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【男子スプリント日本勢】 |
44人が出場した予選の200mタイムトライアル。日本では渡辺一成、永井清史、北津留翼の3選手が出場したが、渡辺が10秒275で15位、永井が10秒292で18位、そして北津留は10秒340とボーダーの24位。下位ながら全員が1/16決勝に進出した。しかし、その1/16決勝ではタイムトライアルでタイムの出なかった影響がもろにでてしまう。予選の着順で組み合わせが決まるだけに、日本勢の対戦相手は強敵ばかり。予選24位の北津留の相手はなんと予選1位のケビン・シロー(フランス)。パターン的には悪くなかったが先行した北津留を相手にしない圧倒的なパワーを見せつけられた。永井は地元英国のジェイソン・ケニーと対戦。永井は前へと踏み出すが、ケニーも早めに追いかけもがきあう。地元ファンの大観衆を受けたケニーにバックで交わされて好調・永井でも為す術がなかった。日本勢最後に出場した渡辺は予選10位のシェーン・パーキンス(豪州)と争った。ゴール前で猛烈に差をつめるが前を行くシェーンをわずかにとらえることができず涙を飲む。予選はクリアした3選手だが、1/16決勝で全員が姿を消した。
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スプリント1/16 北津留vsケビン・シロー |
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【渡辺一成】 「(出場種目を終えて)チームスプリントでは悔しい想いをしたし、スプリントの結果(1/16決勝で敗退)にも納得していない。チームスプリントで中国に負けたのは屈辱だったし、スプリント予選(200mタイムトライアル)は、日本記録(10秒191)を狙ったけどコンマ1秒足らず、僕らより小さい体格のアワン(マレーシア)が10秒160の記録を出している。やっぱり、日本はアジアでナンバーワンだと自負しているし、オリンピック出場枠も取れたと思うから、本番までにもっと上のレベルを目指さないと。競輪選手は、他国の選手と違ってまとまった期間のトレーニングができないのは不利だけど、それは言い訳に聞こえるでしょうし…。(北津留)翼などは、パース合宿で自分のスプリントを犠牲にして、チームスプリントのスタート練習に時間を割いていた。でも、これから3人(渡辺、北津留、永井)で国内外の試合を経験していけばもっと良くなる手応えは掴めています」 |
スプリント1/16 渡邉
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【永井清史】
「1/16決勝直前にマニエ監督から『競輪のように先行しなさい』と指示を受けたので、前に出てレースを進めたが結果的にワンテンポ遅かったです。ホームでは襲いかかられる感じだったしトップスピードが違いましたね。タイミングも合わなかったです。その分、併せ切ることができなくて…。ただ逆に言えば、もっと早めに加速して併せ切ることができれば、うまく逃げ切れたと思います。それだけの状態はキープしていたと思うので。予選の200mタイムトライアルを含めてスプリントではちょっと悔しい気持ちもあるが、僕自身は直前のオーストラリア・パース合宿で感じをつかめたし、初日のチームスプリントでは13秒474というタイムを出して自信もついた。この後の予定で決まっているのは4月10日からのアジア自転車競技選手権大会(奈良)と5月の全プロくらいでしょう。五輪の選出を含めてまだどうなるかはわからないけど、とにかくがんばっていきたい」 |
スプリント1/16 永井
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【フレデリック・マニエ監督】 正直言って、永井と渡辺については、もう少しステップアップして、上手に走ってほしかったが経験が足りない。2人は1/4決勝に行けるんじゃないかと思っていた。5月7日に五輪代表の公式発表を行った後に欧州かアメリカで合宿を行う予定だが、テーマはどれだけ世界との差を詰められるかだ。 |
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【男子スプリント1/4決勝】 |
