める音)うーん、ん?こ、これは・・・(今、なんかプチッって音しなかったか?)
試着室から出て「ど、どうです・・か?」←なんとか無理やり穿いた感を消そうとして顔がこわばっている
店員さん「あ、えーと、ひとつ上のサイズを探して参りますね(あっさりダメかよ!)」(戻ってきて)「申し訳ありません。シーズン終わりということもあって、在庫はこのサイズのみでした。別のデザインを見てまいりますので少しお待ちください」
私「あ、あの・・・(僕はこのデザインが・・・ちょっとやり過ぎのこのデザインが・・・)」
  その後「こちらなどいかがですか?」といくつか提案されるも、一度「ビビビ」とターゲットオンしたスーツをあきらめきれず、店員さんの説得を開始(完全に本末転倒だが、この場面においては本当の意見などどうでもよく、うそでも「お客様、全く問題ありません。お似合いですよ」という言葉を聞くことで、自分を納得させたがっている)
私「しばらく穿いていると生地がのびるとかないんですか?」
店員さん「ま、あ、多少はございますね」
私(たたみかけるように)「少しコシ穿きにして・・こんな風にホラ!結構いけそうですよね!」(もはや脅迫)
店員さん「そ、そうでございますね。上着はいかがですか?」
私「そうそう、上着ねハイハイ着てみます」
店員さん「あのー、お客様、上着のボタンはいつもお留めになりますか?」(「そもそも前のボタンが留まらないようなスーツのサイズが合っているわけがない」ちびまる子ちゃんのキートン山田さん風に)
私「留めないときもあります。っていうか今日から留めません!!!」(もはやヤケクソ)
  お買い上げ~!フッ・・・勝った。店員に認めさせてやった。やっぱあそこで引き下がっちゃ、男じゃないよな。(どんな満足感やねん)
  しかし、帰って冷静になってから、もう一度着てみるとズボンの股間の部分はとっとこハム太郎の口みたいになっているし、デザインで入っているストライプがビミョーに曲線を描いているし・・・ちょっと、やり過ぎちゃった感が否めません(それを望んでいたのではないのか?)まぁ、仕方がない。女の人からチラチラ見られても「どう?ハム太郎カワイイでしょ?ヒマワリのタネがだ~い好きなんだよぉぉ!」と・・・←こわいから。冗談ぬきで。
  私程度でこんなになっちゃいますから、細身が流行る最近は自転車の選手は大変ですよ。よく「着る服がなかなか見つからなくて・・・」なんて選手が言っているのを聞きますが、ほんとにそうでしょうね。でも、選手たちのスーツ姿は、またカッコイイですよね。たまにしか着ないから、これまたいい。しかも、やはりタイトに着るスーツはボディそのものの形をかなり反映しますから、完成されたボディをもっているスポーツ選手は、相当いけてます。
  日本オリンピック選手団の開会式用、式典用などのジャケットやスーツも発表されていますが、それに身をつつんだ自転車チームはみんなかなりカッコイイと思いますよ。まぁ、男子選手は、ズボンの部分はハム太郎&ストライプが曲線だと思いますけどね。
選手の登場する第2部の始まる前から、選手たちを近くで見ようとお客さんが集まる
選手の登場する第2部の始まる前から、選手たちを近くで見ようとお客さんが集まる

マスメディアの取材が多く、なかなか選手に近づけない
マスメディアの取材が多く、なかなか選手に近づけない
  さて、やっと本題。ニッポン自転車オリンピックチームの壮行イベントも兼ねた東京ドームのサイクルフェスタ08(6月26日開催)は、大盛況!東京ドームは、バンクが地下に格納されていて、それを稼働させると、りっぱな400mの走路が出来上がるのはもう皆さんご存知ですよね。このイベントのおかげで久しぶりにナショナルチームのメンバーと会えましたが、みんなとても元気でした。全員マスメディアの取材、レース、トークショー出演と、めまぐるしいほど過密なスケジュールで、なかなかゆっくりは話せなかったのですが、話のできた何人かの様子をお伝えしますね。
  まず、渡邉一成選手。東京ドームのトラックを走るのは、競輪学校在学中以来2度目とのこと。直前に前橋で行われた全日本選手権トラックでは、スプリント優勝。「スプリントの決勝は、その前に練習をかなりしたせいで疲れてました。チームスプリントにも出場していたし、"これじゃ北津留にやられるかな"(決勝は北津留選手との戦い)と思っていたんですけど、1本ずつとって3本目、先行して、"そろそろ来るな"と思って後ろを見たら来てなくって、アレ?って感じでした。北津留も疲れていたんですね。この調子でまだまだ上げていきたいです」なんて言ってましたよ。
  その北津留翼選手ですが、全日本トラックではスプリントの予選、200mTTで、日本新記録の10″181を叩き出しました。その話を向けると「ハイ。一時期よりだいぶいい感じになってきました。まだ、何の種目に出るかちゃんと聞かされていないので、今は全体的なスピードアップ、スキルアップを目標に練習しています」と、どの種目でもドンと来いみたいです。
  永井清史選手は全日本トラックケイリン優勝。「調子キープしてますね」と言うと、うれしそうに「ハイ、なんとか。でも、結構いろいろ忙しくて・・・もっと練習が・・・」と、早く練習に集中したい様子。
