デュッセルドルフ通信 2010年12月13日

ロンドン・オリンピックに向けて、シーズン突入!!!

 
 12月。今年2010年もあと1ヶ月を切ってしまった今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?アジア大会、日本選手健闘しましたね。皆さんいかがでしたか?思えばはるか昔のような感じもしますが、今年もスポーツが盛りだくさんだった1年・・・そう、今年だったんですね、バンクーバーの冬季オリンピック・・・なんだかこの時は日本に戻ったりなんだりで、オリンピック、ドイツで満喫したーっていう感じではないんですよね。バンクーバーはカナダということで時差もありますし・・・覚えてるのは朝早く出かけなきゃいけなかったので、歯磨きしながら金ヨナ、うーん完璧・・・着替えしながら真央ちゃん見て、コート着て点数出たら、はい出発、とすぐさま家を出たというような感じ・・・確か上村愛子さんのモーグルなんかは日本で朝、なんだかどきどきしながら見てたの、覚えてます。でもこれ、日本で良かったのかもしれません。冬季オリンピックはまあ、種目数がそんなには多くないので種目と種目がかぶっちゃって・・・なんていうのはそんなにはないと思いますが、何かとかぶってたら、まずこれ、ドイツでやらないと思いますもん・・・たとえばこれからのシーズン、ユーロ・スポーツというスポーツ専門のチャンネルがヨーロッパにあって、このチャンネルが、まあヨーロッパといってもお国お国で若干お好みも違うでしょうからある程度、その国にあわせて(あ、勿論言葉もです。完全にドイツ語かぶせてます。まだ英語のほうが・・・って思っても見事にかぶせられてしまいます・・・)番組を組んでいろんなスポーツを流すんですが、これからの季節はやっぱりウインター・スポーツが多くなります。ということで雪上のスポーツ。贔屓目なしに冷静にどのスポーツの中継が多いかな、なんて考えてみると、細い板で滑って登ってのクロス・カントリー・スキー、をしてたと思ったら、あるポイントでやおらしゃがんでうつ伏せになってバンバンと銃をって、これがバイアスロンですか・・・やってんですか、こんなの!ってこれが結構しょっちゅうどこだかの大会をやっていて、なんだかとっても中継の頻度が高いような・・・オリンピック種目だ、ってのは知ってますけど、昔、簡単なボード・ゲームみたいなののひとつにバイアスロン・ゲームがあって、これがつまらなかったっていうのも覚えてますが・・・これが好きなんですか・・・各国それぞれですね・・・でも、これが男女混合とかのリレーとかあって、マラソン、駅伝好きな人ならなんとなく見てしまうかも・・・皆さん当然アスリートで素敵な肉体美をお持ちですし・・・でも一生懸命の顔から鼻水とか垂れんのはあんまし・・・見たくないですけど・・・寒いからしょうがないか・・・と、こんなスキー系はやっぱりこのバイアスロンのほか、ノルディック・スキーの中継をやることが多いです。アルペンもやりますけど、私が見た中ではモーグルはゼロ、タイミングが悪かったり、というのもあるかもしれませんが見たことないです・・・そうか、もうすぐバイアスロンの季節なんだな・・・ちなみにこのチャンネル、今日はボート、やってました。
 そのユーロ・チャンネルで同日に取り上げられていたのが、我らの自転車競技、そしていよいよシーズンに突入のトラック種目のヨーロッパ選手権です。今回はこのヨーロッパ選手権のレポートをお送りします。
 何度かこのデュッセルドルフ通信でもお知らせしていますが、今シーズンがロンドン・オリンピックに向けて、出場枠の獲得を中心とした争いのスタートになります。いつまでたってもはっきりせずに、どうなんだ、どうなんだと我々をやきもきさせてくれたオリンピックの出場枠選考方法ですが、ちゃんとした発表はないようですが、ここにきてようやくはっきりしてきたようで・・・簡単におさらいをすると今シーズンと来シーズンの世界選手権、ワールド・カップの全戦(今シーズンは4戦、来シーズンもおそらく4戦)、大陸選手権の成績によって各国がポイントを積み立てていって、その結果に基づいて出場枠が決定されます。まず大きいのがチーム・スプリント。この出場権を取ると自動的にスプリントとケイリンの出場権まで付いてきます。このチーム・スプリントの出場枠が10。しかも各大陸ごとの最大国数が決められており、ヨーロッパが最大5カ国まで、アフリカが最大1でその他の大陸の枠は2。ですので日本で考えると、全体で上位10カ国に入り、かつアジアで上位2カ国に入れば確実にこの出場権を得られるということになります。ですのでまずはこれを目指して今シーズン、来シーズンの戦いが進んでいくというわけです。このポイントにはUCIランキングを決める際のポイントと同じものが使われ、チーム・スプリントは各大会で各国の上位3名(女子は2名)のポイントがその国のポイントとして累積されます。ですのでナショナル・チームだけで参戦、となればそのチーム3名(女子は2名)のポイントが累積されることになります。これを逃してしまうとスプリントとケイリンの場合はチーム・スプリント枠を除いて更に8つの枠がありますのでこれを目指すことになります。スプリントの場合、大陸選手権とワールド・カップ全戦については各国上位2名のポイント、世界選手権の場合は上位3名のポイントが、ケイリンの場合、大陸選手権と世界選手権は各国上位2名のポイント、ワールド・カップ全戦においては上位1名(女子は2名)のポイントが累積されます。この累積ポイントで、チーム・スプリントで出場権を得た国を除いて上位8位に入り、かつアジアで2位以内となれば確実にその種目の出場権を得ることとなります。団体追抜きについては全大会で各国上位4人(女子は3名)のポイントが累積され、出場枠は10で各大陸の最大枠はヨーロッパが6、アフリカが1でその他が2。オムニアムについては全大会で上位1人のポイントが累積され、出場枠は18で各大陸の最大枠はヨーロッパ8、アメリカ6(女子は5)、アジア5、オセアニア2、アフリカ1となっています。
ワルシャワの中心に建つ文化科学宮殿
ワルシャワの中心に建つ文化科学宮殿

