2008年世界トラック選手権自転車競技大会 (現地3月25日)
イギリス・マンチェスター発 - 第1報 -
 
 
第1報(現地 3月25日発)
 
 今夏の北京五輪出場枠をかけた2008年世界トラック選手権自転車競技大会がイギリス・マンチェスターで27日(現地時間26日)開幕する。大会前日の25日(現地時間)には、決戦の舞台となるベロ・ドロームで最終練習が行われた。世界37カ国の強豪300選手(女子93選手)が勢ぞろいする中、日本チームも周長250㍍(最大カント)の板張りバンクで最後の調整を行った。
  日本チームは8選手。男子は伏見俊昭、渡辺一成(JCPA・福島)、永井清史(同・岐阜)、北津留翼(同・福岡)、飯島誠(同・チームブリヂストン・アンカー)、盛一大(愛三工業レーシングチーム)、角令央奈(鹿屋体育大)。女子は佃咲江(北海商科大)。
  大会前日は伏見、永井、飯島、盛、角の5選手が参加した。調整終了後にフレデリック・マニエ監督から各選手のエントリー種目が発表された。男子は【チームスプリント】北津留、渡辺、永井(走者順)【ケイリン】伏見【スクラッチ】盛【ポイントレース】飯島【マディソン】盛、飯島【オムニアム】角。女子は【スプリント】佃。
  男子のチームスプリント、ケイリンは五輪出場枠の獲得が有力視されており、成績次第ではスプリントも浮上する。一昨年12月に北京五輪へ向けて元世界王者のマニエ監督を招聘。マニエ・ジャパンの最終関門突破へ期待が高まる。

ウォームアップを終えた伏見選手

《伏見選手・永井選手の談話》
伏見俊昭
「(静岡ダービーが23日に終わったばかりだが)疲れがあるとかマイナスなことは言わない。プラス思考で行くと決めましたから。終わってからは、地元に帰らずに東京に一人で寂しく泊まって(笑)翌日に出発です。昨夜は時差の影響で午後10時には眠くなって、朝5時には目が覚めました。ちょっと寝不足気味だけど、僕は出番が大会4日目からだから問題ないでしょう。前半は応援だけど、他のメンバーがチンタラしていたら、チェンジして出ます(笑)。マンチェスターは2000年の世界選手権で来ていて、チームスプリントは最高の4位になりました。バンクは軽くて走り易いし、永井(清史)のようなダッシュがある選手と練習できたので"アタリ”がついたと思います」


永井清史 
「2月の東西王座戦が終わってから3月1日から19日までの長い間、オーストラリアのパースで強化合宿をしてきました。暑さは屋内での合宿だったし問題はなかったけど、そこのバンクはカントがきついし走りにくかった…。それがあるから余計に今回は軽く感じるしいいですね。3回目のマンチェスターですが、気持ちよく走れそうです。オーストラリアの合宿で交代のタイミングなど不安な点は取り除けたし、21日からマンチェスターに移ってしっかり感触を確かめることができました。たぶん種目はチームスプリントだろうけど、いずれにせよ自転車競技では身体の切れが大事。体重も5キロ落とした81キロで体脂肪は10%まで落とすことができました。合宿でも設定タイムをクリアしたし今回は楽しみ。直前に休むとどうしても感じが上がってこないので、25日も伏見俊昭さんと軽く練習をしました。これでもう、大丈夫だと思います」


フレデリック・マニエ監督 
「この大会は北京五輪の五輪出場権を得ることがもっとも大事でそのことに集中したい。大切なのはベストを尽くすこと。目標はケイリンが準決勝進出、チームスプリントは6―8位、スプリントは10位以内だ。(今大会の)出場選手については男子のチームスプリントとスプリントが渡辺、永井、北津留の3人。ケイリンは伏見、スクラッチは盛、ポイントレースは飯島、マディソンは飯島と盛で、角にはオムニアムに出てもらう。女子の佃はスプリントとケイリンだ」

~マンチェスターから~
 
 北京五輪を8月に控え、その前哨戦である世界選手権が遂に開幕します。普段の力を出せば、チームスプリントの五輪出場枠は獲得できるものの、決戦を明日に控えたマニエジャパンはピリピリムード。この大会に対する意気込みがヒシヒシと伝わってきます。注目のチームスプリント、明日のオーダーは北津留・渡邉・永井。2月の東西王座戦を終え、オーストラリア・パースで合宿を行っていた同メンバー。北津留選手は第1走最大の役割、スタートダッシュを華麗に決められるでしょうか?明日は盛選手が出場するスクラッチ決勝も行われます。盛選手はとてもリラックスしたムードで、期待ができそうです。初日で両種目とも好成績を収めて、後の種目にリレーしていってほしいですね。

 

イタリアの伊達男・キアッパ。
復調の兆し
日本人以外の選手では、オランダのテオ・ボス選手、イタリアのロベルト・キアッパ選手、そして地元開催でいつも以上に気合の入るクリス・ホイ選手とブラッドリー・ウィギンス選手などがこの日見受けられました。近年、イギリスはクリス・ホイを筆頭に相当力を付けており、地元開催も相まってかなりの盛り上がりを見せそうです。実際、先のW杯コペンハーゲン大会の時点で、売り切れのチケットが出ていると聞いています。やはり、スポーツは観る側の声援があってこそ盛り上がるもの。ギャラリーの盛り上がりは選手の力の発揮にもつながります。お客さんがたくさん入ることはうれしい限りです。
 

オランダチームのブース。
顔を向けているのはテオ・ボス
イギリス個人追抜期待の星、
ブラッドリー・ウィギンス
 

 私がマンチェスターに着いたのは大会2日前の24日。現地に着いて、初めに驚かされたのがその寒さ。気温は3~4℃といったところ。ある程度の寒さは覚悟していましたが、段々と暖かくなってきている東京を経験していると、やはり「ぶるっ」と身震いしてしまいます。街中はレンガ造りの建物が並び、2階建てバス、“いかにも”的なイギリスのタクシー。しかし、道路は日本と同じ左側通行で幹線道路を見ると、一瞬日本の風景とダブって見えてしまいます。ここ、イギリスの言語はもちろん英語ですが、フランス語?が混じったようなしゃべり方をする方が多く、どうもイギリス英語というのは聞き取りにくいです。そして、遂に食しました。というか、食べてしまいました。イギリス名物、フィッシュ&チップス。…イギリス人はあまり食に対するこだわりがないようですね(笑)。

トラディショナルな雰囲気を醸す
イギリスのタクシー
街中でもちゃんとイベント告知してます
 
 
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