2007年トラック世界選手権自転車競技大会レポート(3月29日)
【スペイン・マジョルカ発】 - 第1報 -
 
 
第1報(現地 3月28日発)
 
 頑張れニッポン!2007トラック世界選手権自転車競技大会が29日、スペインのマジョルカ島・パルマ自転車競技場で開幕する。大会前日となる28日(現地時間)には日本チーム9人をはじめ、世界各国の強豪選手が集合。入念な周回練習を繰り返して、1周250m板張りバンクの感触を確かめていた。
 
会場となるパルマ自転車競技場
会場となるパルマ自転車競技場

ピットの風景、背中を向けているのは阿部良二コーチ ピット前のローラー練習風景、女性選手も混ざっています
ピットの風景
背中を向けているのは阿部良二コーチ
ピット前のローラー練習風景
女性選手も混ざっています
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 日本人選手は次のとおり。伏見俊昭(JPCA・福島)、井上昌己(JPCA・長崎)、中川誠一郎(JPCA・熊本)、成田和也(JPCA・福島)、渡辺一成(JPCA・福島)、永井清史(JPCA・岐阜)、北津留翼(JPCA・福岡)。飯島誠(JPCA・チームブリヂストン・アンカー/埼玉)、盛一大(愛知・愛三工業レーシングチーム)。 なお、各選手のエントリー種目については当日発表される。
 昨年12月に就任したフレデリック・マニエ監督の新体制で挑む初めての世界選手権。来年8月の北京オリンピックへ向けて目が離せない4日間になりそうだ。


伏見俊昭選手

伏見俊昭

「ダービーで燃え尽きた感じなので、正直疲れはありますね。時差ボケも多少あるけど、それは問題ないと思います。練習の感じは昨日の初練習の時よりは良かった。バンクも軽くて走りやすい。種目はたぶんケイリンです。チームスプリントはまだ出るかどうか分かりませんね。久しぶりの世界選だし、1つでも上に勝ち上がれるように頑張りたいと思います。ケイリンは位置取りがポイントになるでしょう」



井上昌己選手

井上昌己

「直前まで走っていた日本選手権(平塚)の疲れが残っていますね。なんだか体が重く感じます。それでも、自分は気持ちで走るタイプだから大丈夫だと思いますよ。バンクを試走した感想はあくまで普通かな。エントリーする種目が何かはまだ監督から言われていません。でも、出場するかぎりは力を出し切って頑張りたいと思います」



中川誠一郎選手

中川誠一郎

「世界選手権の出場は初めてです。メンバーに選ばれる感触はあったのですが、やっぱりうれしいですね。ただ、時差ボケが少しあるので本番までに治ってくれればいいのですけど。みんな強い選手ばかりですが、まったくリラックスしていて問題ないです。自分にとっては走りやすいバンクなので、まずは自己ベストが出ればいいですね」



成田和也選手

成田和也

「去年は世界選に出られなかった。今年は出場することが一つの目標だったので、ワールドカップを走った。自分のポイントで世界選手権に出ることができて充実感がある。今シーズンはアジア大会など毎月のように大会があって、フル出場という感じだった。チームスプリントとケイリンに出ると思うけど、今季の集大成にしたい」



渡邉一成選手

渡邉一成

「ダービーは活躍できなかったけど、直前に行われたナショナルチームの合宿で、競技向きの身体になっていたので、うまく切り替えられなかったのが原因ですね。まだ、身体は少しダルイけど、少しずつ状態は上がっています。バンクもクセがなくて走りやすい。種目はスプリントになりそうです。チームスプリントはどうなるかまだ分かりません。世界との差はまだかなりあるし、具体的な目標はないですけど、ベストを尽くすレースをします」



永井清史選手

永井清史

「昨年の12月に鎖骨を骨折したんですが、ここに来てだいぶ調子が上がってきました。ダービーには出場できなかったので、22日には現地に到着し、毎日練習しています。バンクも走りやすいし、昨日の練習では感じもかなり良かった。種目はスプリントだと思うんですが、何とか4位ぐらいまでに入れればいいんですけどね。マニエ監督はアマチュアの頃から教わっているし、本当に頼りになります」



北津留翼選手

北津留翼

「日本選手権競輪はしっかり調整したわりに、いま一つの結果に終わりました。疲れが少し残っています。パルマに着いたのは一昨日(26日)の夜中。寝不足と時差ボケを感じているけど、たぶん大丈夫でしょう。カントが立っていない(傾斜角度が緩い)バンクなので抜きづらいと思う。逃げるかカマすかしないと勝てないでしょうね」



飯島誠選手

飯島誠

「いい感じできている。これまで世界選のベストリザルトは6位(2004年メルボルン大会のポイントレース)なので、それを更新したい。ワールドカップは最後のマンチェスターだけだったが、そのときはスクラッチで5位になったので悪くはない。しっかり練習してきて、コンディション的にも気持ち的にも大丈夫だと思う」



盛一大選手

盛一大

「新しいバンクは走りにくくないので大丈夫だと思う。こちらには早めに入った。もう10日くらいになるので時差ボケなどはなく、体調もいい。世界選は去年に続いて2回目の出場となる。前回出たことで雰囲気とかにも慣れてきた。今回はおそらくスクラッチに出ると思う。落ち着いて走れば、いい結果が出ると思う」



マニエ監督

マニエ監督

「今回はみんなに経験を積んでもらい、色々なことを学んでもらいたいと考えています。だから、具体的な目標などはありません。ダービーが終わったばかりで、コンディションを整えるのが難しかったし、とにかくみんなにはベストを尽くしてもらいたい。まだ12月に監督になったばかりで、初期の段階だし、もう少し時間がほしかった。この大会の結果を踏まえて、新しいプランなども考えたいと思っている。若い選手を育てるのが自分の役目。先を見据えて指導していきたい」


~マジョルカから~

 現地へは27日の夜遅くに到着したのですが、到着早々、空港、街中のいたるところに看板、フラッグが並んで飾られ、この地の世界選手権成功への意気込みがさっそく伝わってきました。

年間晴天日数が300日以上あるという今年の世界選手権開催地、スペイン・マジョルカ島ですが、あいにく現地に到着以来、雨が続いています。しかし大会の会場となるパルマ自転車競技場はピッカピカの屋根付き新競技場で雨の心配は要りません。選手たちの走った新バンクの感触は上々とのことでしたが、会場のほうは何とか完成にこぎつけたといった印象です。装飾や最後の内装の工事などをやっていましたよ。

今日28日は競輪でいうところの前検日、各チームが明日からの大会に備え、最後の練習で汗を流しました。日本の大会は全プロ選手権をはじめ、何回か観戦したことがありますが、やっぱり世界選はどこを見ても外国人選手ばかり。また、日本に外国人選手を招致する国際競輪ともまた違う雰囲気で、明日からどんなレースを見せてくれるのか俄然楽しみになってきました。

29日の初日は、一日に5種の競技で競う新種目オムニアムをはじめ、男子個人追い抜き、女子チームスプリント、そしてメダルに最も近いと言われ、日本チームが最も期待をかける男子チームスプリントが行われます。ぜひ吉報をお届けしたいですが、注目のエントリーはこれから決めるとのこと。また、直前に終了したばかりの日本選手権の影響がどれほどあるかも心配なところです。

「自転車競技はつまらん」とおっしゃるお客様も多いですが、競輪もれっきとした自転車競技、少しでも興味を持ってもらえるようにこれから4日間、精一杯リポートしますので、皆様よろしくお願いします。

 
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