デュッセルドルフ通信 2010年6月30日

アツいワールド・カップ!

 
 いやあ、盛り上がってますか?サッカー・ワールド・カップ!頑張ってご覧になって寝不足になったりしていませんか?それにしても、いやあ、やりましたね。日本代表!前回のこちらドイツでのワールド・カップでは良いところなしの予選敗退でしたが、初めて日本以外での開催で勝利して、同じく初めて予選も突破してくれましたね!
 こちらも今回は遠い南アフリカでの開催ということもあって、なんだかまだまだ先の話、というか南アフリカって大丈夫なの?ちょっと前までやばいって話だったじゃない?なんて感じでしたが、だんだんと電車の中でワールド・カップ特集の雑誌を読む人やワールド・カップ絡みのCFやら、ワールド・カップ便乗商品なんかが登場しだし、やはり日に日にその機運が高まりだしたなあ・・・という感じでしたが、やっぱりドイツの初戦となると完全に皆さんワールド・カップ・モード突入!それが4-0でオーストラリアに圧勝で一気に爆発!という感じでした。ちなみにWC特集の日本代表の欄に出てくるのは岡田監督、中村俊輔選手という組み合わせがほとんど、ドイツのものに関してはこれに長谷部選手が絡んできたり・・・といったところでしたでしょうか。
 予選リーグでの日本の試合は毎試合、ドイツが試合をした翌日にキック・オフ!という状況でしたもので、なす術なく手も足も出なかった、サッカーではアジアの一国であるオーストラリアが打ちのめされたのには「やっぱり世界は違うか・・・」という思いを持たされたりもしましたが、あやかってここで最低引き分けを!と思っていたカメルーン戦。で、そこでなんと1-0勝利とは!ドイツだけでなく我々日本も盛り上がっていくぞおお!という感じになったのでした。が、しかし、この試合、どうやらその後のダイジェストや中継で、ドイツでなんと言われていたのかと聞いてみると・・・「今大会中、いままでで一番つまらない見る価値のなかったゲーム。」「見るには時間がムダだった。」「まるで子供の試合のようだった・・・」とさんざんな内容・・・いいんです、勝てば!なんて言ってみたりしましたが、淋しい気持ちも・・・いやいや、いいんです、勝てば・・・
 続くオランダ戦はその子供の試合のようにでなくて大人の、なんでしょうか、初戦で快勝したドイツが初戦でガーナに負けていたセルビアによもやの敗戦、そしてストライカー、クローゼがレッド・カード退場で次戦も出られない、というドイツがなんだかどよーん、とした雰囲気になっている中での試合。お隣オランダは優勝争いに絡んでくるだろうと下馬評も高く、なんだかムードはオランダ圧勝といった感じ。私はこの日、とある田舎町にいたのですが、小さな町の数少ないカフェにあるモニターの前を選挙するオレンジ軍団を発見!皆で画面に食い入りながら悲鳴とため息をあげるその中高年、その数30といったところ。こちらが近づいていくと、「おー!日本人か?おー日本人だ。こんなとこに日本人だ。」という感じ。手をどうもとばかり上げて更に近づき画面を見ると前半30分で0-0。後で振り返って見たところ、オランダがほとんどボールをキープしながら攻めきれない、という展開の最中だったようですね。ひとりふたり、ちらちらこちらを笑顔で気にしてくれているようでもあったのですが、ほとんどのお方からすれば招かれざる客・・・というかただのじゃまもの、とっととあっち行け感ありありでしたので、じゃっ!とまた手を上げて立ち去ってみました。というか、あの方たち、どうみても観光客なんですが、あの店でワールド・カップ観戦というのはもともとツアーの日程に組み込まれていたんでしょうか?
 ドイツは開催国南アフリカとの時差がなく、ありがたいことにこちらでは基本的に1日に3試合行われていた予選リーグの3試合目が夜の8時半から開始という非常に良い時間帯。日本では夜中3時半から、ということもあって最初からあきらめてしまった方、起きようとトライしたがダメだった方、頑張って、結果報われた方々、色々な方々がいらっしゃるかと思いますが、いや、良く分からない、ほわーんという気持ちの良さがまたしばらく味わえるというのはなんだかやはり嬉しいものですね。
 オランダ戦の善戦もあって、日本でも報道されていると思いますがこちらでの日本代表の評価も上がってきています。ドイツのテレビではケーブル・テレビなどではない一般的なテレビ(月18ユーロほどの視聴料は払っていますが)でほとんどの試合を中継しています。そのうちの一つのチャンネルであの元代表ゴール・キーパーのオリバー・カーン氏が解説をしているのですが、当たり前ですがひたすらドイツ語をしゃべっているので何を言っているのか全く分かりません。後で何を言っていたのか聞いたところでは、予選リーグ3試合にわたり走り続けたこと、我慢して最後まで持続して走り続けることはなかなか難しいが、それをきちんとできたことについてはやはり賞賛に値する、ということでかなり好意的な発言が聞かれたようです。3試合続けて出場していた川島選手にもなかなか良いキーパーとの評価だったようです。
こんな車が街中を駆け巡ってます。前回ドイツ大会からこんな車が出てきたとか。
こんな車が街中を駆け巡ってます。
前回ドイツ大会からこんな車が出てきたとか。