BGZアリーナ内部
BGZアリーナ内部

BGZは銀行
BGZは銀行

ヴェロドローム外部
ヴェロドローム外部
 ということで今年の4月に行われたアジア選手権はどうなるんだ、というのが開催している最中でもはっきりしなかったのですが、今シーズンは来年2月に対でアジア選手権が開催され、これがポイントの対象となるということで決定。なので、このヨーロッパ選手権が全世界でポイント対象となる初めての大会となるのです。このヨーロッパ選手権、従来はアンダー23での争いとなっていたのですが、各大陸選手権がオリンピックの出場枠争いの対象となることから、今年度からエリートでの争い、そしてオリンピック種目だけでの大会開催に変更となりました。でもオリンピック種目だけでの開催とは言っても連日夜の10時過ぎまで開催しているような状況で、かなりの慌ただしさ・・・今シーズンからワールド・カップは、オリンピック種目でない競技が1カ所でしか開催されないという残念な状況なのですが、従来通り全種目を開催するとなるととても3日間では開催出来ないような状況で、このように種目数を変更したとしてもかなりタイトなスケジュールになってしまうことでしょう・・・それでは3日間にわたって開催されたヨーロッパ選手権のレポートです。
団体追抜男子イギリス・チーム
団体追抜男子イギリス・チーム

団体追抜き女子イギリス・チーム
団体追抜き女子イギリス・チーム
初日
 いよいよロンドン・オリンピックに向けての争いの火蓋がポーランド、ワルシャワ郊外のプルシュクフで切られることとなった。このプルシュクフの会場となるBGZアリーナは2009年の世界選手権の会場となった場所でまだ比較的新しいヴェロドローム。ワルシャワの街中から20km近く離れた場所にあるこのBGZアリーナで、従来のアンダー23からエリートでの争いへと衣替えとなったトラックのヨーロッパ選手権(ヨーロピアン・エリート・トラック・チャンピオンシップ)が11月5日から7日の3日間開催された。エントリーしたのは25カ国200名のライダー。男子は22カ国124名、女子は18カ国76名のエントリーとなった。普段はあまり見られることのないフィンランド、ブルガリア、アゼルバイジャンといった国々のライダーたちも今回は参加をしているといった状況。
 初日となるこの日は10時に競技開始、男女ともに団体種目である団体追抜きとチーム・スプリントの予選が行われた。団体追抜きには男子が12カ国、女子はそれを上回る14カ国が出場して争われた。男子はデンマークが出場していないここは昨年の世界選手権のメンバーのスティーヴン・バーク、エドワード・クランシー、アンドリュー・テナントに40歳となる元スプリンターでシドニー・オリンピックでの1kmタイム・トライアルの金メダリスト、ジェイソン・クアリーを加えたイギリス勢の力が抜けているといったところ。女子も力上位のイギリスにドイツやオランダといったところがどう絡んでくるのかという感じであろうか。予選のタイムの上位1、2位のチームが金メダルを、3、4位のチームが銅メダルをかけて今夜、開会セレモニー終了後に争うこととなる。その予選の順位は男子が10番目スタートのオランダが4分6秒693で3位、8番目スタートのスペインが4分7秒865で4位でこの2チームが銅メダルを、そして9番目スタートのロシアが4分3秒690で2位、1位通過はやはりイギリスでタイムは4分1秒953でこの2チームが金メダルをそれぞれ争う形でレースが行われる。女子も1位はやはりイギリスで3分24秒916で頭ひとつ抜けた感じ、以降の3チームは混戦で、2位で金メダルをイギリスと争う形になるのが3分28秒011で一番初めに出走したリトアニア、銅メダルは5番目に出走した3分28秒534の3位ベラルーシと12番目出走で3分28秒720で4位であったドイツとの間で争われることとなった。
チーム・スプリント男子フランス・チームの走り
チーム・スプリント男子
フランス・チームの走り

