しかし、私が去った後も、「デュッセルドルフ通信」は終わるわけではなく、私の後任が、しっかりやると思いますのでどうぞ引き続きご愛顧ください。もちろん、私もヨーロッパは離れますが、自転車競技にはずっと関っていきたいと思っていますので、またどこかで皆さんにお会いできたらいいなと思います。
私が世界選の会場で私の後任を各関係者に紹介していたとき、強く心に残った言葉があります。現在最強のイギリスチームをこの人が作ったと言っても過言ではないでしょう。ブリティッシュサイクリングチーム総指揮官デビッド・ブレイルスフォードが私の後任にかけた言葉ですが「He was doin’ very well so it must be very hard to follow. Anyway, Welcome on board!」船や飛行機など、乗り物に乗ったときに「本船にようこそ」「よく乗ってきたね」みたいな意味で使う言葉ですが、我々自転車競技関係者はファンも含めて、同じ「サイクリング号」という船に乗っているようなもの。このスポーツの将来はその乗員ひとりひとりが作っていくものなんですよね。船を前に進めるためには、それぞれの利益はありながらもお互いが船全体のことを考えていかなくてはなりません。サイクリング号の乗員のひとりとして、これから何をしていくべきか、まだ私には明確な答えは出ませんが、今後もしっかりと考えて続けていきたいと思います。