その2。隣で半分映っているのが移動式ソーセージ屋。
その2。隣で半分映っているのが
移動式ソーセージ屋。
  ドイツの決勝トーナメント初戦は日曜日の午後4時からというベスト・タイムで、お昼時から道行く車を含めてなんとなくにぎやか。写真のような車が行き交い、クラクションならしたりしてるんですよね。興味深い話を聞いたのですが、こういった国旗をかかげるような行為、前回ドイツ大会のときには「複雑な時代を乗り越えてきたドイツが皆、誇らしげに国旗を掲げる時代がきたんだね。」と言われたりしたらしいのですが、今大会では「昔はドイツ、ドイツ、というよりはEU全体を見回してEUを!というような雰囲気だった気がしたけどなあ。」という意見が聞かれたりするようです。ギリシアの問題などの影響といったところもあるんですかね?さて、私の家の周りでも、庭のあるお家では庭にテーブルや椅子を並べ窓を開けてテレビが見えるようにし、三々五々と友人が集まりバーベキューをしたり、頭にソーセージが乗っかった車がやってきて、これ、どうやら移動式ソーセージ売り場のようなんですが、友達なんで呼んだんだかなんだかわからないのですが、なんだか準備を初めて、皆で盛り上がろう!という雰囲気満載です。テレビでもパブリック・ビューイングの様子を流したり、というかこの日は暑かったので熱中症か、ぶっ倒れている人が映ってましたが・・・炎天下、密集地で立ちっぱなしって、そりゃぶっ倒れるか・・・でもそうやって見たいんですね・・・やっぱり・・・
 反対に前回の優勝、準優勝国のイタリア、フランスが予選リーグで消えて、フランスの紙面などにはワールド・カップは終わった・・・と、気持ちは分かりますがまだ終わってません。でもイタリア、フランスなんて本気でもうテレビなど流さなそうですね・・・
世界記録樹立のクルペクカイテ(中央)強そうな体、してます・・・
世界記録樹立のクルペクカイテ(中央)
強そうな体、してます・・・
  という感じでメルケル首相がテレビ観戦しているところが映し出されたり、やはりワールド・カップ一色!といったところですが、いよいよ、この週末からロード・レースの祭典ツール・ド・フランスの開幕です。サッカー・ワールド・カップの力はやはり絶大で、良く考えたらやっている、と言ってしまうくらい、テニスの全英オープン、ウィンブルドンなども例年に比べて埋もれてしまっている(まだこれから、とも言えますが・・・)感じですが、ツールもなんだかワールド・カップにおされ気味、と言わざるを得ません。しかし出場メンバーも続々と決まり、とりわけ敗退していった母国フランスはワールド・カップ?なんだそりゃ???という感じで、これからどんどんと盛り上げていくでしょうし・・・実際、昨年は同チームで戦うことでチームがどうなっちゃうのかとても興味深かったアルベルト・コンタドールとランス・アームストロングでしたが、今年はコンタドールの連覇なるのか、自らのチームで戦うアームストロングはどうなのか、好調カデル・エヴァンスやジロ・デ・イタリアを制したイヴァン・バッソとそのジロを昨年制して今年はツールに狙いを絞ってきたデニス・メンショフ、新生チーム・スカイを率いるブラッドリー・ウィギンスと、また違う楽しみが今年もあって、やはりこちらも楽しみですね。
 自転車はやはり今はツールが行われるようにロード・シーズン真っただ中!トラックも行われてはいますが、シーズン・オフの今は各国からの強豪が・・・といったレースは少なく、男子で言えば今は間違いなく日本の競輪が一番の注目ライダーの集まる場所だと言えるでしょう。そんな中、ヨーロッパ?では、昨年フランスのケヴィン・シローが200mフライング・タイム・トライアルで驚異的な9秒572という世界記録を打ち立てた、ロシアはモスクワのクリラツコエ・ヴェロドロームで開催されるグランプリ・オブ・モスコウですが、今年は女子で世界記録更新の快挙が成し遂げられました。種目はやはり200mのフライング・タイム・トライアル。ここクリラツコエ・ヴェロドロームは周長333.3mでトラックの幅員も現在主流の250mトラックと比べれば広く、ということはトラックの上部から一気に駆け下りてスピード・アップする山おろしがかけやすい、ということで記録は出やすいのですが、ここで作られた世界記録10秒831が17年間も破られずに世界記録に君臨していたのですが、これがついに破られることとなったのです。0秒038の短縮の10秒793の記録を叩きだしたのは先のコペンハーゲンの世界選手権、ケイリンで金メダルを獲得したリトアニアのシモーナ・クルペクカイテ。昨年の世界選手権では500mタイム・トライアルで金メダル、コペンハーゲンではスプリントかケイリンでの金を狙っていたというので目標達成を成し遂げた後、また嬉しい勲章がひとつ増えました。そういえば、ケイリンで彼女が優勝した後、リトアニアのスタッフがやってきて「シモーナを日本の競輪で走らせてくれないか?」と言ってましたっけ?世界でも情報が早く、日本でガールズ・ケイリンが行われている、ということが伝わっていた関係で男子のように・・・ということだったのかもしれませんが、女子スプリント界の3強の一人、オリンピック出場争いが本格化する今シーズン、やはり目が離せない一人であることは間違いないでしょう。
 ワールド・カップと言えば自転車トラック競技のワールド・カップも先ほど少し触れたオリンピックの出場枠争いに大きく関係することから今シーズンは白熱すること必死!その関係から今までワールド・カップでは行われていなかったオムニアムもこの中に組み込まれるというから3日間でおこなっているこの大会、スケジュール的にはキツキツ。まだ定かではないですがオリンピック種目でない競技、例えばポイント・レース、マディソン、スクラッチなどなどは全ての大会では行わず、種目毎にやったり、やらなかったりといった形になるとかならないとか・・・オリンピック絡みの話は何かと不安定な状況です・・・
 ま、今は世間に流されてサッカー・ワールド・カップに注目ですかね!もう一つ勝ってもう少し夢見心地にさせていただけると・・・そしてほんとの強豪国とのトーナメント戦、期待したいですね!では良い結果、期待しましょう!自転車も続け!(日本対パラグアイ戦前の記述です。)

 
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