チーム・スプリント女子イギリスのペンドルトン
チーム・スプリント女子
イギリスのペンドルトン
 一方のチーム・スプリントは各チームの仕上がり次第という感じではあるが、力を考えると男女ともにイギリス、フランス、ドイツの3強の争いとなり、ここにオランダあたりがどのような走りを見せるのかといったところだろうか。団体追抜きと同様、予選のタイムの上位1、2位のチームが金メダルを、3、4位のチームが銅メダルをかけて夜に争うこととなる。
 予選男子は11カ国での争い。ヒート4でオランダと対戦したポーランドが地元の大きな声援に押されて、44秒428の4位のタイム、ヒート5でロシアと対戦したイギリスが44秒149で3位となりこの2チームで銅メダルの争い、ヒート6で対戦したフランスとドイツ、44秒102で2位となったのがフランスで、チャンピオン・ジャージに身をつつんで登場となったドイツが43秒698で1位通過。再度金メダルをかけてこの2チームが戦うこととなった。女子は10カ国での争いとなったが、ヒート3でロシアを下したオランダが34秒061で4位、ヒート4でフランスに及ばず33秒676で3位となったドイツの2チームが銅メダル争い、そのドイツを下して33秒521で2位のフランスと最終ヒート5でリトアニアを突き放す33秒381で1位通過となったイギリスが金メダルをかけて戦うこととなった。
団体追抜き男子はイギリス、ロシア、オランダの順
団体追抜き男子は
イギリス、ロシア、オランダの順
 90周年となったポーランド車連のお祝いもかねて行われたオープニングセレモニーが行われた後にいよいよメダルをかけた争いに突入。まず初めに行われた男子団体追抜きは終始リードを保ち4分6秒049でスペインに2.05秒差をつけたオランダが銅メダル獲得。金メダルをかけて争われたイギリスとロシアの戦いは、一度は肉薄したものの、最後残り1kmといったあたりから力付き果てたロシアに予選と同メンバーで挑んだイギリスが結局3秒792の差を付けて4分0秒482のタイムで優勝した。
女子はイギリス、リトアニア、ドイツ
女子はイギリス、リトアニア、ドイツ
 続く女子団体追抜きは2転3転4転の激戦を0秒283差制したドイツが3分28秒127で予選3位だったベラルーシを破り銅メダル。北京オリンピックの個人追抜き銀メダリストで2008、9年の世界選手権の団体追抜きチャンピオンの一員、ウェンディー・ホーヴェンナゲルを中心とし、ケイティー・コルクラフ、今年のジュニア世界選手権でオムニアムで優勝するなど活躍していたローラ・トロットといった若手を加えたイギリスが序盤はリードを許したものの、すぐに逆転したのちはリトアニアとの差をどんどんと広げ、結果6秒557の大差をつけて3分23秒435で金メダルに輝くこととなった。
チーム・スプリント男子優勝ドイツのニムケの走り
チーム・スプリント男子優勝
ドイツのニムケの走り

優勝のドイツニムケ、フェルステマン、レヴィ
優勝のドイツ
ニムケ、フェルステマン、レヴィ
 チーム・スプリント男子では第1走ジェイソン・ケニー、第2走マシュー・クランプトン、第3走クリス・ホイと金メダル争いをしてもおかしくなかったイギリスが第1走マチェイ・ビエレツキ、第2走ダミアン・ジェリンスキー、第3走カミル・クチンスキーという顔ぶれの地元ポーランドを43秒968で下して銅メダル、ポーランドは予選を上回れずに44秒495というタイムであった。決勝は先ほどと同じドイツとフランスの対決。第1走にロベルト・フェルステマン、第2走にマキシミリアン・レヴィ、第3走にシュテファン・ニムケのベスト・メンバーのドイツと第1走ミカエル・ダルメイダ、第2走ケヴィン・シローに第3走フランソワ・ペルヴィスとボジェは欠くものの強力メンバーのフランス。スタートで有利に出たドイツがシローに詰め寄られるものの、最後はニムケが再度離してゴール。世界チャンピオンの面目を保ち、幸先の良い1勝を上げた。
チーム・スプリント優勝ドイツ、2位フランス、3位イギリス
チーム・スプリント
優勝ドイツ、2位フランス、3位イギリス

優勝フランス、2位イギリス、3位ドイツ
優勝フランス、2位イギリス、3位ドイツ
 女子は第1走クリスティーナ・フォーゲル、第2走ミリアム・ヴェルテのドイツが第1走イヴォンヌ・ヒーゲナール、第2走ウイリー・カニスのオランダを予選のタイム通り順当に下して銅メダル、決勝は出来の良さを生かして、第1走サンディー・クレア、第2走クララ・サンチェスの予選2位フランスが第1走ジェシカ・ヴァーニッシュ、第2走ヴィクトリア・ペンドルトンのイギリスを撃破して嬉しい金メダルを獲得した。

○UCI オリンピック・トラック・ランキング
男子団体追抜き
 1位 イギリス 340ポイント 2位 ロシア 260ポイント 3位 オランダ 220ポイント 4位 スペイン 180ポイント 5位 イタリア 140ポイント 6位 フランス 100ポイント

男子チーム・スプリント
 1位 ドイツ 255ポイント 2位 フランス 195ポイント 3位 イギリス 165ポイント 4位 ポーランド 135ポイント 5位 ロシア 105ポイント 6位 オランダ 75ポイント