8選手から4選手に絞る準々決勝。この1/4決勝の中で一番の好カードはテオ・ボスとクリス・ホイの組み合わせだった。世界選手権スプリント3連覇を狙ったボスは1回戦こそ内を抜ける芸術的なレースでホイを仕留めるが、後が続かない。ゴール前勝負になった2回戦を僅差でホイが制すると、3回戦も先行したボスに地元ファンの後押しを受けたホイが襲いかかる。ボスは、ケイリン王者のホイに3回戦までもつれ込んだ末に敗れ去った。フランス同士の対決になったケビン・シローとグレゴリー・ボジェも3回戦までいったが最後はケビンが競り勝った。ロベルト・キアッパとマイケル・ボーガンは1、2回戦ともに勝利し1/2決勝にストレートで進んだ。また5位―8位決定戦でも精彩を欠いたボスは8位と惨敗。UCIトラックランキングが日本の渡辺より下位だった有力選手・ボスの敗戦により、渡辺をポイントで下位から脅かす選手もいなくなり、基準内の順位に渡辺を送り込んだ日本のスプリント枠獲得が確定した。
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【男子団体追い抜き】 |
地元のイギリス勢がなんとワールドレコードで歓喜の優勝!4人1組で4000mを走り、3番目にゴールした選手のタイムを争う団体追い抜き。先頭走者を何度も入れ替え風のロスを避けながら走るという、チームワークを含めた華麗な走りが魅力の種目だ。決勝は予選で3分57秒734と世界記録にあと1秒という好時計をたたき出したデンマークと予選2位から逆転を狙う地元の英国との争いになったが序盤から終始、リードを保っていたのはイギリスチーム。徐々に差を広げ、コンスタントに1秒以上の差をデンマークに付ける。残り1㎞、そして2周、ラスト1周…。スピードを維持し続けたイギリスがホームファンの大声援の中3分56秒322でフィニッシュ。04年8月22日、アテネ五輪で豪州チームが出した3分56秒610を0秒288上回る世界記録で07年に続く連覇を決めた。去年に続くVで喜びを素直に現したのはウィギンズ。「まるで夢のようだよ。ファンの声援があったからこれだけの力が出せたのだと思う。少しびっくりもしているけど、もちろん北京五輪も意識していきますよ」。笑顔ながらもしっかりと次を見据えて話した。
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団体追抜で優勝した英国チーム
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男子団体追抜 表彰式
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【女子個人追い抜き】 |
決勝は、3連覇を目指すサラ・ハマー(米国)と予選トップタイムで、昨年の雪辱を期すレベッカ・ロメロ(英国)の対戦。序盤から地元ファンの大声援を受けたロメロが飛び出すと、ラップを重ねるごとに差を広げて圧勝した。会心のガッツポーズでファンに応えると、優勝インタビューでも興奮を隠さない。「2年前まではボートの選手で、自転車への転向は人生で最も難しいチャレンジだった。11月~3月は調子がドン底だったが、それを乗り越えられたことも重要だったと思う。とてもエキサイティングな気分で、今日は自分のための日だったと思うわ」
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個人追抜で優勝したレベッカ・ロメロ |
女子個人追抜 表彰式
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【女子チームスプリント決勝】 |
地元ペンドルトン、リードが33秒186をマーク、2位中国にコンマ757秒差をつけて英国に2年連続の世界王座をもたらした。まず、第1走者ペンドルトンが相手にコンマ040秒差をつける1位のタイム。このスピードをもらったリードも14秒098の1番時計でラップして快勝を飾った。
昨年に続いて、3度目のスプリント世界王座を狙うペンドルトンはゴール後のクールダウンもしばらく行えないほど力を出し切っていた。「大会2日目で金メダルが取れて、うれしい。自分たち2人は世界で最高のチーム」とリードと抱き合い、声を弾ませた。
07年は彼女のためにあった。世界選手権でスプリント、チームスプリント、ケイリンのトリプル金メダルに、W杯スプリント王者にも輝いた。今日3日目のスプリント制覇へ大きな弾みをつけた。 |
チームスプリントで
優勝した英国チーム
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女子チームスプリント 表彰式
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