 そして、取材もさることながら、いろんな所でお客さんに声をかけられて、あっちに引っかかり、こっちに引っかかりなかなか自分の思うところへいけない長塚智広選手。そんな状況でも、北津留選手を捕まえて「トークショーの時、ステージに上がったら、オレがふるから織田裕二のマネで(お客さんが多くて)"東京ドーム封鎖できません!"って言えよ」北津留選手「えぇ?それって寒くないですか?」「恥ずかしがったらスベる。迷いなく行かないと。(盛り上がるかどうか)お前にかかってっから。イイね!」と、お客さんのツカミ指導。(その後、北津留選手はトークショーの時、言われたことを忠実に実行・・・ビミョーな空気が流れるも、長塚選手からのフォローなし 笑)ムードメーカー健在です。
新聞、雑誌はもちろんテレビの取材も多く・・・
新聞、雑誌はもちろんテレビの取材も多く・・・
  最後にマスコミの取材がもっとも多く、スケジュール詰め詰めだった伏見選手。いろんなところで開催される有志壮行イベントに引っ張りだこのようで、少しお疲れモードでしたが、表情は明るく、これからしなくてはならないこともしっかり見えているようでした。ドームに来るまでも、かなりハードなスケジュールだったようですが、取材や出演時にはそういった顔を見せないところはさすがです。スケジュールはきつくても、あれだけの数のお客さんが応援に駆けつけてくれたことは、とてもうれしかったのでしょうね。他の選手もみんなイベントの雰囲気をとても楽しんでいるように見えました。
選手たちがステージに上がるとお客さんの大移動が始まる
選手たちがステージに上がるとお客さんの大移動が始まる
  オリンピックチームが、取材やら出演やらでバタバタするそのすぐ後ろで、「テルマちゃ~ん、一緒に写真とって~!」と、無邪気にパタパタ走る競輪S級S班小嶋敬二選手と手島慶介選手の姿。け、競輪のスーパースターが・・・いや、わかる!その行動!ゲストで来てくれた女子大生シンガー青山テルマさんの歌唱力の素晴らしいこと!リハーサルの国歌斉唱を聞いただけで、私も完全にとりこになりましたから。競輪選手だって、ミーハーな気持ちになりますよ、それは。
スプリントのデモレース。大学生の選手相手なので、当然といえば当然だが、ぶっちぎりで勝利
スプリントのデモレース。大学生の選手相手なので、当然といえば当然だが、ぶっちぎりで勝利
お客さんと競り合う勇気がなかったので、大型スクリーンの写真で勘弁してください(泣)
お客さんと競り合う勇気がなかったので、大型スクリーンの写真で勘弁してください(泣)
  さてさて、全く別の話になりますが、長塚選手と一緒にいるときに長塚選手の知り合いの、メッセンジャーの方々と遭遇。みなさんを紹介してもらいました。その中にメッセンジャー世界一のSHINOさんという方がいました。つい最近、メッセンジャーの世界選手権がカナダのトロントで行われ、史上初の日本人1位に輝いたんですって!日本のストリートトラッキーもやりますね!SHINOさんも「金メダルつながりということで、是非オリンピックで金メダル獲ってください」って言ってました。今度はオリンピックチームが「トラック競技の中心日本にあり!」を見せるときですよ。
  このメッセンジャーの方たちがプロデュースするクラブイベントの呼び物のひとつに「ゴールドスプリント」と呼ばれるバーチャルレースシステム(自転車型の拡張コントローラーのついたWii豪華版みたいなものか?)があり、「"KEIRIN"ってカテゴリーを今度作りますから、選手集めてもらえます?」なんて長塚選手が頼まれてましたから、オリンピックが終了したある日、どこかのクラブに競輪選手大集合みたいなことが起きるかもしれませんね。
長塚選手「僕、正直、かなり速いと思いますヨ(真顔)」←当たり前でしょ(笑)!!!
  さて、トラック競技オリンピックチームの直前合宿はフランス・ボルドーです。
  渡邉選手がこんなこと言ってました「いやー、ボク合宿はLAがよかったんですけどねぇ。フランスですからね。LAいいですよね。え?今シーズンはワールドカップもLAないんですか?マジですか?えぇぇ?(すごく落胆)」渡邉選手、LAでなにかいいことでもあったんですかね???まぁ、今年のはじめ、単独LA入りして、練習を積んでいた渡邉選手にとっては、LAは庭みたいなものなのかもしれませんね。
  今頃は全員がボルドーに入って、最後の仕上げにとりかかっているところでしょう。この1ヶ月は一番ダイジです。特に男子スプリントチームにとっては、頭の中を本当にオリンピック一色にできる1ヶ月ですから。「すべて忘れて集中」日本や、近隣国ではなく、遠く離れたヨーロッパでやるというのには、そういう意味もあるのかも知れません。でも、どんな練習しているのか、皆さん興味ありますよね?
  オリンピック本番直前の練習ですから、私もなるべく選手たちの集中のジャマにならないように・・しかし、日本トラックチームを応援してくれる皆さんに各選手の様子をお伝えするという大きな使命もありますし!なんとか星飛雄馬のおねえさんのように(そうそう。ジャマにならんようにな。アンタ、「ちょいやり過ぎ」がクセやからな)取材してくるつもりですのでどうぞお楽しみに!今度こそ、そんなにお待たせしないつもりです!アーイルビーバック!ドーント、チェンジ ザ チャンネル!(インターネットですけど)
  さてと・・・半紙と墨は・・・(まだ書く気ですか「人間だもの」を・・・)
 
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