女子団体追抜き
 1位 イギリス 255ポイント 2位 リトアニア 195ポイント 3位 ドイツ 165ポイント 4位 ベラルーシ 135ポイント 5位 ベルギー 105ポイント 6位 ポーランド 75ポイント

女子チーム・スプリント
 1位 フランス 170ポイント 2位 イギリス 130ポイント 3位 ドイツ 110ポイント 4位 オランダ 90ポイント 5位 リトアニア 70ポイント 6位 ポーランド 50ポイント
スプリント予選一番タイムはやはりホイ
スプリント予選
一番タイムはやはりホイ
2日目
 2日目は男女ともにスプリント(個人)と、ロンドン・オリンピックからの新種目、2日間かけて行われるオムニアムの開催。当初予定されていたオムニアムの予選は参加人数の関係から実施の必要はなく、午前10時半から男子スプリント予選、200mのフライング・タイム・トライアルが実施された。エントリーされたライダーは28名。予選通過は上位24名で下位のタイムの4名は本選へ進めないこととなる。各選手がタイムを刻んでいく中で19番目に出走したオランダのロイ・ファン・デン・ベルグが10秒113となかなかのタイムでこの時点で1位、続いて大きな声援を受けて出走の地元ダミアン・ジェリンスキーが10秒210で及ばずこの時点で2位。しかしながら26番目に出走のイギリス、クリス・ホイ、さすがの9秒999でただ一人10秒を切るタイムでガッツ・ポーズを見せる。結局最後のフランス、ケヴィン・シローは10秒097の2位で以下、ファン・デン・ベルグ、ジェリンスキー、ミカエル・ダルメイダ(フランス)、ジェイソン・ケニー(イギリス)、ロベルト・フェルステマン(ドイツ)と続いた。
スプリント左シローVSドミトリエフ
スプリント
左シローVSドミトリエフ

