アテネオリンピック自転車競技は8月15日のロード競技から始まりました。日本代表のトップを切って、男子個人ロードレースに田代恭崇・鈴木真理が出場しましたが、田代が57位、鈴木が途中棄権という結果となりました。
翌16日女子個人ロードレースには沖美穂・唐見美世子が出場、果敢なレース運びを見せましたが、沖が20位、唐見が41位でした。
トラック競技は日本代表選手のトップを切って、20日、女子500mタイムトライアルに大菅小百合選手が出場、自己ベストを更新する35秒045の日本新記録を出したものの世界との差は大きく10位に終わりました。
大菅コメント
「ギリギリでも34秒台は出したかったけどとりあえず自己ベストが出せたので良かったです。この結果に悔いは一切ありません。今年に入ってタイムが伸び悩んだ頃は"もうやめたい"と思ったこともありますが、シドニーでのワールドカップ第4戦に出場したあと世界選手権に出られず一人で帰国するという失意を味わったことで、気持ち的に開き直ることが出来ました。またそれが今日の結果につながったと思います。今後自転車を続けるかどうかはまだ考える余裕がありませんが、とりあえず次はスケートで2年後のトリノを目指します。」
21日は日本の自転車競技史において記念すべき日、男子チームスプリントが実施された日です。予選第1組目に登場した日本は第1走者長塚、第2走者伏見、第3走者井上のすばらしい走りにより44秒355で予選突破、そして1回戦では予選の記録をさらに上回る44秒081でオランダを破るとともに、タイム順から1-2位決定戦の進出が決定し、この時点で銀メダル以上が確定しました。1-2位決定戦ではドイツに敗れたものの、銀メダルを獲得し、1996年アトランタの十文字貴信の銅メダル以来、競輪選手がメダルを獲得しました。
長塚コメント
「念願のメダル獲得ですけどまだ実感がありません。日本に帰ってからいろいろ感じるんだと思います。今日はスタートの調子が良かったので17秒6はいけると思っていましたが、17秒5が出てたのでビックリしました。銀メダルは3人のチームワークの賜物だと思います。決定戦で負けたのは仕方ないことですが、あともう少し時間があったら金メダルも獲れたと思います。でもとにかく今日は井上君がよくがんばってくれたと思います。」
伏見コメント
「やりました。感無量です。この1ヶ月間少しオーバーワーク気味だったけど、いろんなものを犠牲にしてオリンピックを目指してきた甲斐がありました。今日は3人とも本当に調子良かったし、僕自身こっちにきて最高の調子だったのでやれる気はしていました。また、予選が1番スタートだったのもプレッシャーなく走れて良かったと思います。でも、走る前の目標タイムが44秒5だったので正直この結果には自分たちも驚いています。決定戦はいい勝負だったけど、僕が走り終わった時点で負けたと思いました。でもこの銀メダルは十分すぎる結果です。」
井上コメント
「この3人でメダルが獲れて本当に嬉しいです。走る前は緊張よりも気合の方が勝っていました。腰の痛みに関しては不安もあったけど、こっちに来て快方に向かっていたので大丈夫だと自分に言い聞かせていました。予選を走り終わった段階で痛みがなかったのでこれで行けると思いました。この1ヶ月間、集中してトレーニング出来たことがこの結果につながったと思います。」
22日に行われた男子スプリントでは出場した長塚は1/16決勝棄権、25日に行われた男子ケイリンに出場した伏見は1回戦敗者復活戦敗退と少し残念な結果となってしまいました。
また、ケイリンと同じ25日に行われた男子ポイントレースには飯島誠が5月の世界選手権6位という成績を引っさげて出場しましたが、実力を発揮できぬまま16位という結果に終わりました。
自転車競技の最後を飾るマウンテンバイクは27日に女子クロスカントリー、28日に男子クロスカントリーが実施されました。女子クロスカントリーに出場した中込由香里は22位、男子クロスカントリーに出場した竹谷賢二は38位でした。
2004年アテネオリンピックは男子チームスプリントで銀メダル獲得という快挙をもって終了となりました。
しかし、もう来年のワールドカップ、世界選手権そして次のオリンピックに向けた戦いが始まっています。
アテネオリンピックに対してはみなさまのご声援誠にありがとうございました。
そしてこれからの自転車競技にもご期待ください。
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