優勝のドミトリエフ、2位シロー、3位ケニー
優勝のドミトリエフ、2位シロー、3位ケニー
 女子は20人がエントリー。男子が1回戦を24名で行うのに対し、女子は16名で、1回戦から敗者復活戦を設定して争われることとなり、男子同様下位の4名が予選落ちしてしまうこととなる。11番目に出走のイギリスのジェシカ・ヴァーニッシュが11秒273でこの時点での最速タイムをマークする。しかし18番目に出走のベラルーシのオルガ・パナリナが11秒166でトップ・タイム。最後のリトアニアのシモーナ・クルペクカイテは調子があまり良くないのか、予想外の11秒414の7位で予選を終えることとなった。順位はパナリナ、ヴァーニッシュ、クララ・サンチェス、ウィリー・カニス(オランダ)、サンディー・クレア(フランス)、クリスティーナ・フォーゲル(ドイツ)、クルペクカイテと続いた。
 オムニアム1種目を挟んで行われた1回戦(1/16決勝)。予選1位で一番手として登場したクリス・ホイ。アイルランドの若手、18歳のフェリックス・イングランドが相手となった。残り1周で内を突いて先手を奪ったホイ、踏み出しの違いであっさりと相手との差をつけ、バックでは早くも流す状態。やはり格の違いかと思われたが、正直、傍目から見ても流しすぎ・・・ここをあきらめずに踏んでいたイングランド、最後にホイを捕らえ、しかもスピードの落ちすぎたホイに半車身ほどの差をつけて下すという結果に。実戦感もあるのかもしれないが、どうもホイ、スプリントでの流れが世界選手権から悪いようだ・・・あまりにも今回は・・・というのもあるが・・・16名で争われる女子には1回戦から敗者復活戦があるが、24名の男子には、敗者復活の道が1回戦での敗者には与えられない形であるため、まさかまさかのここでの敗退が決まってしまった。これでレースは一気に予想外の展開となってしまったが、本命2大巨頭のもう一人、ケヴィン・シローの独壇場となるのか、あるいは伏兵が台頭するのか・・・1回戦はこの対戦以外全て予選タイム上位者が相手を下して2回戦(1/8決勝)へとコマを進めた。
 女子は1位通過、パナリナ、これもかなり流している感じで、まさか女子も・・・と思ったりもしたが、最後の最後にチョイ差しという形。しかしながら力差をしっかり分かっていたか・・・という感じがしなくもない。女子は1回戦は全員予選上位者が勝ち、2回戦に臨むこととなった。
 2回戦(1/8決勝)、男子は予選上位者が全員勝利、負けた6人は3人ずつの敗者復活戦へ。女子は予選タイム2位だったヴァーニッシュが負けて敗者復活戦回り。シモーナは 後ろから行く展開、最終3コーナーから合わされ4コーナーでは苦しい展開も直線でなんとか差し切り勝ちあがり。やはりあまり調子が良いようには見えない。
 男子敗者復活戦ヒート1はフェルステマンの逃げを不利(フェルステマンの斜行)を受けながらG直前にチェコのデニス・スピカが差して勝利、負けたフェルステマンは更に降格処分。ヒート2はドイツのカーステン・ベルゲマンとザフェイリス・ヴォリカキスの争い、内のベルゲマンが譲らず、ヴォリカキスが不利となったところ、3番手からチェコのトマス・バベクが仕掛ける。粘るベルゲマンだったが4コーナーでの勢いが良かったバベクが直線で差し勝ち上がり。チェコ勢連勝となった。
 女子の敗者復活戦、前を取りたいヴァーニッシュが外から先手を取ろうとするものの、内のドイツのミリアム・ヴェルテに合わされ苦しい状況。しかし思い切って踏み込み最終ホームで出切ると最後はそのまま押し切って敗者復活戦を制するが、この先は?と厳しい感じ。もう一つはフォーゲルが勝ち1/4決勝へ。
 男子1/4決勝はロシアのデニス・ドミトリエフがバべクを、シローがスピカを、ケニーがファン・デン・ベルグをあっさり2本連取で下し準決勝へ。もう1つのダルメイダとジェリンスキー、併走から出切りたいダルメイダに内からジェリンスキーも懸命にもがく、併せられたダルメイダは一回引く形になり、最後立て直して追い込むもジェリンスキー。しかし並走時に問題があったか、ジェリンスキー降格で1本目はダルメイダ。2本目は先行するジェリンスキーに差しにまわったダルメイダが最後の直線で襲い掛かるがわずかに届かずジェリンスキー。最後の3本目、踏み出し争いとなったホームから2コーナー、外から踏んで出きったジェリンスキーがこの争いを制し、逆にダルメイダは3コーナーであきらめトラック上部へ・・・ジェリンスキーが準決勝へと進んだ。
 女子の1/4決勝は、予選1位パナリナと2位ヴァーニッシュの戦い。1本目は楽に取ったパナリナ、2本目、ヴァーニッシュも行くしかないとばかりにホームから発進、かかりの良さにパナリナがやや踏み遅れた感があったが、3コーナーから行き足がつき、ゴール前寸前で一気に追い込んで差し切り、2-0でパナリナが準決勝へ。フォーゲル、クルペクカイテも2本連取、1本ずつ分け合ったクレアとカニスは3本目積極的に前々でレースを進めたクレアが取って準決勝。
 男子の準決勝、ジェリンスキー対ドミトリエフの1本目、先行したジェリンスキーへ地元の大声援が起こるも、3コーナーではドミトリエフのパワーにあっさり飲み込まれるかと思われたところ、そこからの粘り腰、内であわせ粘りしのぎきって押し切り一本目を奪取。2本目はたたき合いとなり1~2コーナーでの争いを制したか、ジェリンスキーが前にで出切るもバックストレッチではドミトリエフがレースをやめて違反行為があったとのアピール。これが降格扱いとなり、ジェリンスキーは先ほどのダルメイダ戦でも降格があり、2回目のため失格となり、ドミトリエフが決勝へ。もうひとつはシローとケニー。1本目、思い切り良く逃げたケニー、かかりも良かったがあわてず後ろから追いかけるシローが直線での伸び良く、ケニーをゴール前捉えて先取。4コーナーではまだ並びかけ始めではあったが、結果的にはまだ余力があったか。2本目、今度はシローが先行する形、トラック上部からスピードを上げて追うケニー、徐々にスピードを上げ、差し切る勢いで直線に入り猛追するも写真判定でわずかにシローで2本連取。5~8位決定戦は4名で行われ、バベクがかまして2周の逃げ。これが決まった。
 女子の準決勝はパナリナとクレア、1本目、先行するクレアをパナリナが差し、楽勝。2本目、今回もクレアが先手で思い切り良く逃げる。やや立ち遅れたかパナリナ、最後スピードをあげて追い込むも届かず1対1。3本目はまたもクレアの逃げ、パナリナはまたしてもなかなかスピードが上がらず、差し切れず、やや足を余した感じの同パターンでの連敗。クレアは積極策が功を奏して決勝進出。もうひとつのクルペクカイテとフォーゲル、1本目はフォーゲルが逃げ、クルペクカイテは差しに回るがあまり冴えずにつかまえられない。2本目もクルペクカイテは後ろからだったが、早めに仕掛けたクルペクカイテ、いつもの迫力は見られないが4コーナーでは射程圏に入れて差し切り。3本目、こちらも前々勝負のフォーゲル、ホームから先行、2本目と同じように早めにシモーナも仕掛けるが2センターでいっぱいか、差し切れずにフォーゲルが決勝に進出。5~8位決定戦は2番手のカニスが2コーナーからサンチェスをかわし、3番手からのヴァーニッシュの猛追をしのいで1着。
 3、4位決定戦は男子がジェリンスキー失格でケニー3位、女子はパナリナが欠場してクルペクカイテが3位。
左からフォーゲル、クレア、クルペクカイテ
左からフォーゲル、クレア、クルペクカイテ

オムニアム 女子エリミネイション・レース
オムニアム 女子エリミネイション・レース

 男子決勝の1本目、けん制状態が続いた中でスピードをあげ最終1コーナーで出切ったドミトリエフがここで勝負あった。追うシロー、最後はスピードを上げ追い込むが届かず、一瞬の隙をうまくつかれた形で1本目を先取される。2本目、今度はシロー、4コーナーからの思い切った逃げ、少し距離が長いのでは・・・と思われたのだが・・・徐々にスピードを上げたドミトリエフ、4コーナーでは良い勢い、直線ですぐに交わし2本連取で嬉しい優勝となった。
 女子は前々勝負の2人、どちらも先行したい中、最終ホームでややたたき合い、外のフォーゲルがいったん引いてクレアが先行、2コーナーからフォーゲルが外をまくる体制になるが行ききれず、クレアが押し切り。2本目、内のフェーゲルが逃げたいところだがホームでうまくクレアに前に出られる、その後もクレアが上手くけん制し、踏み出しは1コーナーから、ここで勝負あった、2本先行で自分の形に持ち込んでこちらも2本連取で優勝となった。
地元ポーランドへの声援
地元ポーランドへの声援

ケイリン 先頭は日本でもおなじみダルメイダ
ケイリン
先頭は日本でもおなじみダルメイダ

 一方初日となったオムニアム。この日は250mのフライング・タイム・トライアル、ポイント・レース、エリミネイション・レースの3種目。250mはコペンハーゲンの世界選手権のスプリント系タイム・トライアルで驚異的な強さを見せたイギリスのエドワード・クランシーがこの種目の相手と思われたオランダのティム・ヴェルドを抑えてトップ・タイム。ポイント・レースはギリシャのイオアニス・タモウリディスが残り98,76,38,15周の時点と合計4回のラップに成功、スプリントでも得点を重ね、合計105点を荒稼ぎして1位。エリミネイションでは北京オリンピックのポイント・レースの銀メダリスト、ドイツのロジャー・クルーゲが最後地元ポーランド、ラファル・ラタイチェクとの一騎打ちを制して1位となった。着位がそのまま得点となり、得点が最も少ないライダーが優勝するシステムなので、この日を終えた段階では合計9ポイントの地元ラタイチェクが1位、10ポイントとわずか1ポイント差でドイツのクルーゲ、13ポイントでオランダのヴェルトとなった。250mを制したイギリスのクランシーはポイント・レース15位、エリミネイション9位と振るわなかったことから25ポイントの7位となった。このオムニアム、以前から気掛かりとされていたエリミネイション・レースはやはり課題を残すこととなった。ずっと言われていることではあるが、除外、エリミネイションの対象選手がトラックから降りない、対象であったはずの選手がいつのまにかそうでなくなる(コミッセールの問題)、誰が除外なのかはっきりしないし、伝わらない。またポイント・レースでも得意、不得意の選手がいることから、トップ・レベルのポイント・レースとは質が違う。あっさりラップが決まったり、逃げていた選手とスプリントでペースの上がった集団につけていけない選手とがあっという間に同じ集団になってしまったりとレース内容がぐちゃぐちゃになったり・・・新たなものを導入することはそれはそれで活性のために賛成するが、ロンドン・オリンピック後、色々な議論がされるのは間違いないだろう。
 女子は250mFTTを地元のポーランド、マルゴゥヤト・ヴォイテラが制して盛り上がりを見せたがポイント・レース、エリミネイション・レースと続いて落車、しかもエリミネイションはレース開始前の周回時点での落車。しかしここで落者のチェコのヤルミラ・マチャコヴァが意地を見せて優勝。ポイント・レースはドイツのマデライネ・ザンディヒが1位となったが、3種目を終えての総合成績は1位はなかったものの各種目3,4,5位で12ポイントとまとめてきたスペインのレイレ・オラベリア・ドロンゾーロ、2位に1ポイント差でチェコのマチャコヴァ、3位に17ポイントでベルギーのジョリアン・ドール。

○UCI オリンピック・トラック・ランキング
男子スプリント
 1位 フランス 180ポイント 2位 ロシア 173ポイント 3位 チェコ 160ポイント 4位 イギリス 118ポイント 5位 オランダ 33ポイント 6位 ドイツ 20ポイント

女子スプリント
 1位 フランス 190ポイント 2位 ドイツ 145ポイント 3位 リトアニア 113ポイント 4位 ベラルーシ 90ポイント 5位 オランダ 73ポイント 6位 イギリス 50ポイント
ケイリン決勝前 手前がケニー
ケイリン決勝前 手前がケニー
3日目
 最終日の3日目はオムニアムの残りの3種目と男女ともにケイリン。ケイリンのエントリーは男子が27名、女子が21名。男子は4ヒートに分かれて1回戦が行われ、上位2人が2回戦へ。負けたライダーで敗者復活戦を4ヒート行い、各ヒート1人ずつが2回戦へ進むこととなる。女子は1回戦、敗者復活戦ともに3ヒートずつで上位2人が2回戦へ。
 男子ケイリン1回戦、第1ヒートはスタート後ペーサーの後位を奪ったミカエル・ダルメイダ(フランス)がペーサー退避後に先頭を奪おうとするフランチェスコ・チェーチ(イタリア)を先に行かせた後、残り2周を切った1コーナーで再度先手を奪い、流しながらそのまま先行。後位についたマキシミリアン・レヴィが最後直線で差し、レヴィ、ダルメイダが2回戦へ。第2ヒートはスタート後、前に位置したアドリアン・テクリンスキー(ポーランド)、マシュー・クランプトン(イギリス)という並びでペーサー退避後にそのまま先行。残り1周半となるバックストレッチで番手のクランプトンが捲り、後続を突き放し圧勝。長い間もがき続ける苦しい展開となったテクリンスキーが粘りを見せるがゴール前アダム・プタクニク(チェコ)さされるも、内側追抜きでプタクニクが降格処分となりクランプトンとテクリンスキーが2回戦へ。第3ヒートは残り2周となるところで先手を奪ったイトマール・エステバン・エライス(スペイン)の後位からルカ・チェーチが残り1周半で先行体制。これを残り1周のホーム・ストレッチでフランソワ・ペルヴィス(フランス)が襲い先頭へその後もぐんぐんと差を広げ最後は流して楽勝。なんとかしのいだチェーチが2着。第4ヒートは残り2周からデニス・スピカ(チェコ)とミハエル・ザイデンベッヒャー(ドイツ)が激しい先行争いを見せたが3番手で後続の動きをじっくり見たジェイソン・ケニー(イギリス)が 残り半周から捲って1着。これを4番手から追ったヒューゴ・ハアク(オランダ)が2着で2回戦へ。
ケイリン左からクルペクカイテ、パナリナ、シュリカ
ケイリン
左からクルペクカイテ、パナリナ、シュリカ

ケイリン優勝ケニーと握手するペルヴィス
ケイリン
優勝ケニーと握手するペルヴィス

ケイリン左からクランプトン、ケニー、プタクニク
ケイリン
左からクランプトン、ケニー、プタクニク

オムニアム男子スクラッチ
オムニアム
男子スクラッチ

 女子ケイリン1回戦、第1ヒートはなかなかペースが上がらず入れ替わる中、残り1周で先行体制に入ったウイリー・カニス(オランダ)を4番手からシモーナ・クルペクカイテが捲る体制も残り半周でカニスの番手から飛び出したサンディー・クレア(フランス)がこれに合わせ、クルペクカイテを抑えて1着でゴール・イン。第2ヒートはスタート後にペーサー後位を奪ったクララ・サンチェス(フランス)が流しながらもそのまま先行する体制に。途中サンチェスの番手に入ったヴィクトリア・ペンドルトン(イギリス)が最終バック・ストレッチからスピードを上げ、最後ゴール前サンチェスを捕えて1着。第3ヒートは前を取ったクリスティーナ・フォーゲル(ドイツ)が数選手に絡まれながらも終始前での勝負でそのまま先行、最終1コーナーで番手を取ったエカテリーナ・グニデンコ(ロシア)を振り切って1着でゴールへ。
 男子は1着、女子は2着までが2回戦行きとなる敗者復活戦、男子第1ヒートは1周半以上先行したザイデンベッヒャ-が押し切って1着。第2ヒートは番手から直線で差したヴァレンティン・サヴィトスキー(ロシア)最後猛然と追い込むも仕掛け遅れが痛かったアンドレイ・ヴィノクロフ(ウクライナ)を振り切って2回戦へ。第3ヒートはペーサーの後位を奪い、残り1周1コーナーから先行したパヴェル・ヤクシェフスキー(ロシア)の番手に入ったテーン・ムルダー(オランダ)が最後の2コーナーからまくって先頭に立ち、カミル・クチンスキー(ポーランド)の猛追を防ぐも4コーナーでの蛇行にクチンスキーが猛アピール、コミッセールの審議でムルダーは降格でクチンスキーが2回戦へ。第4ヒートは、最終ホームで発進したアダム・プタクニク(チェコ)が先行争いするゲディミナス・ペトラウスカス(リトアニア)とダビド・アスクラヴァ(グルジア)を2コーナーでまくり切り、そのまま先頭でゴール。
 女子は第1ヒート、4番手最後位から最終2コーナーでまくり切ったカニスが1着。3番手から先頭を伺うもあっさりカニスに捲くられなかなか車が前に出なかったオルガ・パナリナ(ベラルーシ)が直線なんとか交わし切り2着。第2ヒートでは残り2周から先行したエリザ・フリゾーニ(イタリア)を前に入れ、ミリアム・ヴェルテ(ドイツ)が2番手。満を持して最終1コーナーで捲くり切ったヴェルテとそれをマークするジェシカ・ヴァーニッシュ(イギリス)の争いとなるがヴェルテがそのまま押し切る。第3ヒート、動いたのは最終ホームからで先手を取っていたリューボフ・シュリカ(ウクライナ)の先行、番手にスペイン2人が併走する形、シュリカがそのまま押し切り、2着は内から流れ込んだタニア・カルヴォ・バルベロ(スペイン)。
 男子準決勝第1ヒート、残り2周でテクリンスキー(ポーランド)が先行、これを巻き返しにケニー(イギリス)が残り1周のホームから発進、後続も続く。外々を回るケニーの後続がもつれ、ザイデンベッヒャー(ドイツ)が接触、落車。これに乗り上げる形でレヴィ(ドイツ)も落車。ケニーが1着、それを追ったプタクニク(チェコ)が2着、逃げたテクリンスキーが3着となった。ドイツ勢の落車の原因となり2度目の注意ということで失格という判定が下されたプタクニクであったが、再度の審議でこれが取り消され、2位通過で決勝へ進むこととなった。第2ヒートは残り2周のホームで先行しようかというクチンスキー(ポーランド)をサヴィトスキー(ロシア)が一気に交わして先行、後続が後を追う。残り1周というところでクランプトンが踏みこんで先行体制。これをペルヴィス(フランス)が追うがクランプトンの勢いは衰えず押し切って1着。2着ペルヴィス、3着に5番手から最後追い込んだダルメイダ(フランス)。
 女子の第1ヒートはなかなか動かない中、ラスト1周となるホーム・ストレッチでシュリカ(ウクライナ)が動いて先行体制。これに反応したサンチェスが後を追い、その外を捲ってバックでは先頭。これに付いた同じフランスのクレアもシュリカを交わして2着。シュリカは3着。第2ヒート、スタート後から先手を奪い、先行する姿勢を見せていたフォーゲル(ドイツ)だったが、残り1周半を迎えようというところでスピードを上げてきたクルペクカイテ(リトアニア)に先行を許してしまう。残り1周で踏みこんだクルペクカイテが先行するところをペンドルトンが外から捲る体制。先頭争いを展開するも外々で苦しいペンドルトンは捲り切ることが出来ず。クルペクカイテ1着、ペンドルトン2着。ペンドルトンを追ったパナリナが3着。
 迎えた女子決勝。道中はクルペクカイテ-パナリナ-シュリカ-クレア-サンチェス-ペンドルトンの並び。ペーサー退避後もそのままの並びでクルペクカイテが流しながら先行。最後方からペンドルトンが動き出したのが残り1周半を切った3コーナー付近と遅く、ここからクルペクカイテももがきに入る。ペンドルトンはフランス勢を交わすも不発、3コーナーから外を踏み出した番手のパナリナと逃げるクルペクカイテの争いになるがゴール前でパナリナが差して優勝。2着クルペクカイテ。流れ込んだシュルカが3着、以下内を付いたクレア、ペンドルトン、サンチェスの順。
 男子決勝は道中ダルメイダ-プタクニク-クランプトン-ケニー-テクリンスキー、ペルヴィスの並び。ペーサー退避を狙って最後方からペルヴィスが先手を取ろうと試みるもプタクニクが飛び出し譲らない。残り2周のホームでクランプトンが上昇開始、外々を踏んで残り1周半となったところで先頭に出切り先行体制へ。ケニーはこれをしっかりマーク。ケニーの後ろにプタクニクが入り、ペルヴィスは捲ろうとするも不発。2センターから踏み出したケニーが最後逃げるクランプトンを捕えて優勝のガッツポーズ。以下プタクニク、ダルメイダ、ペルヴィス、テクリンスキー。
 最終日となったオムニアム、男子は前日で2位であったクルーゲ(ドイツ)と3位のヴェルトが1種目目の個人追抜きで2位と1位と安定、点差も2点となる激しい争い。しかしながらスクラッチでヴェルトは13位となり優勝はやや厳しいか。結局クルーゲは最後の1kmタイム・トライアルも3位という好成績、合計22点で1kmTT2位のヴェルトに7点差を付けて優勝した。更に2点差で前半1位から順位を落とした地元ポーランドのラタイチェクが3位。最後の1kmTTでは1人1分2秒台で走り、3日目だけなら7点でトップという成績でクランシー(イギリス)も詰め寄ってはきたが更に1点差の4位までであった。女子はスクラッチ1位などこの日9ポイントでトップ、前日の8ポイント差から猛然と追いつめてきたベラルーシのタチアナ・シャラコヴァであったが前日1位のオラベリア・ドロンソロ(スペイン)も個人追抜き2位など安定、結局シャラコヴァと3ポイント差でトップを守りきった。3位に男子と同じく地元ポーランドのヴォイテラがこちらは1つ順位を上げて銅メダルとなった。

○UCI オリンピック・トラック・ランキング
男子オムニアム
 1位 ドイツ 170ポイント 2位 オランダ 130ポイント 3位 ポーランド  110ポイント 4位 イギリス 90ポイント 5位 ロシア 70ポイント 6位 イタリア 50ポイント

女子オムニアム
 1位 スペイン 170ポイント 2位 ベラルーシ 130ポイント 3位 ポーランド  110ポイント 4位 イギリス 90ポイント 5位 ベルギー 70ポイント 6位 チェコ 50ポイント
 ヨーロッパ選手権はこのような結果でした。今はアジア大会まっただ中!まだまだ、もっともっと期待したいところですが日本勢の活躍もあるようですし、コモンウェルス・ゲームがあったりと、これらを受けて今シーズンがどのように展開されていくのか、期待とともに楽しみにしたいと思います。それではまた、よろしくお願いいたします!



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